1971年の映画
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1971年の映画(1971ねんのえいが)では、1971年(昭和46年)の映画分野の動向についてまとめる。
1970年の映画 - 1971年の映画 - 1972年の映画
できごと
[編集]世界
[編集]→「1971年 § できごと」も参照
- 6月3日 - ワーナー・ブラザースとコロンビア ピクチャーズがスタジオを合併[1]。
- 7月19日 - 新藤兼人監督『裸の十九才』が第7回モスクワ国際映画祭で金賞受賞[2][注 1]。
- 10月1日 - 米国フロリダにディズニー・ワールドオープン[4]。
- 10月7日 - 米国、ウィリアム・フリードキン監督『フレンチ・コネクション』公開[5][6]。
- 12月19日 - 米国、スタンリー・キューブリック監督『時計じかけのオレンジ」公開[5][7]。
- 月日不詳
- 米国、ダリル・F・ザナック、277億ドルの赤字の責任を取り、20世紀フォックス退社[5]。
日本
[編集]→「1971年の日本 § できごと」も参照
- 1月
- UA日本支社希望退職者募集、のちに指名解雇に発展[8]。
- 昭和45年度全国映画館数3246館(前年比356館減)、入場者数2億5479万人(前年比89.7%)、興行収入824億8800万円(前年比98.4%)[8][9]。
- 1月1日 - 71年振りに全面改正された、新著作権法(著作者人格権を定め、著作権の支分権、保護期間、著作隣接権の規定ほか)施行[8]。
- 1月15日 - 東宝撮影所改革発表、スタジオは東宝作品専用からフリー化[8]。社員、専属者に配置転換、契約の終了が発生[8]。
- 1月23日 - 日経新聞、「松竹、映画製作から全面撤退」と報道[10]。同日、松竹は緊急記者会見を開き、事実無根と否定[10]。
- 2月
- 3月
- 4月
- 6月
- 7月
- 7月18日 - 劇場用アニメ映画『アリババと40匹の盗賊』をメインとする夏休み東映まんがまつり、好調な成績[14]。
- 8月
- 10月
- 11月
- 12月
- 黒澤明監督、自宅で自殺未遂[3]。
- 邦画直営館・名古屋松竹座オープン[16]。
- コンサート・映画・演劇などの情報誌『コンサートガイド』創刊(のちに『シティロード』に改名)[21][22]。
- 12月4日 - 東京・スキヤバシ映画劇場が洋画ロードショー館にスイッチ[19]。
- 12月21日 - 松竹、大谷隆三社長就任[16][19]。
- 12月23日 - 大映、累積赤字58億円で30年の歴史に終止符[3][17][16]。当面は組合が会社を管理、引き受け先会社を探す[4]。あわせて京都(太秦)撮影所を閉鎖[4]。
- 12月29日 - 『新網走番外地 吹雪の大脱走』(降旗康男監督)[23] / 『不良番長 突撃一番』(野田幸男監督)封切、ヒット[14]。
日本の映画興行
[編集]配給会社 | 年間配給収入
(単位:百万円) |
前年対比 |
---|---|---|
松竹 | 2,337 | 96.1% |
東宝 | 3,086 | 90.7% |
大映 | 133 | 11.9% |
東映 | 5,972 | 101.5% |
日活 | 350 | 30.6% |
ダイニチ | 1,540 | 73.2% |
- 出典: 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月、48頁。
各国ランキング
[編集]日本配給収入ランキング
[編集]日本映画は正確な数字が発表されていない[32]。以下、邦画配給会社別の好稼働番組を挙げる[32]。
- 松竹
- 誰かさんと誰かさんが全員集合!!
- 男はつらいよ 純情篇(2.3億円)
- 男はつらいよ 奮闘篇(2.5億円)
- 新・男はつらいよ (新版)
- 東宝
- 東宝チャンピオンまつり 『怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ(短縮再編集版リバイバル)』など
- 日本一のワルノリ男
- ゴジラ対ヘドラ(2.9億円)
- 激動の昭和史 沖縄決戦
- 東映 - 任侠ものが配給収入1億円弱を着実に稼いでいた[32]。
- 日活
- 戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河 - 配給収入3億円を記録した[32]。
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 興行収入 |
---|---|---|---|---|
1 | ある愛の詩 | CIC | 3億2792万円 | |
2 | エルビス・オン・ステージ | MGM | 2億6106万円 | |
3 | 栄光のル・マン | 東和 | 2億5365万円 | |
4 | チャイコフスキー | ヘラルド | 2億1502万円 | |
5 | 小さな恋のメロディー | ヘラルド | 2億0636万円 | |
6 | トラ・トラ・トラ! | 20世紀フォックス | 1億9422万円 | |
7 | 狼の挽歌 | ヘラルド | 1億6666万円 | |
8 | アラビアのロレンス (リバイバル) | コロムビア映画 | 1億5936万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、285頁。ISBN 978-4873767550。
北米興行収入ランキング
[編集]順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 | 出典 |
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1. | 屋根の上のバイオリン弾き | ユナイテッド・アーティスツ | $75,600,000 | [33] |
2. | フレンチ・コネクション | 20世紀フォックス | $51,700,000 | [34] |
3. | 007/ダイヤモンドは永遠に | ユナイテッド・アーティスツ | $43,819,547 | [35] |
4. | ダーティハリー | ワーナー・ブラザース | $35,976,000 | [36] |
5. | 明日の壁をぶち破れ | ワーナー・ブラザース | $32,500,000 | [37] |
6. | おもいでの夏 | ワーナー・ブラザース | $32,063,634 | [38] |
7. | ラスト・ショー | コロンビア ピクチャーズ | $29,133,000 | [39] |
8. | 愛の狩人 | エンバシー・ピクチャーズ | $28,623,000 | [40] |
9. | 時計じかけのオレンジ | ワーナー・ブラザース | $26,589,355 | [41] |
10. | ベッドかざりとほうき | ウォルト・ディズニー | $17,871,174 | [42] |
日本公開映画
[編集]1971年の日本公開映画を参照。
受賞
[編集]- 第44回アカデミー賞
- 作品賞 - 『フレンチ・コネクション』
- 監督賞 - ウィリアム・フリードキン(『フレンチ・コネクション』)
- 主演男優賞 - ジーン・ハックマン(『フレンチ・コネクション』)
- 主演女優賞 - ジェーン・フォンダ(『コールガール』)
- 第29回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『フレンチ・コネクション』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - ジェーン・フォンダ(『コールガール』)
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - ジーン・ハックマン(『フレンチ・コネクション』)
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『屋根の上のバイオリン弾き 』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ツイッギー(『ボーイフレンド』)
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - トポル(『屋根の上のバイオリン弾き』)
- 監督賞 - ウィリアム・フリードキン(『フレンチ・コネクション』)
- 第32回ヴェネツィア国際映画祭
- 金獅子賞 - 受賞作なし
- 第21回ベルリン国際映画祭
- 金熊賞 - 『悲しみの青春』 (ヴィットリオ・デ・シーカ)
- 第26回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『沈黙 SILENCE』
誕生
[編集]- 1月2日 - 竹野内豊、日本の俳優
- 1月17日 - 工藤夕貴、日本の女優
- 2月14日 - 酒井法子、日本の女優・歌手
- 2月17日 - デニス・リチャーズ、アメリカの女優
- 3月7日 - レイチェル・ワイズ、イギリスの俳優
- 3月12日 - ユースケ・サンタマリア、日本のタレント・俳優
- 3月15日 - 純名りさ、日本の女優
- 3月16日 - 木村多江、日本の女優
- 3月29日 - 西島秀俊、日本の俳優
- 3月31日 - ユアン・マクレガー、イギリスの俳優
- 3月31日 - 筒井道隆、日本の俳優
- 4月13日 - つみきみほ、日本の女優
- 5月14日 - ソフィア・コッポラ、アメリカの映画監督・女優
- 5月27日 - ポール・ベタニー、イギリスの俳優
- 6月5日 - 中嶋朋子、日本の女優
- 6月11日 - 津田健次郎、日本の声優
- 6月28日 - 藤原紀香、日本の女優
- 8月4日 - 檀れい、日本の女優
- 8月10日 - ジャスティン・セロウ、アメリカの俳優
- 8月13日 - モーリッツ・ブライプトロイ、ドイツの俳優
- 8月17日 - オム・ジョンファ、韓国の女優・歌手
- 8月21日 - 萩原聖人、日本の俳優
- 9月6日 - 若林志穂、日本の女優
- 9月10日 - 桜井智、日本の声優
- 10月13日 - 吉本多香美、日本の女優
- 10月29日 - ウィノナ・ライダー、アメリカの女優
- 11月25日 - クリスティナ・アップルゲイト、アメリカの女優
- 12月17日 - 牧瀬里穂、日本の女優
- 12月20日 - 片岡礼子、日本の女優
- 12月26日 - ジャレッド・レト、アメリカの俳優
死去
[編集]日付 | 名前 | 国籍 | 年齢 | 職業 | |
2月 | 26日 | フェルナンデル | 67 | 歌手・俳優 | |
3月 | 8日 | ハロルド・ロイド | 77 | コメディアン | |
15日 | ビーブ・ダニエルズ | 70 | 女優 | ||
5月 | 1日 | グレンダ・ファレル | 66 | 女優 | |
7日 | ヘレーネ・ヴァイゲル | 70 | 女優 | ||
28日 | オーディ・マーフィ | 46 | 俳優 | ||
7月 | 6日 | ルイ・アームストロング | 69 | ミュージシャン・俳優 | |
7日 | アブ・アイワークス | 70 | アニメーター | ||
15日 | ビル・トンプソン | 58 | 声優 | ||
23日 | ヴァン・ヘフリン | 62 | 俳優 | ||
8月 | 1日 | 徳川夢声 | 77 | 弁士・漫談家・俳優 | |
15日 | ポール・ルーカス | 76 | 俳優 | ||
9月 | 7日 | スプリング・バイイントン | 84 | 女優 | |
10日 | ピア・アンジェリ | 39 | 女優 | ||
11月 | 16日 | イーディー・セジウィック | 28 | モデル・女優 | |
17日 | グラディス・クーパー | 82 | 女優 | ||
12月 | 13日 | ディタ・パルロ | 65 | 女優 | |
20日 | ロイ・O・ディズニー | 78 | ウォルト・ディズニー・プロダクション代表取締役会長 | ||
28日 | マックス・スタイナー | 83 | 作曲家 |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f 東宝 1982b, p. 114.
- ^ a b c d 東宝 1982b, p. 115.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 谷川 1993, p. 158.
- ^ a b c d e f g h i 東宝 2010b, p. 223.
- ^ a b c 石原良太 1986, p. 132.
- ^ “フレンチ・コネクション (1971) - Release info” (英語). IMDb. 2024年2月3日閲覧。
- ^ “時計じかけのオレンジ (1971) - Release info” (英語). IMDb. 2024年2月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 東宝 2010b, p. 222.
- ^ a b c “過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
- ^ a b 谷川建司 2016, p. 70.
- ^ a b 日活 2014, p. 98.
- ^ a b 東映 1992, p. 52.
- ^ 東宝 2010b, pp. 222–223.
- ^ a b c d 東映 1992, p. 53.
- ^ “新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬”. 映画.com. 2023年4月1日閲覧。
- ^ a b c d e 松竹 1985, p. 691.
- ^ a b c 山川 1987, p. 365.
- ^ “No.19 小さな町工場を世界のSONYに育て上げた井深大さん(第8回)”. アイコム (2007年10月19日). 2023年2月12日閲覧。 “その思いが、1971年、再生専用機ながらカセット方式のテープを採用したUマチック方式のビデオコーダー「VP-1100型」の発売へつながった。テープ幅は3/4インチだったが、「VP-1100型」の発売によってカセット方式の時代に突入したのである。”
- ^ a b c d e 東宝 1982b, p. 116.
- ^ “沿革”. 日活公式サイト. 日活. 2020年4月1日閲覧。
- ^ “シティロードとは”. デジタル大辞泉プラス. コトバンク. 2017年1月8日閲覧。 “日本の月刊情報誌のひとつ。エコー企画刊。1971年「コンサートガイド」の名で創刊、その後改称。ライブや映画、演劇などの情報を扱い、批評も掲載。”
- ^ “ワクチン予約システムで話題の「ぴあ」 かつて一世を風靡した大人気情報誌の歴史とは”. メトロアドエージェンシー (2021年5月19日). 2023年3月11日閲覧。 “同時期には、関西を拠点とする『プレイガイドジャーナル』(1971年7月創刊)、東京のコンサート情報からスタートした『シティロード』(1971年12月創刊)など、(後略)。”
- ^ “新網走番外地 吹雪の大脱走”. 映画.com. 2023年4月1日閲覧。
- ^ 斉藤 2009, p. 68.
- ^ “第6作 男はつらいよ 純情篇”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月28日閲覧。
- ^ “第7作 男はつらいよ 奮闘篇”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月7日閲覧。
- ^ 斉藤 2009, pp. 84–85.
- ^ 斉藤 2009, pp. 85–86.
- ^ 斉藤 2009, pp. 86–87.
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ a b c d 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、284頁。ISBN 978-4873767550。
- ^ Block, Alex Ben; Wilson, Lucy Autrey, eds (2010). George Lucas's Blockbusting: A Decade-By-Decade Survey of Timeless Movies Including Untold Secrets of Their Financial and Cultural Success. HarperCollins. ISBN 9780061778896
- Fiddler on the Roof: p.527. $75.6 million (Initial Release Domestic Box office)
- ^ “The French Connection, Box Office Information”. Box Office Mojo. January 11, 2012閲覧。
- ^ “Diamonds Are Forever, Box Office Information”. Box Office Mojo. January 11, 2012閲覧。
- ^ “Dirty Harry, Box Office Information”. Box Office Mojo. January 11, 2012閲覧。
- ^ “Billy Jack”. The Numbers. Nash Information Services. May 28, 2014閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Summer of '42, Box Office Information”. The Numbers. January 11, 2012閲覧。
- ^ “The Last Picture Show, Box Office Information”. Box Office Mojo. January 11, 2012閲覧。
- ^ “Carnal Knowledge, Box Office Information”. The Numbers. January 11, 2012閲覧。
- ^ “A Clockwork Orange, Box Office Information”. Box Office Mojo. January 11, 2012閲覧。
- ^ “Bedknobs and Broomsticks, Box Office Information”. The Numbers. January 11, 2012閲覧。
参考文献
[編集]- 石原良太 編『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集 : 栄光と虚栄・アカデミー賞からヨコハマ映画祭』芳賀書店、1986年6月。ISBN 4-8261-0520-7。
- 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。
- 松竹『松竹九十年史』松竹、1985年12月。全国書誌番号:87001945。
- 谷川建司「日本映画輸出振興協会と輸出向けコンテンツ」『戦後映画の産業空間 : 資本・娯楽・興行』森話社、2016年7月。ISBN 978-4-86405-098-2。
- 谷川義雄『年表・映画100年史』風濤社、1993年5月。ISBN 4-89219-113-2。
- 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746。
- 東宝『東宝五十年史』東宝、1982年11月。全国書誌番号:83041631。
- 渋沢社史データベース版(1982年11月刊行本が底本)
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。
- 日活『日活100年史 = Nikkatsu-celebrating 100 years of history』日活、2014年3月。全国書誌番号:22411179。
- 山川浩二『昭和広告60年史』講談社、1987年。ISBN 4-06-202184-6。