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2024年ライトノベル10大ニュース

KADOKAWAがサイバー攻撃を受ける

ja.wikipedia.org
ランサムウェアによってKADOKAWAのサーバーがロックされ、ニコニコ動画などのKADOKAWA系のWebサービスが軒並み停止するなど大騒動となりました。ライトノベル業界的にも、書籍の受注システムが停止したことで一時的に出荷が減少したり、ライトノベルレーベルの公式サイトが無くなったりなど、さまざまな問題が起きていましたね。現在でも電撃文庫以外の公式サイトは再開されていません。そのため各レーベルともSNSでの情報発信を強化するなど、図らずも広報戦略に変化があったような気がします。サーバーが別だったのか稼働を続けている「キミラノ」も公式サイトの代替として活躍していました。

あとはKADOKAWAがSONYに買収されるかもしれない、というニュースにも驚きましたが、いったんは資本提携というところで落ち着いたようですね。

ラノベ原作ラブコメアニメのヒット

makeine-anime.com
2010年代後半から続く第二次ラブコメラノベブームのメインストリームがついにアニメ業界にまで波及したと言うべきか、今年の夏は『マケイン』『ロシデレ』『義妹生活』『ふたきれ』『V伝』が同時に放送されるという、なんだかもったいないような気もするクールとなりました。特に『マケイン』『ロシデレ』はかなりの高評価だったようです。その余勢を駆った『マケイン』は「このラノ」でも一位になっていましたね。

とはいえ、これに続くラブコメアニメの予定は、いまのところ『クラ婚』『チラムネ』『わたなれ』『クラにか』『だんじょる』くらいか…?

『涼宮ハルヒ』シリーズ新作発売

kimirano.jp
前作『直観』から四年なのでぜんぜん早かったですね(錯乱)。昔の短編に書き下ろしで肉付けをした短編集、というのは『直観』と同じでしたが、久々のハルヒを楽しませていただきました。どうなんでしょう、もう長編は書かれないんでしょうか。いっそハルヒ以外の新シリーズでも読みたいのですが。

『誰が勇者を殺したか』駄犬の活躍

ln-news.com
昨年の『誰勇』のスマッシュヒットから、今年はその作者「駄犬」の作品が各社から続々と書籍化されました。すっかりヒットメーカーといった感じですね。元・編集者という経歴や、その作品の多くが単巻完結というあたりも興味深いです。また『誰勇』の影響か「魔王を討伐したあとの勇者パーティ」を取り扱った作品が目に付くようになった気がして、勝手に2010年代初頭の魔王勇者ラノベブームのリバイバルを感じています。

小説家になろう20周年

blog.syosetu.com
2004年に個人が開設したウェブサイトが、そこから20年で日本最大のWeb小説サイトとなり、ライトノベル業界に留まらず、出版業界に凄まじい影響を与えてしまったということで、なかなかドラマチックなものを感じます。一方で、運営会社ヒナプロジェクトの経営陣が刷新され、創設者である梅崎祐輔氏も退任されたということで、詳しい事情はわかりませんが、今後の「なろう」がどうなっていくかにも注目ですね。

魔法のiらんどがカクヨムに吸収される

kakuyomu.jp
「現在でもこんなにPVがありますよ!」と発表するたびに、そのPVの数字が数億単位で下がっているというのが風物詩だったケータイ小説の代表格「魔法のiらんど」でしたが、ついにカクヨムと合併することになりました。実はKADOKAWA傘下だったんですよね。読者層で言えばエブリスタと合併したほうがよかったのではと思わないでもありませんが。

カクヨムは、人気作家の新作をサブスクで読める「カクヨムネクスト」を開始するなど、さまざまな施策を行いながら、陰りを見せつつある「小説家になろう」を猛追している印象です。「なろう」は女性向けの作品が増えたために、男性向け作品がカクヨムに逃げ出したと言われていますが(それでもまだ男性読者のほうが多いらしい)、魔法のiらんどがカクヨムに入ることで男女比がどうなるかも気になります。

Web発ホラーブーム

www.asahi.com
近年は『近畿地方のある場所について』『右園死児報告』『ほねがらみ』などカクヨム発のホラー小説が人気を博しており、それが今年は『変な家』のヒットなどとあわせて「ホラーブーム」として認知されたように思います。ホラー自体はずっと人気のあるジャンルではあるのですが、最近の作品はWeb発であることに加えて「モキュメンタリー」っぽさも特徴になっているでしょうか。カクヨムでも次なるヒットを狙ってモキュメンタリーホラーが続々と出てきているようですが、来年はブームにさらなる広がりがあるのか注目ですね。

「ブルーライト文芸」バズる

toyokeizai.net
もともとは阪大感傷マゾ研究会のペシミ氏が提唱していた概念でしたが、上記の東洋経済の記事をきっかけにそこそこ人口に膾炙したのではないかと思います。要するにスターツ出版文庫に代表される「表紙に青系のイラストが使われているエモ系ライト文芸」のことです。その多くは「余命もの」「難病もの」であり、こちらもやはり昔から人気のあるジャンルではありますが、今年は映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』のヒットもあったことから、あらためて注目が集まったということでしょう。

「好きラノ」復活

lightnovel.jp
Twitterの問題により中止が続いていた人気投票企画「好きラノ」ですが、今年は開催場所をBlueskyに移して開催されることになったようです。皆さま、忘れないように投票しましょう。でもブログ投票は無いんですね。

個人的にもTwitterはそろそろ潮時かなと思っているんですが、とはいえネットワーク効果が強すぎて。せめてログの移行だけでも出来ればいいんですけどね。

山本弘、死去

ln-news.com
ラノベ作家として、あるいはSF作家として、グループSNEの中心人物として長く活躍されました。『ロードス島戦記』の元となったD&Dのリプレイ企画でエルフのディードリットを担当したことはあまりにも有名で、私自身はほとんど作品に触れる機会はありませんでしたが、ラノベ黎明期の伝説的作家の一人、といった印象があります。


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