技術系新入社員が特許嫌いにならない知財教育
4月は新入社員を迎え会社にとって最も活気のある時期である。いま会社はグローバル社会で活躍できる人材を求めている。それは会社の持続的発展を支える人材のことだ。その「人材育成」を目的に様々な社内教育が行われている。その一つに技術系新入社員を対象とする「知財教育」がある。知識吸収型の「知財教育」だけでなく自分の頭で考える「知財教育」も必要かと考えている。
企業が彼等に求めているのは発明能力」の向上だ。だから「発明とは〇〇条の自然法則を利用し技術思想の・・・」といったことは、とりあえずとして、必要なのは”発明とは自ら問題(課題)を見つけ、その問題を解決する手段を具体化する能力のことである。あなたがた技術者が知財と深く関わるわることで、その能力は確実に鍛えられる。つまり知財とは、技術者のためにあるのだ!知財部のためにあるのでは無い!”と。
彼等の利益になることを明確に伝えた方が納得しやすく受け容れ易い筈だ。彼らに伝えるメッセージは、シンプルに”知財と関わることでスター技術者になれる。スター技術者になれば良い人たちに恵まれ、豊かな技術者人生が送れる!”で良いと思う。但し念押しは必要だ。スター技術者達に共通していることは「知財力」が高い!と。では、どうすれば「知財力」が身につくのかを教えていけば問題はない。彼らは自分の利益にならない話は横向いて「プイ」かも知れない。ただし自分の利益になる話であれば目を輝かせて聞き入る筈だ。
とにかく初めての「知財教育」は、難しいことを易しく、易しく伝えることが大切である。でないと直ぐに「知財嫌い」になること保証付きである。以下のようなフレーズとキーワードを軸にして話を膨らませれば技術者は聞いてくれるはずだ。
・変わる社会と変われない会社の「ズレ、ギャップ」を埋めるのが新商品
・その役目を担うのが技術者で、会社を元気にするのも技術者
・多くの答えが求められる時代、自分の頭で考える「思考・論理力」が要る
・専門知識だけで生き残りことは難く、いろんな情報を持っている人が強い
・「黎明・成長期」と「成熟・衰退期」での研究開発体制の違いを知る
・発明提案書を作成することで技術者の発明能力が向上
・特許は技術者の自己主張、自己表現の場でもある
・技術者が特許調査をする意義は、知財の安全確認と事業優位性の確保
・「実験研究」をする前に「調査研究」を行い、無駄な特許出願を防止
・世界の情報を収集し、「分析・解析」するには英語文献の読解力が不可欠
・何時までもクリエイティブであり続けられる努力をし、創造的な仕事を大いに楽しむべき等々(2018/04/13 発明くん)
(参考資料)・新人技術者が、特許嫌いにならないために使う「キーワード集」と講演録は、こちらから