権力者にへつらう桃太郎　～『桃太郎一代記』その２４～

 

【要約】

桃太郎は鬼ヶ島から持ち帰った宝物をお殿様に献上し、鬼ヶ島での出来事を報告しました。

北尾政美（きたおまさよし）画『桃太郎一代記』天明元［一七八一］年刊
桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

【翻刻】【補足表記】【現代語訳】

もゝ太良◆おにかし◆まより◆たから◆ものを◆ぢさんして◆さしあけ◆いろ／＼しま◆ものかたり◆申あげる
桃太良、鬼ヶ島より宝物を持参して差し上げ、色／＼島物語申し上げる。
桃太郎は鬼ヶ島より持ち帰った宝物をお殿様に献上し、色々と鬼ヶ島の出来事をお話し申し上げました。

これハ／＼◆めつらしい◆ものしや
「これハ／＼、珍しい物じや」
お殿様「これは、これは、珍しいものじゃ」

ありがたい◆しやわせ◆にこさり◆ます
「有り難い、幸《しやわ》せに御座ります」
桃太郎「そのようなお言葉をいただき、ありがたく、幸せでございます」

【解説】

　桃太郎がひれ伏しているのはお殿様のようですが、どうも江戸時代のお殿様には見えず、貴族のような恰好をしていますね。
　この時代、特定の人物と分かるように描くことはヤバかったので、ワザと時代も人物も良く分からないようにしているのだと思われます。

　桃太郎は、お宝を村人にも分けず、かといって自分でも使わず、お殿様に献上することを選びました。
　どうやら、桃太郎の目的は権力者に取り入る事だったようです。
　さて、その結果、一体、何を得たのか？　それは次回に判明します。

三つ目コーナー

　僕も北見花芽にお宝を献上するよ、はいどうぞヾ(๑╹◡╹)ﾉ"

　ん？ミニカーにお酒？？？　あ、ありがと。。。？？？

 

 

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