或る人のFIRE日記

日々思ったことを書いていくだけのブログ

14年ぶりの鳥取帰省(14)

 

D社からあまりにも低い土地買取価格を提示されて、父もショックを受けたようで、少し顔が強張る。

 

D社のM氏が、申し訳無さそうに言葉を続けた。

「弊社の計算式では、このような土地買取価格しか提示できないのです。この金額は安すぎる金額だということは重々承知しています。別の不動産会社ではもっと高い価格を提示できるところもあるかと思います。こちらの方で、いくつかの不動産会社に聞いてみることもできます」

 

この言葉は、実質的にD社のギブアップ宣言でもあった。

 

鳥取の田舎の土地を購入して、そこにアパートを建てる。

しかも、アパートを建てる建材費は大きく高騰している。D社はハウスメーカーとしても大手であり、建てる建物はそれなりにしっかりしている。しっかりしているということは、それだけ割高な建材を使用して建てるということでもあった。

そもそもD社としても採算が合う訳がなかったのだ。

 

 

 

D社との打ち合わせが終わり、私たちは車に乗り込んだ。

その車の中で、父は数日前に挨拶に行った地元の不動産会社L社のO氏に電話をかけた。

以前L社から提示されていた実家の土地買取価格について確認する。

そこで、一つの行き違いがあったことが発覚した。

 

以前L社から提示された金額に、建物の取り壊し費用が含まれていないと父は思っていた。

つまり、実家の家の取り壊しはこちらの持ち出しで行う必要があり、更地になった土地をL社が買い取ると思っていたのだ。父の実家は大きな屋敷に、蔵などの別の建物もいくつかあり、その取り壊し費用は800万円程度と見込まれていた。

だけど、その電話でO氏は、

「建物の取り壊し費用はこちらで持ちます。なので、今の、土地の上に建物が建った状態の土地を以前提示した金額で買取ります」

と言ったのだ。

 

つまり、そこに建物の取り壊し費用800万円の行き違いがあった。

 

それを考慮すれば、その数十分前に提示されたD社の買取価格よりL社の買取価格が大きく上回ることになる。

 

D社は大手だったので、D社とL社で提示額にそれほど差がなければD社に売るのがいいのかなと思っていたのだけど、それほど買取価格に差があるのであれば、もう選択の余地はなかった。

 

父はその場で実家の土地売却先を、D社からL社へと大きく舵を切った。

 

すぐに、翌日朝10時からの面会の約束をとる。

そして、今、電話で聞いた土地買取価格の話を、明日のその場で書面として貰うことをO氏にお願いした。

 

 

 

 

 

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