豊橋市議の長坂です。
追加議案のため、長坂の一般質問13時頃からになるかもしれません。
http://nagasakanaoto.blog.jp/231129.html 

さて、市議会での質問のため、先行事例を調べています。
川崎市の等々力陸上競技場・球場、新とどろきアリーナなどを含む、
「等々力緑地再編整備・運営等事業」の
事業者提案に対する価格点評価が、良かったのでご紹介。

先ず、豊橋市の新アリーナ事業の価格点は、次の計算式です。
入札価格点=最低提案価格/提案価格×価格点
価格点の配点:300 点

https://www.city.toyohashi.lg.jp/57283.htm 
添付資料2 落札候補者決定基準p5より
この計算式では、価格点の差がつきにくいです。
具体的には最低でも270点程度※になりますし、1者は必ず300点になります。
1者しか提案がなければ、それも必ず300点になります。

価格点以外の性能点が700点で1000点満点の評価のため、
安価を提示しても最大30点ほどの差にしかならないため、
価格での競争優位性は低まり、価格に対する企業努力の低下が懸念されます。

愛知県新体育館も計算式は同じでした。
(配点は200点満点のうち、価格点30点)
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kokusai-arena/shintaiikukan-nyusatsu.html 
 - 添付資料2  落札者決定基準p6より

※例えば、200億、190億、180億の提案額の場合、配点は次のようになります。
  • 200億:270点
  • 190億:284.2点
  • 180億:300点
最も最高額(上記の場合200億円)と最低額(同180億円)の差が10%以内の場合、
点数は低くても270点になります。
建設メインの事業で、10%を越える価格差は稀に思われれます。



しかし、川崎市の計算式は違います。
価格評価に関する事項の得点化方法
  • 価格評価点 =配点【200 点】×(1―提案価格/予定価格)×10 (提案価格>最低入札価格)
  • 価格評価点 =配点【200 点】 (提案価格≦最低入札価格)
最低入札価格を予定価格×90%とし、90%未満は 90%と読み替える。
場合わけがあり、少しわかりにくいですが、
  • 予定価格と同じ:0点
  • 予定価格の9割以下:200点(満点)
と起こりうる価格差が、最大近く価格点の差として、評価される計算式になっています。

そのため、落札者ですら、事前公表されていた予定価格と、
ほぼ同額で入札されたため、価格点は0.0点となりました。
https://www.city.kawasaki.jp/530/page/0000145377.html
- 等々力緑地再編整備・運営等事業に関する審査講評p4,5より

全体で1000点満点のため、
その中で実質的に最大200点の差がつき得る、
というのは結構大きいと思います。



配点だけ見ると価格点は、
  • 豊橋市:300点/1000点
  • 川崎市:200点/1000点
のため、豊橋市の方が価格重視に思われます。
しかし、現実的に点数が動きうる幅(価格差が10%以下なら)で言えば、
  • 豊橋市:30点/1000点
  • 川崎市:200点/1000点
であり、計算式まで見ると、
川崎市の方が、よほど価格競争性があります。

では!