1986年の映画
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1986年の映画(1986ねんのえいが)では、1986年(昭和61年)の映画分野の動向についてまとめる。
1985年の映画 - 1986年の映画 - 1987年の映画
できごと
[編集]世界
[編集]→「1986年 § できごと」も参照
- 2月25日 - 第36回ベルリン国際映画祭で『鑓の権三』(篠田正浩監督)が銀熊賞受賞[1]。
- 2月28日 - 黒澤明監督がイタリア共和国功労勲章グランデ・クローチ(民間の最高位勲章)受章[1]。
- 3月24日 - 第58回アカデミー賞授賞式が行われ、ワダエミが『乱』でデザイン賞を受賞[1]。
- 3月31日 - 東映国際部、ニューヨーク出張所を廃止[2]。
- 8月14日 - 香港で『子猫物語』が大ヒット、『南極物語』(蔵原惟繕監督)を抜いて初日興収新記録樹立[1]。
- 8月31日 - 『それから』(森田芳光監督)、モントリオール映画祭で特別優秀作品賞受賞[2]。
- 9月12日 - 第31回アジア映画祭で『花いちもんめ』(伊藤俊也監督)の千秋実、主演男優賞受賞[2]。
日本
[編集]→「1986年の日本 § できごと」も参照
- 1月
- 3月
- 4月
- 6月
- 7月
- 8月
- 9月
- 9月1日 - 東宝営業本部宣伝部に「ディズニー映画宣伝室」を新設[1]。
- 10月
- 10月25日 - 東宝、直営およびグループ会社の一部劇場で「TOHOムービーニュース」の上映をスタート[1]。
- 11月
- 12月
周年
[編集]日本の映画興行
[編集]- 入場料金(大人)
- 入場者数 1億6076万人[12]
- 興行収入 1794億2800万円[12]
- 家庭用ビデオテープレコーダ(VTR)の普及率 33.5% (内閣府「消費動向調査」)[13]
配給会社 | 配給本数 | 年間配給収入 | 概要 | ||
---|---|---|---|---|---|
新作 | 再映 | 洋画 | 前年対比 | ||
松竹 | 23 | 46億6877万円 | 夏の『男はつらいよ』の代わりに公開した勝負作『キネマの天地』は目標の20億円を遥かに下回る配給収入13億円と不本意な興行成績。良質ではあるが『新・喜びも悲しみも幾歳月』(3億9500万円)は時代背景を無視した安易なリメイクのため不発。正月の『男はつらいよ 柴又より愛をこめて』は佳作の『祝辞』との併映で安定した成績(10.5億円)を残し、『必殺! III 裏か表か』(3億7500万円)は健闘したが、若者に受け入れられる作品が存在しない。 | ||
18 | 1 | 4 | 88.0% | ||
東宝 | 36 | 163億9281万円 | 前年(1985年)に記録した、日本映画年間配給収入新記録を更新した。日本映画歴代配給収入第2位の『子猫物語』(54億円)、『植村直己物語』(13.5億円)、『ドラえもん のび太と鉄人兵団』(13億円)の3番組が配給収入10億円の大台クリア。人気テレビアニメの映画化『タッチ 背番号のないエース』(9億円)、アイドル映画『SONG FOR U.S.A.』(9億円)や『プルシアンブルーの肖像』は好調。正月映画『姉妹坂』/『雪の断章 -情熱-』(7億円)は伸び悩み。動員映画の『子象物語 地上に降りた天使』(4億円)はまずまずの結果。神山征二郎監督の『旅路 村でいちばんの首吊りの木』は極端な不振。 | ||
30 | 0 | 6 | 118.4% | ||
東映 | 35 | 108億2512万円 | 『野蛮人のように』/『ビー・バップ・ハイスクール』(14.5億円)、『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌』/『BE FREE!』(11.5億円)、アダルト路線の『火宅の人』(10.1億円)、正月の東映まんがまつり(『キャプテン翼 危うし! 全日本Jr.』など)(10.7億円)の4番組が配給収入10億円の大台を突破した。特に、『ビー・バップ・ハイスクール』は中高生から圧倒的に支持された。女性層をターゲットにした『道』、『化身』、『極道の妻たち』(7.5億円)は堅調。 | ||
30 | 0 | 5 | 108.7% | ||
にっかつ | 57 | 26億1003万円 | 成人映画はアダルトビデオに押され、にっかつもジリ貧状態。エロス大作の正月映画『魔性の香り』(2.8億円)は堅調だったが、ゴールデンウィーク公開のエロス大作『蕾の眺め』は不振。ロマンポルノをさらに刺激的にしたロマンXも頭打ち状態となった。 | ||
57 | 0 | 0 | 96.8% |
各国ランキング
[編集]日本配給収入ランキング
[編集]順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | 子猫物語 | 東宝 | 54.0億円 | |
2 | バック・トゥ・ザ・フューチャー | UIP | 36.5億円 | |
3 | ロッキー4/炎の友情 | UIP | 29.5億円 | |
4 | グーニーズ | ワーナー・ブラザース | 19.5億円 | |
5 | コブラ | ワーナー・ブラザース | 18.0億円 | |
6 | 野蛮人のように ビー・バップ・ハイスクール |
東映 | 14.5億円 | |
7 | コーラスライン | 松竹富士 | 14.0億円 | |
8 | 植村直己物語 | 東宝 | 13.5億円 | |
9 | キネマの天地 | 松竹 | 13.0億円 | |
9 | ドラえもん のび太と鉄人兵団 プロゴルファー猿 スーパーGOLFワールドへの挑戦!! |
東宝 | 13.0億円 |
北米興行収入ランキング
[編集]順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 |
---|---|---|---|
1. | トップガン | パラマウント | $176,786,701 |
2. | クロコダイル・ダンディー | パラマウント | $174,803,506 |
3. | プラトーン | オライオン | $138,530,565 |
4. | ベスト・キッド2 | コロムビア | $115,103,979 |
5. | スタートレックIV 故郷への長い道 | パラマウント | $109,713,132 |
6. | バック・トゥ・スクール | オライオン | $91,258,000 |
7. | エイリアン2 | 20世紀FOX | $85,160,248 |
8. | ゴールデン・チャイルド | パラマウント | $79,817,937 |
9. | 殺したい女 | タッチストーン | $71,624,879 |
10. | フェリスはある朝突然に | パラマウント | $70,136,369 |
- 出典: “1986 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月23日閲覧。
日本公開映画
[編集]1986年の日本公開映画を参照。
受賞
[編集]- 第44回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『プラトーン』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - マーリー・マトリン(『愛は静けさの中に』)
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - ポール・ニューマン(『ハスラー2』)、ボブ・ホスキンス(『モナリザ』)
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『ハンナとその姉妹』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - シシー・スペイセク(『ロンリー・ハート』)
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ポール・ホーガン(『クロコダイル・ダンディー』)
- 監督賞 - オリヴァー・ストーン(『プラトーン』)
- 第52回ニューヨーク映画批評家協会賞 - 『ハンナとその姉妹』
- 第39回カンヌ国際映画祭
- パルム・ドール - 『ミッション』(ローランド・ジョフィ)
- 監督賞 - マーティン・スコセッシ(『アフター・アワーズ』)
- 男優賞 - ボブ・ホスキンス(『モナリザ』)、ミシェル・ブラン(『タキシード』)
- 女優賞 - バルバラ・スコヴァ(ローザ・ルクセンブルク)、フェルナンダ・トレス(『Love Me Forever or Never』)
- 第43回ヴェネツィア国際映画祭
- 第36回ベルリン国際映画祭
- 金熊賞 - 『Stammheim』 (Reinhard Hauff)
- 第10回日本アカデミー賞
- 最優秀作品賞 - 『火宅の人』(深作欣二)
- 最優秀主演男優賞 - 緒形拳(『火宅の人』)
- 最優秀主演女優賞 - いしだあゆみ(『火宅の人』『時計 Adieu l'Hiver』)
- 第60回キネマ旬報ベスト・テン
- 外国映画第1位 - 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』
- 日本映画第1位 - 『海と毒薬』
- 第41回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『海と毒薬』
誕生
[編集]日本以外
[編集]- 1月24日 - ミーシャ・バートン、イギリス・アメリカの女優
- 3月14日 - ジェイミー・ベル、イギリスの俳優
- 4月3日 - アマンダ・バインズ、アメリカの女優
- 6月13日 - オルセン姉妹、アメリカの双子女優
- 7月2日 - リンジー・ローハン、アメリカの女優・歌手
- 9月12日 - エミー・ロッサム、アメリカの女優
日本
[編集]- 1月5日 - 小池徹平、日本の俳優
- 1月14日 - 前野朋哉、日本の俳優
- 1月18日 - 山崎育三郎、日本の俳優
- 2月10日 - 市川由衣、日本の女優
- 2月18日 - 安藤サクラ、日本の女優
- 2月23日 - 亀梨和也、日本の俳優
- 2月28日 - 三瓶由布子、日本の声優
- 3月12日 - 大塚千弘、日本の女優
- 3月13日 - 大東駿介、日本の俳優
- 4月8日 - 沢尻エリカ、日本の女優
- 4月14日 - 杏、日本の女優
- 5月25日 - 上野樹里、日本の女優
- 6月14日 - 比嘉愛未、日本の女優
- 6月28日 - 三森すずこ、日本の女優
- 7月22日 - 末永遥、日本の女優
- 8月20日 - 勝地涼、日本の俳優
- 8月22日 - 北川景子、日本の女優
- 9月11日 - 佐々木和徳、日本の俳優
- 10月1日 - 神田沙也加、日本の女優(+ 2021年)
- 10月24日 - 岡本信彦、日本の声優
- 10月28日 - スザンヌ、日本のタレント
- 10月28日 - 豊崎愛生、日本の声優
- 11月16日 - 紗栄子、日本の女優
- 12月16日 - 柄本佑、日本の俳優
- 12月24日 - 石原さとみ、日本の女優
- 12月24日 - 中村倫也、日本の俳優
死去
[編集]日付 | 名前 | 国籍 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 14日 | ドナ・リード | 64 | 女優 | |
20日 | 木村恵吾 | 81 | 映画監督 | ||
21日 | 磯野秋雄 | 75 | 俳優 | ||
27日 | リリー・パルマー | 71 | 女優 | ||
29日 | リーフ・エリクソン | 74 | 俳優 | ||
2月 | 19日 | アドルフォ・チェリ | 63 | 俳優 | |
3月 | 10日 | レイ・ミランド | 81 | 俳優 | |
30日 | ジェームズ・キャグニー | 86 | 俳優 | ||
4月 | 1日 | 香山武彦 | 42 | 俳優 | |
11日 | 海江田譲二 | 78 | 俳優 | ||
23日 | オットー・プレミンジャー | 79 | 映画監督・プロデューサー | ||
26日 | ベッシー・ラヴ | 87 | 女優 | ||
ブロデリック・クロフォード | 74 | 俳優 | |||
5月 | 13日 | 小山田宗徳 | 58 | 俳優 | |
22日 | 熊谷久虎 | 82 | 映画監督 | ||
23日 | スターリング・ヘイドン | 70 | 俳優 | ||
6月 | 13日 | ベニー・グッドマン | 77 | ミュージシャン・俳優 | |
14日 | アラン・ジェイ・ラーナー | 67 | ミュージシャン | ||
19日 | コリューシュ | 41 | 俳優 | ||
7月 | 6日 | 和田浩治 | 42 | 俳優 | |
12日 | 古川勝巳 | 71 | 日本ヘラルド映画代表取締役社長 | ||
13日 | 神田隆 | 68 | 俳優 | ||
25日 | ヴィンセント・ミネリ | 83 | 映画監督 | ||
天草四郎 | 69 | 俳優 | |||
28日 | ジョン・オルコット | 55 | 撮影監督 | ||
8月 | 6日 | エミリオ・フェルナンデス | 82 | 映画監督・俳優 | |
9月 | 1日 | マーレイ・ハミルトン | 63 | 俳優 | |
6日 | ブランチ・スウィート | 90 | 女優 | ||
10日 | 島耕二 | 85 | 俳優・映画監督 | ||
10月 | 5日 | ハル・B・ウォリス | 87 | プロデューサー | |
12日 | 植木昌一郎 | 64 | 脚本家 | ||
14日 | キーナン・ウィン | 70 | 俳優 | ||
25日 | フォレスト・タッカー | 71 | 俳優 | ||
11月 | 23日 | 増村保造 | 62 | 映画監督 | |
23日 | 明石潮 | 88 | 俳優 | ||
29日 | ケーリー・グラント | 82 | 俳優 | ||
12月 | 2日 | デジ・アーナズ | 69 | 俳優 | |
13日 | ヘザー・エンジェル | 77 | 女優 | ||
26日 | エルザ・ランチェスター | 84 | 女優 | ||
28日 | 佐々木孝丸 | 88 | 俳優 | ||
アンドレイ・タルコフスキー | 54 | 映画監督 |
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 東宝 2010b, p. 237.
- ^ a b c d e 東映 1992, p. 80.
- ^ “文化庁芸術祭賞受賞一覧 昭和51年度(第31回) - 昭和60年度(第40回)”. 文化庁. p. 10. 2022年8月12日閲覧。
- ^ “不正商品対策協議会とは”. 不正商品対策協議会ホームページ. 不正商品対策協議会. 2022年8月13日閲覧。 “昭和61(1986)年8月7日、8団体により設立。”
- ^ 東宝 2010b, pp. 237–238.
- ^ 東宝 2010b, p. 238.
- ^ 「1986年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報』1987年(昭和62年)2月下旬号、キネマ旬報社、1987年、124頁。「山田洋次監督「キネマの天地」を50周年記念映画として公開したが、所期の目標に達せず」
- ^ 斉藤 2009, p. 113.
- ^ “第37作 男はつらいよ 柴又より愛をこめて”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月29日閲覧。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ a b “過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
- ^ “主要耐久消費財等の普及率(全世帯)(平成16年3月末現在)” (XLS). 内閣府公式サイト. 統計表一覧:消費動向調査. 内閣府 (2004年3月31日). 2022年5月3日閲覧。