今週はノーベル賞ウィークで今日から次から次へと発表される。
そんなわけで、先週から候補者がマスコミで紹介されてて、十倉先生をテレビでお見かけした。
実は、有機ELの父、C.W.Tang教授も今回初めて化学賞の候補者として名前が挙がっていて、同じ分野の人間として、しかも親しくしていただいてる友人として、それから山形大学の特任教授を務めていただいた関係者として、とてもうれしくて、ぜひとも受章して欲しいと願っている。
で、
その候補者、
だれが発表しているかというと、
アメリカの大手情報通信会社。
これは研究者の論文がどれだけ他の論文で引用されてるかで判断されていて、
単に論文数の多い研究者が選ばれるわけじゃない。
一般読者の方はご存知ないと思うけど、
研究論文というのは、執筆する際に先人の論文を引用するのが一般的で、引用論文のない論文というのは、基本的には「ない」。
だから、
他の論文で引用されるということはその分野で、オリジナルでとても重要な論文ということで、その引用回数が多い程、論文としての「質の高さ」を表している。
で、
今日の午後、
山形の本部キャンパスに雨の中、車を走らせた。
というのも、
そのトムソン・ロイター社の方々がお見えになって、
学長から「Highly Cited Researchers」の証書を手渡されたのだ。
先般、「世界で影響力を持つ科学者2014」として、「Highly Cited Researchers」すなわち、「高被引用論文著者」が発表され、その一人に選ばれたところ、きょうの証書の授与となった。
で、
もちろん、約半分は旧帝大の先生方。
国の研究費、いっぱい使ってるもんね。
その点、地方大は研究費が旧帝大に比べると驚くべき程に少なくて、それが影響してか、今回の選出にもほとんど名前を見なかった。
旧帝大としては、ざくっと数えてみたところ、上から順番に(数え間違ってたらゴメン)、
東京大 20人
大阪大 14人
京都大 7人
東北大 6人
名古屋大 3人
ということで、
東大が圧倒的で、阪大が京大を上回ってるのがおもしろい。
まあ、その他は予想通りでしょうか。
で、
山形大からは1人。
この管理人だけが選ばれたという訳。
まあね、
この環境で、旧帝大の先生方と並んで選定されるというのは、ほんとに光栄なことで、自分自身を褒めてやりたいと思った。
表彰式のあと、
トムソンロイター社の方から、その選定方法とか、管理人の論文の調査結果等をうかがった。
まず、
選定方法。
2002年から10年間で発表された被引用回数の多い論文の上位1%にどれだけ論文を発表しているかで、順位付けしたとのこと。
で、
管理人の場合、10数報が1%入り。
毎年、少なくとも1報はこの1%以内に入ってて、これだけコンスタントに優秀な論文を出し続けているのは、あまり例がなくて、とても素晴らしい、とお褒めの言葉をいただいた。
実は、1995年に発表した論文は被引用回数がすでに1000回を越え、ウルトラヒット作なんだけど、そういう論文が貢献したのかと思っていたので意外だった。
で、
実は研究分野としては、バイオ関係が圧倒的に多くて、材料関係は少数派。
有機エレクトロニクスの分野では、
有機トランジスタがご専門の、
大阪大(東京大染谷研)の関谷毅教授、
そして、
有機ELが専門の、
山形大の城戸。
ということで、
有機ELの分野で選出されたのは、管理人だけでした。
第三者機関がこうやって認めていただいたのは、ほんとに有り難いことで、 文部科学省やJSTの方々には、ぜひとも「有機ELの城戸」を再認識していただければと思う。
毎年のノーベル賞受章者が、このトムソンロイター社の予想からでていることから、今回の「Highly Cited Researchers」に選ばれたということは、すなわち、
ノーベル賞候補者
の候補
の候補
くらいの位置づけじゃないかと思う。
受章挨拶の中で、
定年まで、あと10年あるので、一層努力して、ノーベル賞候補者の候補、くらいにはなりますので、今後とも工学部の有機エレクトロニクス分野へのご支援をよろしくお願いします。
と、学長や副学長の方々にお願いした。
最後に、
研究室で頑張ってくれた准教授や助教、研究員、技術員、学生さん、秘書さん、などなど、関係者の方々には深く深く御礼申し上げます。
それにしても、いい日だったなあ。