皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
今年の夏も暑かったですね(過去形)
現在進行形でまだ暑い地域もあると思いますが、筆者の地域はようやっと気温が30℃を上回る日がなくなってきました。
まだまだ暑い地域でお過ごしの方は、熱中症対策を継続して実施していきましょう。
さて、前置きはこの程度にして本日はとあるハンドヘルドコンソールについてのお話をば。
皆さんはAnalogueという団体をご存じでしょうか?
まぁ詳しい話は数多のレトロゲーム好きたちが各々ネットに書き込んだりしているのでAnalogueについての詳細をここでは語りませんが簡単に説明しますと、
”ファミコンなどのレトロゲーム互換機を製造販売しているところ”
といった感じです。
互換機と十把一絡げにいっても互換へのアプローチ方法が複数あります。
このAnalogueが輩出する互換機群はFPGA(Field Programmable Gate Array)という集積回路、いわゆるICを利用して作成された互換機となっております。
そのAnalogueでは、FPGAを使用した互換機としてファミコン(NES)、スーパーファミコン(SNES)、メガドライブ(Genesis)を再現したハードウェアを製造してきました。
不肖、私もそれぞれ上記の互換機を所持しております。
なんといっても、アップスキャンコンバータを利用せずにHDMIのデジタル映像を出力できる点が魅力です(これだけで言えば他の格安互換機でもあるにはありますが…………)
他にも実機で使用できたアクセサリー(純正コントローラや拡張機器など)が利用できるというのも強みですね。
んで、今回紹介するのは現在も販売されている(正確に言えば終売宣言はされていない)ゲームボーイ/カラー/アドバンス互換機である”Analogue Pocket”です。
つい先日、本体のみは我が家に着弾したのでご紹介をと思いまして。
以下、本日のお品書きです
いざ、開梱の儀
着弾してさっそく開封したときの画像がこちら
いつも通りのマットブラックで仕上げられた高級感ある箱の中にPocket本体、USB-C充電ケーブル、簡易操作説明書&ステッカーが封入されております。
今回私が購入したのは黒モデル、ラインナップには白モデルもございます。
液晶の解像度ですが、こちらなんと1600×1440pxlsございます。
この解像度、実は実機ゲームボーイ/カラーのちょうど10倍の数でございまして(実機解像度は160×144)整数倍の画面拡大になるのでドットの表現がウルトラ奇麗になっております。
また、その高い解像度を活かして実機のようなピクセル同士の間に見える格子状の隙間を再現した画面モードなんてのも実現できます。
本体底面には実機ゲームボーイ(初期型除く)/カラー/アドバンスでおなじみの通信端子、充電やSDカードリーダーモード時のPC通信用、別売の専用ドック"Analogue Dock"との接続を行うためのUSB-C端子、電源インジケータLED、赤外線受光部、イヤホンジャックを備えております。
本体上面には、ゲームカートリッジを挿入するスロットと、LRボタンがあります。
正直、このLRボタンは押しにくいと感じました。
本体背面のカートリッジスロットですが、GBAのカセットを挿入するとそれなりに安定感はありました。
ですが、GB/GBCのカセットを挿入すると高さがある分抜けやすそうなイメージを持ってしまいました。
普通にプレイしている分には全く抜ける心配はありませんが、ちょっとカセットの上部分に何か物が引っかかったりした際にグラつきが起こるため外れる可能性があります。
プレイしながら本体を持ち歩いたりする際は注意が必要です。
どんな機能があんねん?
では、このAnaloguePocketの特徴的な機能を見ていきましょう。
GB・GBC・GBA互換
なんと言ってもGB・GBC・GBAのカートリッジを挿入することで互換機として動作すること。
しかもその他に別売りのGame Gear AdapterやPocket Adapter Setを使用することでGameGear、PCエンジン、NeogeoPocket、Lynxの4種類のゲームソフトを遊べるようになります。
先ほどPocketの画面解像度が1600×1440pxlsと書きましたが、GBAの画面解像度は240×160pxlsとなっており残念ながら整数倍の拡大表示とはいきません。
ですが、見る限りほぼほぼ遜色のないドットバイドット表示のように見えています。
GG等の別アダプターが必要なソフトについては専用アダプターを購入していないので私の環境では遊べません。
実機の画面を再現する画面モード
素の状態ではゲームプレイ時の画面はPCのエミュレータでプレイするようなピクセルの隙間がないキッチリとした出力になっていますが、実機の液晶の見え方を再現するモードがありまして、Pocketの1600×1440という広大な解像度を利用してわざとピクセル間の隙間を表現するということをしております(まぁ最近のエミュレータや実機にビルトインできるタイプのIPS液晶なども同様のモードを持っているはずです)。
以下がGBAソフトを起動している際の画面モードの画像です。
何も設定せずにGBAのソフトを起動するとこのような表示となります。
これはこれで綺麗な映像なので、プレイが捗ります。
Analogueボタンを押しながら十字キーの右を押すとこの状態になります。
これは実機GBAの液晶表示を再現したモードとなっており、少し彩度も落ちた表現になります。
さらにAnalogueボタンを押しながら十字キー右を押すと、この状態になります。
これは実機GBASPの画面表示を再現したモードとなっていますが、ネタ元が日本で発売されていたフロントライト式なのか、海外で発売されていたバックライト式なのかは不明です(まあ101という数字からして日本未発売のバックライト式SPのことでしょうね)。
自分は古いゲームが好きですが、基本的にドットバイドットのくっきりはっきりとした表示でゲームをするのが好きなんですよね。
実際、レトロフリークやアップスキャンコンバータ(RetroTINK 5X Pro)にはブラウン管アナログテレビの表示感を再現するスキャンラインオプションがあるのですが、自分は一切使っていません。
Youtubeで配信していらっしゃる方で、結構このスキャンラインオプションを適用してプレイしている方が見られるのですが、自分はその時点でブラウザバックしてしまうほどには毛嫌いしています(画面が暗くなるし、見づらくもなるから)。
ただ、このGB/GBC/GBAの液晶表示を再現するエフェクトはなぜか気に入ってしまったので、適用した状態で遊んでいます。
Open FPGAを利用できる
これは大きな特徴だと思います。
以前のAnalogue製品は"基本的に"ユーザーへシステムを解放したりはしておりませんでした(ジェイルブレイク、所謂脱獄と呼ばれる公式ではないファームウェアを導入することでその制限が解放される)。
もろちんPocketでもJBはできるようなのですが、そんなことせずともPocketのファームウェアを現時点で最新にするだけでOpen FPGAという機能が解放されます。
この機能によって有志が開発したコアを導入し他の機器の動作も可能になってしまいます。
例えば、ファミコンやスーパーファミコンが遊べてしまいます。
ただ、これらのコアでゲームをプレイするには実際のゲームカセットから自炊したROMデータが必要となるため、カートリッジダンパーやレトロフリークは不可欠となります。
またコアによっては実機からBIOSなどを自炊して導入しなければならないものもあるため、ただゲームが好きで遊びたい機械に苦手な方には若干難易度が高くなってしまいます。
上記に挙げたファミコンやスーパーファミコンのコアはROMを用意するだけで十分ですので、持ってない場合は別途ダンパーを購入し自炊すればゲームが遊べます。
あれ?実機カセットからROMを自炊できる人にとってはnt mini noirやsuper nt、mega sgの存在意義がなくなるのでは…w
上で以前のAnalogue製品の存在意義がどうのなどと私が述べていますが、注意すべきは”Open FPGAで提供されているコアは有志の方々が作成してくれているもので、完璧な再現性がない場合がある”ということです。
なのでsuper nt+実機カセットでは遊べたゲームがOpen FPGA+自炊したROMデータでは正常に遊べないと言った事象も発生するかもしれません。
そういう注意点があると頭に置いていただければと思います。
※Pocketのファームウェアアップデートや、Open FPGAでのコア・ROM使用にはmicroSDカードが必須です。
nanoloopというGB音源シーケンサーがある
ここについてはまだあまり遊べていないのでなんとも言えんのですが、nanoloopというシーケンサーソフトが内蔵されています、
昨今、チップチューン音楽も盛んですし、これを機に遊んでみるのも良いと思います。
Pocketの周辺機器としてMIDIインターフェースケーブルとUSB-MIDIケーブルがあるため、外部のMIDI機器からタイミングクロックを入力し様々なシーケンサ媒体と同期演奏ができるといったものになっているようです。
※筆者はPocketとその他周辺機器を別日に買っているので、まだPocket本体しか手元にない状態です。
GB/GBC/GBAと通信することができる
これも強みかと思います。
FPGAという特性上、実機のアクセサリなどの利用が可能なのですが、PocketはもちろんGB/GBC/GBAの互換機ですから、それらと通信ケーブルで実際に通信を行うことができます。
Analogueのストアページに"Pocket to Pcket Link Cable"という製品がありますが実はこれ、任天堂純正のGBCアクセサリの通信ケーブル、GBAアクセサリの通信ケーブルを使用することができます(なので筆者もこのLink Cableは購入していません)
ポケットモンスターエメラルドで確認をしたところ、実際にGBA実機との通信が行えました。
ワイヤレスコネクタもちょいとひと加工すれば使えると思うので、今度やってみようと思います。
また、GBCには赤外線送受光部がありましてGBC同士で赤外線通信を行うことが可能となっています。
有名な例で言えばポケットモンスター金銀クリスタルの”ふしぎなおくりもの”でしょうか。
こちらの機能については、筆者の環境では確認を行なっておりませんが実際に通信を試みたネット記事がありました。
現時点での不満
本体のみでですが色々触って、「あれは良いけどここはなぁ…………」という点がいくつかあったので、現状の不満を以下に書きます。
十字キーの質がよろしくない
これ、結構ゲーム機として致命的かと思います。
十字キーの方向転換が固いんですよ、シミュレーションゲームのようなものではさほど気にならないですが、ドンキーコングやカービィ等のアクション系ゲームだと結構ご入力、入力したはずなのに入力出来てないことが多々あります。
ポケモンでも、マッハ自転車を扱うようなシーンでは結構運転ミスが起こりました。
ABXYボタンは申し分ないんですけどね。。。。。。
あとついでにLRボタンの押しやすさもちょっとよろしいとは言えませんでした。
基本LRボタンを押す時ってそれぞれのボタンの端(外側)を推す感覚だと思うのですが、Pocketの場合はその逆側―根本というべきでしょうか―を押さないとうまく反応しないことがあります。
通信端子とUSB-C端子が両方底面…………妙だな。
皆さんPocketを購入した方の大抵は同時にDockも購入しているかと思います。
で、これDockと接続している画像を見る限りPorcket本体底面のUSB-C端子とDock建てる形で接続しています。
あれ、Dockに搭載した状態で通信ケーブル使えないのでは…………?
という不満にぶち当たりました。
たとえTVに投影していようとも、いや、TVに投影しているからこそ(本体が固定されていて安定しているため通信ケーブルの接続不良も起こりにくいので)通信ケーブルを使いたくなるものなのですが、なんとそれが許されない作りになっています。
「通信しないよ!」という人にとってはどうでもいい話かもしれませんが、ちょっと残念でした(買う前に知ってはいましたが)
本体、少し熱持つね
いやー、これはもう機械にとってしょうがないことだとは思うんですが持って遊んでいるとほんのりと熱を持ちます、いや本当にほんのりレベルなんですけど。
ただ、実機GBCやGBAではそんなことはなかったので、感覚の違いに少し戸惑いました。
確かに、super ntやmega sgも遊んだ後に触るとあったかくなっているので(現代のICの処理速度や消費電力的にも)しょうがないことなのですが、ハンドヘルドタイプだからこそ気になってしまう点でした。
サーモグラフカメラとかは持っていないので、体感でしかお伝え出来ませんが皮膚の表面温度+3℃ほどの温度だと感じました。
総じて
まあ上でいろいろと文句を書きましたがそれでも自分にとっては文句はないかな、と。
ただ、値段が値段なので(Pocket$219.99+Dock$99.99)相当に当時のゲームが好きで今でもプレイするぞ、という方にしかおすすめはできませんね。。。
普通の人は中古で安い実機を買うか、コロンバスサークル製の互換機を買うなどで事足りそうではあります(いうて今実機も高いんですよね)。
次はDockが到着したら記事を書こうと思います。
では