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所有しているカメラについて、マニアックな 分析を行う「カメラマニアックスEX」シリーズ。 今回は、「CANON EOS M5の用途」編とする。 ここのところ、不定期で「機体別用途編」を 掲載しているが、その第2回目記事である。 これは、CANON EOS M5(2016年発売のAPS-C型 ミラーレス機)のただ1台のみに、9種類の 全く異なる特性を持つ多種多様のレンズ群を 装着し、その事でCANON EOS M5を、より広い 用途に活用する為の提案や紹介を行う記事だ。 (注:EOS M5や、EOS Mシリーズ機全般は既に 生産完了となっている短命なシステムだった。 コロナ禍やカメラ市場の低迷等の理由があったに せよ、ユーザー層に「使い捨て」と強要するような メーカー側のスタンスが、ますますマニア層等での 新製品カメラ離れを強く引き起こす悪循環だ) なお、レンズの紹介順は、発売年等には沿わず 順不同とする。だいたいだが、記事の後半になる に従って、マニアックな用法としていく。 --- では、まず今回最初のEOS M5システム。 レンズは、CANON EF-M 15-45mm/F3.5-6.3 IS STM (中古購入価格 8,000円)(以下、EF-M15-45) カメラは、CANON EOS M5(APS-C機) 2015年に発売されたEOS Mマウント ミラーレス機 専用の純正標準ズーム。 これは、いわゆる「キット(標準)ズーム」である。 キットズームだが、まず、カメラ本体を購入時に それが付属して来たとする。まあ、その時点では 当該マウントのレンズを(普通では)他には所有 していない訳だから、入門層等においては必要で あろう。 そして、その際のキットズームの性能や描写力が 低いと、ビギナー層等では、そのカメラ自体や メーカー全体が、品質や技術力が低いものであると 誤認識してしまい、「EOS M5はイマイチだ」とか 「CANONはダメだ」とかの悪評判が拡散されてしまう。 勿論、そんな訳ではないが、そう誤った判断をして しまうから、それ自体が「ビギナー」な訳だ。 そして、残念ながら、近年で新鋭カメラを購入する 消費者の殆どは、そうした「完璧なビギナー」層だ。 そうならないように、各メーカー(特に、入門層 向けのカメラを戦略的に重視するCANONにおいては) では、付属のキットズームの性能には手を抜かず、 加えて、持続的な改良・改善も欠かしていない。 CANONは、銀塩時代の1990年代(銀塩EOS Kiss等) 2000年代のデジタル一眼(EOS Kiss Digital等) 2010年代のミラーレス機(EOS Mシリーズ等)の キット(標準)ズームの小改良を繰り返して来た。 恐らくだが、ビギナー層が目で見てすぐ分かる弱点、 すなわち解像感や歪曲収差等は重点的に改善を続け ビギナーでは判断しにくい特性、例えばボケ質等は 改良の重要度を下げていたと思われる。 (=つまり、限られたコスト等の制約の中では、 何かの性能を高めると、他が犠牲となるトーレド オフ関係になる事が普通だからだ) 又、ビギナー層が、撮影者側の問題だと判断できる 弱点、例えば、逆光耐性が低い、等については 「ああ、逆光で撮ったらダメだよね」という点で 理解しやすく、不満になりにくいから、この手の 性能は、あまり重点的に高める事はしていない。 事実、本EF-M15-45は、ボケを活用するような 用法は、スペック上でもできないし・・ 逆光耐性に優れないし、加えて、コストダウン の為か、フードも付属しておらず、別売である。 まあだから、このあたりの商品企画上のコンセプト や長所短所を理解しておけば、それを回避しながら 使う事で、十分に実用価値はある次第であり・・ 「付属のズームだから」と、軽く見たり、後日に もっと高性能のレンズを購入したりした場合でも、 あまり無駄にはならないと思う。 個人的には、本レンズはイベントの記録撮影時での 会場記録撮影や参加者のスナップや集合写真用途に EOS M5とのセットで購入したものであり、システム の小型軽量化の目的と、安価なレンズなのでラフに 使って壊してしまっても構わない、という消耗用途 を目的としたものである。 逆光耐性が低い点は、購入後に気づいたのだが、 まあ、それは別売のフードを購入し、逆光問題を 少しでも改善しようとし、かつ雨天等でもフードに よりレンズに水滴がかかりにく、加えて、レンズを どこかにぶつけた際にもフードによる衝撃保護の 目的を兼ねている。 ただまあ、「フードくらい付属しておいてくれよ」 と思う気持ちも強い。(参考:1,300円程度だった) システム全体の弱点としては、バッテリーの持ちが 悪い事であり、同一バッテリーを使用する同時代の 同クラスの同社デジタル一眼レフのEOS 8000Dと 比較すると、実使用上では、半分程度の枚数しか 撮影する事が出来ない。 これはちょっと誤算であり、イベント記録撮影時の 丸一日の撮影には向かないので、長時間の使用時 では、他機EOS 8000Dからバッテリーを抜いて それを予備バッテリーとする措置を取っている。 なお、バッテリーの持ちは、撮影者のスキルや 撮影技法にも大きく依存する。 持論では、CIPA規格での撮影可能枚数表記の 5~6倍は持たせるように、と留意してはいる。 多くの機体でそれは可能なものの、本機EOS M5 では、そこまでは持たないケースが大半だ。 (参考:CIPA規格/基準の5倍程度の撮影枚数を 得る事は、結構難易度が高い。ビギナー層では まず不可能な話だ) 後、注意点であるが、本機EOS M5でのEVF内等 での被写界深度の事前確認は、プレビュー(絞込み) 操作が必須となる。だが、プレビューはカメラを 購入時でのデフォルトでは確か、どこにもアサイン されていなかったと思うので、ユーザー側が、その 機能を必要するか否かで、カスタマイズしないと ならない。(恐らくは他のM/Rシリーズ機も同様か) なお、プレビュー(絞込み)の構造や操作系仕様は 各社により異なり、例えばSONY αミラーレス機や FUJIFILM X機等では、純正(専用)レンズを使用 する際には、絞り値を電子ダイヤル等で変更した 際に、ただちにEVF等で、その被写界深度は確認が 可能だ。(つまり、実絞り測光となっている) だが、これは作画上では優位があるが、あまりに 大きく絞り込むと、EVFの描画フレームレート (速度、コマ数)が低下したり、または表示画面 がノイジー(ざらつく)になったりしてしまう。 だから、メーカーによっては、旧来の一眼レフ時代 の光学ファインダーによる操作系概念に合わせ、 一々、プレビュー(絞り込み)ボタンを押さないと、 被写界深度が確認できないスタイルの場合も多い。 そのSONY機ですら、α Aマウント二桁機では EVF仕様ながら、一眼レフでの概念に合わせて、 都度プレビューを押すタイプとなっている。 さらに言えば、この仕様は、使用レンズとの 通信プロトコルの関係性にも依存するであろう。 α Aマウント機では、旧MINOLTA時代のレンズも 使用可能な為、古い通信仕様であったかも知れない。 それと、勿論だが、電子通信を行わないオールド MFレンズ等をマウントアダプタ-を介して装着 した場合では、レンズの実絞り値は、手動操作と なるので、そのまま、EVFや光学ファインダーで 被写界深度が確認できる為、プレビュー操作を 行う必要性は無くなる。(注:EVFでは表示は暗く ならないが、絞り込みすぎると前述の課題がある。 又、光学ファインダーでは、絞り込むと暗くなって 映像が見え難くく、MFでのピント合わせが難しい) なお、いつも言っているが、デジタルでの被写界 深度の具体的な計算は、その定義がはっきりして おらず、銀塩とデジタルでは許容錯乱円の概念も 異なる為、あまり正確な数値は出せないし、 場合により、撮影距離やレンズの解像力等でも、 その数値は変わって来るかも知れない。 また、これもいつもの苦言だが、デジタル光学の 世界では用語の定義すら、はっきりしていない。 だから、いくら、ちゃんとした文献や資料等を 参照/引用したとしても、そこに書かれている 用語は、研究者、メーカー、時代、市場、業界等 で、まちまちとなるので、あまり参考にならない。 例えば、被写界深度ではなく「視野深度」という 用語もあるが、これは超音波診断装置(超音波 エコー等)の医療機器で主に使われる用語であり、 これは、カメラ界では、まず使われない用語だ。 (→英語的には、どちらもDepth of fieldだ) しかし、カメラ界でも、写真の場合と産業用 カメラでは、また用語が異なる場合もある。 さらには、光学原理の世界では、対象となる 被写体の位置近郊では「被写界深度」と呼ぶが、 レンズを通って結像側(センサー面等)では 「焦点深度」という概念が用いられる場合もある。 まあ要は、「あまり真剣に勉強しても、混乱が 助長されるだけ」という事になるかも知れない(汗) ユーザー側は、その所有カメラシステムにおいて 自身の撮影条件において、必要と思われる機能を 必要な時に呼び出せば良い訳であり、あまり原理等 を振りかざしても意味が少ない。 例えば、本EF-M15-45で、被写界深度のプレビュー (事前確認)は、このレンズの仕様や主たる撮影 環境/用途の上では、ほとんど必要性が無い事だ。 実焦点距離と撮影距離からなる、「経験則」での 予想程度で十分だと思う。 (例:撮影距離5mでの集合写真で、18mmの実焦点 距離での撮影ならば、絞りをF5.6程度に絞ると 被写界深度は、ほぼパンフォーカスとなる為 集合した人物の全員にピントが来る、等の予測。 --- 銀塩時代での、被写界深度目盛りが付いている MF広角レンズを多用した経験があれば、だいたい それを見て、覚えている/感覚値がある、と思う) --- さて、2つ目のシステム。 レンズは、銘匠光学 TTArtisan 35mm/F1.4 C (新品購入価格 9,000円) カメラは、CANON EOS M5(APS-C機) 2020年末に発売された、中国製のAPS-C型以下 ミラーレス機専用、MF準広角(標準画角)レンズ。 EOS Mマウント版を購入している。 当初「ゾナー構成である」と称して発売された レンズだが、良く良く見ると、これは変形ダブル ガウス型、いわゆる「プラナー型」であり、 「ゾナーとプラナーの区別がついていなかった」 という、販売(メーカー)側での、お粗末な話だ。 勿論、その両者は、まるっきりの別物である。 いや、むしろ「両極端」「正反対」とも言える 設計思想で生まれて来たような出自を持つ。 (参考関連記事:レンズマニアックスEX 第7~第8回「PLANAR vs SONNAR」前後編) なお、「ゾナー型うんぬん」のキャッチコピーに ついては、後日、Web上等からも削除されている。 だが、その手の著名ブランド銘は、それをアテに して買おうとする消費者層も居る訳だし、そうした メーカー発表は、他の新製品レビュー記事等でも、 元の内容をコピーしただけの「二次情報」記事も 極めて多いので、瞬時に誤った情報が拡散されて しまう。だから、大元を間違えてしまったらNGだ。 (まあ、元ネタをコピーしただけのレビュー記事が 多い事も大きな問題点だ。そんな調子では何も確認 や検証を行わずに記事等を書いていると思われて、 なんだか、全てが信憑性の低い記事となってしまう) さて、いきなり「ケチ」が付いたレンズではあるが 変形ダブルガウス型構成で完成度が高かった銀塩 時代のF1.4級標準レンズの設計を2/3に縮小した 「ジェネリック・レンズ」だと思われる。 元々の性能が高いので、コピー品の描写力も まずまずであり、おまけに価格が極めて安価なので とてもコスパの良いレンズだ。 小型軽量である特徴を鑑みて、これまた小型軽量 であるEOS M5の常用標準レンズとしては適して いる。ただし、開放F1.4の大口径は、最高でも 1/4000秒で、電子シャッター無し、のEOS M5の シャッター性能とのマッチングは良くない。 日中では、すぐにシャッター速度オーバーと なってしまうのだ。(注:「セイフティシフト」 機能は本体側に存在するが、勿論ではあるが 電子制御式の絞りのレンズでしか有効では無い) これを防ぐ為に、せっかくの大口径レンズを常時 絞り込んで使ったら無意味である。そこで 本レンズには、ND4(減光2段)等のフィルターを 装着する事が、日中において絞り表現の自由度を 高める為には必須となる。 ただ、φ39mmの小径フィルターでのND4は、 なかなか入手性が良くない。特注品とかになって しまうと、新品6,000円台と高額だ。 9,000円のレンズに6,000円のフィルターを装着 する酔狂な人は居ない。個人的な持論においては 「フィルター5%の法則」を提唱していて、レンズ の付属品では、その5%の価格比率を超えない ように配慮してきた。まあつまり500円までだ。 ただ、2010年代からのレンズ市場の縮退を受け 2019年頃から、各種フィルターも大幅に値上げ された。その値上がりは従来(2010年代前半) の、少なくとも3倍から10倍程度となっている。 それらは高付加価値型(高透過率、コーティング、 撥水等)となっているが、大幅値上げは、やはり 全く嬉しくない。 結局、本レンズ用には、カメラ店のジャンクの ワゴンから、φ39mmのC-PLフィルターを安価に サルベージして使っている。C-PLは円偏光と言い 通常のPLに位相差板を組み込んで、AF機能等 への影響を低めたもので、基本的にはAFレンズ 用だが、その偏光度合いを回転調整し、露出値を 1/4(2段落ち)程度にすれば、MFレンズに 使った場合でも、減光および偏光の効能は出る。 (注:通常のPLでも十分である。なお、参考だが PLやNDフィルターは、経年劣化が大きく、およそ 使用10年程で黒色部にムラが発生したりする為、 消耗品と考えておく事が無難だ。ただ、その際に 前述のフィルターの大幅値上げが痛い) まあ要は、利用者が必要とする効能が得られれば 良い訳である。現代の高付加価値型商品の多くは、 どの市場ジャンルであっても、消費者層の不安を 煽って高額な商品を買わせようとする傾向が強い (例:菌がつくから除菌しなさい。手ブレをするから 優秀な手ブレ補正機能内蔵のカメラを買いなさい。 ピンボケするから超音波モーター入りのレンズを 買いなさい・・??? →全くの詭弁だ)・・ので、 あくまで消費者は、自己判断、自己責任の上で 不要と思われる付加価値が入っている物/商品の 購入を避ければ良い。それが消費者に与えられた 「選択権」であるから、メーカーやら宣伝広告 等の言うがままで消費行動を起こしていたら、 それはもう完全に「消費者の負け」の状態だ。 総括だが、近年の海外製(中国製等)格安レンズでは EOS M(EF-M)マウント版が多く販売されている。 勿論、MFでの利用になるが、純正ラインナップでの レンズが少ないEOS Mマウント機用では、こうした 海外製格安レンズの有効活用は悪く無い選択だ。 (追記:アフターコロナ禍の時代、こうした 中国製等の海外製格安レンズのラインナップは かなり減ってしまっている。その理由は分析できて いるが、長くなるので、また別の機会に・・) --- さて、3つ目のEOS M5システム。 レンズは、CANON EF 40mm/F2.8 STM (中古購入価格 12,000円) 電子アダプターは、CANON EF-EOS M カメラは、CANON EOS M5(APS-C機) 2012年に発売された、フルサイズ対応薄型AF 準標準レンズ。 電子アダプター「CANON EF-EOS M」は、 一眼レフ用のEFおよびEF-S(APS-C専用)の いずれのレンズも装着可能であり、交換レンズの ラインナップがとても少ない(CANON純正では 7機種しかない)EOS Mシステムを活用する上で、 必須のアイテムである。 そういう状況(EOS Mの救済)がある為、価格も そう高価ではなく、中古ならば5,000円程度で 購入できる電子アダプターだ。 又、EF/EF-S兼用という点も好ましく、 例えば、フルサイズデジタル一眼レフのEOS、 つまりEFマウント機には、APS-C機用のEF-S マウントレンズは、一切使用できない(物理的に 装着する事すらできない)という、CANON側にある 問題点(注:NIKON/SONY/PENTAX機等では、 フルサイズデジタル一眼レフに、APS-C専用レンズを 装着する事が、物理的にも実用的にも可能である)を、 EF-EOS Mの使用で緩和できる。 もっとも、この点に関しては、CANON APS-C型 デジタル一眼レフは、その最初期(EOS D30等) の機体を除き、EF、EF-Sの、どちらのレンズも 装着可能である為、EOS MシリーズはAPS-C型機 であるから、当然の仕様とも言えよう。 EOS EF-M電子アダプターでは、システムとしての 機能、すなわちAF、シームレス(フルタイム)MF 像面位相差AF(デュアルピクセルCMOS AF)機で あれば、その機能、手ブレ補正、超音波モーター またはSTM、LED照明搭載レンズでの、その点灯、 等の全ての機能を活用できる。 CANON純正レンズでは、まず問題は起きないが、 CANONの旧型AFレンズをコピー設計して市販化 されている中国YONGNUO(ヨンヌオ)社製の EFマウントレンズにおいては、通信プロトコルが 異なる為、動作が怪しくなるケースが多いので 注意点である。(注:YONGNUO製のEFマウント レンズは、EOSデジタル一眼レフならば正常動作 する)なお同様に、他社の中国製格安AFレンズ (例:Meike MK85/1.8)でも動作が怪しい。 総括だが、EF-EOS M電子アダプターを用いて 市場に豊富にある、あるいは既に所有している、 EF/EF-Sマウントレンズを活用する事は、EOS M5 の利用形態において必須だと思われる。 AFの性能低下等を懸念する向き(懸念)もあるかも 知れないが、あくまで、レンズや母艦の性能次第 であるし(注:EOS M機で像面位相差AF機能が 搭載されている機種は、さほど多く無い) また、ピーキング機能が搭載されているEOS M5 であるから、AFが気になるユーザーであっても、 MFで、なんとでも課題回避は可能だ。 --- では、次のシステム。 レンズは、CANON EF-S 35mm/F2.8 Macro IS STM 中古購入価格 30,000円 電子アダプターは、CANON EF-EOS M カメラは、CANON EOS M5(APS-C機) 2017年頃発売のAPS-C機専用AF準広角(標準画角) 白色LED照明内蔵型等倍マクロレンズ。 上記、EF40mm/F2.8STMと同様に電子アダプター を用いた装着例である。ただし、EF40/2.8は フルサイズ対応だが、本EF-S35/2.8は、APS-C 機専用である。この場合でも、前述のように、 EF-EOS Mでは問題なく装着できるし、 電子アダプターは、レンズへの通電も兼ねている ので、CANONのSTM仕様レンズにある「重欠点」 (=利用者側が、その技能では回避できない問題点) である「電源を給電しないとピントリングが廻らない」 という問題点に、一応だが対応可能である。 この電源問題がある為、CANON STMレンズは、 EOSデジタル一眼レフ、または電子アダプターを 介して、同社EOS M/R系ミラーレス機で無いと 通常は使用できない。一般的な、機械式マウント アダプターで他社のミラーレス機に装着しても ピントリングが一切廻らない(より正確には、 廻るのだが、ピント距離が変化しない)ので、 使用不可能だ。 こういう「他社機では使えない」という状態を 本ブログでは「排他的仕様」と呼び、汎用性を 損なう他、他社製品を排除しようとする、そういう 設計思想は、個人的には嫌う状態であり、しいては 「STM仕様のレンズを買わない」という購買行動に まで発展していた。 「気に入らなければ、買わない」というのが消費者 が市場やメーカーに対して対抗できる唯一の行動で あり、それが市場全般的に広まり、仕様や規格的に、 消費者層に受け入れられない商品は、いずれ、次期 商品では、その仕様や規格を改めざるを得なくなる。 (→メーカー側の誤解や、独断・横暴は許せない) だが、前述のEF40/2.8STMは「CANON史上初の薄型 (パンケーキ)レンズ」であり、本EF-S35/2.8STM は「一眼レフ用では初のLED内蔵レンズ」という いずれも非常に高い歴史的価値を鑑みての、 「STM不買行動」と天秤にかけて、購入を妥協した 次第である。 本EF-S35/2.8STMは、その特徴であるLED照明 が日中屋外では、ほとんど無効である点が弱点 となっていた。つまり太陽光に対してLED光は 比率的に暗すぎて、意味(効能)がない訳だ。 ただまあ、弱暗所や室内等では、LEDの意味も 出てくる。LEDの使用時には、それを保護して いるフード状部品を外す必要があり、逆に常時 LEDをむき出しにしている状態では、撮影倍率が 高く、WD(ワーキング・ディスタンス)が短い 本レンズであるから、LEDを被写体に衝突させて しまって、破損や汚損のリスクが生じる。 色々と制約があって使い難いLED内蔵レンズだが、 まあ、そうであるからこそ、EOS一眼レフ機の他 本機EOS M5でも、このレンズを活用し、できるだけ 使用頻度を上げて「元をとった」状態にしようと 考えている。 なお、EOS Mシリーズ機用でも、EF-M 28mm/F3.5 MACRO IS SMというLED内蔵レンズが存在する。 当初、それを購入予定だったのだが、EF-Mマウント 製品は、EOS EF/EF-S一眼レフでは使用できない。 つまり、EOS M機専用となってしまい、購入検討時 から既にラインナップの縮退が始まっていたEOS M (すなわち、CANONは高付加価値型のフルサイズ EOS Rシリーズへの移行を画策していた為)では、 EF-M専用レンズは将来性(将来の使用)に危惧が ある。だが、一眼レフ用のEF-Sレンズであれば、 EF-S機と、EF-M機の両者で使用可能な為、 汎用性の高い一眼レフ版を選択した次第である。 --- さて、5つ目のシステム。 レンズは、SIGMA (AF) MACRO 105mm/F2.8 EX DG (中古購入価格 5,000円)(以下、EX105/2.8) 電子アダプターは、CANON EF-EOS M カメラは、CANON EOS M5(APS-C機) 2004年に発売されたフルサイズ対応AF等倍マクロ。 これもEFマウント版レンズであるが、EF-M マウントのマクロレンズは、EF-M28/3.5STM しか、純正品ではラインナップされていない為、 EOS M機の有効活用としては電子アダプターでの (中望遠マクロの)利用は必須の措置となるだろう。 ただし、ちょっとした仕掛け(?)があり、 本EX105/2.8は「AF故障品」を、あえて安価に 入手している。従前に異マウントで正常品を所有 していて、その高い描写力は知っていたし、加えて 近接撮影では、MFが主体(ほぼ全て)となる為、 ”AFは不要”とも思っていたからである。 こうしたMFでしか使えない(事実上MFレンズ) をEOS M機に装着した場合では、EOS Mに備わる ピーキング機能が有効に活用できる。 注意点としては、EOS Mのピーキング機能の 精度はあまり高くなく、この課題の回避の為には 使用するレンズの特性や、被写体条件に合わせて ピーキングの検出強度(閾値)を頻繁に変更する 必要性が出てくる。(ただし、弱と強の2種類 しか設定変更できない) その際だが、他社機の多くでは、こうしたマイナー な(滅多に使わない)機能は、マイメニューやら Fnキー等に、ショートカット・メニューを登録 (アサイン)する事が出来ず、毎回の階層型 メニューから「深堀り」していかないと、その 機能設定に到達できない事が殆どだ・・ こういう操作系では、非効率的でやっていられない のだが、本機EOS M5の場合、幸いにも、その 「MFピーキング設定」を「マイメニュー」に登録 が可能であり、かつ、このマイメニューの設定 位置は、カメラの電源を切って、次回電源投入時 にも、その位置を記憶しているので、メニューの ボタン1発の操作で、すぐさま呼び出す事が出きる。 よって、「精密ピンと合わせ型レンズ」すなわち マクロ、大口径、望遠レンズ、等においても、 本機EOS M5の貧弱なピーキング性能の課題・・ (注:SONY機やPANASONIC機では、もっと高精度だ。 また、趣味的に完全に自力で、パソコン上で動作 するピーキング画像処理を自作した経験があり その自作アルゴリズムの方がEOS M5のピーキング よりも遥かに高精度だ。ただ、自作版は計算量が 大きい為、毎秒30コマ等の高速計算は無理だ。 旧ブログ:プログラミングシリーズ第3回参照) ・・(ピーキング性能の課題を)ある程度緩和する 事が出来、ぎりぎりだが実用レベルとして使える。 総括だが、本EX105/2.8は、高描写力のマクロ であり、しかもAF故障品を指名買いしているので 安価でコスパが恐ろしく良い。 これをCANON一眼レフの貧弱な光学ファインダー やスクリーンで、ストレスを感じながらMFで 使う(注:オプションのMF用スクリーンである Eg-S等に換装すると、まあ実用レベルとなるが、 2010年代後半以降、EOS一眼レフでスクリーン を自力交換できる機種数は極めて少ないか、皆無 であるので、旧機種で、その措置をするしか無い) ・・(一眼レフでMFで使う)よりも、むしろ EOS M5でピーキング頼りで使った方が効率的だ。 --- では、次のEOS M5システム。 レンズは、NIKON Lens SERIES E 100mm/F2.8 (中古購入価格 14,000円)(以下、E100/2.8) カメラは、CANON EOS M5(APS-C機) 1980年に発売された廉価版単焦点MF中望遠レンズ。 こちらはオールドレンズである。こうした場合 も、まず同様にEF-EOS M電子アダプターを用い これをEFマウント化する。 EFマウントになれば、EFマウントは口径が大きく フランジバック長が短い為、一部のMF一眼レフ 用マウント(例:NIKON F、CONTAX RTS等) への(機械式)マウントアダプターが販売されて いるので、それを「アダプター重ね」として使う。 そうすると、NIKON FマウントレンズをEOS M5で 利用できる。 この時、MFのNIKKORレンズの場合では、Ai型か 否かは関係が無く使える。AF時代初期のAiAF型 も問題は無し。銀塩末期やデジタル時代での 絞り環の無いG型ではG型対応アダプターを使えば 手動で絞りの操作ができる。 ただし、電磁絞りであるE型(又は相当品)は、 機械式のアダプターでは対応不能である。 まあつまり、主にMF時代のNIKKORであれば、 本機EOS M5を、オールドNIKKOR母艦として 用いる事は、比較的容易かつ効果的である為、 この用法は、あまり変則的なものでは無い。 むしろ、NIKONデジタル一眼レフでは、だんだんと こうしたオールドNIKKORを使える機体環境が 減っているので、母艦を他社ミラーレス機と する事は、十分に有り得る措置である。 フルサイズか否か? というのはあくまで母艦の 選択なので、用途的にフルサイズの画角や特性が 欲しければ、本機EOS M5ではなく、EOS R系や SONY FEマウント機で、同様のアダプター重ねや、 又は、直接的にNIKON F/Gアダプターを購入して 装着すれば済む話である。 「フルサイズ機を使わない」という選択肢も、 「より望遠画角が欲しい」とか「レンズの持つ 周辺収差を低減したい」とかの理由がある訳で あって、なんでもかんでも、フルサイズ機を 母艦にしなければならない事も無い。 本レンズE100/2.8は、SERIES Eという廉価版 (≒お試し版)レンズ群として1980年代前半の 短期間だけ展開されていた。現代では、やや希少 なシリーズに属する。単層コーティング仕様と して僅かなコストダウンと、上位機種群である 「NIKKOR」との「仕様的差別化」が行われていた 不遇のレンズではあるのだが、その事を逆に 「SERIES Eでも、NIKKORには負けていない!」 という、非常にマニアックな用途に使うような レンズ群であるかも知れない。 また、NIKKORでの焦点距離は、歴史的な経緯 から、全て105mmの実焦点距離であるが、 本レンズだけ、「栄光の105mm」とする事を 許されず、NIKONのレンズの歴史の中で唯一の 100mmの焦点距離を持つレンズである。 (研究対象として、旧ブログや本ブログでは、 ”NIKKOR 105mmの歴史”のような主旨の記事を 複数回展開している。結局、個人的には、 ほぼ全ての105mmが揃ってしまった次第だ。 でも、それらの中では優秀なレンズも、そうでない 105mmも存在し、決して「栄光の105mm」とは 思えなかった) そういう歴史的な事情・経緯からも、不遇に 差別化されてしまった本レンズを、有益に使って あげたいと思う事は、マニアとしての意識では、 決して不自然では無いと思う。 --- さて、7つ目のシステム。 ミラーは、KENKO ミラーレンズ 400mm/F8 (中古購入価格 13,000円)(以下、KENKO400/8) カメラは、CANON EOS M5(APS-C機) 詳細は不明だが2010年前後(2012年?)頃の発売と 思われる、MF超望遠ミラー(反射型)レンズ。 装着手法は、このレンズはNIKON Fマウント版 (非Ai版)で購入している為、前述のように 「EF-EOS M電子アダプター + NIKON F→EF」 のアダプター重ねで何も問題なく装着できる。 なお、どうせミラーレンズに絞り機構は無い為、 常に開放測光で撮れば、AEも動作する。 超望遠であり、APS-C機での換算画角は640mm にも到達する。CANON EOS M機では、ボディ内 手ブレ補正機能を搭載していない為、この場合 「手ブレが怖い」と思うユーザー層も多いと 思うが・・ 例えば、ビギナー層における手ブレ限界シャッター 速度は、「(換算)焦点距離分の1秒」という 観点からは、本レンズを使用時には、1/640秒 以上のシャッター速度、まあ中級層以上で あれば、1/500秒に設定しておけば十分であろう。 勿論、絞り優先AE時で撮影する際には、被写体の 輝度(明度)により、開放F値が、F8と暗い 本レンズでは、これ以下のシャッター速度と なってしまうケースは出てくる。 その際には、ISO感度を上げてカバーする。 背面コンパネから、ISO手動変更は容易なのだが 出来ればAUTO ISOでの「低速限界設定」が あれば、AUTOのままで対応可能なので望ましい。 だが、CANON EOS(デジタル)一眼レフでは 2010年前後の昔から搭載されている、この機能は 残念ながらEOS M5には入っていない。 (つまり、一眼レフとの性能差を意図的に儲ける 「仕様的差別化」である。「手ブレをしてしまう ならば、高価な一眼レフを買いなさい」という訳だ) 意地悪な仕様だが、仕掛けがわかっていれば そうした差別に負けないように、手動ISO変更を 駆使して使えば良い。まあでも、こうして課題を 発見するたびに、少しづつ、メーカーへの信頼度 が下がっていく訳だから、ますますマニア層等に 対して、新鋭カメラは売れなくなる一方であろう。 有名/大企業であるほどに、その傾向は顕著だ。 本レンズの場合では、絞り値は固定であるから、 コンパネ(=背面モニターのコントロールパネル) を、操作が不要な絞り値の設定ではなく、隣にある ISO感度の所へ対象枠を移動させておけば良い。 そうすれば、前部電子ダイヤルでは、ISO感度の 直接操作(変更)が可能となる為、またこの設定は 電源をOFFしても記憶されている為、本レンズを 使用時では、常にISO感度設定(変更)に留意できる システム(カメラ+レンズ)が実現できる。 この手法でISO感度を適宜に調整しながら、絞り優先 AEで、常に1/500秒以上(程度)のシャッター速度 が得られるようにしておけば、本超望遠ミラー であっても、手持ち撮影で手ブレを起こす事は無い。 ただ、手ブレの問題以外でも、ミラーレンズの 場合では、低画質、MFピントリングの回転角の 違和感とMF操作性の低下、ピント合わせが困難、 リングボケの発生、被写界深度の調整が困難、等 の複数の課題があり、その全てを回避しながら 使うのは、上級層以上のスキルが必要とされる。 (参考:デジタルズーム機能が母艦側にあれば、 撮影距離を伸ばしながら、デジタルズームで同等の 画角/構図と調整する事で、絞りの無いミラーレンズ でも、仮想的に被写体界深度を増加させる事が可能だ。 だが、CANON機(やFUJIFILM機)では、そういう機能 を搭載した機種は無い。メーカー側の企画方針という よりは、実践的で高度な撮影技法を把握していない ままで、カメラを設計しているのではあるまいか?) だから、望遠レンズに憧れるビギナー層等が 「安いから買ってみた」というような単純な理由で、 こうしたミラーレンズを購入しても、まず、上手く 使いこなせずに「結局は、安物か・・ 写りが悪い」 と、初級評価をしてしまう事になり、哀れ売却処分 か死蔵する羽目になってしまうリスクが高い。 まあでも、レンズは使う事でしか、課題の回避の 練習は出来ないのだから、こうした難しいレンズを 初級中級層が買って、それが、できるだけ使い易い システム環境(一部の一眼レフ等では、まず無理) を構築して、その上で、撮影技法の練習をする事は 悪く無いと思う。 --- では、次のシステム。 レンズは、LAOWA 105mm/F2 The Bokeh Dreamer (LAO0013) (新品購入価格 90,000円) カメラは、CANON EOS M5(APS-C機) 2016年に発売された、中国製で、カメラ史上3本目 となるアポダイゼーション光学エレメント搭載型 MF中望遠レンズ。 非Ai型Fマウントの為、装着方法は、例によって、 「EF-EOS M電子アダプター + NIKON F→EF」 である。 アポダイゼーション(APD/STF)は、史上4機種が 存在し、加えてCANONからも、それと類似の光学 原理である「DSコーティング」による、超高額 レンズが、EOS Rマウント機用で販売されている。 どのAPD/STFレンズを買ったとしても、普通は、 それが使える母艦は、マウントの制約上で 限れてくる。たいていの場合、その販売時の オリジナルマウントのみか、せいぜいが、他の 1つ2つのマウントにアダプターで使用できる程度だ。 そんな中、本LAOWA 105/2の場合は、まず多くの 一眼レフ用、およびSONY FEマウント版が販売 されているので、アポダイゼーションをラインナップ していないマウント機でも、本レンズを利用できる。 EOS Mマウントでも同様、他のAPD/STFで、本機に 装着可能なレンズは無いのだが、本LAOWA105/2 に関しては、上記のようなアダプター利用を駆使 する事で、装着ができ、アポダイゼーションレンズ の素晴らしいボケ質を楽しむ事が可能となる。 本レンズそのものの話や、アポダイゼーションに ついては、旧ブログ等の多数の記事で説明済みで ある為に、今回は割愛する。 ビギナー層が欲しがる(効能が理解できる)レンズ では無いとは思うが、EOS M機でもアポダイゼーション が実現できる、というマニアックな措置である。 --- さて、今回ラストのEOS M5システム。 レンズは、SIGMA 40mm/F1.4 DG HSM | Art (新古品購入価格 100,000円)(以下、A40/1.4) 電子アダプターは、CANON EF-EOS M カメラは、CANON EOS M5(APS-C機) 2018年発売の超高描写力AF単焦点大口径準標準 レンズ。 極めて描写力が高いレンズであるが、大きく重く 高価という「三重苦」の弱点を持ち、特に課題 となるのが、その「重さ」であり、マウントに よりけりだが、およそ1200gにも達する。 スペックだけを見ていたら、普通の(準)標準 レンズであるのに、この巨大さ、重さは、もし 通販等でこれを買い、手元にそれが届いた時には 唖然としてしまうかもしれない。 「こんな大きく重いレンズ、使えないよ・・」と。 まあでも、描写力は当代最強クラスである。 恐らくは、COSINAの「APO-LANTHAR 50mm/F2」 と並び、標準レンズでは、この2機種がツートップ の性能であろう。 (注:本レンズは、極めて短期間で生産完了と なってしまった。きっと、重過ぎて皆が敬遠して しまった事や、本レンズの一般層向けのレビュー 記事/情報が、ほとんど無かった事が課題となった (売れなかった)のであろう。でも、近代のレンズ 中において、あるいは史上トップクラスの描写性能 を持つ事は、明らかな事実であった)、 だから、実用的に使ってあげたい訳なのだが、 課題は、その重さだ。私はART LINEは、一眼レフ 用、特にCANON EOS EFマウント版で集める事を 主眼としているため、これをEOS高性能デジタル 一眼レフに装着すると、重量は軽く2kgを超え、 手持撮影での「長時間限界値」に達してしまう。 すなわち、業務/実用撮影で使うならやむを得ない が、趣味撮影で無理をしてまで使うレンズでは 無く、長時間の撮影では集中力や体力を切らして しまう恐れが大きい。 この問題への対策として、私が考えたのは、 A40/1.4を軽量機体に装着する、という簡便な 方法論である。 本体のみで約380gと軽量なEOS M5を母艦と すれば、レンズやアダプターとのトータルで 軽く2kgを切るシステム重量となる。 「重たいレンズには、重たいカメラをあてがえ」 との、銀塩時代での古い常識を持ち出す必要性も まるでない。物理的な(例:慣性質量がどうの こうの・・といった)話は、ほとんど根拠が無い 詭弁や方便、ウソであるとも言えるし、それでも、 関係性があるとしたら、システム(レンズ+カメラ) の総合重心位置を、MFレンズでのピントリングや 絞り環の操作位置に近い場所に持っていかないと、 MFシステムでは持ち替えが頻発して、操作性の悪化や 手指の疲労を誘発してしまう、という、ただそれだけ が根拠のある要因となる。 では、本システムの場合はどうか? A40/1.4は 絞り環を持たないAFレンズである為、左手の操作 はシステムの総合重心位置を常にホールドしておく だけで、通常は何も他の(絞りやピントの)操作 を行う必要は無い。 したがって、重たいシステムでの左手の持ち替えも 発生せず、それが発生すると、一瞬だが、右手の グリップにもシステムの全重量が、のしかって来る ので、左手も右手も疲労してしまう課題を回避できる。 だから比較的快適に使用が可能なシステムに成りえる。 大きな問題点としては、撮影時ではなく、運搬時に ある。総合2kgの重量級システムを支えきれる 程には、本機EOS M5でのストラップや、その支持 部品の構造は長時間は耐えられそうには見えない。 よって、たとえば首からストラップでカメラシステム を掛けての移動・運搬中、どこかの部品が切れたり 壊れてしまって、システムが脱落する危険性がある。 高価なレンズだから、そんなトラブルで壊して しまったら勿体無いであろう。 よって、移動・運搬中は、決してストラップだけで システムを保持せず、カメラバックに都度仕舞うか、 あるいは、撮影機会(チャンス)が多く、どうしても システムを持ち歩く必要があるのならば、システムを 手で保持しながら移動する事が必要となる。 (追記:本記事執筆後、まさに、このシステムで、 この問題点が発生してしまった。ストラップの 折り返し部の摩擦力が、重量に耐え切れず、緩んで いって、カメラとレンズが脱落してしまった。 片側だけだったので、機材が落下する寸前に両手で 支えたので、かろうじてセーフ(被害なし)で あったが、十分に注意していたにも関わらず、この ていたらくである・・汗) なお、EOS機の多く(一眼、ミラーレスいずれも)は、 電源スイッチがカメラの左側部にある。本機EOS M5 も同様である。この構造の場合、必ずカメラを 両手で持たないと電源を入れられず、撮影が出来ない。 他社機であれば、電源部が右側にあり、右手だけで カメラを持ちながら、右手で電源を入れて、AFの システムであれば、そのまま片手でも撮影が可能に なる為、「速写性」が高い。 まあ、本システムでは、重量級の為に、片手撮影は 困難であるが、システム固有の話ではなく、全般的 には、軽量システムであっても、EOS M5では片手 撮影は出来ない(=速写性に劣る)次第だ。 で、余談はともかく、本システム(A40/1.4装着時) での、撮影待機時での片手運搬は、結構重量的な 負担が大きい。まあ、都合2kgのダンベルを持って 歩いているようなものだから、そこそこ重い。 だから、前述の左手電源スイッチの速写性の低さを 回避するためにも、撮影機会が多い状態においては システムを両手で保持しながら運搬・移動する事 となってしまう。 しかし、その際に、被写体に応じて(例:遠距離に 飛ぶ野鳥を見つけた、等)他のカメラ(例:望遠 レンズを装着している)を取り出して、すぐさま 撮影する訳にはいかない。このEOS M5+A40/1.4 を両手で保持しながら歩いているからだ。 他の軽量システムであれば、ストラップで首から 下げておけるので、サブカメラをカメラバッグから 取り出したり、そもそも2つのシステムをストラップ で首から/肩から掛けておくのであれば、両システム の随時の変更(持ち替え)は容易となる。 だが、本システムでは、両手で保持・移動している ケースでは、他カメラとの持ち替えが容易では無い為、 速写性に劣り、せっかくの撮影機会(例:珍しい 野鳥が飛んでいた、等)を逃してしまう可能性が高い。 まあだから、本システムを、たとえ軽量化して 趣味撮影に持ち出したとしても、もうほとんどこの システムのみで撮れる物にしか、使えない状態だ。 絶対に写真を撮り逃してはならない業務撮影用途では 無いのだから、もう、他の撮影機会があったとしても 例えば、珍しい野鳥が飛んでいるのを見かけたとして も、撮れないので、「さようなら~ お元気で」と 笑って見送るしか無い次第である。 結局のところ、重量級である事を甘んじて使える 業務上での環境(例:スタジオでの三脚撮影や、 屋外であっても、ロケーション地での撮影時間が 比較的短時間で済む、等)でしか使えないレンズ だと思う。そういう利用環境であれば、別に 軽量化を意図しなくても、高性能なデジタル一眼 レフで使えば良い、重さはなんとかなる訳だ。 やっぱ、色々と制約事項を掛けてまで、趣味撮影 で使うレンズでは無い、という結論に近いとは 思うが、まあ、別に本システムだけでも、問題には ならない趣味・実用撮影のケースは有り得るとは思う ので、今回は、ひとつの(EOS M5の)使用例として の参考まで。 --- では、今回の記事はこのあたりまでで、 次回記事の内容は未定としておく。
by pchansblog2
| 2024-12-22 16:33
| 連載中:カメラマニアックスEX第二部
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