
人間は生きている限り、さまざまな疑問がわき、不安を抱える。愛する人は私を愛してくれているのか? 我が国は戦争をするべきか? 誰が私のヤギを盗んだのか? などなど。
身近なことから国家の一大事まで、こうした問いは世界中で占い師に投げかけられてきた。現在でもそれは変わらない。
そしてその答えの見つけ方も、占星術やタロットから、内臓占いまで、さまざまな方法があった。そしてそれらの占いの一部は今も受け継がれている。
人生の不確実性に立ち向かい、明確な答えを出して意思決定をするために、さまざまな文化で生まれた占いの方法を紹介しよう。
1.クモ(蜘蛛)占い
カメルーンのマンビラ・クモ占いでは、土中に棲むクモに未来を予測してもらう。
やり方は、地上性のクモ巣穴を割れた壺のかけらでふさぎ、まわりに棒、石、葉っぱなどを置く。
その後、地面を叩いてクモを外に誘い出し、出てきたクモがどの物体のほうへ行くかで、イエスやノーの答えを得るというもの。この占いではクモの代わりに陸ガニが使われることもあるそう。
しかし、答えは必ずしもいつも明確に出るわけではない。
棒も石も選ばれない、または複数のものが選ばれる場合もあり、なんらかの解釈が必要になってくる。
答えはよくわからないとする曖昧な解釈になるか、この質問に関してはクモはなにも言っていないと判断する必要がある。

2. 手相占い
手相を読む占いは、現代でもアジアやヨーロッパなど多くの文化に存在する方法で我々にもなじみのある物だ。
手のひらに刻まれた線の形や深さがもっとも深い意味をもつとされたり、手と指のサイズも見立ての判断材料になる文化もある。インドでは、手のひらに現れる特殊なマークやシンボルも意味をもつ。
19世紀の英国や米国では指紋の科学が発達したため、同じ頃に手相占いも広まった。指紋から個人を特定できるのであれば、手相からその人の性格を読み取ることもできるはずだというわけだ。
かの有名なアイルランドの詩人で劇作家のオスカー・ワイルドも手相占いを受けたひとりだ。
占い師のエドワード・ヘロン=アレンは、ワイルドの手相のスケッチを出版し、彼
の手相は類まれな知力と見事な表現力を示していると説明した。

3. 書物占い(ビブリオマンシー)
すぐに答えを得たいとき、手元にある重要な本を使って行う。ヨーロッパでは、ホメロスやウェルギリウスの作品が使われたという。
イランではペルシャの詩集、ハーフィズの『ディヴァン』が使われた。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖典もよく使われてきた。
やり方はいくつかあるようだが、東南アジアでは鋭利なものを本のページに押し込んで、その先端がどこを差しているかを見る。
あるいは、本を「せーの!」でランダムに開いて、どのセンテンスが目に入るかで判断する。
慎重に解釈するべきかもしれないが、その文章にはあなたの悩みに対する答えが隠されていると考えられる。

16世紀のペルシャやオスマン帝国では、こうした占いのために作られた特別な予言の書、ファールナーマ(Falnama)が用いられていた。
この書にはクルアーンの引用や預言者の物語が含まれ、重要な決断を下す際に精神的な指針として活用された。
使い方は一般的な書物占いとほぼ同じで、質問を念じながら本を開き、現れたページのイラストや文章を解釈して答えを導く。
美しく装飾されたファールナーマは、占いの道具であると同時に芸術作品としても評価されている。

4. 占星術
占星術は、世界中のほぼすべての文化に存在する。古代バビロニアの時代から占星術師たちは天体を読み解き、そこに隠されている真実を発見して未来を予言してきた。
地球上の特定の場所や時刻で見た惑星と星の地図であるホロスコープを作成するには、正確な天文観測ができなくてはならない。このため、近代以前の占星術は天文学と密接に結びついていた。
占星術師は、ある人物の誕生、依頼人が質問をした瞬間、特定の出来事が起こるタイミングが最適なのかどうかを判断するために、将来の日付まで占うこともある。
惑星と星座にはそれぞれ意味があり、ホロスコープ上での互いの関係によってその意味が変わってくる。
占星術師によるこうしたチャートの見立ては、導きを求める人々を助け、火急の問題に対する答えを出し、意思決定できるよう促してきた。
数多くの文化において、占星術師たちは王宮や政府で重要な地位を占め、国家の健全性や繁栄、差し迫った災害についての予測を行ってきた。

5. 暦占い
暦は、未来を占ったり、特定の活動を行うのに最適な時期を決めるために長いこと使われてきた。
現在でも多くの国で、散髪する日から新規ビジネスの開始日まで、さまざまな行動に適した吉日や、避けたほうがいい凶日を示している。
インドネシアでは、パウコンというヒンズー教の暦で、各週がさまざまな地元の神々に支配されていることが説明されている。その神々の特徴によって、例えば結婚式などのイベントにはどの週が適しているかということがわかるのだ。
スペイン以前のメソアメリカ(現代のメキシコ中央部からコスタリカ北西部の国境)では、生まれた日によって、性格、運命、名前までが決められた。
メキシコの暦の司祭たちは、神聖な260日間の占いカレンダーを使って、結婚がうまくいくかどうかを予言することができた。
兆候を解釈して、ふたりの関係が幸せになるか、試練や破局を迎えるのか、また子どもが何人できるかまでを知ることができたという。

References: Five ways to predict the future from around the world – from spider divination to bibliomancy
本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者向けにわかりやすく再構成し、独自の視点で編集したものです。
蜘蛛占いは現代のタコ占いですやん
ネコが顔を洗うとき雨が降る!
それは占いではなくて、行動を観察し、蓄積された知識から推測する予想というか予報だなぁ
現代科学で説明すると、空気中の水分が増え、湿度が上がると
猫は髭などに湿気を感じ、その違和感をぬぐうために顔を洗うような行動をする
そして湿度が上がるということは、雨になる傾向は確かにある
…ということになる
古来より占いが正しかったためしなし。
占いは正しい答えのためではなく、不安を打ち消したり決断したり罪悪感を薄めたりするためにあるんです。
自分の生まれは物覚えが悪いという細木〇子さんの占いは当たっていたよ
物覚えが悪くて落ち込んでたけど、「占いでそう決まってるんだから仕方ない」と開き直ることができたよ
覚えるのは人より遅いけど、1度覚えるとしっかり身につくというのも当たってると思う
つまり「ものは考えよう」が落とし所って事です。先人の知恵って偉大だよね。
占いの数がたくさんあるということは、それだけ人間が未来に不安を持ち安心したいと願ったから
今はその役割を科学が担っているが、将来は科学もまた別のなにかに置き換えられるだろう