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【2024年】SEO対策とは?基本的な仕組みや施策、上位表示の方法を事例に基づき解説
SEOとは、”Search Engine Optimization”(検索エンジン最適化)のことです。
Googleをはじめとする検索エンジン経由のアクセス数を増やすための手法です。
検索エンジンでホームページを上位表示させることで、多くの方にページを閲覧してもらえます。
本記事では、SEOについての理解を深め、ご自身のサイトのSEOパフォーマンスを最大化したいと考える方に向けて、SEO対策の基本について網羅的かつ専門的に解説しています。
- SEOと検索エンジンの仕組み
- Google検索アルゴリズムの考え方
- SEO対策の種類と具体的な施策
- SEO記事を作成して上位表示させる方法
- SEOの効果測定に役立つツール
- SEOの成功事例
SEO初心者の方でも理解できるように専門的な内容もできる限り噛み砕きながら説明し、読み終わればすぐにでもSEO対策が実践できる内容にしていますので、ぜひお読みいただけますと幸いです。
下記の動画でも本記事の内容を解説しております。
1時間半の長い動画ですが、基礎から応用までを理解するのに参考になるかと思いますので、ぜひ合わせてご視聴ください。
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SEO対策とは
SEOとは「Googleをはじめとする検索エンジン経由の流入数を増やすためのWebマーケティングの手法」です。
Webサイトのコンテンツを検索エンジンに最適化し、Googleなどの検索エンジンがページ内容を理解しやすいようにしてあげるのがSEO(検索エンジン最適化)の役割です。
弊社LANYでは「SEOは検索エンジンとの適切なコミュニケーション」と考えており、検索エンジンが理解しやすい形で情報を提供したり、どのようなWebサイトやページを高く評価するのかを理解した上で、サイト運営者が検索エンジンに歩み寄っていくべきだと考えています。
SEOのメリット・デメリット
SEOの大きな特徴は、効果が出るまでに時間が必要なものの、いったん効果が出れば、その後は費用がほとんどかからずにコンバージョンを生み出し続けてくれるところだと言えます。
SEOとよく比較されるのが、運用型広告(特にリスティング広告)です。
SEOとリスティング広告には下記のような違いがあります。
SEO | 運用型 広告 | |
---|---|---|
集客費用 | 無料集客 | 有料集客 |
成果までの 期間 | 効果が出るのは遅い | 効果はすぐに出る |
資産性 | 資産性がある | 資産性はなし |
目的 | 中長期的にCVを獲得したい | 費用をかけてすぐに CVを獲得したい |
SEOとリスティング広告は目的によって使い分けたり、併用したりすべきです。
費用をかけてでもいますぐコンバージョンを獲得したい場合には、リスティング広告を実施すべきです。
すぐにはコンバージョンが生み出せなかったとしても中長期的にコンバージョンを獲得できる土台を作っていきたい場合にはSEOを実施すべきです。
投資回収期間は少し長くなるというデメリットはあるものの、中長期的なリターンが大きい点がSEOに取り組む最大のメリットです。
SEO対策の考え方
SEO対策をどのように考えて実施すべきかについてですが、簡単に言えば、Googleをはじめとする検索エンジンでユーザーが何かを検索した際に、自サイトが上位表示されるようにします。
人々は何か調べたいことがある場合に、検索エンジンにキーワード(検索クエリ)を入れて検索をするものです。
Googleなどの検索エンジンはユーザーが入力した検索クエリ(キーワード)に対して、関連度が高く、信頼できるページを選んで検索結果に表示します。
SEOはリスティング広告と異なり、たとえお金を払ったとしても上位表示をさせることはできず、Googleの検索アルゴリズム(順位決定ロジック)に合わせて対策をしていく必要があります。
ユーザーの検索クエリを想像し、その裏にある検索意図を捉え、その検索意図を満たすことのできるページ(コンテンツ)を作ることで、Googleに評価され、上位表示をさせることができるのです。
ただ、昨今のGoogleは「情報が信頼に値するかどうか」の評価比重も高くなってきているため、検索意図を満たすだけではなく、そのページやサイト、運営者がどれだけ信頼できるのかを適切に伝える必要も出てきました。
やることが多く、効果が出るまでに時間のかかるSEOですが、本記事の後半で具体的にどのような対策を行うべきかをまとめていますので、そちらも参考にしながら一歩ずつSEO対策を実施していきましょう。
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Google検索エンジンの仕組み
SEOに取り組む上で、検索エンジンの仕組みを理解しておくことは必須です。
検索エンジンとは、GoogleやYahoo!、Bingなど「インターネット上のWebページを検索するためのサービス」のことで、人々が何かを調べるときにGoogle ChromeやSafari、Internet Explorerなどのブラウザで検索した際に裏側で動いている仕組みのことです。
検索エンジンについてエンジニアレベルで理解する必要はまったくありませんが、検索エンジンがどのような仕組みなのかの概要レベルを掴んでおくことは、SEO対策を極めていく上で重要になります。
Googleが世界最大の検索エンジンなので、ここではGoogleの検索エンジンの仕組みについて初心者にも理解できるように解説します。
検索エンジンのお仕事は、大枠下記の4プロセスに分けられます。
SEO対策は「順位を上げること」だけだと勘違いされがちですが、GoogleがURLをきちんと発見して登録できるようにすることもSEO担当者の仕事です。
ここから検索エンジンのお仕事の各プロセスについて簡単にご説明します。
STEP1.ディスカバー(URLを発見する)
検索エンジンは、「インターネット上のWebページを検索するためのサービス」と前述しましたが、検索できるようにするためにはまず検索エンジンがWebページ(URL)を見つける必要があります。
インターネットには無数のWebページが存在しており、検索エンジンがすべてのWebページを発見するのは現実的には不可能です。
だからこそ、サイト運営者は検索エンジンがURLを発見しやすいように対策をしてあげる必要があります。
GoogleがURLを発見する方法は大きく以下の3つです。
発見方法 | 対策 |
---|---|
リンク経由 | ・発見してもらいたいページへの内部リンクを繋いであげる ・孤立したページにしない |
sitemap.xml経由 | ・sitemap.xmlに新規ページを掲載してGoogleに即時的に伝える |
URL登録リクエスト | ・サーチコンソール経由でGoogleにURL登録を行う |
※他にもIndexing APIなどもありますが、基本的な概念だけ理解していただければ問題ないためここでは上記の3つを覚えていってください
つまり、GoogleにURLを発見してもらうためにはリンクを適切に貼ってあげるか、sitemap.xmlを作成するかのどちらか、もしくは両方が必要になります。
基本的には、発見してもらいたいページへの内部リンクを適切に繋いであげることで孤立したページ(どこからもリンクが貼られていないページ)にしないことと、sitemap.xmlに新規ページを掲載してGoogleに即時的に伝えることを行ってあげてください。
STEP2.クロール(URLを解析する)
GoogleがURLを発見した後は、URL内の中身の情報を解析します。
クロールやパース、レンダリングと呼ばれますが、基本的にやっている内容は「ページのHTMLを解析すること」です。
そのページのテーマは何で、どのようなリンクが含まれているのかを解析します。
HTMLには<title>や <H1>, <li>, <p>下記のようなタグが存在しますが、それぞれに意味があります。
タグの例 | Googleの解析 |
---|---|
<title> (タイトルタグ) | ページのテーマとなる重要なキーワードが含まれていると考える |
<li> (リストタグ) | 何か粒度として同一のものがリストアップされていると判断する |
HTMLのマークアップは、Googleと適切なコミュニケーションを取るために重要になるため、適切な使い方をしてあげることおおすすめします。
WordPressなどのCMSを利用している場合には、特にHTMLタグをサイト運営者側が詳細に意識しなくとも適切なマークアップをしていくことが可能ですので、ご自身の運営状況に合わせて詳細まで理解する必要があるかどうかは考えましょう。
GoogleがHTMLを解析した結果、Googleのインデックスサーバー(世界中のWebページが格納されているデータベース)に格納する価値があるページであると判断すれば、次のインデックスのプロセスに移行します。
STEP3.インデックス(URLを登録する)
クロールのプロセスで解析したHTMLをGoogleがインデックス(登録)する価値があると判断したら、インデックスサーバーに登録されます。
ユーザーが何か検索をした際には、このインデックスサーバーの中にあるURL群から関連度が高く信頼できるページを探して検索結果に表示する流れなので、インデックスされないことには検索結果に出る可能性は0%です。
よって、まずはインデックスさせることがスタートラインになるので、ご自身のページがGoogleにインデックスされているかどうかの確認をしましょう。
確認方法は、以下の2点がおすすめです。
- GoogleサーチコンソールのURL検査ツールを利用する
- site:コマンドを利用する
方法①GoogleサーチコンソールのURL検査ツールを利用する
URL検査ツールは、Googleサーチコンソールの上部にある虫眼鏡バーの箇所(下の画像の「https://lany.co.jp/」内のすべてのURLを検査の箇所)にインデックスされているかどうかの確認をしたいURLを入力します。
入力した後に、下記のように「URLはGoogleに登録されています」と出てくれば問題なくインデックスがされています。
逆に、次のように「URLがGoogleに登録されていません」のように出る場合にはインデックス登録がされていませんので対策をする必要があります。
インデックスされていない場合には、まずは上記の画像の「インデックス登録をリクエスト」の箇所を押してあげてGoogleにインデックスの依頼をしてあげてください。
それでもインデックスがされない時には、Googleがインデックスする価値がないと判断した可能性もありますので、ページ内容を見直してみたり、他のコンテンツから内部リンクを貼ってあげて、クロールの優先度を上げるように努めましょう。
方法②site:コマンドを利用する
話を戻して、もう一つのインデックスされているかどうかの確認方法のsite:コマンドですが、確認したいページをGoogle検索にて次のような形で検索します。
site:確認したいページのURL
このように検索した時に、次のように検索結果に該当のページが表示されていればインデックスはされていますし、表示されなければインデックスがされていません。
インデックス登録させることがSEO対策のスタートラインになるため、ご自身のコンテンツがインデックス登録されているかどうかの確認方法とインデックスされていなかった時の対策方法は確実に覚えていってください。
STEP4.ランキング(順位付けをする)
Googleはインデックスサーバーに登録されているURLの中で、ユーザーの検索クエリに関連度が高く信頼できる情報が掲載されているページを独自のアルゴリズムによって評価・判断し、検索結果に表出します。
Googleがどのように検索順位を決定しているのかはブラックボックスになっているため、何をしたら順位が上がるかは誰にもわかりません。
ただし、検索結果ですでに上位表示されているページを調査することで何が評価されているのかを推測することは可能なため、検索結果や競合サイトを確認しつつSEO対策を実施していくことはできます。
順位決定要因は非常に複雑化しており、複合的な要因で決定するものなので、どうしたら順位が上がるかを考えすぎてまったく施策ができないよりは、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツを作る考えに振り切った方が初心者のうちは逆に近道だったりもするでしょう。
ただ、「検索意図を満たすコンテンツを作りましょう」だけでは、具体的に何をすべきかの想像がまったくつかない方もいるかと思うので、この後の章でLANYとしてSEOの検索順位を上げるために必要だと考えていることを施策の種類別にご紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
Google検索アルゴリズムの考え方
先述の通り、Googleは検索順位を独自のアルゴリズムによって決定しており、その基本的な考え方は「検索の仕組み」や「検索品質評価ガイドライン」というGoogle公式ドキュメントにまとめられています。
Googleは日常的に細かなアルゴリズムの調整を実施したり、年に3〜4回ほど検索結果が大きく変化するコアアルゴリズムアップデートを実施します。
その時々によってGoogleの検索アルゴリズムは異なり、検索結果を決定する要素として何が重要視されるのかも違います。
常に現時点での検索結果の動向を即時的に捉えて、どのような要素が評価されていて、どうすれば自サイトのSEOパフォーマンスを最大化できるのかを考えることで、検索順位を上げるために必要な施策を検討することができます。
この記事では簡易的に、Googleの検索アルゴリズムにおいて重視されている5つの要素を紹介します。
なお、最新の検索アルゴリズムや検索品質評価ガイドラインを詳細に解説した記事もご用意しております。合わせてご覧ください。
検索意図の把握
Googleは、インデックス登録されている膨大なページの中からユーザーの検索クエリに最も関連性の高い有用な結果を出すことを目指しています。
そのために、まずは「検索クエリの裏側にある検索意図」を把握することを行っており、自然言語処理などの技術を使って検索クエリの単語の意味を分析し、解釈をしているのです。
- 特定の情報を検索しているのか
- 幅広い情報を検索しているのか
- 口コミを探しているのか
- 画像を探しているのか
- お店の閉店時間を調べているのか
解釈した検索意図に対して最も適したページを上位表示できるよう、日々アルゴリズムも改善されています。
検索クエリとコンテンツの関連性
検索クエリから検索意図を把握した後は、その検索意図を満たせるウェブページをインデックスサーバーから探します。この際に重視される指標がNeeds Metです。
Needs Metとは、「検索結果が、ユーザーの検索ニーズをどれくらい満たしているか」を評価するための指標です。
「検索品質評価ガイドライン」では、上位表示を狙うクエリの検索意図と記事の内容のマッチ度合いを以下の5段階で評価しています。
評価 | 概要 |
---|---|
Fails to Meet(FailsM) | すべて、またはほぼすべてのユーザーのニーズを完全に満たさない。たとえば、コンテンツの主題が検索クエリから外れている場合や、クエリの検索意図とまったく異なる場合。 |
Slightly Meets(SM) | 検索意図に対して一般的で合理的な内容であるが、役に立つ内容ではない。または、検索意図と関連性が低いが役に立つ内容である。 |
Moderately Meets(MM) | 検索意図に対して一般的、または合理的かつ役に立つ内容である。 |
Highly Meets(HM) | 検索意図に対して、「とても」有益で一般的であり合理的な内容が示されている。 |
Fully Meets(FullyM) | ユーザーの明確な検索意図のあるクエリに対し、明確に応えられている |
SEO担当者はFully Meetsを目指すのが理想的です。
Fully Meetsを目指すためには、下記が必要です。
- ユーザーの検索意図を明確に理解すること
- ユーザーの検索意図に対して明確に答えること
SEO担当者がユーザーの検索意図を明確に理解する上で重要になるのが、クエリの種類です。
SEOでは、下記のような4分類にクエリの種類を分けるのが一般的です。
クエリの種類 | 検索意図 | クエリの例 |
Knowクエリ | 情報を知りたい | ・SEOとは ・ネクタイ 結び方 ・チャーハン 作り方 |
Doクエリ | 行動をしたい | ・引越し 見積もり ・ディズニーランド 予約 |
Goクエリ | 特定の場所やサイトに行きたい | ・近くのカフェ ・Amazon |
Buyクエリ | 購入したい | ・冷蔵庫 おすすめ ・ワイヤレスイヤホン 通販 |
実際に対策したいクエリで検索を行い、Googleがどのような検索結果を作っているかの情報から、ユーザーの検索意図を深掘りしていきましょう。
基本的には、Googleの検索結果で上位表示されているサイトやページがSEOにおける正解として捉えることで、迷うことなく成果に繋がりやすくなります。
たとえば、「ネクタイ 結び方」で検索した際のGoogleの検索ツールバーは、左から画像、動画となっています。
検索ツールバーは、検索クエリごとに順番は変わっており、ユーザーの検索ニーズにあった順番で並べられているため、ネクタイの結び方を調べている人はテキスト情報ではなく、画像や動画を求めているということが推察できます。
検索者が画像や動画を求めているのであれば、きちんとネクタイの結び方を紹介した画像や動画をコンテンツ内で掲載することで、検索意図との合致率が高まり、上位表示される可能性も高くなるでしょう。
コンテンツの質
Needs Metでは「ユーザーが求めている有益な情報の有無」は評価できますが、発信している情報の信頼性までは判断できません。その観点を補完するために用いられているのがPage Qualityの考え方です。
Page Qualityとは、「ページが、そのページ自体の目的をどの程度達成しているか」を評価するための指標です。
ページの目的とは「そのページが作られた意義」のことを指します。たとえば、ニュースサイトであれば目的は「ニュースを適切に伝えるため」となるように、多くのサイトやページには「ユーザーに有益な情報を発信する」という目的があります。
検索品質評価ガイドラインでは、Page Qualityを以下の5段階で評価しています。
評価 | 概要 |
---|---|
Lowest | 信頼性が低く、問題のあるぺージ |
Low | ページの目的が達成できておらず、改善が必要なページ |
Medium | ページの目的が達成している普通のページ |
High | ページの目的が達成できており、専門性や情報の質が十分に高いページ |
Highest | ページの目的が達成できており、専門性や情報の質が突出しているページ |
具体的には下記のような要素を総合的に評価していると考えられます。
- コンテンツの新しさ
- 検索キーワードの出現回数
- 内容のE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)が高いか
たとえば検索クエリに関連する他の著名なサイトから被リンクを受けていれば信頼に値するページであるとGoogleは高く評価できるようになります。
逆に上位表示させるためだけに被リンクを購入したり、キーワードを大量に繰り返すだけの価値の薄いスパムコンテンツについては「ペナルティ」などの手法を使って検索結果に表示されないように対策をしていたりもします。
検索クエリごとに「品質が高い」の定義は異なります。もし自分が検索する場合だったらどのようなページを求めているかを徹底的に考えたり、すでに検索結果で上位表示されているページを見て何が評価されているのかを考えたりすることで「品質が高い」を定義するところからコンテンツ制作を始めるのが良いかもしれません。
なお、専門性や信頼性に紐づくE-E-A-Tの概要はのちほど詳しく紹介します。
ユーザービリティ
ユーザビリティとは、SEOにおいてコンテンツの操作性、読みやすさ、わかりやすさなどを評価する指標です。
利便性もSEOの成果に関わるため、ユーザーがストレスなくページを閲覧できるように整備することも重要です。
- どのブラウザでも問題なく表示できるか
- PC、スマホ、タブレットなどの異なるデバイスすべてに最適化されているか
- ネット環境の良くないユーザーでもページをスムーズに閲覧できるか
上記のようなユーザー体験に大きな影響を与える要素が問題なく満たせているのかは検索順位を決める上で重要視されています。
PageSpeed Insightsなどのページパフォーマンスを計測するツールもGoogleから無償で提供されていますので、対策したいページのパフォーマンスの現状把握と適切な対策をしてあげることも重要になります。
PageSpeed Insightsの使い方および表示速度の改善方法は下記の記事で詳細に解説しております。あわせてご一読ください。
文脈の考慮
Googleは検索クエリだけでなく、どこで検索しているのか(位置情報)や過去の検索履歴(趣味嗜好)も含めて、検索結果をパーソナライズしています。
「近くのカフェ」と検索すると、検索している位置から近いカフェが検索結果に出てくるのは文脈の考慮のおかげです。
もちろん、検索結果に検索履歴を利用して欲しくない場合には、Googleアカウントの設定で無効化することもできます。
このようにGoogleは様々な要素を複合的に判断して、その人、その検索クエリにとって最も有益なページを出すために日々進化しているのです。
検索品質評価ガイドラインにおける「E-E-A-T」の考え方
Google検索品質評価ガイドラインとは、Googleの検索結果の品質を人力で評価するための指標を定めた、外部の検索品質評価者向けに用意した文書です。
ガイドラインには「検索ユーザーのニーズ」が反映されており「Googleが求めるページ(=上位表示にふさわしいページ)」の要件がわかる内容になっています。
検索順位を上げるための方法が記載されているものではありませんが、ガイドラインの内容を理解することで、SEO担当者は本質的な施策を検討するための考え方ができるようになるでしょう。
ここでは、検索品質評価ガイドラインの中で繰り返し出てくる重要概念「E-E-A-T」について整理します。E-E-A-Tを満たしたコンテンツを制作することで、SEO評価が高まり、上位表示を目指せます。
なお、E-E-A-Tの詳細は下記の記事でも解説しています。理解を深めたい方は合わせてお読みください。
Experience:経験
Consider the extent to which the content creator has the necessary first-hand or life experience for the topic.
検索品質評価ガイドライン
「経験」では、コンテンツのトピックを執筆する上で必要となる経験を、執筆者本人がしてきたかどうかを評価します。
言い換えれば、製品を購入して使ったり、ある場所に出かけたりなど、本人の経験に基づいてコンテンツは制作されるべきであるとGoogleが考えていることを示します。
コンテンツのトピックに関して実際に体験したことのある人を執筆者としてアサインすると良いでしょう。
Expertise:専門性
Consider the extent to which the content creator has the necessary knowledge or skill for the topic.
検索品質評価ガイドライン
「専門性」では、コンテンツの執筆者がそのトピックについて発信するために必要な知識やスキルを十分に有しているかどうかを評価基準としています。特に、YMYLと呼ばれる人々の生活や人生に大きな影響を与えるような情報領域では、執筆者の専門性が極めて重要視されています。
コンテンツに書かれた内容の真偽は、信頼できる専門家によって書かれたかどうかでGoogleは判断すると考えられるため、
- 誰が書いているのかわかる(透明性)
- 書いている人に専門性があることがわかる(専門性)
の2点が重要となります。
例えば構造化データのArticleと呼ばれるオブジェクトの中にauthor(執筆者)と呼ばれるプロパティを用意し、そこにきちんと誰がその記事を書いたのかを明記する必要があります。
Authoritativeness:権威性
Consider the extent to which the content creator or the website is known as a go-to source for the topic.
検索品質評価ガイドライン
「権威性」では、コンテンツ執筆者やWebサイトが、そのトピックにおいて最も信頼できる情報源として認識されているかどうかを評価します。
権威性をどのように評価しているか明確にわかっていないものの、取り扱う情報の領域・業界で、第一人者であると認められていることが重要です。
具体的には、何か特定の分野の情報を調べたいと思った時に「指名検索」されることも権威性を高めるために重要です。
その分野の第一想起(真っ先に思い浮かぶブランドやサイト)を取れていることが権威性の証明にもなるため、指名検索数を増やしていくことは非常に重要になるでしょう。
指名検索については下記の記事に詳しくまとめていますので、ぜひ合わせて読んでみて下さい。
Trustworthiness:信頼性
Consider the extent to which the page is accurate, honest, safe, and reliable.
検索品質評価ガイドライン
「信頼性」では、文字通りページの正確さ・正直さ・安全性・信頼性を評価しています。
コンテンツの内容に応じて求められる「信頼性」の水準や評価ポイントは異なります。
基本的には「発信している情報がどのようなソースをもとに作成されているのか」「どのようなポリシーで作成されているのか」など、経験や専門性、権威性の評価基準を複合的に掛け合わせることで評価されているのではないかと考えています。
SEO対策の種類
SEOの施策は大きく分けると「内部対策」と「外部対策」の2つに分けられます。
施策の目的や対象に応じて分類され、どちらの施策も上位表示を目指す上で欠かせない取り組みになります。
まずはSEOの種類について説明します。
内部対策
内部施策にはテクニカルSEOとコンテンツSEOの2種類があります。
テクニカルSEOとはクローラーにページを素早く見つけてもらい、正しい情報でインデックスしてもらうための対策です。自社サイトのページを検索結果上位に表示するためにサイト内部の構造や設定を整理する施策全般を指します。
コンテンツSEOは対策キーワードに対して良質なコンテンツを制作し、自然検索からユーザーを呼び込み、自社商品やサービスへの集客を目指す施策です。
外部対策
自社サイト外からのシグナルを利用して、自社ページのSEO評価を高める対策です。
主に被リンクやサイテーションの獲得がこの施策に該当します。
内部対策とは異なり、自社でコントロールできる領域が少ない対策になります。
Googleは第三者から評価されるページを有益なコンテンツと判断するため、外部対策も内部対策と同じく検索結果に対する重要な指標となります。
ユーザー行動指標
ユーザー行動がSEOに与える影響も大きくなってきています。
SEOはSXO(Search Experience Optimization = 検索体験最適化)とも称され始めており、検索エンジンだけでなくそれを利用するユーザー体験に向けて最適化をすべきだと変わってきました。
Googleが直帰率や滞在時間をランク要素として利用していると明言はしていないものの、数多くの実験などからその指標たちが順位にかなり大きな影響を与えているのが事実です。
SEOの内部対策一覧
ここからはSEO評価を高めるために取り組みたい、具体的な内部対策を紹介します。
内部対策を整理すると、以下のようになります。
カテゴリ | 観点 | 具体的な施策 |
---|---|---|
テクニカルSEO | HTML構造 | ・適切なタイトルを設定する ・ディスクリプションを設定する ・Hタグでページの内容を整理する ・構造化マークアップを実装する |
サイト構造 | ・クローラビリティを見直す ・内部リンク構造を最適化する ・モバイル最適化に対応する ・重複コンテンツを解消する ・ページスピードを改善する ・https(SSL化)に対応する ・URL構造を最適化する | |
コンテンツSEO | コンテンツ | ・コンテンツの品質を高める ・オリジナリティを出す ・キーワード含有率を高める ・フレッシュネスを重視する ・マルチメディア対策を推進する ・検索意図を満たす情報量を確保する |
「HTML構造」はSEOの基本中の基本です。アルゴリズムの進化によって、かつてほどHTMLのタグ単体で順位が左右されることは減ったものの、検索エンジンと適切なコミュニケーションを取るためには、適切な文書構造でマークアップする必要があります。
「サイト構造」もHTML構造と同様に、検索エンジンと適切にコミュニケーションをとり、適切に評価されるために重要な要素です。
そして、「コンテンツ」は常にSEO対策の中での最重要項目です。“Content is King“と呼ばれる時代が続いたのも、コンテンツがSEO対策に占める重要性が相対的に高かったためです。
一つずつ解説します。
【テクニカルSEO】適切なタイトルを設定する
タイトルは今も昔もSEOでもっとも重要なHTMLタグです。
そのページにどんな内容が書かれているのかをもっとも強く表しているのが、タイトルタグです。
タイトルタグを変更しただけで順位を大幅に上昇させたり、逆に下落させた経験も多々あります。
対策したいキーワードをタイトルに含めるのはもちろんのこと、対策したいキーワードと関連するキーワードや共起語なども合わせて入れたりして、テクニカルに作成していく必要があります。
もちろん、検索結果でユーザーがタイトルを見てクリックするかどうかを決める要素でもあるため、SEO視点だけではなく、ユーザー視点でも考える必要があり、非常に難易度の高い部分です。
闇雲にタイトルにキーワードを詰め込んでもテーマ性が薄まってしまいますし、検索結果画面で表示されるタイトルの文字数も決まっているため、適切な文字数に抑える必要もあります。
記事型SEOでは、タイトルを決めるのに10分〜30分程度かける場合も多いくらい、大切な要素です。
ただ、タイトルタグの修正は大変な作業ではないため、実際のユーザー行動をGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールで確認しながら適切にチューニングしていくことをおすすめします。
タイトルを変えることでCTRを上昇させることは容易いため、下記の記事も参考にしながらご自身のサイトでトライしてみて下さい。
【テクニカルSEO】ディスクリプションを設定する
ディスクリプション(meta description)が直接的にSEO順位に影響することはありません。
しかし、ユーザーが検索結果画面でどのリンクをクリックするかの判断をする際に大きな影響を及ぼしています。
SEOの上位目的は、サイトへの流入数を最大化することであるため、CTR(クリック率)を高めるためのディスクリプションは言うまでもなく重要です。
また、間接的にはCTRを高めることで、そのページのユーザー行動指標が良いとされて順位が上がることがあると個人的には考えています。
Googleがせっかく1位に表示したのに、全くクリックされないサイトがあったとしたら順位を下げたくなるのは自然です。
ディスクリプションを決める際には、狙っているキーワードで検索した際に表出するリスティング広告のディスクリプションを参考にしましょう。
リスティング広告は、いくつものタイトル・ディスクリプションの組み合わせのテストをGoogleのAI技術を使いながら行って最適化が行われているため、基本的にはCTRが高まるような文言にチューニングされています。
また、ユーザーの検索クエリに合致したものは太字で表示されますので、いかに検索結果画面で目立つかも頭に入れつつディスクリプションを考えてみてください。
meta descriptionについては下記の記事で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【テクニカルSEO】Hタグでページの内容を整理する
タイトルタグ同様、Hタグ(見出し)の内容を見てGoogleはページのテーマを理解しようと努めます。
Googleの「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」にも、見出しタグを利用して重要なテキストを強調するように書かれていました。
そして、コンテンツの階層構造を正しく伝えるために、適切な順序でHタグを記載することが推奨されています。
逆にHタグの使い方として避けるべき方法としては、
- ページの構造を定義するのに効果的でないテキストを見出しタグで囲む
- <em> や <strong> のような他のタグの方が適している場所で見出しタグを使用する
- 見出しタグのサイズを不規則に変える
- ページ内で見出しタグを過度に使用する
- 見出しが非常に長い
- 構造を示すためではなく、テキストの書式を整える目的で見出しタグを使用する
キーワードを詰め込みすぎて、見出しが非常に長いサイトをよく見かけますが、Googleからは全く推奨されていないので変更した方が良いかもしれません。
個人的にも、見出しを長くしすぎるとテーマ性が伝わりづらくなり逆効果になると考えています。
適切なHタグを用いて、ページのテーマ性をGoogleに伝えられるように努めましょう。
【テクニカルSEO】構造化マークアップを実装する
構造化マークアップは、Googlebotとの適切なコミュニケーションを取る上で非常に重要になります。
構造化マークアップをすることで、下記のようなメリットがあります。
- 検索エンジンがページの内容を理解しやすくなる
- 検索結果に様々な要素が表示されるようになる
Googleの公式ドキュメントでも、次のように述べられています。
Google 検索では、ページのコンテンツを理解するよう取り組んでいます。ページに構造化データを含めて、ページの内容についての明白な判断材料を提供すると、Google でそのページをより正確に理解できるようになります。
具体的な構造化マークアップの例としては、下記のようなものがあります。
構造化マークアップを適切に用いて、より適切に検索エンジンとコミュニケーションをしていけるようにしましょう。
【テクニカルSEO】クローラビリティを見直す
サイト構造を整える目的の一つに、クローラビリティを高めることがあります。
クローラビリティとは、簡単に言えばサイト全体のクロールのしやすさで、検索エンジンの仕組みの箇所でご説明したようなURLの発見→クロール→インデックスのプロセスを最適化するために必要になるものです。
コンテンツを確実にクロール・インデックスされなければ、SEO経由の流入数はどれだけいいコンテンツだとしても0です。
大規模データベース型サイトのようなページ数が数百万ページもあるようなサイトでなければクローラビリティを意識しすぎる必要はそこまでありませんが、小規模なブログやメディアでも一部意識すべき点はあります。
新規記事を作成した後に、なるべく早くインデックスさせたり、既存コンテンツをリライトした後にその反映をGoogleにすぐに読み込ませて再評価をしてもらうためには、クロールを適切に回してあげる必要があります。
Google Search Consoleの「インデックス作成>ページ」から、インデックスされているコンテンツとされていないコンテンツを確認することができます。
新規記事を書いても一向に流入が獲得できない場合にはチェックしてみましょう。
例えば、上記の画像では「未登録」とグレーで表示されている18ページはインデックスされていません。
ページを下にスクロールすると、「ページがインデックスに登録されなかった理由」を確認できます。
個人ブログや小規模メディアであれば、クローラビリティを意識したことがないかとは思いますが、即時的にインデックスさせたりリライトの効果を反映させるためにもぜひ少しずつ意識していけるようになりましょう。
自社だけでなく競合サイトなどのインデックス数を確認する方法は下記の記事に詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
無料ホワイトペーパー「【LANY流】GSCインデックスレポート-よくある除外ステータスへの対応」はこちら>>
【テクニカルSEO】内部リンク構造を最適化する
内部リンク構造は前述のクローラビリティを高めるためにも必須ですが、順位を適切に上げるためにも大切です。
SEOにはリンクジュースと呼ばれる概念があり、リンクを集めることで “SEOパワー” が高まり、Googleからの評価が上がります。
むやみやたらに内部リンクを寄せ集めればいいというものではなく、リンクジュースの量が一定だとした時にどのように分配するのかを考える必要があります。
ブログやメディア運営をしていく上では「トピッククラスターモデル」と呼ばれる内部リンク構造が主流になってきており、ビッグキーワードやミドルキーワードでの上位表示を目指すのに優秀な内部リンク構造となっています。
下記の図のように同一のトピックの記事群を内部リンクで戦略的にまとめることで、記事群全体の評価を高めることが可能です。
どのようにトピッククラスターモデルを作っていけば良いのかの具体的な手法は、下記の記事と動画にて解説していますので、ぜひ読んでみてください。
サイト構造を伝えるためのリンクとして「パンくずリスト」も存在します。
サイト内のページの相対的優先度を検索エンジンに伝えることのできる機能になるので、確実に利用するようにしましょう。
構造化データマークアップも利用でき、Googleもその使用を推奨しているので、ご自身のサイトで構造化データマークアップがなされているかどうかは確認してください。
パンくずリストの設定方法やメリット、どのようなSEO効果があるのかの具体的な解説は下記の記事にて行っていますので、ぜひ読んでみてください。
【テクニカルSEO】モバイル最適化に対応する
2015年にスマートフォンによる検索数がデスクトップでの検索数を追い越しました。
かつてはPCに最適化するのがSEO担当者の仕事ですが、現在ではスマホ(モバイル)に最適化するのが当たり前な時代に変わりました。
モバイル・ファースト・インデックスと呼ばれるスマホのHTMLを評価対象とする変更も大々的に行われ、ほぼすべてのサイトでモバイル版のHTMLが評価対象になっています。
ブログやメディアサイトであればレスポンシブウェブデザインと呼ばれるPCとスマホのHTMLが同一の手法で作られているため特にモバイル最適を考慮する必要はありません。
逆に大規模データベース型サイトなどであれば、PCとスマホでURLがそもそも異なるセパレートURLで作られていたり、ユーザーエージェントによってHTMLを出し分けるダイナミックサービングで作られていたりするため、その場合にはスマホ側のHTMLを意識的にSEO最適する必要があります。
MFI対策は専門知識が必要になるため、ご自身ではどうにもできない場合には開発者や我々のようなSEOコンサルティング会社に相談するのをおすすめします。
これまではGoogle Search Consoleから「モバイルフレンドリーレポート」を使用することで、モバイル利用に問題がないかチェックできました。しかし、こちらのツールは2023年12月1日に提供終了となってしまいました。
代替ツールとして、「Lighthouse」の活用がおすすめです。
LighthouseとはWebサイトを分析・診断できるGoogleの拡張機能です。
使い方はシンプルで、拡張機能をストアから追加すると、オレンジの灯台アイコンが追加されます。
パフォーマンスを分析したいサイトにアクセスし、灯台アイコンをクリックすることでPageSpeed Insightsの評価か、Lighthouseの評価のどちらかを簡単な操作で表示することができます。
Lighthouseの評価レポートは下記のようなUIで確認できます。評価要素は旧モバイルフレンドリーレポートで使用されていたものがベースとなっています。
【テクニカルSEO】重複コンテンツを解消する
重複コンテンツはSEO担当者の永遠の課題です。
Googleがどのように重複コンテンツ判定をしているかの明確なロジックは公開されていないため、人によって重複コンテンツの定義はバラバラだったりします。
具体的な定義については「重複コンテンツ」の記事にまとめているので割愛しますが、重複コンテンツがあることでSEO的に次のようなネガティブ影響があります。
- 外部評価が分散する可能性がある
- クローラーのリソースが無駄遣いされ、本来回遊してほしいページが回遊されなくなる、または回遊頻度が低下する可能性がある
本来のサイトのポテンシャルを発揮できなくなってしまうため、可能な限り重複コンテンツは避けたいところです。
重複とまではいかなくてもカニバリと呼ばれる、本来検索結果に出したいページではないページが表示されてしまう現象も重複のように対策してあげる必要があります。
下記の記事と動画では、カニバリの対策方法をまとめていますので、課題感を抱えている方はぜひ参考にしてみてください。
【テクニカルSEO】ページスピードを改善する
Googleはページスピードがランキングファクターであることを明言しています。
スマホの普及によって、ユーザーの求める快適なページ表示速度の基準はどんどん高まってきています。
モバイルサイトの読み込みに3秒以上かかると53%が閲覧を止めて離脱するといったデータもGoogleは公表しており、直接のランキング要素としての重要性だけでなく、ユーザービリティにおいても大事な要素です。
ページ表示速度を簡単に計測するには、Page Speed Insightを利用しましょう。
フィールドデータでは、Googleが独自に収集した過去30日間におけるユーザーデータに基づいて評価が行われます。具体的には、以下の6つの指標で表示されます。
指標 | 内容 |
---|---|
Largest Contentful Paint (LCP) | アクセスしてから最も大きいコンテンツが表示されるまでの時間を表す指標 |
First Input Delay (FID) | 最初にWebページを操作したときからブラウザが応答するまでの時間を表す指標 |
Cumulative Layout Shift (CLS) | コンテンツにおけるユーザーが意図しないレイアウトの崩れを数値化した視覚的な安定性を表す指標 |
First Contentful Paint (FCP) | URLをクリックしてからWebページ内のコンテンツが表示されるまでの時間を表す指標 |
Interaction to Next Paint (INP) | クリック、タップ、キーボード入力に対するページ全体の応答性を表す指標 |
Time to First Byte (TTFB) | ブラウザがサーバーから最初の1バイトを受信するまでにかかる時間を表す指標 |
Page Speed Insightの画面には、より詳細なスコアが出ていたり、改善すべき項目もサジェストしてくれますので、レポートを見ながらページ表示速度の改善に励んでいきましょう。
2020年以降は、Core Web Vitalsと呼ばれるUX指標もSEOをやる上で考慮せざるを得なくなってきました。
LCP、FID、CLSという3つの項目をユーザーが快適にサイトを利用できる水準にするとウェブサイト高速化も兼ねてSEOに有利になるという理解が広まり、多くのサイト運営者がその改善に追われています。
Core Web Vitalsの詳細な解説は下記の記事で行っていますので、気になる方は読んでみて下さい。
【テクニカルSEO】https(SSL化)に対応する
2018年7月より、https化されていない全てのサイトに対して警告が表示されるようになりました。
これは、Webサイトを見るときにどんな通信手段を用いるのかを表しており、「https://」だと通信内容が暗号化されるのに対し、「http://」から始まっていると暗号しないで通信しています。
難しい話を抜きにすると、httpだと安全な通信ができません。
Googleは、HTTPSによる暗号化を採用するよう強く働きかけることによって、保護されたウェブを目指してきました。
2014年からGoogleは「HTTPSをランキングシグナルに使用します」と明言しています。
ネガティブな評価を少しでも減らすために、まだhttpを利用している方はすぐにhttpsに移行しましょう。
【テクニカルSEO】URL構造を最適化する
URL構造もSEOにおいて重要な要素です。
Ubersuggestの開発者のニール・パテルが2019年に行ったSEO実験によれば「URLの最適化がSEOに好影響を与える」ことがわかっています。
この実験の結果、URLは短く、キーワードを含めるべきだと述べられています。
SEOフレンドリーなURL(https://neilpatel.com/blog/seo-urls/)を作成するコツは、1つか2つのキーワードを含め、短いURLにすることだ。
ただ、URLにキーワードを含めるかどうかに関しては、英語圏では効く施策ですが、日本語だとなかなか効かせづらい気がします。
最低でも長すぎるURLはやめて、ユーザーにとってもページの内容がパッと伝わる端的なURLにしましょう。
またSEOに詳しくない方だとURLを頻繁に変更してしまうことがありますが、SEO的には非常にネガティブな行為です。
URLを変更して適切にリダイレクトをかけたとしても、元々の評価の80%程度しか引き継げないと言われているため、URLを無理に変えることはやめることを推奨します。
【コンテンツSEO】コンテンツの品質を高める
「品質」と言うと抽象的ですが、高品質なコンテンツが上位表示されるのは当たり前な話です。
キーワードや領域によって「高品質」の定義は異なりますが、基本的にはユーザーの検索意図を満たせて、情報の信頼度が高いコンテンツが高品質と言えます。
より詳細な品質評価の方法は「検索品質評価ガイドライン」と呼ばれる英語で166ページもあるボリューミーなドキュメントにまとめられています。SEOに本気で取り組む方であれば一読の価値はあります。
Googleはコンテンツの品質を評価するアルゴリズムを磨き続けているため、かつてのように機械が適当に作成した記事などの自動生成コンテンツや、他のサイトの情報をコピーしただけで付加価値のないようなコンテンツを低品質であると見分けることが可能です。
ページ単位でコンテンツの品質が高いことは重要極まりないですが、サイト全体として低品質コンテンツを保有しないこともドメイン全体のSEO強化に寄与します。
高品質を定義するには逆説的に低品質を理解することが重要です。下記の記事で低品質コンテンツの定義をGoogle公式見解とSEO界隈でよく言われている見解の両面からまとめていますので、ぜひ合わせて読んでみてください。
【コンテンツSEO】オリジナリティを出す
コンテンツのオリジナリティは、SEOの評価要因の中でも年々重要度が増してきています。
特に、2022年あたりから急速に成長しているAIライティングの登場によって、より重要度が増しました。
誰でも正しく網羅的な情報が簡単に提供できてしまうAI時代においては、そこでしか手に入らない一次情報といったオリジナリティあふれるコンテンツが重要視されています。
インターネットに存在する情報だけを参考にコンテンツ制作をするのではなく、社内データベースや書籍、YouTube、人々の経験や実体験などをもとにコンテンツを作っていくことが重要です。
「AIライティングに負けないオリジナリティのある記事を作る方法」という記事や動画も別で用意しておりますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
【コンテンツSEO】キーワード含有率を高める
コンテンツSEOでは、ユーザーの検索クエリの裏側に隠れている検索意図を読み解き、その検索意図を満たすためのコンテンツを提供することが重要です。
前述したように、検索意図を読み解くためには対策キーワードやその関連キーワードや再検索キーワード、共起語などを網羅的に調査し、それぞれにどのような意図が隠れているのかを推測します。
各種キーワードから検索意図を読み解き、それらを満たす回答としてのコンテンツを作ることができれば一番良いのですが、実際問題なかなか難易度は高いです。
最低でもGoogleの検索アルゴリズムのドキュメントにあるように「キーワードの頻出数」がクエリとの関連性を測る上で重視されているため、調査したキーワードをコンテンツ内に含めてあげましょう。
SEOは「キーワードマーケティング」と呼ばれるくらい、キーワード一つ一つと向き合っていくことが重要です。
【コンテンツSEO】フレッシュネスを重視する
情報の最新性もSEOの評価要素の中で比重が大きくなってきました。
Googleのジョン・ミュラーも、最新のコンテンツを評価していることを示唆するようなコメントをTwitterで残しました。
Better for me is to know what the date was, that makes it easier to recognize high-quality evergreen content.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) August 16, 2019
私にとっては、公開日がいつなのかわかったほうがいい。そのほうが高品質で古びることがないコンテンツだと認識しやすくなる。
ニュースサイトなどの最新の情報が求められる場合はもちろんのこと、通常の検索クエリでもフレッシュネスが順位に与える影響が高まってきています。
フレッシュネス指標は、基本的に次の要素で判断されています。
- HTMLの変化量
- ページのキャッシュの更新頻度
- 被リンク獲得のリーセンシー
- ソーシャルシェアのリーセンシー
- サイト全体の更新頻度
コンテンツの更新頻度を高くしてHTMLの変化量を高めたり、クロールを定期的に回してあげられるように工夫をしてキャッシュの更新頻度を高めることが重要です。
サイト単位でも、どれだけ定期的に被リンクやソーシャルシェアを獲得できているかや、新しいページが増え続けているかなどの要素も重要視されています。
フレッシュネス指標について、下記の記事と動画で詳しく解説しております。合わせてご覧ください。
【コンテンツSEO】マルチメディア対策を推進する
画像や動画、音声といったマルチメディアを利用することもSEOに影響を与えるようになってきています。
検索クエリごとに求める情報の形は異なり、たとえば「ネクタイの結び方」であれば画像や動画を求めている方が多いでしょうし、「近くのカフェ」であれば地図を見たい方が多いと考えられます。
Googleでキーワードを検索したときのGoogle検索ツールバーの左端が何になっているのかを見て、ユーザーが求める情報の形を推察することもできます。
検索クエリごとにユーザーがどのような情報の形を求めているのかを捉えて、その形で情報を提供してあげることで検索順位を上げることができます。
昨今では、YouTubeのプラットフォームとしての台頭や、各種音声メディアの登場によって、いろいろな情報の取得方法が出てきています。
自分が参入している領域の情報は、どのようにユーザーに届けることが最適なのかを考えながら、これまでのようにテキストだけのSEO対策をやめて、マルチメディアで戦っていくことが必須になるでしょう。
【コンテンツSEO】検索意図を満たす情報量を確保する
検索意図を満たせるコンテンツが上位表示されると言ってきましたが、検索意図を満たすためにはある程度の情報量が必要になります。
特に、検索意図が広いキーワードになればなるほど、検索者ごとに求めている答えが異なるため、それら多数の検索意図を網羅的に対策する必要があります。
いわゆるビッグキーワードやミドルキーワードと呼ばれる1単語や2単語程度の検索意図がシャープに読み解けないクエリで上位表示させるためには、多くの情報量が必須です。
昔のようにただ文字数を増やしたコンテンツが上位表示されるわけではなくなりましたが、ある程度の文字数が必要なのは今も昔も変わらないと考えています。
文字数と順位に直接的な因果関係はないですが、文字数が増えることで前述したような「キーワード含有率」も高まります。
また網羅性が高いコンテンツになれば、被リンクやソーシャルシェアが獲得しやすく、外部指標的にも強くなりがちです。
ただ文字数を増やせば言い訳ではないですが、最低でも上位表示されている競合サイトの文字数程度は意識した上でコンテンツを作成すると良いでしょう。
「かんたん文字数カウント」というGoogle Chromeの拡張機能を利用して調査するとすぐに文字数がわかるのでおすすめです。
文字数とSEOの関係については、下記の記事と動画にて各種データとともに詳しくまとめていますのでぜひ参考にしてみてください。
SEOの外部対策一覧
具体的な外部施策は以下の通りです。
カテゴリ | 具体的な施策 |
---|---|
リンク | ・被リンクを獲得する ・質の悪い被リンクは集めない ・分かりやすいアンカーテキストを設定する |
サイテーション | ・SNS運用や広告出稿で認知を拡大する ・分かりやすいサービス名やサイト名にする |
2000年にPageRankの概念をGoogleが発表した時から、リンクはSEOでもっとも重要なシグナルでした。
その重要性からかつては「ブラックハットSEO」と呼ばれる検索エンジンアルゴリズムの裏をかく悪質な技術が見られましたが、ペンギン・アップデートやパンダ・アップデートによって、ブラックハットSEOによる効果を失いました。
ただ、リンクによるサイト評価はGoogleの根幹をなす思想であり、技術です。
サイテーションは、SNSや他サイトにおける自社に関する言及や引用のことを指します。
それぞれに効果的な施策を解説します。
【リンク】被リンクを獲得する
かつてほどの重要度はなくなったものの、被リンクはいつの時代のSEOでも重要な要素です。
被リンクは「量」も「質」も重要です。どちらかと言えば「質」の方が重要です。
優れたSEO担当者は、被リンク獲得(リンクビルディング)が非常にうまく、サービスとしてリンクが自然と増えていく仕組みを組み込んだり、泥臭く1本1本リンクを獲得したりしていきます。
なぜなら優れたSEO担当者は、SEO外部対策の効果が非常に大きいことを理解しているからです。
ahrefsやMOZなどのSEOツールを利用して、競合の被リンク数やどこから被リンクを受けているのかを調査をしたりして、その差分を埋める努力をすると良いでしょう。
かつてのようにハックができなくなった現在でも、被リンクをうまく獲得できるSEO担当者は優秀です。
被リンクをどのように獲得するかの具体的手法については下記の記事と動画にてまとめてありますので、ぜひ読んでみて下さい。
【リンク】質の悪い被リンクは集めない
サイトに対して、どれだけ高品質で評判の良いサイトがリンクしているかが重要です。
かつては被リンクの数が重視されていたため、サテライトサイトを大量に作って自分のサイトに被リンクを渡すなどの手法が行われていましたが、今では全く効果を発揮しません。むしろ現在そんなことをすれば、ペナルティとしてサイト評価を下げてしまうでしょう。
現在は、被リンクの質が非常に重要視されており、ページ間の関連性や被リンク元ページの評価が大きく影響してきます。
むやみやたらに相互リンクを行ったり、悪質なリンク業者の被リンクを購入することは自身のサイトにとってなんの意味ももたらさないのでやめましょう。
リンクにも数より質の時代がやってきています。
【リンク】分かりやすいアンカーテキストを設定する
アンカーテキストは、リンク先の内容が一目見てわかる内容にしましょう。
Googleのクローラーは、アンカーテキストをリンク先のページのテーマとして認識しますので、アンカーテキストにキーワードを含んでいるとそのキーワードで上位表示される確率が高くなります。
これは外部被リンクだけに関わらず、内部リンクでも同様のことが言えるでしょう。
サイト内をアンカーテキストと内部リンクで適切に設計することで、狙ったキーワードでページを上位表示させることがしやすくなり、SEO効果を高めることができるようになります。
たまに、「続きはこちら」など意味のないアンカーテキストを付与しているサイトを見かけますが、もったいないので適切な文言に修正すべきでしょう。
みなさんが想像している以上にアンカーテキストはSEOにとって重要です。
アンカーテキストについては、下記の記事でまとめていますので、合わせて読んでみて下さい。
【サイテーション】SNS運用や広告出稿で認知を拡大する
自社に関する言及や引用を増やすためには、まず自社を認知してもらう必要があります。
そのためには自社のターゲットが多く利用しているSNSを選定し、実際に自社でも情報発信できるようにSNSアカウントを開設し、運用をするのが一つの方法になります。ユーザーが自社のことを認知できるよう、企業の名前やサービス名を明記した投稿を継続的に行うことが重要です。
また、各種広告を出稿することも有効な施策になります。Web広告であればターゲットユーザーに対し短期間でまとまった露出を確保できますし、記事型広告であれば自社サービスと親和性の高いトピックで記事を寄稿することで、自社へのイメージを想起させやすくなります。
【サイテーション】分かりやすいサービス名やサイト名にする
認知のされやすさを考慮し、サービス名やサイト名は分かりやすいものにしましょう。
自社の想いやこだわりを表現するあまり、凝った表現や命名を行うこともありますが、ユーザーが誤って覚えたり、SNSにレビューを投稿する際に表記揺れが生じたりと、サイテーション獲得という観点では不利に働くおそれがあります。
特にローマ字や英語表記を行うときはフリガナを併記すると安心です。
ユーザー行動指標の対策一覧
ユーザー行動指標を改善する対策は、下記の3つに分けてご紹介します。
【ユーザー行動指標】エンゲージメントを改善する
エンゲージメントは動的評価とも呼ばれています。
ユーザーがページに入ってきてすぐに直帰して他のWebサイトに行ってしまったり、あまりにも滞在時間が非常に短かったりすると、Googleは「このページはユーザーの検索意図を満たせていないのではないか?」と考えます。
例えば、サイト流入後にすぐに検索結果画面に戻ってしまう「ポゴ・スティッキング」の多いサイトは、Googleからしたら検索意図を満たせていないサイトと評価して、順位を大幅に下げる可能性もあります。
実際Googleは、直帰率や滞在時間がSEOのランクシグナルとして使われていると明言してはいません。
しかしながら、僕の経験として因果か相関かはわからないものの直帰率や滞在時間とSEOの順位は関係があります。
直帰率を減らしたり、滞在時間を伸ばすためには次のようなことを意識すると良いでしょう。
- 検索キーワードとページの内容を確実に合致させる
- 関連記事への内部リンクを貼る
- リード文で読者の心をつかむ
動画を埋め込むハックで滞在時間を伸ばしている強者SEO担当者もいますので、いろいろ試して滞在時間を伸ばしてみると面白いでしょう。
GA4では、新たに「エンゲージメントのあったセッション」と呼ばれる指標も追加され、よりエンゲージメント率を計測しやすくもなっています。
上記の指標も参考にしながら、サイトのエンゲージメント率を高めていけると良いでしょう。
【ユーザー行動指標】再訪ユーザーを増やす
再訪ユーザーが多いサイトは評価が高くなる可能性があります。
特に2回目以降に指名検索で流入してきてくれるようになれば、ドメインパワー自体が高まります。
新規ユーザーと再訪ユーザーの数はGoogle Analyticsの「レポート>ライフサイクル>維持率」から確認できます。
再訪ユーザーがよく訪れるページ内容を分析したりしながらどうしたら指名検索されるサイトになるのか、もしくは何度も訪れたくなるサイトになるのかを考えてみてください。
再訪ユーザーを増やすために重要な「指名検索」については、下記の記事で詳しくまとめてますので、ぜひ合わせて読んでみて下さい。
【ユーザー行動指標】検索意図を深掘りする
なぜユーザーはその検索キーワードを叩き、自分のページに入ってくるのかを考えましょう。
検索意図を満たすことがSEOであるとよく言われますが、検索キーワードに含まれている疑問や欲求を適切に汲み取り、解決に導いてあげることこそSEOで実施すべき課題解決です。
適切に検索意図を深掘り、満たしてあげることのできるコンテンツを作ることで、次のようないいことが起こります。
- ユーザー行動が改善する
- 検索順位に好影響を与える
- CVRが上がる
具体的にどのように検索意図を深掘りするのかは下記の記事と動画で詳しくまとめてありますので、ぜひ読んでみて下さい。
【ユーザー行動指標】検索結果経由のクリック率を高める
検索結果経由のクリック率(CTR)を高めることも非常に効果的です。
クリック率を高めることで、以下の2つのメリットがあります。
- (直接的メリット)流入数が増える
- (間接的メリット)検索順位の向上に繋がる
前者の直接的メリットである流入数が増えるはイメージしやすいかと思います。同じ検索順位にいたとしても、CTRが20%かから40%に引き上げるだけで、流入数は2倍になります。
後者の間接的メリットである検索順位の向上につながるについては、”Navboost(ナブブースト)”と呼ばれるGoogleの概念があります。Navboostとは、ユーザーのクリックデータを用いてページのランキングを決定するシグナルです。
Google経由でのクリック率が高くなれば、ユーザーから求められているページであるとアルゴリズムが判断し、上位表示させるような仕組みです。
LANYのコンサルティングの事例でも、検索結果経由のCTRを高めて順位を上げた事例も、逆に検索結果経由のCTRが下がってしまい順位が下がった事例もあります。
CTRを高めることは、直接的にも間接的にもメリットしかないので、ぜひCTRを高めていきましょう。
CTRを高めていくためには、大きく2つのやり方があります。
- 検索結果面での魅力度を高める
- サイトや運営企業の認知を高める
検索結果面での魅力度を高めるためには、スニペットに表出する下記のような項目をより魅力的にします。
- タイトル
- ディスクリプション
- ファビコン
- サムネイル画像
特に、タイトルについてはCTRを大きく左右させる要素になるため、ユーザーにクリックされる魅力的なタイトルを検討し、検証をしながら改善していきましょう。
CTRを高めるための分析および改善方法については、下記の記事でまとめていますのでご確認いただけますと幸いです。
サイトや運営企業の認知を高めるについては、広報PRや日々の事業運営の結果になります。居酒屋を検索している場合に、いつも見ていて信頼している某サイトをクリックしたくなったり、何かをインターネットで購入しようと思った時には、常に使っている某ECサイトをクリックしたくなったりもすると思います。
「〇〇といえば、このサイト」という想起を獲得できているとクリック率は相対的に高まりますので、普段から選ばれるサイトになるように意識していきましょう。
SEO記事を作成して上位表示させる方法
ここからは実際にSEOで上位表示を目指すための具体的な方法をご紹介します。
サイトの目的やモデル(型)によって異なりますが、ここでは多くの方が取り組むメディア運営(ブログ運営)のSEO対策についてご紹介します。いわゆるSEO記事をつくり、上位表示を目指すことで集客力の強化を目指す施策を指します。
データベース型サイトやUGCサイト、サービスサイトのSEOの場合には少し異なりますが、メディアのSEO対策を抑えておけば応用が効きます。
各項目を掘り下げて解説します。記事作成以外に上位表示で必要な施策は下記の記事でもまとめておりますので合わせて参考になさってください。
STEP1.キーワードを選定する
SEOはキーワードマーケティングとも呼ばれるくらいにはキーワード選定が重要な業務です。
ユーザーがどんな検索キーワードを、どのような目的で検索するのかをきちんと推測して、そのキーワードに合わせた対策をしていく必要があります。
検索キーワードには「検索意図」が込められており、自分でGoogle検索をするときを考えればわかりますが「新宿 居酒屋」と検索した際には、新宿の居酒屋を探してそのお店へ行こう(もしくは予約しよう)としています。
ご自身のサイトやページの目的に合わせて適切な対策キーワードを考え、そのキーワードで上位表示させることができれば、目的達成に近い見込みユーザーをサイトに連れてくることが可能です。
どのように検索キーワードを選定するのかを解説すると膨大な情報量になるのでここでは基本的な概念だけご紹介します。
キーワードを選ぶ際には次の観点を考慮します。
- 検索意図(サイトの目的に近いかどうか)
- 検索ボリューム(どれくらい検索需要があるか)
- 対策難易度(競合性を踏まえ、上位表示できる可能性はあるか)
大前提として、ご自身のサイトの目的に合わせてキーワードを選びます。
たとえば先ほどの「新宿 居酒屋」の例で言えば、新宿の居酒屋を経営しているのであれば最適なキーワードですが、まったく関係のないお店を運営しているのであればたとえ「新宿 居酒屋」で1位になって多くの方にページを見てもらったとしても目的がまったく達成されません。
また、検索ボリュームが0に近いキーワードで上位表示しても、検索需要がなく誰も検索しないため目的が達成できませんし、検索ボリュームが大きくても競合性が高すぎてまったく上位表示が出来なければこれまた目的が達成できません。
自分のサイトの目的やドメインの強さによって、選ぶべき対策キーワードは異なります。
詳細な検索キーワードの選び方は割愛しますが、「検索ボリュームの調べ方」や「検索キーワードの洗い出し方法」は記事や動画で詳しくまとめていますので、気になる方は合わせて読んでみてください。
メディア運営初心者の方や、ドメインが強くないサイトを運営している方であればロングテールキーワードと呼ばれるキーワードを対策するのがおすすめです。
ロングテールキーワードは次のような特徴を持っているキーワードです。
- 検索ボリュームが小さい
- 掛け合わせキーワード数が多い
- 競合性が低く、上位表示しやすい
- 検索者の検索意図がシャープなので、コンバージョンに繋がりやすい
競合性が低く上位表示もしやすければ、検索意図もシャープなので目的達成に向けたコンテンツが作りやすいでしょう。
ロングテールキーワードの見つけ方やおすすめの対策方法は下記の記事と動画に詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
次のYouTube動画では、キーワードの絶対数が少ない・検索ボリュームが少ないといった場合や、ノウハウ系のキーワードが多くCVにつながりにくいといった場合のヒントを紹介していますので、あわせてご覧ください。
STEP2. 記事構成を作成する
対策キーワードが定まれば、記事構成を作成しましょう。
メディアやブログのSEOで上位表示できるかどうかの鍵を握るのが記事構成です。
対策キーワードに対して検索意図を満たした記事を作成するために、どのような内容をどのような順番で書いていくのかを定めます。
検索意図にあったコンテンツを作成するために、どのようなテーマで記事を書くか、見出し構成をどうするか、本文内で言及すべき内容をどうするかなどを丁寧に決めます。
SEO対策をする場合には、記事内に含めるべき関連キーワードや共起語も記事構成の段階で調査して、要件として落とし込みます。
具体的には次のような流れで進めるのがおすすめです。
なお、こちらの見出しの内容は下記の記事と動画でも解説しています。あわせてご覧ください。
STEP1.読者(ペルソナ)を決める
対策キーワードを検索するのは、どのような人かを想像します。
マーケティングのように詳細なペルソナを決める必要はないと個人的には思っていますが、記事を執筆していく際に対象となる読者がずれすぎないようにある程度の理解をしておく必要はあるでしょう。
どのような人が、どんな情報を知りたくて、どのような状況で検索をするのかを想像しておくことで、この後にある「検索意図の深掘り」が実践しやすくなります。
「都内在住の20代の若手サラリーマン、年収は平均年収くらい」のざっくりとした解像度でもいいので、まずは読者(ペルソナ)を定めましょう。
STEP2.関連キーワードや共起語を調査する
記事構成を作る際には、対策キーワードの関連キーワードや共起語を調査しましょう。
関連キーワードは、対策キーワードの方が合わせて検索するようなキーワードや、再検索をする際に入力するキーワードなので、「どんな情報を求めているのか」の検索意図がはっきりと込められています。
前述のGoogleの検索アルゴリズムの箇所にも記載されていましたが、対策キーワードや関連するキーワードがどれだけページに含まれているかは、クエリとページの関連度を測る上で重視されています。
関連キーワードや共起語を直接的に入れてあげることもSEO対策としては重要ですし、より丁寧に実践するのであれば「関連キーワードや共起語を検索する人の回答」を入れてあげる必要があります。
そうすると、対策キーワードの関連キーワードを調べて、その関連キーワードの関連キーワードを調べて・・・と無限ループに入りそうになりますが、SEOでは検索意図を満たすために適切なレベルでそのような深掘りが必要になります。
関連キーワードや共起語の調査方法は、各種SEOツールを利用することで可能ですが、中でも無料で利用できるラッコキーワードがおすすめです。
上記のように、対策キーワードを入れてあげるだけで、関連語や共起語を即時的に洗い出してくれます。
もちろんご自身でGoogleサジェストや再検索ワード、People Also Askの箇所を複合的に見て判断するでも良いですが、無料ツールを利用して効率化することで、「関連キーワードなどを踏まえて自分の頭で検索意図を考える」ことに時間が使えるようになります。
最低限やるべきこととしては、洗い出したキーワードに優先度をつけて、重要なものやタイトルや見出しに含める、そうでないもののページ内に含めるべきキーワードは本文中に含めるなどを考えましょう。
より時間がかけられる人は、それぞれの関連キーワードの検索意図も推定して、記事全体としてどのようなテーマで書いていけば良いのかまで考えることをおすすめします。
STEP3.検索者の検索意図を深掘りする
対策キーワードを検索する人が、何を求めて、なぜ検索するのかを深掘りしましょう。
顕在的なニーズだけではなく、潜在的なニーズまで深掘りすることが重要です。
前の段階で洗い出した関連語や共起語も踏まえながら、ユーザーはなぜその検索キーワードを検索するのかを頭がちぎれるくらい考えましょう。
検索意図を考えきることで品質の高い記事になり、優れたユーザー行動を生み出すことにつながります。
マーケティングでも同様のことが述べられますが、検索者は自分が何を本質的に求めているのかを理解はしていません。
だからこそ、情報提供者側の我々が検索者が本質的に求めている内容を検索キーワードから推測し、その意図を満たすことのできる内容の記事を作成する必要があるのです。
検索意図を満たすことのできる記事は、必要な情報が適切な量含まれていることが多いため、直接的にSEOが強くなることはもちろん、実際のユーザー行動も優れたものになるため、間接的にSEOが強くなるメリットもあります。
具体的に検索意図をどう深掘りするのかのプロセスは次のやり方がおすすめです。
- キーワードを単語レベルで区切る
- キーワードに対して5W1Hの視点で理由を考える
- 2の理由の深掘りを5段階欲求のいずれかに辿り着くまでやる
検索意図を深堀ることで、たとえば「iPhone おすすめ」の記事のリード文は次のようにもできます。
iPhoneを落としてしまうと、場合によっては修理費が5万円以上になることも。一人暮らしなら約2ヶ月分の食費と考えるととんでもない金額ですよね。だから頑丈なケースを選ぶことが大切です。
具体的にどのような検索意図の深掘りプロセスで上記のようなリード文が導き出されたのかは下記の記事内で解説していますので、ぜひ読んでみてください。
STEP4.検索上位の競合サイトのページを調査する
関連キーワードや共起語を調査し、ご自身の頭で検索意図について考え切った後には、検索結果で上位表示されているページの内容もチェックしましょう。
検索意図に合致するページが上位表示されているため、基本的には上位表示されているページのSEO対策が適切であると考えてしまって問題ありません。
上位表示されているページがどのような内容を、どのような構成で、どのようなフォーマット(画像や動画などのマルチメディアでの対策をしているかなど)で作成しているのかを調査します。
そのまま真似したのだけではコピーコンテンツになってしまいますし、先行者優位の働くSEOでは上位表示は不可能です。
上位表示されるのに必要なエッセンスを抽出しながらも、ここまでで考えてきた「検索意図」と照らし合わせて記事構成に落とし込めると、上位表示の可能性が高まるでしょう。
STEP5.見出し構成(Hタグ)を作成する
必要な事前調査を一通り実施したら、見出し構成を作成しましょう。
見出し構成に沿ってテーマが決定していくため、ユーザーの検索意図を満たしてあげる内容がきちんと入る形で見出し構成を作成してください。
Googleの検索アルゴリズムの公式ドキュメントでも述べられていますが、Hタグにどのようなキーワードが入っているかは重要な要素です。
見出し(Hタグ)を適当に作ってしまうと、Googleにページ内容を適切に伝えることができず、SEOで上位表示させることが難しくなってしまいます。
具体的には見出し構成を作成する上では、次のような点を意識すると良いでしょう。
- 関連キーワードの中で重要度の高いキーワードを含める
- ユーザーの検索意図に沿った順番で見出しを作る
対策キーワードを見出しに詰め込めば上位表示が可能だった時代もありましたが、現在では効果がなくなっています。
より検索意図に沿った適切な見出し構成が作成できるように工夫しましょう。
STEP6.記事のトンマナや留意点を記載する
ご自身で記事執筆をする場合には問題ないですが、記事構成を外部のライターさんなどに渡して記事執筆を代行してもらう場合には、記事のトンマナや留意点を構成に記載しておきましょう。
どのようなスタンスで情報発信をするのか、語尾はですますなのか、文章は読点で改行するのかなどです。
また、コンバージョン目的であれば「記事を読んだ後にどのような態度変容をしてもらいたいのか」を記載しておくと良いと思います。
検索意図を深掘りしているのでユーザーがなぜ検索しているのかは想像できていると思うので、そのユーザーに記事を読んだ後にどのような行動を起こして欲しいのかを考えて、構成にも書いておくのがおすすめです。
せっかくSEO経由で流入が稼げるようになっても、記事の本来の目的が達成できなければ元も子もないので、読了後のネクストアクションの記載はぜひしてあげてください。
このようにして適切な構成が作成できたら、実際に記事を執筆していきます。
STEP3.記事を執筆する
記事構成に従って記事を書いていきます。
構成案を参考にしながら検索意図を満たせるように執筆していくのはもちろん、読み物としての品質を担保することも忘れないようにしましょう。
昨今のSEOは「ユーザー行動」も重要視されているため、読み物としての品質が低く、すぐにユーザーが離脱してしまったり、再検索されてしまうと、そのページの評価が落ちることもあります。
読み物としての品質もSEOに寄与してくるので、最低限の執筆ルールをご自身の中に定めて記事を書いていくのがおすすめです。
たとえば、次のようなルールなどです。
- 文末は「ですます」なのか「だである」なのか
- 数字は半角で書くのか、全角で書くのか
- 読点で改行するのかどうか
- 画像の引用ルールはあるか
上記のように、サイト全体で読み物としての品質が担保されるようにルールをある程度決めておくことをおすすめします。
文章を書いた本人では気付きづらい文章的エラーや日本語的違和感があることも多いので、書いた後には複眼チェックをしたり、日本語校正ツールなどを利用することも推奨します。
WordPressなどのCMSを利用して入稿する場合には、入稿ルールなども作成しながら、記事を読み物として品質を上げることも意識していくようにしましょう。
SEOライティングについては下記の記事と動画にて詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
STEP4. 効果測定(モニタリング)
記事を書き終えて公開した後には、実際に反応がどうだったのかをチェックしましょう。
反応をチェックすることをモニタリングと呼びますが、下記の2観点で振り返りをしてください。
- Google観点
- ユーザー観点
Google観点で振り返るべき指標は、基本的に次の2点です。
- どのようなキーワードで検索結果に表示されたか
- それらのキーワードで何位になったか
後ほど詳しくご説明しますが、上記の指標はGoogleサーチコンソールにて確認することができます。
Googleサーチコンソールの「検索パフォーマンスレポート」に執筆した記事のURLを「正確なURL」の状態で入れ、表示されるクエリを確認します。
上記のように、そのページに対してのパフォーマンスが見られます。
- クリック数
- 表示回数
- CTR(クリック率)
- 順位(対象期間の平均順位)
パフォーマンスレポートを確認して、本来対策したかった対策キーワードできちんとクリックされているのかを確認しましょう。
もし対策キーワードの順位が低くクリックが稼げていないのであれば、なぜ順位が低いのか、そもそもその対策キーワードは適切だったのかを振り返り、ネクストアクションにつなげてください。
初心者の方は1URLごとに丁寧にモニタリングを実施することで、徐々にSEOの肌感覚を身に付けていけると思いますし、その結果次回以降の記事構成の作成や執筆の精度が高まると思います。
ユーザー観点で振り返る指標では大きく次の2点を見ましょう。
- 直帰率
- 滞在時間
上記は、Googleアナリティクスの行動 > サイトコンテンツ > すべてのページの箇所から、執筆した記事のURLを選択することで確認ができます。
平均ページ滞在時間と直帰率の箇所を確認しながら、改善に活かしましょう。
領域やページの目的によって目安となる滞在時間や直帰率は異なりますので、ご自身のサイトの平均値と比べてどうかを見てあげて、平均よりも低い数字になっていたら改善してあげるのがおすすめです。
より詳細なユーザー行動分析を実施したい方は、ヒートマップツールも導入して詳細に分析してあげるのも良いでしょう。
モニタリングをして適切なネクストアクションが定まれば、リライトを実施しましょう。
何をモニタリングしていけば良いかがわからない方は、下記の目標シートの作り方もぜひ参考にしてみてください。どのキーワードを何位にすることで求めている収益やコンバージョンが獲得できるのかを把握することができます。
STEP5. リライト
一度記事を書いたら終わりにしてしまうのは非常にもったいないです。
記事を書いた後に適切に数値モニタリングをして、適切なネクストアクションを打ってあげることで、流入数を飛躍させることができます。
モニタリングの箇所で特定した課題を解決するようにリライトをしていくのがおすすめで、CTRが低ければ順位をあげるためのリライトかタイトルをより魅力的なものにするリライトをしたり、直帰率が高ければリード文を改善するなど、課題ごとに実施すべきリライトの種類は異なります。
具体的なリライトの手法としては、次のようなものがあるので、課題に合わせて適切なリライト手法を選んで実践してください。
- タイトル・ディスクリプションのリライト
- 記事公開日・更新日の最新化
- ファビコンの最適化
- 足りない関連キーワードを追加する
- 足りない再検索ワードを追加する
- 足りない共起語を含める
- 文字数劣位を解消する
- オリジナル画像を挿入する
それぞれが具体的にどのような手法なのかや、どのようにリライトする記事を選んでいくのかは次の記事と動画に詳しくまとめていますので、あわせて読んでみてください。
LANYでは、すばやく多くの記事にリライトを行う「フラッシュリライト」をおすすめしています。少ない工数で記事の改善施策を多く打てるので、効率的にリライトの成果を出したい方はぜひ以下の動画を参考にしてみてください。
LANYではこの記事で紹介したSEO記事の作成方法を用いて、SEOに強い記事作成代行も行っています。ぜひご興味のある方はお問い合わせくださいませ。
SEOの効果測定に役立つツール
先述の章でも言及した通り、SEOで上位表示を目指すためには効果測定が必要不可欠です。
効果測定を通してその施策がどれだけ成果を創出できたのか評価し、思うような成果が出ていないときはさらなる改善策を講じてPDCAを回すことが重要です。
ここではSEOの効果測定に役立つツールの機能を紹介します。
- Google Analytics(GA4)
- Google Search Console
- GRC
- Ahrefs
- SEMRush
- Microsoft Clarity
Google Analytics(GA4)
Google Analytics(GA4)はサイトに流入してきたユーザーの行動分析ができる、無料のアクセス解析ツールです。
具体的には
- ユーザーがWEBサイトに訪問した時の流入経路はどこか?
- 訪問後にサイト内をどのように回遊したのか
- コンバージョンに至ったユーザーの行動
- どのようなユーザーが訪問したか
- ページごとのセッション数や滞在時間
を把握するのに役立ちます。
下記の動画では、GA4を活用したSEOのモニタリング方法を詳しく解説しています。ぜひ参考になさってください。
Google Search Console
Google Search Consoleは無料で利用できる分析ツールです。ユーザーがサイトに訪問する前のデータや、クロール・インデックス状況を調査することができます。
具体的には
- ユーザーがどんな検索キーワードを使って流入してきたか
- どのページが何のキーワードで・何位に表示されているのか
- 公開したページがGoogleのデータベースに登録されているか
- ページがインデックスされていない原因は何か
を把握するのに役立ちます。
GRC
GRCとは順位取得ツールとして多くのSEO担当者に愛用されているツールです。
競合サイトの特定や競合サイトの分析にも使えますが、GRCは順位モニタリングをするだけのツールとして使っても圧倒的にコスパが良いです。
ボタン一つで現在の順位を取得できるため、定常的な順位モニタリングに加えて、特定のキーワードに対して施策を投下した際の効果検証にも役立ちます。
具体的にはリライトを実行した後に順位がどのように変動したのかを確認し、さらなるリライトを行うかどうかを決める、といった活用も可能です。
Ahrefs
Ahrefsは、世界で約60万人以上が使用しているSEO分析ツールで、独自のクローラーが収集する膨大な被リンクデータに基づいた「被リンク分析」が強みです。
有料ツールですが、その分データの精度は高く、できることも多いです。
なかでもよく使われる機能が以下の通りです。
- 被リンクの分析
- ドメインパワーの計測
- 競合サイトが獲得しているキーワード調査
- 対策キーワードの順位追跡
使いこなすためにはSEOへの深い理解が求められますが、その分自社が属する業界におけるSEO上の立ち位置を正確に把握し、より実践的な戦略立案に役立てられます。
Semrush
Semrush(セムラッシュ)とは、SEOや広告、SNSなどさまざまな対策に活用できるオールインワン競合分析ツールです。
SEO分析においては、競合サイトの順位と比較し、競合サイトに負けているキーワードや自社に欠けているキーワードを発見できます。ターゲットキーワードを登録すれば、毎日の順位変動をトラッキングできるため、SEOのモニタリングにも便利です。
Microsoft Clarity
Microsoft Clarityとは「Webページ上でユーザーがどんな行動をしているかを分析できる無料のヒートマップツール」です。
- Dashboard:セッション数や人気ページなどWebサイト全体の状態を確認できる
- Recordings:特定のユーザーの行動をトラッキングし、クリック・スクロールなどのアクションを動画再生で確認できる
- Heatmaps:デバイス別でユーザーのクリック箇所・ページ滞在率などをヒートマップで可視化できる
を把握することができるため、ユーザー行動指標の改善に役立ちます。
SEO対策にかかる費用相場
SEO対策は内製で取り組むことができるため、他のマーケティング施策と比較するとミニマムな予算から着手できることも魅力です。
しかし、「ノウハウがリソースが不足しているから内製だと厳しそう」「プロの知見を借りることでSEO対策の成果を最大化させたい」など、外注の活用を検討されている担当者の方も多いでしょう。
ここではSEO対策を外注するときにかかる費用相場についてご紹介します。
SEO対策を外注するときの費用内訳
下記の表はコンテンツSEOに取り組む場合の費用相場内訳になります。
サービス内容 | 費用相場 |
---|---|
SEOコンサルティング(内部施策の調査&実行) | 約50万円/月 |
キーワード設計 | 約30万円 |
記事構成案作成 | 約5~10万円 |
ライティング | 約10万円 |
取材、撮影 | 約15~20万円 |
画像制作 | 約1~3万円 |
記事監修 | 約2~5万円 |
レポーティング(初期・定常) | 約20万円/月 |
ただし、上記費用はあくまで相場であり、支援領域や案件難易度に応じて変動します。
たとえばキーワード設計からライティングまで外注してSEO記事を制作したい場合、狙いたいキーワードの領域や制作する記事数、1記事あたりの文字数などさまざまな条件で費用が変動します。
SEO対策を外注するときの見積もり例
LANYがSEO対策をご支援させていただく中で、よくある体制と費用の概算をお伝えさせていただきます。
オウンドメディアのSEO
▼体制と費用
・SEO担当者:1人月(60万円)
・新規記事制作:月間5本を外注(50万円)
・デザイン・開発:0.25人月(15万円)
・SEOツール:月間3万円
約130万円
データベース型サイトのSEO
▼体制と費用
・SEO担当者:1.5人月(90万円)
・デザイン・開発:2人月(200万円)
・SEOツール:月間3万円
約300万円
上記に加えて、SEOコンサルティングも含めると追加で月間50万円程度がかかってきます。
ハイブリッド外注がおすすめ
SEO対策を外注する選択肢として、すべてを外注先に任せる方法と、特定の業務だけ外注先に任せて内製する工程も組み合わせる「ハイブリッド外注」があります。
LANYでは費用対効果の観点から、ハイブリッド外注でSEO対策を推進するスタイルをおすすめしています。
たとえばSEO記事制作において、SEOの専門的なノウハウを必要とする施策や検索意図の深掘りなどの工程は外注し、自社の独自性を担保するための一次データ収集や記事の内容チェックを自社で行うスタイルは、外注と内製のメリットを両方享受することができます。
将来的にSEO対策の内製を想定している場合には、ハイブリッド外注で任せた業務の情報共有を積極的に依頼したり、定期ミーティングで疑問点を質問したりすることでノウハウを自社に蓄積するとよいでしょう。
SEO対策の成功事例
SEO対策の全体像をお伝えしてきましたが、SEOに取り組むことでどのような成果を実感できるか、イメージしにくい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、LANYのSEOコンサルティングサービスを受けてくださったクライアント様のSEO対策の成功事例をサイトタイプ別にご紹介します。
記事型メディアサイトのSEO事例
森永乳業株式会社|検索順位で1位表示も獲得し、商品ページのCVRも改善
森永乳業株式会社さまは、乳製品や飲料などの製造・販売を手がけている企業で、通販事業の強化としてSEOを中心としたコンテンツマーケティングに取り組んでいます。
社内の各部署に情報が散らばっている状態で、記事作成の工程に時間がかかるという課題があったため、LANYにSEOコンサルティングをご依頼いただきました。
社内のナレッジを集約した「森永乳業の見解」という形で記事を制作できるようになり、信頼できる情報を発信するとともに、社内資料としても役立つコンテンツになっています。
また、商品ページの改善や記事へのディスクリプション追加などにも取り組み、CVRの向上も実現しました。
読者向けの情報発信はもちろん、社内向けのナレッジ蓄積のために記事をコンテンツマーケティングに活用したい場合は、ぜひ以下の事例を参考にしてみてください。
株式会社400F|YMYL領域記事の約半数を3ヶ月足らずで1ページ目に表示
株式会社400Fは、お金の悩みをもつユーザーと悩みを解決する専門家をマッチングする「オカネコ」を運営する企業です。
「オカネコ」への集客施策としてコンテンツマーケティングに取り組むために、「オカネコマガジン」でお金に関するコンテンツを発信しています。
専門性を求められる領域であるため、LANYではお金に関する記事作成経験があったり、FPをはじめとした資格をもっていたりするライターやディレクターをアサインし、情報の正確性を担保しました。さらに、一次情報に基づく正確な情報をそのまま記載するのではなく、ユーザーが内容を理解しやすいように図解作成やデータの再集計といった「適切な加工」を行い、正確かつ読みやすい記事作成にこだわっています。
専門的な領域でのコンテンツマーケティングで体制構築やリソースなどに悩んでいる場合は、以下の事例が参考になるでしょう。
ビズメイツ株式会社|英語学習に関するKWで1位を多数獲得し、SEOセッション数も4倍に成長
ビズメイツ株式会社は、ビジネスシーンに特化したオンライン英会話サービス「ビズメイツ」を提供している企業です。
英会話市場ではコンテンツマーケティングとしてオウンドメディアを運営している企業が多い中、制作ペースを上げるために、LANYにご依頼いただきました。
記事の本数を増やしつつクオリティを担保したいという要望を達成するために、1記事ずつ丁寧につくり込み、着実に上位表示を実現しています。記事作成以外にも、さまざまな施策を実施した結果、取り組み前に比べてセッション数は4倍以上、アシストコンバージョンは10倍以上に成長しました。
サービスに対する感想は以下の記事にインタビュー内容をまとめているので、詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。
データベース型サイトのSEO事例
株式会社NTTドコモ:大規模データベース型サイトのインデックス数を130%改善
株式会社NTTドコモが運営する求人検索サービス「dジョブ」のSEOコンサルティングも担当いたしました。
データベース型サイトのSEOにはある程度のセオリーがあるものの、そのセオリーが社内にない場合に自らキャッチアップするのは難しく、施策の要件が適切かといったことに自信を持つことができないという課題感をお持ちでした。
なかでもクロール・インデックス周りの数値改善に注力する必要がありました。LANYではクロール導線の整備や無駄クロールの排除、Indexing APIの実装など多種多様な施策を実行しました。
その結果、綺麗な右肩上がりでクロール数・インデックス数が共に伸びており、インデックス数は開始前と比べて130%ほど改善しました。
BtoBサイトのSEO事例
弥生株式会社:検索順位を向上させ、CVRも最大270%改善を実現
弥生株式会社は、会計・給与・商取引といったバックオフィス業務の自動化を支援し、業務の効率化を実現している企業です。CV獲得数に課題をお持ちだったため、LANYにご依頼いただきました。
LANYではまずSEOコンサルティングを通して検索順位の向上を実現しました。
SEOで集客力を強化した後に、CVR改善/CROコンサルティングを行うことで、潜在顧客の効率的なリード転換に寄与しました。
定性面ではA/Bテストツールの導入やGA4の設定、レポート周りの設定の支援を通し、CVR改善を推進していくうえでのデータ分析基盤を整備しました。その結果、スムーズにA/Bテストを回せるようになり、施策の効果も明確に把握できるようになりました。
さらに、定量面では、特定領域のCVRが最大で270%も改善しました。CVR改善の効果にともない、ホワイトペーパーやサービス資料のダウンロード数も大幅に増加という成果が出ました。
株式会社LegalOn Technologies|目標コンバージョン数140%、セッション数180%を短期間で達成
株式会社LegalOn Technologiesさまは、初心者からプロフェッショナルまで参考になる法務業務に関するオウンドメディア「LegalForce Column」を運営しています。
法務業務の効率化や契約書管理など法務業務に役立つ情報を発信し、弁護士や法務経験者の監修のもと品質の高い記事を制作しています。しかし、コラム記事から資料請求が思うように生まれず、コンバージョン数の改善を背景にLANYのSEOコンサルティングをご依頼いただきました。
資料請求への導線設計改善、オーガニックセッション数改善による新規顧客の確保を軸に、効果を期待できる施策を優先的に実行することで、オーガニック経由のコンバージョン数とセッション数を大幅に改善しています。
コンテンツ制作は着実にできているものの、コンバージョンに課題がある場合は、ぜひ以下の事例を参考にしてみてください。
Resily株式会社:ビッグキーワードで上位表示を獲得し、SEO経由のリード数も250%増加
株式会社Resilyさまは、人事領域のパフォーマンスマネジメントツールを提供しており、オウンドメディア「OKRブログ」を集客に活用しています。
ご依頼の背景には「ブログ経由のリード数増加」と「OKR関連サービスでの第一想起の獲得」の2点がありました。さらに、ご依頼時点で公開されているブログ記事の数が多く、キーワードのカニバリゼーションが起きているという課題もありました。
そこで、LANYはカスタマージャーニーを再設計し、適切な出口設計を実施しました。
その上でビックキーワードの対策ページのカニバリ解消のために内部リンクを整備し、PLP(Preferred Landing Page=優先的に表示させたいページ)の一致を進めました。
その結果、ビッグキーワードが圏外→5位と大躍進しただけでなく、OKR関連の複合語などの多くで上位表示を獲得、より多くの見込み顧客の集客ができるようになりました。
さらに、プロジェクト開始前は月平均20件程度だったリード数も50件程度まで増加しました。サービス需要期の追い風もあった22年1月には約80件まで急増という成果が出ました。
SEO対策に関してよくある質問
SEOコンサルティングをしていく中で、頻繁にいただく質問をおまとめいたしました。
- SEO対策を自分でやるには、何からはじめるべきでしょうか?
-
SEO対策を個人で実施する場合には、サイトの現状把握から始めることをおすすめします。Googleアナリティクスやサーチコンソールを用いて、どれくらいのアクセスがあり、どのページにどのようなキーワードで流入を稼げているのかを確認しましょう。その結果をもとに、自身のWebサイトのどこに課題があるのかに仮説を出して一つ一つの課題に対して優先度をつけて打ち手を打っていくことを推奨します。
- SEO対策をコンサルティング会社に頼む場合の費用はどれくらいでしょうか?
-
SEOコンサルティングの費用の相場は月額30万円〜100万円程度となっています。大手コンサルティング企業は割高になっており、個人や小さな会社だと少し安いです。どの会社に頼むか以上にどの担当者にサポートしてもらうかが重要なので、会社というよりも誰という観点で依頼先を選ぶことを推奨します。
- SEOで成果が出るまでにはどの程度の時間がかかりますか?
-
Google公式では「4ヶ月〜1年」と言われています。ただ、SEOの施策の対象範囲や量、サイトの元々の強さ等にもよるため、一概には期間を言うことは難しいです。
- SEOは内製すべきですか、外注すべきですか?
-
社内の体制やリテラシー、予算、目指す目標値などに依存します。基本的な考え方としては、社内で専任の担当者がおり、SEOのリテラシーも高ければ基本は内製で良いのではないかと思います。逆に社内にリソースがなく、Web担当者が片手間でしか対応できないが目標は高いなどの状況であれば、SEOのコンサルティングや運用代行などを検討するのがおすすめです。
- 強いSEOプレイヤーになるためには、何をすべきですか?
-
SEOのベースとなる考え方を身につけた上で、Webやインターネット、システム開発等の幅広い知見を身につけるのもおすすめです。LANYの代表が執筆した『強いSEO』という書籍にSEOのベース知識やサイトタイプ別のSEOの戦略の考え方に加え、強いSEO担当者になるために必要なステップが書かれているので、ぜひ参考にしてみてください。
SEO対策にお悩みの方はLANYにご相談ください
SEO対策の全体像について、網羅的かつ専門的にまとめてきました。
SEOは中長期的な投資で、一度パフォーマンスを改善してしまえば、その先は無料集客経路として事業を支えてくれる基盤になります。
情報量がかなり多かったため、一読して全てを理解するのは難しいでしょう。ぜひ本記事をブックマークし、SEOに困った際にレファレンス的に活用していただけると嬉しいです。
なお、LANYはSEOコンサルティングサービスを主軸とした、包括的なデジタルマーケティング支援を得意としております。
SEOコンサルティングサービスでは、この記事では紹介し切れていない手法なども用いてお客様のサイトのSEO改善を実施しています。
- SEOの成果があと一歩伸びきらず、行き詰まっている
- SEOに新たに挑戦したいが、何から始めて良いのかわからない
- 社内のリソースが足りず、SEOを思うように進められていない
- サイトリニューアルにあたって、SEO要件が適切に担保されてるか不安
- 検索順位が大きく下落してしまったが、何をどうしたらいいかわからない
- 記事コンテンツ経由で流入を獲得したいが、どう進めればいいかわからない
といった悩みに対し、貴社にとって最適なご支援内容を提案し、戦略立案から施策の実行まで伴走いたします。
SEO対策にお悩みの企業様はぜひ下記のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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