ミニ特集:環境や生態系を考える本 海外その2
『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』
『自然保護の神話と現実 アフリカ熱帯降雨林からの報告』
『熱帯雨林』
『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』
フレッド・ピアス 草思社
●「邦題がおかしい」パターンの1つ。
侵襲種問題のメジャーどころについてのあるべき姿を脱構築し、落とし所リスト、つまり「あるべき新秩序を見据えるとこうなる」を描き出す、まあ、感情的吹き上がり(非論理的対処推進派)に対する冷や水系の著作。
外来種でもかわいらしい動物は支持を獲得できる場合がある。オオヤマネがそうだ。
食用ヤマネとも呼ばれるのは、アーモンドやクリを食べさせて太らせたオオヤマネが古代ローマで人気のおやつだったからだ。
おー、これが古代ローマでヤマネを飼育していた壷だそうです。中がちゃんと飼育用の構造になってる!https://t.co/YvgemWldiZ pic.twitter.com/S613hrCbSm
— 河島思朗 (@vdgatta) 2017年7月9日
クズ(葛)とともに、イギリスとアメリカで最も迷惑がられている外来種の植物はイタドリだ。どちらも日本産ということになるが、その点に関して深追いはやめておこう。
あっというまに広がったイチイヅタは、急速に姿を消しつつあったのだ。広範囲にわたって完全にいなくなった場所もたくさんあり、地中海のイチイヅタ騒ぎはほぼ終息した。
イタリアやクロアチアの海岸からも、イチイヅタが消えたことが報告されている。
”地中海のイチイヅタは地球上最大の単細胞生物といえるかもしれない。ドイツの水族館の水槽で耐寒性と強い繁殖力を身につけた突然変異体が、今も世界中に広がっている。” http://t.co/BwSsqJ6jHn 『藻類30億年の自然史 藻類からみる生物進化』井上勲
— 科学に佇むサンクコスト (@endBooks) 2014年3月31日
好評につき、文庫版が出ています ↓
「まるでちっちゃな豚だね」…Travel ChannelでAndrew Zimmernさんの番組「Bizarre Foods」がクロアチアのブラーチュ島を取り上げていた。フバル島もそうだけど、ここの島民は伝統的にオオヤマネを食す pic.twitter.com/CcM3Xeo2ba
— Masaaki Tominaga (@Svetislavkun) 2016年5月19日
外来種が役にたったというより、在来種が壊滅して抜けた穴を埋めたり、使われない栄養素の摂取などして均衡に向かったって辺りだろうな。
— おてつ (@guruado) 2017年7月18日
外来種は悪でない? 日本のオゴノリ、北米で生態系回復に一役 https://t.co/TBhFf8V41Y
外来の動物が日本を侵略しているニュースをみると、逆に日本から北米を侵略中の葛や英国本土を制圧しつつあるイタドリ、世界の海を制覇したワカメを応援したくなる
— sapporokoya (@sapporokoya) 2017年7月11日
『自然保護の神話と現実 アフリカ熱帯降雨林からの報告』
ジョン・オーツ 緑風出版
●現場の泥沼と実態!
業界の内部事情も多く、主義・理論や西欧ローカルの問題も含み、難しめの本です。
こちらで紹介
『自然保護の神話と現実 アフリカ熱帯降雨林からの報告』
『熱帯雨林』
湯本貴和 岩波新書 岩波書店
●『生き物屋図鑑』 にも登場する熱帯雨林先生による人気の一冊。
熱帯雨林にはかんたんな処理をして食べられる葉、つまり「山菜」がほとんどない。被食防衛物質によって守られているからである。
熱帯雨林というと、鉈(なた)で路を伐り開かなければ一歩もすすめないジャングルというイメージがあるが、熱帯雨林でもっとも繁茂している薮は林冠にあり、光エネルギーのほとんどとどかない林床に葉をしげらせている植物は少ない。
自然科学書の推薦を頼まれた。一冊挙げろと言われたら、2秒以内に加藤真の「日本の渚」(岩波新書)を挙げるのだが、絶版になってしまっているようだ。次に湯本貴和の「熱帯雨林」にしようと思ったら、これも絶版。自然科学書は良書から絶版になる法則がある。
— 丸山宗利 (@dantyutei) 2014年5月9日
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 海外その1』
『ミニ特集:海の生態系』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その4』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その3』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その2』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その1』