ECサイトでの買い物&これまでの変化を編集部が語り合う内輪な座談会【ネッ担8周年記念】
EC専門のWeb媒体「ネットショップ担当者フォーラム」が2014年7月29日に誕生してから丸8年、9年目に突入しました。いつも「ネットショップ担当者フォーラム」をお読みいただき、ありがとうございます!
1か月遅れの8周年記念企画ということで、編集部とネッ担最古の連載執筆者・森野誠之氏の4人で、各自のプライベートな買い物について語り合ってみました。いつもは客観的な立場からECと向き合い、情報をお伝えしている私たちですが、個人としてはどんな風にECを活用しているのか? 難しい話はありませんので、冷たい物でも飲みながらのんびりとお読みください。
EC利用にポリシーあり(編集長 瀧川)
内山:編集長はECサイトを利用する際に確固としたポリシーがあるとか。
瀧川:僕は自社ECサイトでの買い物については、ID決済がないと買わないですね。基本的には大手モールで買い物して、ID決済があれば自社ECサイトでも買うという感じです。IDとパスワードの使い回しを避けるという目的があります。クレジットカードの情報漏えいもありますし、不正利用の手口も巧妙化していますからね。
セキュリティに完璧はないので、事業者側がセキュアなECサイトを作るのも重要ですが、消費者としてもリテラシーが求められると考えています。
ゲットしたポイントは投資へ
瀧川:基本的にポイント還元率の高いところで買うようにして、得たポイントを投資信託などの投資に回しているんですよね。
森野:僕もやってます。
瀧川:今年に入ってウクライナ情勢などの影響もあって株価低迷のあおりを受けていますが、分散投資をしているのでマイナスではないですね。
内山:私もポイント大好きですけど、貯まるそばから使っちゃっていました。投資、調べてみようかな……。
瀧川:現金を投資するのはなかなかハードルが高いですけど、ポイントなら少しハイリスクなものにも投資してみようかなと思えるんですよね。岸田総理も「貯蓄から投資へ」って発言しているし。
森野:ポイントの活用法として、投資は今後もっと注目されそうですね。
気になるサイトはこちら
瀧川:2児の父として、取りあげたいのは「トイザらス」。すごく作り込んでいるなと思いますね。たとえば検索や検索結果の絞り込みで、複数商品の比較を一覧で表示できるようになっている。店頭在庫や配送、支払い方法なども商品詳細ページで直接確認できるので、実店舗を運営している企業さんは参考にしていただきたいですね。
森野:ほんとだ、ゴリゴリに作り込んでいますね。ちょっと運用体制がどうなっているのか知りたいくらいですね。
瀧川:商品によってはUGCまでやっている。小さなお子さんがいないと利用しないサイトですが、買い物してみるといろいろとヒントや学びがあるサイトだと思いますね。
ECは“自動販売機”(森野)
内山:森野さんはオンラインでの買い物はほぼAmazonだそうで。
森野:本を買う以外はあんまりお金を遣わないですし、Amazonのアプリだと余計な情報が出なくて、買いやすいんですよね。完全に自動販売機的な使い方です。
買い物が好きじゃない人の買い物事情
森野:スタバが苦手な人の感覚わかりますか? カスタマイズできたりレジでコミュニケーションしたり、店員さんとのやり取りがいろいろあるじゃないですか。そういうのが苦手で。それと同じでECでも「いいから買わせてくれ」って感じなんですよね。
瀧川:わかります。僕もそっち派です。
森野:もともと買い物を楽しむタイプではないんですよね。仕事柄、サイトを見るとソースを見たりタグを見たり、カートに入れてみたり、メルマガ登録してみようとかLINEも見てみようとか、もうまったく楽しめない。
内山:それは職業病ですね(笑)
コロナ禍で全員運動不足
森野:本以外に買ったのは、1キロ縄跳びですね。
内山:1キロ縄跳び!?
森野:YouTubeで知って買ったんですけど、縄跳び自体が重くて、30秒も跳ぶともうヘトヘトですよ。運動不足の解消におすすめです。女性だったら500グラムくらいにした方が良いかも。普段、歩かないんですよね、この間スマホの歩数を見たら86歩でした。
内山:我々もリモートワークになって運動不足になっちゃったんですよね。
藤田:私も週に3、4回通っていたジムをやめたら太っちゃって、半年くらいパーソナルジムに通ったら痩せました。
瀧川:僕は1日1万歩歩くことを続けています。1時間歩くとだいたい6000歩で、あとの4000歩は買い物とかで車を使わないようにして。
内山:リモートで編集会議している時もよく歩いていますもんね。
お取り寄せを楽しんでいます(内山)
内山:ここまであまりショッピング自体が好きじゃない人が続きましたが、私は大好きですよ。特にお取り寄せが好きですね。旅先やお土産で食べて美味しかったものをブックマークしておいて、機会があれば取り寄せています。
内山:たとえば以前大阪で出会った「りくろーおじさんのチーズケーキ」や、豚まんで有名な「551蓬莱」はコロナ禍に何度か買って大阪に思いを馳せました。
内山:「五代梅」は20年くらい前に旅館の朝食で出てきて、あんまり美味しいので旅館の人に聞いて知りました。姉のおすすめで買った「梅びしお」も気に入っています。しかし、楽天店舗でいつもと違う梅干しを買ってみようかなって見ると、写真がほぼ同じで商品名が長すぎて違いがわからないんですよね。
内山:藤田さんは楽天の店舗で店長をしていたけど、商品名に全部入れるのはやっぱり効果があるの?
藤田:そうですね。商品名はマックスで何文字までって決まっているので、もうキーワードを入れられる限り詰め込みますよね。
森野:内山さんのお話を聞いているとお腹も減ってきますし、通販ってこうやって使うんだ~という感覚になりますね(笑)
検索&レコメンド技術のさらなる進化に期待
内山:食品はまだ良いけど、家電類を買い換えようかなと思った時に、調べている間に疲れちゃってやめちゃうんですよね。
森野:そういうときは価格.comですかね。口コミ欄のやり取りが参考になりますので。
内山:価格.comにもお世話になっていますが、商品知識がある程度ないと比較できないですよね。さっきのトイザらスさんのサイトをはじめ、いま現在のWeb接客技術がぜんぶ詰め込まれたようなサイトでも、近い将来にはまたびっくりするような進化があって、買い物がもっと楽になるんじゃないかなと期待しています。
個人的にはイヤホンは耳の形状と聴くコンテンツで適した商品を教えて欲しいし、大型家電は設置と回収の費用も込みで比較できるようになってほしいですね。
ゲーム、ガジェット専門(藤田)
内山:最後に藤田さんといえばゲームですが。
藤田:家から出ずにゲームしてますね。今は格闘ゲーム中心で、RPG、アクションなどをほぼ毎日。
内山:最近買った「スイッチボットハブミニ」っていうのは任天堂Switchと関係が?
藤田:いや、そのSwitchとは関係なくて、テレビとか色んなリモコンを集約させてスマホのアプリで電源のオン・オフ、温度や音量の操作などをできるようにするものです。
内山:これから欲しいものは山崎実業のゲームコントローラー収納ラック。気の利いた収納グッズと言えばやっぱり山﨑実業ですが、こんなにコントローラーって必要なの?
藤田:夫もゲーマーなのでそれぞれ必要なのと、ゲームごとに専用のコントローラーがどうしても必要になってくるんですよ。自分用にカスタマイズできるように、コントローラーの部品専門店もあるんですよ。
服や化粧品は断然実店舗
藤田:日常の買い物は楽天かヨドバシかネットスーパーですが、洋服は店舗で買うことが多いですね。
内山:へー、意外。
藤田:1着の単価が高いのでおいそれとは買えないのと、結構店員さんと仲良くなるんですよね。その人が異動になるとそっちの店舗に行ったりします。予約会とかも行きます。
内山:予約会! ファッション偏差値の高い人の用語だ。
藤田:私の好みとか似合う色とか知ってくれている店員さんだと楽なんですよね。あらかじめ良さそうな商品は見繕ってくれますし。
森野:そこまでの接客はまだオンラインでは無理ですね。そんなにしてくれるんだったらどんな情報でも渡すからよろしくと言いたくなる。
藤田:コスメも好きで、やはりいったん下調べしてから店舗に行って試します。資生堂の店舗には測定用のミラーがあって、肌の状況を診てもらえるんですよね。結果とカウンセリング時に提案してくれた商品名をメールで送ってもらって、会員登録すればオンラインでも買いやすくなります。面白いなあと思いました。
森野:化粧品はAIで診断って話、結構ありますもんね。1回も使ったことないですけど。
内山:ですよね。
「買い物で悩むのは嫌」という点では一致
内山:ネッ担が創刊してからの8年間で、買い物の仕方が変わったってことあります?
森野:便利になっただけで買い物の行動自体は特に変わってはいないですね。
瀧川:買い物がすごく便利になってきたので、僕は買い物にかける時間を少なくしたいっていう気持ちがさらに大きくなっています。ここに賛同してもらえるのは森野さんだけだと思うんですけど(笑)
森野:そうですね。でも昔は買い物って時間がかかってストレスがたまるものだったけど、それがずいぶん簡単に終わるようになったのは良いですよね。
藤田:私はSNSの情報が多すぎて困ることがあります。昔は美容関連に詳しい人のブログを読みに行くくらいだったけど、いま情報発信している人がめちゃくちゃ多いので、見ようとしてなくても目に入ってくる。読み過ぎて疲れて買うのをやめちゃうこともあります。
内山:買い物自体は好きだけど、悩むのは嫌なんですよね。
森野:日頃の行動を全部データにして、自動で最適な物が勝手に届くサブスクができたらいいなあ。
内山:森野さんは本当に買い物に時間をかけたくないんですね。
瀧川:僕は今後でいうとメタバースがどう活用されていくのか注目しています。
森野:「メタコマース」という言葉も出てきていますし、「ガンダムメタバース」というのも出てきていますので、メタバースが広がってくると自然とそこでコマースも発生しそうですね。