Amazon.co.jp: 男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉 : 染谷智幸, 畑中千晶: 本

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男色のカノン(聖典)として揚げられるがその研究が遅れている井原西鶴の小説作品『男色大鑑』。この『男色大鑑』をBL(ボーイズ・ラブ)の視点からコミカライズした作品を発端に、コミカライズの世界、BL世界からのアプローチを取り上げて、それが提起する可能性や問題を様々な角度から検討する。
また実際の問題としてのLGBTに対して、寛容な姿を見せているタイと、様々な問題提起が行われているインドなど、アジアにおいて、この男色や同性愛がどのように展開をしているのかを検討する。

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本の長さ

223ページ
言語

日本語
出版社

勉誠社(勉誠出版)
発売日

2017/8/31
寸法

15 x 1.2 x 21 cm
ISBN-10

4585230580
ISBN-13

978-4585230588
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商品の説明

著者について

茨城キリスト教大学文学部教授。専門は日本近世文学・日韓比較文学。
主な著書に『西鶴小説論―対照的構造と〈東アジア〉への視界』(翰林書房、2005年)、『冒険淫風怪異―東アジア古典小説の世界』(笠間書院、2012年)、『韓国の古典小説』(共編、ぺりかん社、2008 年)、『西鶴と浮世草子研究』4号(共編、笠間書院、2010年)などがある。

敬愛大学国際学部教授。専門は日本近世文学、比較文学。
主な著書に『西鶴が語る江戸のダークサイド』(共著、西鶴研究会編、2011年、ぺりかん社)
『鏡にうつった西鶴翻訳から新たな読みへ』(2009年、おうふう)などがある。
コミック版『男色大鑑』武士編・歌舞伎若衆編・無惨編(B's-LOVEY COMICS、KADOKAWA)の解説も執筆している。

登録情報

出版社 ‏ : ‎ 勉誠社(勉誠出版) (2017/8/31)
発売日 ‏ : ‎ 2017/8/31
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 223ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4585230580
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4585230588
寸法 ‏ : ‎ 15 x 1.2 x 21 cm

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現代に理解のある日本文学研究者のエッセイ集
2017年11月21日に日本でレビュー済み
性の多様性に関するエッセイと対談集。対談については研究者が文芸について愉しく語っている雰囲氣が読んでいると伝わってくる。ただし、内容がやや専門的(マニアック)なので、話についていけない場合がある。
エッセイについては複数の研究者が各々の視点で文学について書いている。江戸時代、アジア、性の多様性に焦点を当てているのが面白い。
とりわけ「鳥」に関して書かれているものは興味を引く。日本文学研究者は最近の英米系文学理論を避けている印象がある中で、「鳥」のエッセイには間テクスト性のエッセンスが入っている。また学生のレポートのアイデアを大切にしていて、著者の研究者としての能力だけではなく人間性も窺える。
日本文学とBLに興味のある人は一読の価値あり。

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三五夜中の新月
玉石混淆の本
2017年11月3日に日本でレビュー済み
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井原西鶴の『男色大鑑』は、子供の頃から戦前の伏せ字だらけの古書を読みはじめて以来、長きにわたって親しんで来た作品なので、「そのBLコミカライズの世界というのは如何なるものなのだろうか」と思って購入したみた。
蓋を開けて見ると、本書には西鶴以外の「男色物」の簡略な解説(73ページ～)や、第二部としてタイやインドなどアジア文化圏における男色・BLの話題も掲載されていて、なかなか多彩な内容が展開されていた。
最も印象的だったのは「アンコールワットの二形」の項目(178ページ以下)で、『真臘風土記』を邦訳書で読んだ時には、さほど気に留めずに済ませていたものの、今回はクメール王国に「二形人(Hermaphroditi)」が大勢群れを成していたという記述に些か奇異の念を懐いた。ただ「二形人」が芸能集団であったという推測が正鵠を射ているか否かは、俄かには判断できないが・・・。
とは申せ、本書の随所に誤謬や偏見が散見されたのは残念であった。
幾つか例を挙げれば、ノンケ(異性愛者の男性)を「ノーマルな」と形容したり(39ページ)、「ソドミー」の故に処刑されたオランダ人スハウテンの没年を間違えていたり（167ページ）、古代ローマにギリシャと同様の「薩摩の兵児二才に似た」制度があったり(35-36ページ)、明末清初の時期だけを「男色が盛んだった時代」と記載して読者にあらぬ誤解を与えたり(116ページ)、等々。
とりわけ、ギリシャ・ローマや中国の男色に関しては、作品社から刊行されている『【図説】ホモセクシャルの世界史』に目を通しさえすれば、上記のような誤りを犯さないで済んだはずである。
このあたり、編者に今少し全体の統一を図るべく配慮して頂きたかったと思う。

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