うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

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[18]ついに結ばれる二人なのでしたが??? ~『男色義理物語』~

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 【前回のあらすじ】

 頼母の指示で職場復帰した采女ですが、それから何も進展は無く、虚しく月日を過ごすのでした。

 

 【初めての方へ】

 原典の画像だけでなく、スクロールすると、ちゃんと活字の原文(可能な限り漢字に直し、送り仮名と振り仮名を補足しています)と現代語訳と解説がありますよヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 【スマホでご覧の方へ】

 諸事情により、PC版と同じデザインになっています。なるべくスマホでも読みやすいようにはしているのですが、もし、字が小さいと感じた場合は、スマホを横にして拡大すると読みやすいと思います。


 別館も更新しています、見てね!ヾ(๑╹◡╹)ノ"

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霞亭文庫 · 男色義理物語 · 東京大学学術資産等アーカイブズ共用サーバ
男色義理物語 : 4巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※赤字の書入れ等は筆者。

 

【原文】【現代語訳】

 其の頃、主《しう》の唐橋殿《からはしどの》、初めて世継ぎの御息《ごそく》、御儲《もう》けの御祝ひとて、御一門、暦《れき》/\、招《しやう》じ給ひ、色/\と終日《ひめもす》御馳走《ごちそう》の余りに、猿楽《さるがく》[『藻屑物語』『雨夜物語』では「観世、金春、金剛、宝生」]を召して、御能《おのふ》も始まりぬ。
 その頃、主君の唐橋殿に、初めての世継ぎとなるご子息がお生まれになりました。
 そのお祝いとして、ご一族やお偉い方をお招きになり、色々と一日中御馳走をふるまっただけでなく、能楽師を招いて、能楽の公演も始まりました。


『式三番《しきさんばん》』の鈴の声、万歳《ばんゼい》を呼ぶも、今、此の御代《みよ》ならんと肝に銘《めい》じて、いとゞ目出度《めでた》かりし事共なり。
『式三番《しきさんばん》』[能の演目]で奏でられる鈴の音が、喝采を浴びるのも、今、この御代が平穏に治まっているからであって、とてもめでたいことです。

 其の後《ゝち》、『花筐《はながたミ》』[『藻屑物語』『雨夜物語』では、『花筐』を舞うのは「観世」と明記されている]を舞ひけるに、
 それから、『花筐《はながたみ》』[能の演目]が舞われたのですが、

「袖にも移されず、手にも取られず」
 と謡《うた》ひける時、彼《か》の采女なりける人、頼母《たのも》が顔をいと恨めし気に見遣《みや》りけれバ、
「あなた様は月ではなかったようで、袖に影を映すこともできず、水面の影を手に取ることもできません」
 と謡《うた》っている時に、例の采女と言う人は、頼母の顔をとても恨めし気に見つめていたのでした。


 恨ミ無く〈心無《うらな》く〉哀れなる方に心惹《こころひ》かれて、其の暮れつ方、紅《くれない》に日を出だしたる扇の、妻いとふ焦《こ)がれたる[「妻(端)が焦げたような色」の意だが、「妻(恋する人)に恋い焦がれる」意を重ねている]に、返しと思しくて、
 頼母は、隠すことなく愛着を露《あら》わにした姿に心惹《こころひ》かれて、その日の夕方、紅色に太陽をデザインした、端の色がとても濃い扇に、

「忍ぶ草 忍ぶに余る 露ならバ いざ頼みてん 人の言葉を」
「忍ぶ草[植物の名]からこぼれる露のように、あなたの私への思いが、忍べずに(=我慢できずに)あふれているようなので、それならば私もあなたの愛の言葉を信じることにいたしましょう」
 と、返事と思われる歌を書いて、釆女に贈りました。


 此の後《のち》よりハ、人目包《ひとめづゝ》ミと言ひながら、下《しも》より通ふ為《ため》有りて、阿武隈川《おぼくまがは》の水清《みずくよ》み[『雨夜物語』では「小夜の枕を川島の水の流れも浅からぬ」]、深き心を言ひ交し、尽きぬ契りと成《な》りにけり。
 それからは、人目をはばかりながらも、こっそり通う方法はあるもので、阿武隈川《あぶくまがわ》の水のように清らかに、深く心を信じることをお互いに誓い、尽きる事のない契りを交わしたのでした。

 今ハ早《は》や、枝を並べ、羽《は》を交さんと、後《のち》の世懸けて深く頼ミ交しけるとなん。
 今はもう、枝の上に並んで羽を重ねる鳥のように結ばれ、来世でも一緒にと誓って、深く信頼し合ったのでした。

 其の程の由《よし》、思ひ遣るべし。
 どういうことがあったかは、想像にお任せします。

 いと品《しな》多けれども、おさ/\此処《こゝ》に書き止《さ》しつ。
 書きたいことはたくさんあるのですが、しっかり書くのはここではやめておきます。

 斯《か》ゝりし所に、世に又うたてしき節こそ出来《いでき》ける。
 ところが、こうしているうちに、とても気がかりな事が起こりました。

 故《ゆへ》を如何《いか》にと言ふに、近き頃、本意《ほい》に召し出されし童《わらハ》に、後藤式阝《ごとうしきぶ》[『藻屑物語』では「細野主膳」、『雨夜物語』では「細野大学」]と言ひて、是も俗姓《ぞくしやう》は卑《いや》しからねども、
 どういうことかと言うと、最近、後藤式部《ごとうしきぶ》という若衆が、念願叶って召し出されました。
 この人も家柄は良かったのですが、



 【解説】

 みんな集まって見物する能の席で、恨めし気に見つめてくる采女を見て、頼母は采女の本気を感じ、返歌をして、ついに交際にいたります。

 具体的に二人がどんな行動をしたのかは、なぜかぼやかされてハッキリ書かれていないのですが、二人は一体、何をしたのでしょうかね?(スットボケ)

 そんなの、チョメチョメに決まってるじゃんヾ(๑╹◡╹)ノ"

 こら、こういう話題になるとすぐ出てくるんだから、シッシッヾ(๑╹◡╹)ノ"

 ゴホン、失礼しました。

 さて、これで、ハッピーエンドなわけではなく、新たな人物が登場して、なにやら一悶着がありそうですが、はてさて。



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