キッチングッズマニアな料理ライター
お米は2合、重さは1050g。お弁当箱からのはみ出しは約4cm!これは、ある方が育ちざかりの息子に作る、1個分のお弁当のサイズ感をあらわした数字です。どれも、「こんなにたくさん!」「お弁当箱のふたは閉まるのか!?」と驚いてしまいますよね。
そんなお弁当のレシピを集めた書籍「亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当 ~母ちゃんと息子2人、笑いと涙の18年の弁当記録~」が出版されました。
著者は料理家の亜希さん。大学生と高校生の2人の息子に作る豪快な料理や、明るく飾らない人柄が人気で、テレビのコメンテーターや執筆活動など多方面で活躍しています。
亜希さんのお弁当作りは、長男の幼稚園入園を皮切りに、2人の兄弟の少年野球、中学・高校への進学とともに続き、気づけばなんと18年!
本書は、そんな18年のお弁当作りの軌跡の中から、2人の息子が中高生のときに作っていたお弁当のレシピと、亜希さんのエッセイをまとめた1冊です。
食べざかりでスポーツをする男の子たちに作るお弁当は、どれも超特大サイズで、超大盛り。ご飯とおかず、それと母ちゃんの思いや願いがたっぷりと詰まっています。
亜希さんのお弁当、名付けて「ふたが閉まるのか?弁当」は、成長期でスポーツマンの息子2人に向けた「おなかいっぱい食べて頑張ってほしい」「足りないなんて絶対言わせない!」という思いのもとに作られています。
お弁当のおかずの分量は、一般的なサイズのお弁当の約2倍。そして主食は、ご飯なら2合分、うどんなら3玉を一度に入れてしまいます!
それだけの食材を詰めたお弁当箱は、中身が上へ上へと盛り上がり、ふたが閉まるのか?と誰もが言いたくなるほどのボリュームに。
でもご安心ください。本書では、亜希さん流の「包み方の極意」が詳しく紹介されています。ふたはのせるだけにして、クロスを結ぶ力をうまく使えば、ちゃんとふたは閉まるそうですよ。
今回は、そんな亜希さんの著書の中から、ふるさと・福井の味をお弁当に詰め込んだ「ソースカツ弁当」のレシピをご紹介します。冒頭の数字は、こちらのお弁当のものなんです!
このお弁当を一番作っていたのは、兄弟が少年野球をやっていた小学生のころ。試合のある朝に気合を入れて作る、「試合にカツ(勝つ)」の験を担ぐお弁当で、息子さんたちも一番好きなお弁当だったそうですよ。
多すぎてウチでは食べきれない!という場合は、材料を半分にしたり、残りを作り置きにしたりしてくださいね。
ウスターソースの酸味&バターのこくがきいた甘辛ソースが絶品!このソースがたっぷりからんだ一口カツが、白ご飯にど〜んと乗ったお弁当です。カリッと揚がったカツと、ソースがしみた白ご飯がたまりません!
豚ヒレかたまり肉……400g
【甘辛ソース】
お好み焼きソース……150ml
ウスターソース……120ml
みりん……90ml
バター……8g
塩、こしょう……各少々
小麦粉、溶き卵、パン粉、揚げ油……各適宜
ご飯……2合分(約660g)×2
1. 豚肉は厚さ約1cm、12切れに切る。包丁の背で厚さ7mmになるまでたたく。
塩、こしょうをふる。小麦粉、溶き卵、パン粉を順に薄くまぶす。
2. 揚げ油を中温(170~180℃。菜箸からすぐに細かい泡がまっすぐ出る程度)に熱し、1を4分ほど揚げて、取り出して油を切る。
3. フライパンにソースの材料を入れて中火にかける。ふつふつとしたら全体を混ぜ、火を止める。
弁当箱にご飯を詰め、ソース適宜(大さじ2程度) をかける。
4.カツにソースをたっぷりとからめ、ご飯にのせる。
本書には、ご紹介したソースカツ弁当のほかにも、「考えずに作れる! 焦がしじょうゆの焼きうどん弁当」や「ねぎだくすぎるにもほどがある すき焼き弁当」など、たくさんのお弁当レシピが掲載されています。
「濃厚ごま豆乳豚汁弁当」など、これからの寒い時期に重宝する、スープジャーを使ったお弁当レシピもあり、どの季節でも参考になるレシピ本です。
ほか、「我が家のスタメン弁当箱」や調理器具・調味料の紹介、お弁当作りや家族に関するエッセイなど、レシピ以外のページも読み応え特盛りです!
詳しいレシピやコラムの内容が気になった方は、ぜひ本書をお手にとってみてくださいね。
(写真:伊藤徹也)
料理ライター、モノライター、編集者。料理関連の会社に勤めるかたわら趣味で立ち上げたお弁当ブログがきっかけとなり、ライターとしてのキャリアをスタート。料理コラムの執筆やレシピ提案、料理写真撮影などで活動中。キッチングッズマニアで、ネットでグッズ情報を探すのが大好き。ITエンジニアの夫、小学生の娘、キジトラ猫と暮らしています。
・クックパッドニュースでレシピ記事を1000本以上執筆。
・株式会社 朝日デジタルラボの運営する情報サイト「moovoo」でレビュー記事執筆。
・その他、会員制サイトの料理コラムなどを担当。