ミニ特集:中国に民俗を見る本 その1
『中国の憑きもの 華南地方の蠱毒と呪術的伝承』
『「死体」が語る中国文化』
『古代中国の犬文化 食用と祭祀を中心に』
『風水の社会人類学 中国とその周辺比較』
『東アジアの死刑』
『中国の憑きもの 華南地方の蠱毒と呪術的伝承』
川野明正
●古代中国で恐れられた蠱毒に近しい怪異習俗は、日本の讃岐地方に「トンボガミ」として伝わるという。
沖縄のイチジャマ(生き霊)も憑きもの筋の系譜なのか。
中国-日本の系譜の闇深さが味わえる。
人間の魂が驚いた拍子に抜け落ちやすいなどの信仰は、日本にもタイ族にもあり、稲作を生業とする民族どうしの基層文化上の共通性を背景に読み取ることもできるだろう。
故に、「魂消る」なんですよねぇ。 https://t.co/GXY8PvrW9e
— オヒョウ@2016=画163/字114 (@griffons7) 2016, 2月 13
ゆっくり読み進めている『中国の“憑きもの”―華南地方の蠱毒と呪術的伝承』が密度的にも物理的にも人を撲殺出来るレベル。
— 氏家 (@yasu42) 2011, 4月 21
『「死体」が語る中国文化』
樋泉克夫
●「現代の」中国で観察される、外部から見て珍奇な(当事者的には真剣な)葬送習俗のあれこれをご紹介。
数々紹介される話題は巷説レベルに近く、権威ブリッコもないし、肩の力を抜いて面白く拝読できる。入門者にはかなり有用な一冊。
[中国では]祖先を敬う行為は、心のあり方などという高尚な話ではなく、実はカネ儲けという現実的振る舞いを意味する。商売が上手でカネ儲けの才があるということが、祖先への尊敬の度合いの尺度になるのだ。
死後も肉体が残るかぎり、感覚は残ると信じている彼ら中国人は、可能なかぎり死体を原形のまま留めようとする工夫を重ねてきた。石灰や茶の葉は、乾燥剤であり防腐剤の役割をはたすことになる。
台湾などでは、埋葬してから十年ほどが過ぎても髪の毛や爪が伸びるだけではなく、寿衣の類も腐らない死体を「蔭溼屍」、全体が乾燥肉のように水分がなくなり、口をポカーンと開いたままの死体を「蔭乾屍」と分けて呼ぶそうだ。
「蔭溼屍」も「蔭乾屍」も、子孫に数々の不幸をもたらすと今でも信じられている。
肉じゃがむしゃむしゃ。どうでもいいけど『死体が語る中国文化』ちう本はなかなか面白い。良く考えたら13億人も人がいるんだから単純計算で13倍も人の死に日々触れているわけで、生死観というのも大きく分離していくのはうなずける。赤壁の戦いで14万人も死ぬような国だもんな
— 冬木糸一 (@huyukiitoichi) 2010, 7月 31
【気になる本】樋泉克夫『「死体」が語る中国文化』。帯文によれば「中国人は死んでも「千の風」にならない」w遺体への強いこだわりがもたらす特異な死生観を解き明かす。
— 松崎貴之 (@gelcyz) 2013, 11月 9
『古代中国の犬文化 食用と祭祀を中心に』
桂小蘭 大阪大学出版会
●日本の研究と中国の古代、そして今の習俗を、つなぎ目を意識させることなくうまく融合させた労作&佳品。
こちらで紹介
『古代中国の犬文化 食用と祭祀を中心に』
『風水の社会人類学 中国とその周辺比較』
渡辺欣雄 風響社
●日本を含め、全体研究の少ないアジア各国の風水事情を掘り下げる先達の慧眼。読み応えたっぷり。
こちらで紹介
『風水の社会人類学 中国とその周辺比較』
『東アジアの死刑』
富谷至 編 京都大学学術出版会
●古今の東アジア(中国、韓国、日本…)の死刑各種について、広範かつボリュームたっぷりに述べ綴る国際共同研究。
今どきの日本の衆生が持つ死刑観(宗教感覚)の相対化にすこぶる便利だよ。
こちらで紹介
『東アジアの死刑』
『ミニ特集:中国に民俗を見る本 その2』
『ミニ特集:中国に民俗を見る本 その1』
『ミニ特集:中国ソシャゲ用資料』
『ミニ特集:中国について読む本 その4』
『ミニ特集:中国について読む本 その3』
『ミニ特集:中国について読む本 その2』
『ミニ特集:中国について読む本 その1』
『ミニ特集:台湾について読む本』
『ミニ特集:東アジア、東南アジアを読む本』
『ミニ特集:韓国の文化と社会 その3』
『ミニ特集:韓国の文化と社会 その2』
『ミニ特集:韓国の文化と社会 その1』
『ミニ特集:韓国を文化人類学する』