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第一回萌理賞について語ってみる

文章


第一回萌理賞→http://q.hatena.ne.jp/1151442461


萌理賞結果→http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20060701/p1
倒錯社賞結果→http://d.hatena.ne.jp/tosakusha/20060630/1151660262


俺の作品→http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560774




自分の書いた小説について後からグチグチと語るのは本意ではない。いや、とっても語りたいのだが、第一に物書きというものは作品だけで勝負するものだし、それにワナビと思われる恐れもある*1。また、読者が勝手に良い方に解釈してくれたとき*2には、作者の解説がその幻想がブチ殺すということもありうる*3。結局、何も語らないのが一番いい。


しかし今回、倒錯社賞におけるid:catfistさんの講評が核心突きまくりだったのと、主催者のid:sirouto2さんから思いのほか良い評価を頂いたので、それらへの返答*4として執筆中の心境などをだらだらと書き並べてみることにする。こんなの自分語りみたいなものなので、そういうのが嫌いな人はスルー推奨。


まず。


今回の萌理賞のテーマは「萌え」であり、しかも「必ず美少女を出せ」ということだったので、単純に「萌え系美少女になろうとする少女」の話を書こうと考える。そのために「意中の相手がラノベ好きなので、ラノベのヒロインになろうとするヒロイン」というようなストーリーを漠然と構築する。「意中の相手が好きなラノベ」については、何となく『涼宮ハルヒの憂鬱』に設定。結果、小説かアニメの『ハルヒ』を知っていないと意味が分からない小説に。まあいいや。


「美少女を出せ」という注文に対して「私は美少女だ」という書き出しは安易すぎるかと考えたが、まあ安易なくらいが丁度いいかなと思って採用。結果的にsirouto2さんに褒めてもらったので満足。


「ラノベのヒロインになろうとする」部分として、ヒロインに「この中に宇宙人未来人超能力者〜〜」というセリフを喋らせてみる。『ハルヒ』を知らない人のために解説しておくと、このセリフは涼宮ハルヒの決め台詞みたいなものである。『月姫』で言うと「私を殺した責任、とってもらうからね」。『ドラゴンボール』で言うと「オッス、オラ孫悟空」。


「意中の相手」を同性に設定。なんとなく百合をやってみたくなったのである。「彼女」のモデルは、セリフからわかるように坂崎嘉穂*5である。長門有希*6ではない。このあたり、とことんパロディしか書けないのかと、我ながら情けなく思う。情けなく思うが、気にしない。


「私は美少女だ」を繰り返しているうちに、ふとオチが思い浮かぶ。そのまま採用。


この時点でアウトラインが完成。だいたい500字くらいだったと思う。まだまだ余裕があったので、せっかくだから書き足すことにする。


第二段落の告白の部分を書き足す。ヒロインのモテっぷりと、ヒロインの男子に対する隔絶感を描いてみるテスト。


「ラノベのヒロインになろうとする」部分をもうちょっと厚くしたいなぁと考えていて、ふとパソコン強奪を思い出す。『ハルヒ』を知らない人のために解説しておくと、涼宮ハルヒがパソコン部から最新型のパソコンを強奪するというエピソードがあるのだ。現実的に考えると完全に犯罪行為なのだが、ハルヒは美少女だから多少の無茶は許されるのである。というわけでそのエピソードを採用。


この時点で、内容にまったく「夏」が含まれていないことに気付いて狼狽する。急いで夏っぽい言葉をいくつか挿入してみたが、表面だけ飾りました感がムンムンだったのでさらに焦る。ふと思いついて「ユリ」の開花時期を調べたところ*7、期待通りだったのでそれをタイトルに採用。それでなんとか取り繕う。id:catfistさんをよく考えさせるところまで追い込んだので、ある程度は成功だったかと思う。


というわけで完成。


反省点。

  • さすがにパロディしすぎ。
  • キャラの弱さを見せた方がいいのか…。
  • 「回答を回避」は無駄な言葉遊びだったので、「回答を避けた」くらいにするべきだった。
  • ラストの「接吻」というのは物々しすぎるので、「くちづけ」あたりにするべきだった。
  • 第六段落の二つめの鉤括弧の発言主がわかりにくい。「彼女」の口調を統一するべきだった。
  • 仮題が「デトロイト・メタル・ライブラリ」だった。


萌理賞についての疑問点。

  • 各所でショートショートであることを前提にされている方を見かけるんですけど、規定にはショートショートと書いてありません。「オチに捻りがない」というのは減点対象になるんでしょうか。
  • というか、「おもしろい小説」と「萌える小説」と、どちらの評価が優先されるのでしょうか。


以上、そんな感じでした。楽しかったです。

*1:単に自分はワナビじゃないという意味であって、他意はない

*2:これは主に作者の力量不足による

*3:過大評価されたままも恥ずかしいけど

*4:…になるか？

*5:『よくわかる現代魔法』シリーズのサブヒロイン

*6:『涼宮ハルヒ』シリーズのメインヒロイン

*7:[http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%AA:title]