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鎌倉殿の13人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大河ドラマ > 鎌倉殿の13人
鎌倉殿の13人
THE 13 LORDS OF THE SHOGUN
ジャンル テレビドラマ
脚本 三谷幸喜
演出 吉田照幸
末永創
保坂慶太
安藤大佑
中泉慧
小林直毅
松本仁志
出演者 小栗旬
(以下五十音順)[* 1]
青木崇高
浅野和之
新垣結衣
生田斗真
市原隼人
江口のりこ
大泉洋
尾上松也
柿澤勇人
片岡愛之助
金子大地
寛一郎
菊地凛子
國村隼
栗原英雄
小池栄子
小泉孝太郎
坂口健太郎
迫田孝也
佐藤浩市
佐藤二朗
シルビア・グラブ
鈴木京香
菅田将暉
瀬戸康史
田中泯
田中直樹
中川大志
中村獅童
西田敏行
坂東彌十郎
堀田真由
堀内敬子
松平健
宮澤エマ
宮沢りえ
山寺宏一
山本耕史
ナレーター 長澤まさみ
音楽 エバン・コール
時代設定 平安時代末期 - 鎌倉時代初期
製作
制作統括 清水拓哉
尾崎裕和
プロデューサー 大越大士
吉岡和彦
川口俊介
結城崇史(VFX・DX担当)
制作 日本放送協会
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2022年1月9日 - 12月18日
放送時間日曜(地上波)20:00 - 20:45
放送枠大河ドラマ
放送分45分
回数48
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
番組年表
前作青天を衝け
次作どうする家康

特記事項:
初回と最終回は15分拡大。
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鎌倉殿の13人』(かまくらどのの13にん)は、2022年令和4年)1月9日から12月18日まで放送されたNHK大河ドラマ第61作[* 2]鎌倉幕府の二代執権となった北条義時主人公[* 2]平安末期から鎌倉初期を描く[* 3]

制作

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放送開始まで

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2020年(令和2年)1月8日に制作発表が行われ、三谷幸喜が脚本を担当し、小栗旬が主演することが発表された[* 2]。三谷が大河ドラマの脚本を担当するのは『新選組!』『真田丸』に続いて3回目であり、小栗は今作で8回目の大河ドラマ出演にして初主演であった[* 4][注釈 1]

制作発表の際、今作の題材となる北条家十三人の合議制について三谷自らが解説を行った。また、2019年放送の『いだてん〜東京オリムピック噺〜』および2020年放送の『麒麟がくる』において出演者の不祥事による放送期間中の降板・代役立て・再撮影が続いたことに触れた[* 5][注釈 2]

今作の題材について、制作統括の清水拓哉は当初、源義経北条早雲にしようと考え取材を始めていたが、以前から北条家に興味のあった三谷が「北条義時」を提案したことでこれに決定したという[* 6]。その理由について三谷は「源頼朝が挙兵してから承久の乱までの40年以上にわたる時代を描こうとしたとき、全ての証言者になれる人物は義時くらいだった」と述べている[* 7]

今作の表題を考案したのは制作統括の尾崎裕和であり[* 8]、「鎌倉殿」とは源頼朝をはじめとする鎌倉幕府将軍を、「13人」とは頼朝死後に発足した集団指導体制「十三人の合議制」を指している[* 9][注釈 3]。NHK大河ドラマにおいてタイトルにアラビア数字(算用数字)が使われたのは今作が初であった[* 10]

今作では、源平合戦鎌倉幕府誕生の過程で繰り広げられる権力の座を巡る駆け引きを、ユーモアを交えたホームドラマのような描写とともに[* 11]、徹底して無情で陰惨な粛清劇として描いた[* 12]。三谷は執筆にあたり、日本史を知らない海外の人が見ても楽しめる「神代の時代」のドラマを書くことを目標とし、歴史書『吾妻鏡』をベースに[注釈 4]、特に『ゲーム・オブ・スローンズ』を手本とした[* 14]。また、物語の全体像は『ゴッドファーザー』、部分的に『アラビアのロレンス』『仁義なき戦い』などの影響を受けた[* 15][* 16]

2020年11月6日、公式Twitterが開設され、第一次出演者の発表日が予告された[* 17]

2020年11月16日から11月20日にかけて、第一次出演者発表が行われた[* 18][* 19][* 20][* 21][* 22]。その後、2021年(令和3年)4月15日に第二次出演者発表が[* 23]、同年4月27日から4月28日にかけて第三次出演者発表が[* 24]、同年7月8日から7月9日にかけて第四次出演者発表が[* 25]、2022年2月16日から2月17日にかけて第五次出演者発表が[* 26]、同年3月1日に第六次出演者発表が[* 27]、同年6月8日から6月10日にかけて第七次出演者発表が[* 28]、それぞれ行われた。出演者の発表方法は毎回手法を変えて行われ、第一次発表は閣僚発表会見を模した形で三谷が発表する方法を、第二次は発表の6日前に三谷が出演者の似顔絵を描いて役柄について説明する方法を取り、第三次・第四次では登場人物のセリフを先に公開してから発表した。第五次・第六次では出演者の宣材写真を背景にして発表し、特に第五次については出演者の音声コメントが公開され、出演者自身が音声にて配役を発表した。第七次では語りを担当する長澤まさみが発表を担った[* 29]

2020年11月21日、時代・風俗の考証を担当する専門家チームの陣容が発表された[* 30]

2021年3月23日、時代考証を務めていた呉座勇一が自身のTwitter上への不適切投稿を理由に降板した[* 31][* 32]

同年6月9日、撮影開始[* 33]。それに伴い、本作ではスタッフおよび演者のハラスメント防止のため、Netflixなどが導入している「リスペクト・トレーニング」講習が取り入れられた[* 34]。また、大河ドラマ異例の取り組みとしてインカメラVFXの導入[* 35]単焦点レンズの使用などが行われた[* 36]

同年7月8日、音楽発表が第四次出演者発表と同時に行われた[* 25]

同年7月16日、伊東祐親役で発表されていた辻萬長が病気療養のため降板し、代役を浅野和之が務めることが発表された[* 37][注釈 5]

同年7月20日、番組ロゴが発表された[* 40]

同年12月1日、メインビジュアルの公開とともに公式ホームページが開設され[* 41]、翌2日には語りも発表された[* 42]

放送開始後

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2022年1月9日、15分拡大[* 43]で初回放送を開始。新型コロナウイルスの影響で前々作『麒麟がくる』の終了が2月にずれ込んだため、前作『青天を衝け』の放送は通常より約1ヶ月遅れで開始されたが、当初の予定から話数が大幅に短縮された事で、本作からは通常サイクルに戻った[* 43]

今作のタイトルバックの尺は1分45秒(冒頭の語りも含めると2分10秒)で、例年より約1分の短縮となった[注釈 6]。これに伴い、時代考証・プロデューサー陣・演出らスタッフの名前はタイトルバック明けやエンディングに流されることとなった[* 44]

今作より、台湾のインターネットストリーミング大手であるKKTVと、IPTVサービスを展開する中華電信MODがNHK大河ドラマの同時配信を開始した[* 45]

本放送の終了後、番組公式Twitterは、放送内容に関連した撮影直後のキャストの音声コメントを「#かまコメ」と題して公開した[* 46]。また、放送内容の元になった史実のエピソードを「#吾妻鏡」と題して紹介した[* 47]

初回放送視聴率は視聴率17.3%(個人視聴率10.6%)で、いずれも好調であった『麒麟がくる』『青天を衝け』を下回った[* 48]。これは、過去2作と比較すると知名度の低い鎌倉時代を題材としたことも関係しているとされる。一方、初回総合視聴率は25.8%で、前作『青天を衝け』を下回ったものの、16年10月の調査開始以来、大河ドラマ初回タイムシフト最高を更新した[* 49]。また、昨年よりスタートした「NHKプラス」での視聴ユニークブラウザ数は『青天を衝け』の2~3倍を記録した[* 48]

同年3月13日に放送された第10回では、一瞬ながらスタッフが映り込んでしまうミスがあり、後日番組公式Twitterにて謝罪するとともに、土曜日の再放送では該当箇所を修正して放送した[* 50]

同年5月8日に放送された第18回の壇ノ浦の戦いのシーンは、VFXシーンが水の表現に定評があるウクライナの製作会社に発注されていたが、戦争の影響により作業の続行が困難となり、急遽国内外の別クルーが加わって何とか仕上げられた[* 51]

同年9月22日、10月9日は本編を休止し、代わりにトーク特番を放送することが発表された。また、最終回は12月18日に放送され、全話数は48回と決まったことも発表された。大河ドラマが全48話以上になるのは、2017年に放送された『おんな城主 直虎』の全50話以来、5年ぶりであった[* 52][注釈 7]

同年10月25日、クランクアップ[* 33]。約1年4か月にわたる撮影が終了した。

同年12月18日に放送された最終回(第48回)冒頭では、翌2023年の大河ドラマ『どうする家康』に主演する松本潤が、同作さながらの徳川家康役で出演した[* 53]。翌年の大河主演がその役で前年の大河最終回に出演するという極めて異例な演出は、松本と親交の深い小栗のアイデアによって行われた[* 53]。本作で松本演じる家康が登場したことにより、大河ドラマでは4作連続で「徳川家康」が登場する異例の事態となった[* 54][注釈 8]

放送終了後

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2022年12月31日、通常はマスコミ関係者のみを招いた上で行われる当作品と次回作品の主人公(前述の松本潤)とのバトンタッチセレモニーが、史上初めて『NHK紅白歌合戦』のステージで行われた[* 55]

2023年2月7日、公式ホームページ、公式Twitter、公式Instagramの公開が、この日の午後6時をもって終了した[* 56]

今作の全話平均視聴率は12.7%(個人視聴率7.6%、総合視聴率11.8%)で[* 57]、2022年に放映された連続ドラマの中ではほぼ2位の高さをキープした[* 58]。また、全話総合視聴率は20.2%で前年の『青天を衝け』を上回り[* 59]、「NHKオンデマンド」ではこれまで配信された全てのドラマ作品の中で史上最多の平均視聴数を叩き出した[* 59]スポニチは最終話放送後、「若年層を中心に配信(の視聴率)は好調」だったとし、「大河最高傑作」の呼び声が高いと書き添えた[* 60](全て関東地方・ビデオリサーチ調べ)。

あらすじ

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第一章(第1回 - 第13回)

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平安時代末期、都では平家が栄華を極め、伊豆でも平家方の豪族伊東家が権勢を誇っていた。伊豆の小豪族である北条家の主・北条時政大番役の務めを終えて京から帰還したある日、時政の次男・北条義時流人源頼朝を北条の館で匿っていることを兄・北条宗時から聞かされる。源氏嫡流である頼朝は、父・源義朝平清盛に敗れたことで伊豆に流罪となっていたが、監視役の伊東祐親が京にいる間にその娘・八重と密通していた。のちに帰還した祐親がこれに激怒すると頼朝は追われる身となり、祐親の次男・伊東祐清や宗時の手引きによって北条の館に逃げ込んでいたのである。平家の横暴に不満を募らせていた宗時はこれを利用し、頼朝を奉じて挙兵しようと考える。また、義時の姉・政子も頼朝に一目惚れする。一方、祐親は下人善児に命じて頼朝と八重の子である千鶴丸を殺害したのち北条の館を包囲するが、相模の大豪族・大庭景親の仲裁によって北条と和解、北条家が頼朝を預かることに決まる。義時は頼朝の真意を掴みきれず不信感を募らせていたが、頼朝から「北条を後ろ盾として挙兵し、平家を打倒してこの世をあるべき姿に戻す」という本意を聞かされ、畏敬の念を抱く。

京の都では、清盛が治天の君後白河法皇幽閉し、平家打倒を掲げた以仁王源頼政とともに挙兵していた。政子を正室に迎え長女・大姫が誕生した頼朝のもとにも叔父・源行家によって以仁王の令旨が届けられるが、この反乱はすぐに鎮圧されて伊豆でも平家の勢力が強化される。京にいる三善康信の報告で自身に危険が迫っていると知った頼朝は、北条家の説得で平家打倒の兵を挙げることを誓う。義時の奔走で味方となる兵を集めた頼朝は、である時政や三浦義澄ら周辺の豪族たちとともに挙兵して伊豆の目代山木兼隆後見役堤信遠を討ち取り、東国の政を行うことを宣言する。だが、続く戦いでは頼みの綱であった三浦勢が増水により合流できず、景親・祐親ら平家に与する大軍勢の挟撃に遭って惨敗を喫する。この戦いの最中、宗時は祐親の命を受けた善児の手によって殺害されるが、その直前に宗時から「坂東武者の世を作り、その頂上に北条が立つ」という真の志を告げられていた義時は、兄の死を知るとその遺志を引き継ぐことを決意する。

敗走した頼朝は、安房へと逃れると坂東武者たちの前で再起することを宣言し、安達盛長を派遣して下総の豪族・千葉常胤を味方する。同じ頃、義時は上総の大豪族・上総広常の説得に当たり、広常は頼朝の強運と粘り強く説得する義時を気に入ったことで頼朝軍に合流する。勢いに乗った頼朝軍は武蔵畠山重忠らを味方とし、甲斐源氏武田信義の説得にも成功。3万の大軍勢とともに鎌倉に入って大倉御所を築き始める。一方、伊東の館は和田・畠山軍に攻められていた。義時は、祐親に降伏を促すとともに八重を救出する。しかし、このとき鎌倉には平維盛総大将とする平家の大軍が迫っていた。同族である信義とともに富士川で平家軍と対峙した頼朝軍であったが平家軍は水鳥の羽音に驚いて敗走、そこに奥州平泉から駆けつけた弟・源義経が合流する。勢いに乗る頼朝は景親を処刑し、平家と通じる常陸佐竹氏を討伐するなど坂東の勢力基盤を安定させる。この頃、これまでの功績を認められ江間の領地を拝領した義時は「江間小四郎」を名乗る。また、御所に入った頼朝は鎌倉殿を名乗り、頼朝に味方した坂東武者も御家人と呼ばれるようになる。

京では清盛が病没し、息子・平宗盛がその跡を継ぐ。頼朝は鎌倉に集った弟たちの前で改めて平家を討つことを宣言するが、弟の1人である義円は、聡明さに嫉妬した義経の口車に乗って行家とともに尾張へ向かい、墨俣川にて討ち死にする。一方、政子が2人目の子を妊娠すると、嫡男が欲しい頼朝は祐親・祐清父子に一度は恩赦を与えるが、祐親の命で殺害された千鶴丸の怨念が嫡男の誕生を阻むという弟・阿野全成の占いを信じ、景時に命じて伊東父子を暗殺する。このやり口に義時は徐々に頼朝への不信感を募らせていく。その後、政子は無事に嫡男・万寿源頼家)を出産し乳母夫比企能員が務めることに決まるが、政子の出世を妬む継母りくは懐妊中に頼朝が側女・と密通していたことを政子に伝えて後妻打ちを勧め、兄・牧宗親に後妻打ちを実行させる。これに激怒した頼朝は、計画に協力した義経と実行犯である宗親の二人に処罰を下す。同時期、信濃源氏木曽義仲北陸で勢力を拡大させつつあった。義時はこれを危惧した頼朝の命で源範頼らと信濃へ向かい、義仲の子・源義高を人質として鎌倉へ送り届ける。その後、義時は幼い頃から一途に思い続けてきた八重と結ばれる。

第二章(第14回 - 第26回)

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木曽義仲が倶利伽羅峠で平家軍に大勝すると、平宗盛は安徳天皇三種の神器とともに都を落ち延びる。これにより、義仲は源頼朝より先に上洛を果たすが、田舎者ゆえに後白河法皇と反りがあわず、後白河が頼朝に東山道の支配権を認めると2人は対立する。これを好機と見た頼朝は、御家人たちに義仲追討を命じるが反発に遭い、次第に頼朝と坂東武者たちとのずれが明らかとなる。京で義仲が平知康を破り後白河を幽閉した頃、鎌倉では千葉常胤を中心とする坂東勢が、頼朝の嫡男・万寿を人質にして頼朝を御所から退去させる計画を進めていた。この謀反計画を察知した北条義時は、上総広常に協力を依頼し事態を収束させる。だが、頼朝は京から下ってきた文官・大江広元と謀って無実の広常を首謀者に仕立て上げ、御家人たちの前で見せしめとして殺害し鎌倉を恐怖で支配する。同時期、義時と八重の間には金剛北条泰時)が誕生する。その後、義仲を討つため先発隊として出陣していた源義経は、兄・源範頼が率いる本軍と協力し、巧みな情報操作で義仲軍を撃破する。敗走した義仲は、愛妾巴御前を逃がした後に近江にて討ち取られる。勢いに乗る義経は西へ進み、後白河の協力や鉢伏山からの奇襲によって平家軍との戦いにも勝利する。一方、頼朝は今後の憂いを取り除くため、大姫の許嫁となっていた源義高の殺害を義時に命じる。義時や政子は、義高を逃がそうと家族や御家人たちの協力を得て逃亡を手助けするが失敗。義高の死を知った大姫は心を閉ざし、政子は激怒する。義時は、政子の言葉を重くみた頼朝の命で義高を討った藤内光澄を処刑。さらに、義高を焚き付けて頼朝を討とうと画策した武田信義の嫡男・一条忠頼を粛清する。

範頼の軍に属して出陣した義時は、九州へ渡って武功をあげる。また、嵐の中で屋島に渡り奇襲を成功させた義経は、天才的かつ掟破りな戦術により壇ノ浦にて平家を滅亡に追い込むが、源氏兄弟の分断を謀る後白河や、梶原景時の讒言によって鎌倉への帰還を許されず腰越に留め置かれる。義時は、義経との関係修復を望む頼朝の意を汲み頼朝・義経兄弟が対面できるよう奔走する。同時期、頼朝に敵意を持つ行家は、義経の正妻・が愛妾の静御前を殺害するために仕向けた土佐坊昌俊による襲撃を鎌倉が送ってきたものであると吹聴して義経を焚き付け、それを信じた義経は頼朝追討の兵を挙げる。これに対し頼朝は、後白河に義経追討の院宣を出させ、義時と北条時政に上洛を命じる。その後、京都守護に任命された時政は、義時の力を借りて後白河に守護地頭の全国設置を認めさせることに成功する。一方、朝敵となった義経一行は藤原秀衡が治める奥州平泉へ逃れるが、秀衡は義経の到着から1年も経たぬうちに死去する。頼朝の命で平泉を訪れた義時は、謀反の意思がない義経に静御前の産んだ男子が頼朝の命で殺されたことを伝えて挑発すると同時に、奥州藤原氏の新当主・藤原泰衡に対して藤原氏の滅亡をほのめかして脅迫することで、泰衡に義経追討を行わせる。義時と頼朝の計画を悟った義経は里と娘を殺害、泰衡軍に包囲される中で義時に遺言を託したのち従者の弁慶とともに討ち取られる。頼朝は義経を匿ったことを理由に大軍を率いて奥州へ出兵、泰衡が河田次郎に討たれると奥州藤原氏は滅亡する。

政治的面で手を汚し続ける義時の家庭生活は平穏であったが、ある日、八重が川に取り残された孤児・鶴丸平盛綱)を助けようとして事故死する。失意の義時は、頼朝の上洛に随行後に政から距離を置くが、政子の励ましを受けて政務に復帰する。一方、後白河と会談した頼朝は、全国の守護を請け負うことを認めさせ、後白河の崩御後には九条兼実の協力を得て征夷大将軍に任官する。また、次男・千幡源実朝)が誕生すると乳母に義時の妹・実衣を選び、次期鎌倉殿となる万寿の披露目を兼ねた巻狩りを実施する。しかし、その裏では頼朝に不満を持つ曽我十郎曽我五郎が頼朝暗殺計画を企てていた。曽我兄弟は、父の仇である工藤祐経を殺害するためと偽って烏帽子親の時政から兵を借り、巻狩りの最中に頼朝の寝所を襲うが、頼朝は寝所を抜け出していたため頼朝の身代わりとして寝ていた祐経を誤って殺害してしまう。義時は、時政が兵を貸したことを不問とするため、この事件を「敵討ちを装った謀反」ではなく「謀反を装った敵討ち」として処理する。同時期、義時は巻狩りで仲を深めた比企一族の娘・比奈と再婚する。

襲撃事件で天の意志を感じず死期が近いことを悟った頼朝は、鎌倉を守るために鎌倉殿を継ごうと動いた弟・範頼の行動を謀反とみなし、修善寺に幽閉する。また、朝廷との結び付きを強めるために大姫の入内を画策。これに対し、大姫は前に進むことを決めて頼朝や政子と共に上洛するが、丹後局との対面で都の恐ろしさを目の当たりにしたことで体調を崩し、死んで義高に会いたいと願いながら病死する。娘の死に焦り疑心暗鬼に陥った頼朝は、次女・三幡の入内計画を進める裏で、大姫が死んだのは範頼が呪詛したためだと粛清を命じる。範頼は梶原景時の家人となった善児によって修善寺で暗殺され、善児は彼とともに殺害した村人の遺児・トウを弟子とする。一方、頼家には比企能員の娘・せつとの間に長男・一幡が誕生するが、頼朝が跡継ぎを決めずに落馬し昏睡状態に陥ると鎌倉は混乱。次期鎌倉殿に自身が乳母夫を務める頼家を推す能員と、娘婿である阿野全成を推す時政は対立を激化させる。義時は、頼朝死後の新しい政の形を定めるため奔走し、頼朝が死去すると政子に頼朝の御台所として次の鎌倉殿を決めるよう促す。その後、自身の役目は終わったと伊豆へ帰ろうとするが、政子に説得され鎌倉に留まることを決める。

第三章(第27回 - 第38回)

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政子の後押しで二代鎌倉殿となった源頼家は若年ながらも父を越えようと積極的に政を行い、北条時連北条時房)や北条頼時(北条泰時)といった若い者たちを近習として登用する。しかし、代替わりによる訴訟の増加や正妻・つつじと側女・せつの対立に嫌気が差し、政から逃げるように蹴鞠に没頭する。この現状を見た北条義時は、文官4人と梶原景時の計5人で頼家を補佐する政治体制を考案するが、北条時政と比企能員が味方となる御家人を引き入れたことで宿老は12人へと膨れ上がり、義時自身も政子の説得によって最終的に宿老の一人となる。これを知った頼家は、宿老たちに政の権限が奪われたとして反発し、6人の近習たちを重用して彼らに対抗させる。その直後、宿老の一人である中原親能が乳母夫を務めていた三幡の病死を機に出家して鎌倉を離れる。同時期、同じく宿老の景時は安達景盛の妻を奪おうとする頼家を諫めたことで逆恨みされ、三浦義村結城朝光の仕掛けた策略によって御家人から弾劾状が提出されたことで失脚する。これに対し景時はでの再起を謀るが、義時が頼家に報告したことで奥州外ヶ浜へ流罪となる。景時は一幡を奪取して京へ上ろうとするが、義時の説得を受けて断念。義時に坂東武者の世を託して善児を譲り、駿河にて一族もろとも討ち取られる。さらに、宿老であった三浦義澄や安達盛長が相次いで病死すると合議制は崩壊する。その後、頼家とつつじとの間に次男・善哉公暁)が誕生し乳母夫が義村に決まると、能員は娘・せつが産んだ一幡が嫡男であると強調。時政も、娘が乳母を務める千幡を次期鎌倉殿にしようと画策し、千幡の乳母夫かつ娘婿の阿野全成に頼家に対する呪詛を依頼する。一方、義時の助言を受けた頼家はせつとともに鎌倉をまとめていくことを決意。彼女との子である一幡を嫡男と定める。

鎌倉では頼家が突然病に倒れ、呪詛を行った全成が謀反の罪で常陸へ流罪となる。これを好機と見た能員は、比企の所領を減らそうとする頼家を排除すると同時に北条家を弱体化させるため、全成を斬首に追い込むとともにその息子・頼全も京にて粛清させる。その直後に頼家が急な病で危篤状態となると義時は比企一族の粛清を決意し、能員が必ず拒むであろう案を提示して比企一族追討の大儀名分を手に入れる。その後、時政と協力して北条の館へ呼び出した能員を、仁田忠常に命じて騙し討ちにする。また、比企の館を攻めて能員の妻・や娘・せつを殺害し、比企一族を滅亡させる。全て計画通りに進めた北条家は千幡を次の鎌倉殿とする準備を進めるが、頼家が奇跡的に病から回復すると状況は一変。義父や妻が北条に滅ぼされたことを知った頼家は政子を責め、忠常と和田義盛に時政の首を取るよう命じる。一方、義時は比企の娘である比奈と離縁し、泰時が密かに匿っていた一幡をトウに殺害させる。さらに、北条家と頼家との間で板挟みとなった忠常が自害すると、頼家の鎌倉追放を決意。頼家は修善寺に幽閉され、三代鎌倉殿・源実朝が誕生する。

時政が執権別当となり新たな政治体制が確立した鎌倉に、幽閉中の頼家が後鳥羽上皇と通じて挙兵の準備を進めているという報がもたらされる。これを知った義時は頼家の殺害を決意するが、泰時は父に反発する。その後、義時は修善寺に善児とトウを派遣、頼家は善児を返り討ちにした後にトウにより討ち取られる。また、致命傷を負った善児も、親の仇としてトウに止めを刺される。同時期、時政はりくの助言により武蔵を手に入れようと画策し、武蔵の豪族で娘婿の畠山重忠と対立する。さらに、りくは後鳥羽の従妹・千世を実朝の正室と決め、息子・北条政範を使者として京へ向かわせる。しかし、上洛した政範は後鳥羽の側近・源仲章にそそのかされた平賀朝雅によって毒殺される。一方、義時は二階堂行政から縁談を進められて彼の孫娘・のえを3人目の妻とするが、彼女には裏の顔があった。

千世が到着した鎌倉では、実朝との婚礼が華やかに行われる。しかし、実朝は自身の知らないところで事が進む現状に一人苦悩する。一方、息子を失い悲観に暮れるりくのもとを訪れた朝雅は、政範毒殺の真相に気づいた重忠の息子・畠山重保に全ての罪を被せ、畠山一族を討つよう進言する。朝雅の嘘を信じたりくが畠山討伐を望むと、時政は義時や時房の制止を無視してこれを承諾。重保は義村によって由比ヶ浜へ呼び出され、討ち取られる。その後、息子の死を知った重忠が二俣川に布陣すると、義時は追討軍の総大将に志願して戦を避けようとするが、武士の意地を通そうとする重忠との交渉は決裂。少数の軍で義時が率いる大軍と激闘を繰り広げた重忠は、義時と組み打ちののち愛甲季隆に討たれる。鎌倉に帰還した義時は、親友である重忠を無実の罪で死に追いやった時政の追放を広元とともに画策。畠山討伐の罪を全て娘婿・稲毛重成に被せて処刑することを時政に提案し、これを実行させることで時政に対する御家人たちの不満を増大させる。さらに、政子に恩賞の沙汰を行わせる新たな政治体制を発足させることで、時政から政の権限を奪う。

義時や政子の行動に激怒したりくは義村を味方に引き入れ、実朝を出家させて朝雅を新たな鎌倉殿に据えようと計画。これに対し、時政は失敗すると分かりながらもりくを守るために協力する。一方、義村の密告によって全てを知った義時は、謀反を起こすまで時政を泳がせることで時政追討の大義名分を得ようと画策。実朝が連れ去られたことを確認すると、軍勢を率いて時政の館を取り囲む。しかし、りくの必死の懇願を聞いて駆けつけた政子によって館の包囲は解かれ、自害しようとしていた時政も八田知家に助け出される。その後、実朝や政子の助命嘆願や三善康信の配慮により、出家した時政はりくと共に伊豆へ流罪となる。これを機に時政に代わって幕府の政を取り仕切るようになった義時は、京の御家人に命じて全ての元凶である朝雅を追討する。だが、京で勝手に大軍勢を動かしたことに対し、後鳥羽は義時への怒りを露わにする。

最終章(第39回 - 最終回)

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束の間の平穏が訪れた鎌倉では、兄・北条宗時の遺志を実現しようとする北条義時が、守護の交代制を企てるなど鎌倉殿を差し置いて政治を運営するようになっていた。これに不満を募らせた御家人たちは和田義盛を担ぎ上げるようになり、義時はこの状況を苦々しく感じる。同時期、後鳥羽上皇の命を受けた源仲章は泉親衡と名乗って義時の殺害計画を企て、義盛の息子や甥を加担させて鎌倉に揺さぶりをかける。これを義盛追討の好機と見た義時は、和田一族に対して挑発行為を行い義盛の挙兵を促すが、義盛に信頼を寄せる実朝や戦を望まぬ政子の尽力によって一度は義盛と和解する。しかし、朝比奈義秀ら義盛の息子たちが父の居ぬ間に挙兵したことで戦が勃発。義時を討伐するため鎌倉の市街地で激戦を繰り広げた義盛は、実朝の説得によって降伏したところを義時と示し合わせた三浦勢によって騙し討ちにされる。これにより、義時は政所別当に加えて侍所別当も兼任するようになり、御家人の筆頭となる。一方、目の前で忠臣・義盛を殺された実朝は自らが積極的に政を行うことを決意し、後鳥羽の力を借りて安寧の世を築くことを宣言する。義時は、朝廷に接近しようとする実朝に危機感を覚える。

鎌倉を源氏の元に取り戻そうとする実朝は北条泰時を側に置いて積極的に政を行い、義時はこれに対抗して執権を名乗る。同時期、京から帰還した仲章は宋の技術者・陳和卿を実朝に接近させ、唐船の建造を進言。実朝がこれを実行に移すと、後鳥羽は巨大な唐船の完成によって実朝の権威が高まることに期待する。この状況を見て鎌倉が朝廷に乗っ取られると考えた義時は、北条時房に船の設計図を書き換えさせることで造船計画を頓挫させる。しかし、この直後に実朝が、大御所になり新たな鎌倉殿を京から迎えることを宣言すると、政子が自身の預かり知らぬところで行動を起こしていたことに気づく。一方、修行先の京から戻り次期鎌倉殿になろうと息巻く公暁は、自身が就任するのが鶴岡八幡宮の別当と知って驚愕し、義時や公暁の乳母夫・義村も実朝の考えに反発する。これらの意見を抑えるために政子は時房を伴って上洛、後鳥羽の乳母・藤原兼子と会談して後鳥羽の皇子・頼仁親王を次期鎌倉殿として下向させることを約束させる。だが、三浦が這い上がる最後の好機を逃すまいとする義村は、北条家が頼家や一幡を殺して実朝を鎌倉殿に祭り上げたことを公暁に告げる。父と兄の死の真相を知った公暁は、実朝と義時の暗殺を決意する。

実朝の右大臣拝賀式を控える鎌倉では、公暁と義村が義時と実朝の暗殺計画を進めていた。これを察知した義時は式の中止を進言するが、実朝から御所を京へ移す構想を聞かされると彼を見限ることを決める。さらに、北条家を追い落とすために頼家の死を調査する仲章から脅迫を受けると、彼の暗殺をトウに命令。自身は太刀持ちとして参加した拝賀式にて実朝を殺害した公暁を討ち取ろうと考える。その後、義時は予定通り拝賀式へ向かうが、トウが暗殺に失敗して捕縛されたことで仲章に決定的な証拠を握られ、太刀持ちの役目も取って代わられる。しかし、仲章はその直後に義時と誤解されて公暁に討たれ、天命を受け入れた実朝も抵抗せぬまま殺される。この一件で天に守られていると感じた義時は、鎌倉を自分一人で動かそうと動き出すが、そこに泰時が立ちはだかる。一方、義時の暗殺失敗に焦る義村は三浦館へ逃げ込んできた公暁を殺害、その首を差し出して他の御家人たちの前で義時に忠誠を誓う。

鎌倉殿が不在となった鎌倉では、実衣が息子・阿野時元を鎌倉殿に据えようと画策。時元が災いの種になると考えた義時は、義村と組んで実衣を焚き付け、挙兵した時元を謀反人として自害に追い込む。また、実衣の首も刎ねようとするが、政子の説得によって沙汰は先延ばしとなる。同時期、のえも権力欲を露わにし、息子・北条政村を北条の跡取りにしようと画策する。一方、御家人たちの動揺を鎮めるために一刻も早く鎌倉殿を決めたいが自身の動かしやすい人物を下向させたい義時は、危険な鎌倉に親王を下向させたくないが北条の力は抑えたいと考える後鳥羽と政治的な駆け引きを行う。この後、義時は交渉が全く進展しない現状を打開するため、1千騎の兵とともに時房を上洛させて朝廷に脅しをかける。これに対し蹴鞠で勝負を挑んだ後鳥羽は、時房の技量を認めて親王の代わりとなる人物を鎌倉へ送ることを承諾。慈円が鎌倉を訪れ、2歳の三寅藤原頼経)が摂家将軍として新たな鎌倉殿となることを報告する。これを聞いた政子は、三寅の後見となるため尼将軍を名乗り、その権限を利用して幽閉中の実衣を助け出す。

京では後鳥羽が、すべて義時の思い通りになった現状に不満を募らせていた。そんな中、三寅が次期将軍と決まったことに腹を立てた源頼茂が京にて挙兵し、後鳥羽の怒りは頂点に達する。これにより鎌倉との戦を決意した後鳥羽は、下準備として内裏の再建費用を出すよう鎌倉に命じ、義時と御家人たちの分断を謀る。その後、後鳥羽は鎌倉の御家人たちに義時追討の院宣を発し、兄・義村の命で自身に接近してきた三浦胤義や、西面の武士藤原秀康に命じて義時追討の狼煙を上げる。一方、長沼宗政らの報告によって後鳥羽の院宣が御家人たちに発せられたことを知った義時は、頼朝の作った鎌倉を戦火に晒すことはできないと自身の首を朝廷に差し出そうとする。しかし、これまで私欲なく鎌倉を守り抜いてきた弟を死なせたくない政子は、御所に集結した御家人たちの前で演説を行い決起を促す。この演説によって結束を強めた御家人たちは、官軍と戦うことを決意。広元や康信の忠言によって京への派兵が決まると、泰時は17騎とともに先発隊として鎌倉を出陣し、叔父・時房や弟・北条朝時らが率いる大軍勢とともに官軍を撃破して入京する。この報を聞いた義時は戦後処理を開始、武士として初めて朝廷を裁き後鳥羽を隠岐島へ流罪と決める。

人生最大の危機を脱した義時であったが、ある日突然昏倒し意識を失う。医師の診断で毒を盛られたと知った義時は、後妻・のえが犯人であると確信、さらに義時が彼女を追及したところ毒の入手先が義村であることが発覚する。これを聞いた義時は、義村の本音を聞き出した上で、親友として息子・泰時への助力を託す。同時期、新しい世を作ろうと奔走する泰時は、学のない御家人たちでもわかる武士が守るべき定を作り始める。この定は後に御成敗式目として、鎌倉幕府の御家人に対する重要な規律となる。

一方、義時の見舞いに訪れた政子は、義時と昔語りをする中で息子・頼家が義時の命によって殺害されたこと、先の戦で廃位させた後鳥羽の血を引く幼帝・仲恭天皇の命を奪おうとしているとを告げられ衝撃を受ける。直後に義時は発作を起こし、解毒薬を要求するが、政子は義時の目の前で解毒薬を捨ててしまう。政子は義時が泰時のために全ての怒りや呪いを背負おうとしていることを理解した上で、これ以上弟が手を汚さぬように考えたのだった。死を悟った義時は政子に後を託し、苦しみつつも静かに息を引き取るところで物語は幕を閉じる。

登場人物

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実在人物の歴史的事項については、当記事ではなく各人物の当該記事を参照のこと。

劇中では人名の呼称を「北条義時(ほうじょう よしとき)」のように「苗字 + + 名前」としている場合がある[注釈 9]

★印は13人の合議制を構成する宿老御家人)を示す。

主人公と北条家

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北条義時とその家族

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北条義時(ほうじょう よしとき)★
演:小栗旬
本作の主人公
二代執権伊豆豪族・北条時政の次男。母は伊東祐親の先妻の娘[1]通称仮名)は小四郎(こしろう)。北条領に隣接する江間(えま)郷を拝領ののちは、江間小四郎義時を名乗る[注釈 10]
本来は生真面目かつ実直で、情に厚く家族や仲間思いな性格。交渉力に優れ、事務方として能力を発揮する。調整役として御家人たちと鎌倉殿の間を取り持つが、その一方で押しに弱く頼み事を断れない性分であるため揉め事に巻き込まれやすい。御家人たちや一族間の対立が起こると最後まで平和的解決策を探り、粛清を実行する際には思い悩んで度々涙を流す。また、粛清実行後にも後悔の念を抱き続け、妻・八重の死については自身が行ってきたことへの天罰であると語る。武芸は得意ではなかったが、畠山重忠と一騎打ちを演じるまでに成長する。恋愛は奥手で、のえの裏の顔を見破れないなど女性を見る目はない。また、三浦義村から教わった「女子(おなご)は大体きのこが好き」という女性観を生涯信じ[注釈 11]、息子・泰時にも伝授する。
戦を嫌い、政にも平家討伐にも関心の無い若者であったが、源頼朝と出会い真の志を打ち明けられて以降は「鎌倉あっての北条」という考えのもと彼を補佐する。当初は頼朝が行う粛清に異を唱えて抗い回避する道を探っていたが、次第に苦悩しつつも北条家や鎌倉を守るためとして頼朝の命を忠実に実行するようになる。頼朝が亡くなると伊豆へ戻ろうとするが、政子の説得を受けて頼朝の遺志を受け継ぐことを決意し、頼家や政子を支えるため特定の御家人に力が集中せぬよう行動する。そのような中で比企能員の横暴が目に余るようになると、悪い根を断ち切ることが自身の役目であるとし、自ら粛清を実行する。さらに、北条家を守るため頼家を幽閉したことが契機となり、次第に「坂東武者の世の頂点に北条が立つ」という兄・宗時の遺志を実現させようと思い至ると、実朝を差し置いて自らが政を運営すると同時に、長男・泰時のため今後の火種となりそうな御家人たちを次々と手にかける。鶴岡八幡宮での公暁の襲撃を回避して以降は「天に守られている」と自身を頼朝と重ね合わせるが、承久の乱で自身が討伐の対象になると、頼朝の築いた鎌倉を戦火から守るために自らの命を投げ打つことを覚悟し、非情な政策も躊躇なく行うようになる。
頼朝に対しては畏敬の念を抱いており、頼朝からは「弟の一人」と評されるほど信頼されて彼の本音を聞くことができる数少ない者の1人となる。彼の恐ろしさを知りつつも常にその傍らで政治手腕を学んだため、後に義村や時政からは「頼朝に似てきた」と称される。
妻・八重については幼い頃に好意を抱いて以降、長年に渡って一途に慕い続け、何度も彼女のもとへ通い続ける。想いが通じて夫婦となって以降は良好な関係を築き、苦悩する心情を吐露する。八重が不慮の事故で亡くなると政に距離を置くほど深く傷心し、その想いは死の間際まで続くこととなる。
息子・泰時に対しては八重が亡くなった際に立派に育て上げることを誓い、彼の成人後は純粋であった自身のかつての姿や亡き妻・八重と重ね合わせて希望を見い出す。政や粛清が原因となり幾度となく対立するが、心の内では認めている。
姉・政子との姉弟仲はよく、その言動に振り回されることも多いが常に励まし支え合っている。後に政の方針を巡って対立するようになるが、生涯に渡って協力関係を貫く。
承久の乱終結後、自身の態度や跡継ぎ問題に不満を抱いたのえと義村によって毒を盛られてしまい、病に伏す。以降も無理をして職務を続けるか、政子との対談中に口が滑って頼家の死の真相を話してしまい、直後に発作を起こして急死する。今際の際に解毒薬を求めるが断られ、自身を楽にしようとしているという姉の真意を悟り、後を託す。
八重(やえ)
演:新垣結衣
義時の最初の妻。伊東祐親と後妻の娘[2]であり、義時の叔母。源頼朝の先妻。江間次郎の元妻。
一途かつ頑固で、いかなる境遇にあっても頼朝を想い続け、義時に想われてもそれを袖にし時に冷たい態度を取る。しかし、義時の長年にわたる思いを受け入れ夫婦となった後は、彼を一途に愛し、頼朝から秋波を送られても受け流す。義時との夫婦関係は非常に良好であり、政治面で手を汚す中で苦悩する義時を励まし支える。政子とは頼朝を巡り牽制し合っていたが、義時と結婚したのちは良好な関係を築く。
物事を冷静に分析することができ、義時や頼朝に的確な助言を与える。行動力もあり、危険を顧みず思いのままに行動し時に周りを振り回す。また、非常に慈悲深く、息子・泰時[注釈 12]とともに戦災孤児たちを育て、心を閉ざす大姫や、父を失った甥の一万(曽我十郎)・箱王(曽我五郎)兄弟も預かり面倒を見る[注釈 13]。このような性格により、義時から「阿弥陀如来」と評される。
義時の留守中に孤児の鶴丸が川の中洲に取り残される事件が発生、彼と亡き千鶴丸を重ね合わせて必死の思いで救出するが、近くにいた義村に鶴丸を託した直後、自身も川に流され死亡する。頼朝や政子、義村によって大規模な捜索活動が行われるも救出できなかった。この一件は義時に深い衝撃を与え、以後も彼の人生に大きな影響を与えることになる。
比奈(ひな)
演:堀田真由
義時の2人目の妻。比企尼の孫娘。比企能員の姪。
おしとやかかつ上品で、りくの嫌味も受け流す広い心を持つが、自身の容姿の良さを自覚しており、押しが強い。義時を一途に慕い続け、北条と比企が対立した際には北条の嫁としての立場を取るなど夫を献身的に支えるが、離縁させぬため起請文を書かせるなど想いが強すぎる面もある。一方で、比企家との関係も良好であるため、北条家との間で板挟みとなり思い悩む。義息・泰時とも良好な関係を築くが、「義母上(ははうえ)」と呼ばれることは嫌う。幼い頃の万寿(源頼家)が比企館で育ったため、頼家の性格をよく知る。北陸育ちであるため[注釈 14]、野生動物の生態に詳しい。
後に比企能員の変が起こると北条に情報を流すが、実家を裏切った罪悪感から離縁する。
のえ[注釈 16]
演:菊地凛子
義時の3人目の妻。二階堂行政の孫娘。
裏表のある性格で、美男子や都人に弱く騙されやすい。表ではしとやかに振る舞い、理解ある女性を演じる一方、有力御家人の玉の輿に乗り、息子・政村に家督を継がせて贅沢な暮らしを送るという野心を持つ。裏では義時を辛気臭い男と称し、夫婦間での信頼関係も皆無であるため、義時からは「八重も比奈も、もう少しできた女子だった」と冷たく突き放される。また、泰時と義村には本性を見抜かれ、政子や実衣からも言動をたしなめられる。
やがて息子の政村の執権就任が叶わぬことを知り、義村から手に入れた毒で暗殺を図るも失敗。義時から問い詰められ、政村を執権にしたかったことや義時の自身に対する態度への不満を吐露、最後に義村が黒幕だと吐き捨てて鎌倉を去る。
北条泰時(ほうじょう やすとき)
(金剛 → 北条頼時 → 北条泰時)
演:坂口健太郎(幼少期:松澤禾蘭森優理斗
のちの三代執権。義時の長男。母は八重。通称は太郎(たろう)。幼名は金剛(こんごう)。初名は頼時(よりとき)。父・義時が時政から執権を継ぐ以前は江間泰時と呼ばれる。
実直で私欲を持たず、八重に似て物怖じせず頑固。教養に優れ、幼い頃より貞観政要を読むが、和歌は苦手。弓の腕前に長け、畠山重忠を尊敬している。生真面目であるため冗談を真に受けることもあり、恋愛も父と同様に奥手。機転が利き、物事をよく観察して的確に分析・対処する一方で、空気を読まない言動をすることもあり、思い悩むと酒に逃げる。 作中で直接明言されることはないが、上総広常の生まれ変わりとされる[* 61]
義時が源氏をないがしろにし、御家人を粛清することには公然と異を唱えるため、二代鎌倉殿・頼家や三代鎌倉殿・実朝からは北条との間に亀裂が生じたあとも信頼される。また、御家人たちとも友好な関係を保ち、時に頼られることもある。
義時とは度々衝突するが、反発しつつも信頼を深め、父を気遣い心配することもある。言動や仕草が義時の若い頃や母の八重を彷彿とさせることがしばしばあり、義時からは「かつての自分」として希望を託される。妻・初とは幼い頃からの付き合いで、生真面目さを度々指摘されつつも夫婦仲は良い。母が亡くなる原因を作った鶴丸とは、父・義時から恨んではならないと諭されてその言いつけを忠実に守り、長年に渡って良好な関係を保つ。
(はつ)[注釈 17]
演:福地桃子(幼少期:久野楓名遠藤みのん
泰時の妻。三浦義村の娘。
父・義村の気性を受け継いだ沈着冷静な現実主義者。観察眼に優れ、物事を客観的に判断して対処し、情勢を読む力もある。泰時や盛綱とは、共に八重に育てられたという間柄であるため仲が良い。泰時との夫婦仲は良好で、夫の生真面目さを受け止め、悩みの多い夫を常に気遣う。また、度々対立する義父と夫の間を互いの気持ちを代弁しながら取り持つ。
北条朝時(ほうじょう ともとき)
演:西本たける(少年期:髙橋悠悟[* 63]
義時の次男。母は比奈。通称は次郎(じろう)。
陽気でちゃっかりとした性格で、自覚はないが機転が利く。一方、無遠慮であり時に軽率な行動を取る。優秀な父・義時や異母兄・泰時に対して劣等感を抱き、自身を卑下している。義時には畏怖が勝るあまり「父を超える」という気概を持てないでいるが、泰時に対しては相談事を持ちかけるなど頼りにしている。女癖が悪く、「嫁に取る」という決まり文句でよもぎをはじめ何人もの女性と関係を持つ。父・義時の世代の御家人に最早敬意を払っておらず、承久の乱の際に、攻め方を経験不足としてたしなめる三浦義村に「じじい、うるせえんだよ」と野次るなどした。
北条重時(ほうじょう しげとき)
演:加藤斗真[* 64]
義時の三男。母は比奈。
北条政村(ほうじょう まさむら)
演:新原泰佑 (幼少期:林蒼央塩田宙[* 65]
義時の四男。母はのえ。烏帽子親は三浦義村。
北条時政(ほうじょう ときまさ)★
演:坂東彌十郎
初代執権。義時の父。頼朝の舅で、頼家や実朝の祖父。通称は四郎(しろう)。りくからは「しい様」、実朝からは「じじ様」、サツキからは「しいさん」と呼ばれている。
無骨な坂東武者で、武士として一度決めたら命に変えても守り抜くことを信条とする。情が深く、伊豆の所領、妻・りく、息子と娘を死に物狂いで守ることが天命であるとし、勝つためには時に卑怯な手を実行する。物怖じしない性格で、立場が上の者に対しても一切忖度はせず、後白河にも気に入られる。また、武芸に長ける。
一方で、楽観的かつお人好しな性格のために交渉下手で、相手の口車に乗せられやすく騙されることも多い。また、直情型のため挑発に乗りやすく、勢いに任せて後先考えずに行動しては、のちに後悔する。頭を使うことは得意とせず面倒くさがりであるため、時に役目を放棄する。野菜の育成に自信を持っている。昔から女子には苦労していないが女性の魅力に弱く、りくの言動にしばしば振り回される。
頼朝に対しては、平家を坂東から追い出すための旗印に過ぎず、娘婿でも信用していない。三浦義澄とは悪友で、軽口を言い合う仲。
畠山重忠の乱をきっかけに義時や他の御家人と対立することになり、やがてりくの実朝を出家させて朝雅を新たな鎌倉殿に据える計画に渋々協力し、牧氏事件を起こす。義時に館を包囲されると自害を試みるも止められ降伏。実朝や政子の助命嘆願、三善康信の配慮により出家、りくと共に伊豆へ流罪となる。
以後は二度と義時と会うことなく、10年後に死去。晩年に泰時と盛綱から訪ねられた際には、りくは伊豆を去り侍女のサツキと二人きりで暮らしており、「今が一番幸せな気がする」と語っている。
鶴(つる)[注釈 18]
演:吉田香織[* 66]
時政の2人目の妻。
りく
演:宮沢りえ
時政の3人目の妻。義時の継母。
公家の娘であるという矜持から自尊心や嫉妬心が強く、他者と自分の比較ばかりしている。京育ちのため権力内部の力学やからくりを知っており、その知識を活用して我欲のために他人を陥れる策を次々と巡らす。また、頼朝や義村を誘惑して情報を聞き出そうとするなど、したたかでもある。男好きであり、若い僧や立ち寄った村の男たちとすぐに親しくなる。坂東に来たことについては「下向した」と思っており、京の生活が忘れられず帰りたがる。しかし、次第に坂東の気風に馴染んで物言いも乱暴となり、北条に嫁いで良いことは1つもなかったと言いつつ嫁いだことを誇りに思っている。
牧氏事件の首謀者として流罪となった後は、伊豆の田舎暮らしに耐えられず京に帰還。以後は生死不明となっていたが、最終回で京を訪れた泰時や時房と対談、時房からは「あの人は変わらないですね」と評される。
北条宗時(ほうじょう むねとき)
演:片岡愛之助
時政の嫡男。義時の同母兄。通称は三郎(さぶろう)。
真っ直ぐで楽観的な性格のため、正しいと思ったことにはひたすら突き進むが根回しが足りず、事後処理は全て弟・義時に丸投げする。一方で、父と同様に武芸に長け、自身を「戦うために生まれてきた男」と称する。
石橋山の戦い後、頼朝が北条館に残した仏像を取りに向かう最中、善児に襲われ工藤茂光共々死亡する。北条館に向かう直前に義時だけに「源氏を担いで坂東の地から平家を追い出し、坂東武者の世を作る」「そしてそ頂点に北条が立つ」という真の野望を語っており、その遺志は義時に引き継がれることになる。
北条時房(ほうじょう ときふさ)
(北条時連 → 北条時房)
演:瀬戸康史
時政の三男。母は鶴。義時の異母弟。通称は五郎(ごろう)。初名は時連(ときつら)。りくに「トキューサ」と聞き間違えられ、時政・実衣・後鳥羽上皇からも同様に呼ばれる。
童顔のため、頼家の近習衆の中では最年長であるにもかかわらず最年少と誤解される。人懐こい性格で「愛嬌がある」ことを自負しており、人当たりの良さから仲裁役を務めることも多い。また、子供好きで幼い朝時や重時の遊び相手も引き受ける。その一方で、義時に命じられると粛清や裏工作にも加担するなど現実主義的な一面もあり、目上の人物にも物怖じしない。孤立しがちな義時が唯一本心を語れる相手でもあり、義時の良き相談相手となる。手先は不器用だが突出した蹴鞠の才能を持ち、その実力は「鎌倉一の蹴鞠の名手」として京でも噂となるほどで、後鳥羽からも才能を認められる。実朝や善哉には、蹴鞠の心構えを教えている。
北条政範(ほうじょう まさのり)
演:中川翼
時政の四男。母はりく。義時と時房の異母弟。
真っ直ぐで活発な若者。北条家の後継者として両親の期待を一心に受ける。しかし源実朝が千世を正室に迎える際の使者として上洛した際病にかかり、急死する。彼の死は両親に大きな衝撃を与え、牧氏事件の遠因となった。

北条家の親族・家人・従者

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牧宗親(まき むねちか)
演:山崎一
公家[4]。りくの兄。義時の義理の伯父。
都文化に通じていることから京のしきたりに厳しい。いけずな性格の持ち主で、妹・りくとともに他人の不幸を楽しんでいる節がある。責任転嫁する癖もあり、自身に害が及ぶと取り乱す。
頼朝の浮気により政子が亀へのうわなり打ちを決意した際には、「家を形だけ壊す」との条件で実行役を引き受けるが、亀の家を警備していた義経の加担により家は全焼してしまう。事が大きくなったことで頼朝に呼び出され、髻を切られる屈辱を受ける。この一件により時政の怒りを買い、彼が伊豆に帰る原因となった。
伊賀光季(いが みつすえ)
演:日笠圭[* 67]
のえの兄。義時の義兄。二階堂行政の孫。
後に京都守護に就任するも、承久の乱の際に官軍によって屋敷を襲撃され、一族もろとも討ち死にする。
平盛綱(たいら の もりつな)
(鶴丸 → 平盛綱)
演:きづき(少年期:佐藤遙灯
泰時の従者。幼名は鶴丸(つるまる)。
孤児だった頃は感情を全く表に出さず人付き合いも苦手だったが、北条家に引き取られて愛情を注がれた後は明朗快活で心優しい性格となる。泰時の補佐役として官僚的な業務をこなす一方、弓の腕前も見事であり、文武に優れる。
泰時や初とは共に八重に育てられた間柄であり、仲が良い。特に、御家人筆頭の北条の血筋である泰時とは身分が大きく違うものの「太郎」と呼び捨て、タメ口でしゃべり合う仲である。そのため、泰時の身に危険が及ぶときには身を呈して守ろうとするなど、忠実に泰時に仕える。また、初と同じく父と子の間を取り持つ役割を見せることもある。泰時の異母弟・朝時には苦手意識を持っている。
最終回で承久の乱に参加した際、宇治川での戦闘で左肩を射抜かれる重傷を負った挙句流され、死亡したかと思われたが奇跡的に生還。本人は「いつも誰かに見守られている」と評している。
善児(ぜんじ)[注釈 19]
演:梶原善
義時の下人。元は祐親・景時の家人。百姓の出身。トウからは「お師匠」と呼ばれている。
主からは刺客として用いられ、暗殺の実行だけでなく、殺害の手助けや諜報活動も行う。気配を消して相手に接近し、俊敏な身のこなしと圧倒的な剣技で標的を仕留める。任務を実行中に感情を表に出すことは無く主命を粛々と実行する。元百性であるため畑仕事に精通し、一幡のために木材と縄でブランコを作成するなど手先も器用である。
前述の通り元は伊東祐親の家人であり、宗時や千鶴丸を手に掛けるが、後に祐親と共に囚われの身となり、梶原景時を通じた頼朝の命により祐親を暗殺。以降は景時の部下となって様々な任務を行うこととなる。源範頼を暗殺した際、口封じに殺害した百姓夫妻の娘であったトウを後継者とする。
景時が京に攻め上る際、「置き土産」として義時に託され、義時の下人となる。比企能員の変の際に捕らえた一幡を預り、義時から暗殺を命じられるが、ともに時間を過ごす中で思いに変化が生じ、殺害命令を涙ながらに拒否し、トウが代わりに殺害した際には彼のために石の墓を作る。
翌年、一幡の父・頼家への暗殺任務を任され修禅寺に乗り込み、彼と一騎討ちを演じるも、頼家が書いた「一幡」の文字をみて動揺し、その隙に反撃され致命傷を負う。トウが頼家を殺害した後その場からの逃走を図るも、後をつけてきたトウに刺される。今際の際に「ずっとこの時(復讐)を待っていた」と告げられ、どこか満足気にうなずきながらとどめを刺され、死亡する。
トウ[注釈 21]
演:山本千尋(少女期:高橋愛莉
善児の弟子の刺客。伊豆修善寺の百姓・五藤太の娘。
剣技に長じ、抜群の身体能力を持つ。善児同様、刺客や諜報活動の任務を任されているが、「主の命がなければ殺さない」という信念を持つ。暗殺率は善児に比べて低く、義時の命で後述のりくや仲章の暗殺を命じられた際は察知され、失敗している。任務中は感情を表に見せることはない、冷静な性格。容姿端麗であるため、りくへの暗殺未遂の際、近くにいて応戦した義村からは「俺の女になれ」と粉をかけられている。
比企能員の変で初めて戦に参加し、善児が暗殺を拒んだ一幡も代わりに手に掛ける。のちに頼家の暗殺任務を完遂した後、深手を負った善児も殺害し、両親の仇を討っている。
後に仲章の暗殺任務を託された際、屋敷に侵入するも罠にかかり、捕縛される。しかし投獄中に実朝暗殺事件が発生し、その隙に自力で縄を解いて脱出。逃走中に北条政子の屋敷にたどり着き、刀で自決しようとする政子を発見し、「自ら死んではならない」と制止する。承久の乱後には政子からその礼として刺客を解任された上に「孤児に護身術を教える」という新たな任務を与えられ、第二の人生を送ることになった[注釈 22]
くま
演:田中なずな
りくの侍女。

源氏

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鎌倉殿とその妻子

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源頼朝(みなもと の よりとも)
演:大泉洋[注釈 23](少年期:生駒星汰[* 70]
初代鎌倉殿源氏将軍)。源氏の棟梁。河内源氏嫡流源義朝の三男。時政の娘婿。かつての官職右兵衛権佐(うひょうえのごんのすけ)にちなんで「佐殿(すけどの)」、鎌倉入り後は「鎌倉殿(かまくらどの)」と称される。上総広常からは「武衛ぶえい)」と呼ばれている。
政略眼に長け、平家を追討して「あるべき世」に戻すために挙兵する。苦労して育ったために他人に本心を見せず、猜疑心が強いため特定の兄弟や御家人に権力が集中しないよう腐心する。また、一度疑いを持ったの者に対しては身内であっても冷酷な態度を貫き、粛清や謀略を用いることを辞さない。しかし、義時や政子、安達盛長など、信頼している特定の人物には本心を明かす。
人身掌握に優れており、「嘘も誠心誠意つけば真になる」という考えから、その場に応じた人当たりのよい態度と嘘を用いて坂東武者たちの心を掴む。しかし、所領と一族を第一と考える無骨な坂東武者とは意識の違いから悶着を招くことも多い。
武家の棟梁らしく武芸の鍛錬に励み、弓の腕前に優れる。一方で和歌を詠む才能もあり、武芸の才能は頼家に、和歌の才能は実朝にそれぞれ受け継がれている。
度々訪れる命の危機を何度も回避する運の良さを持ち、周りからは「天に守られている」と評される。信仰心に厚く、観世音菩薩を信仰して事あるごとに手を合わせ、の中にも比企尼から託された観音像を忍ばせている。
女癖が悪く、八重・政子・亀・比奈を次々に気に入る。息子・頼家からせつの他に好きな女性がいることを相談されると、「女好きは我が嫡男の証である」と頼家を褒める。
富士の巻狩りでの暗殺未遂後、もはや自分に残されている時間はあまりないと痛感するようになり、同時に強い人間不信に駆られるようになり、範頼を殺害した他周囲の人物に対しても猜疑心を募らせて次第に精神のバランスを崩していく。
だが相模川橋供養へ向かった際、巴や義時、りく、時政、政子らとの対話などを経て、「自分の運命を受け入れる」という結論に達する。橋供養から帰る道中、馬上で突然意識を喪って落馬、昏睡状態となりそのまま死去する。
政子(まさこ)
演:小池栄子
頼朝の後妻。北条時政の長女。義時の同母姉。頼朝婚姻後は「御台所(みだいどころ)」、頼朝没後に落飾して「尼御台(あまみだい)」と呼ばれる。実朝没後、次期鎌倉殿の後見となり「尼将軍(あましょうぐん)」と称する。将軍生母として従三位、後に従二位の官位を叙される。
前向きな性格で負けん気が強いが、雅やかさには目がない。北条が御家人の筆頭になることや、源氏と北条の血を引いた者が鎌倉殿となることへのこだわりは全く無く、無用な争いを嫌う。また、慈悲深く、家族に危機が迫ると自ら進んで政の世界に身を置く。他人の助言を聞き入れる柔軟性もある。為政者の妻となったことで、何気なく発した言葉の重みと影響力に戸惑うことがある。夫・頼朝とは衝突することもあるが夫婦仲は良く、頼朝も素直な感情を吐露する。頼家に十分な愛情を注げなかったことから、実朝が三代鎌倉殿に就任した後も助言や手助けを行うが、心のうちでは鎌倉殿を早々にやめて穏やかに生きてほしいと願う。そのため、実朝の乳母を務める妹・実衣とは、考え方の違いにより度々衝突する。弟・義時に対しては、政に関して頼ることが多く、頼朝が亡くなって以降は対立・牽制し合いながらも最後まで協力関係を貫く。八重とは義時と結婚後に良好な関係を築き、頼朝が義時に向かってわざと八重と過ごした日々の話をすると、頼朝を一喝する。御家人たちの不満や相談事に対して積極的に耳を傾けており、彼らからの信頼も厚い。
千鶴丸(せんつるまる)
演:太田恵晴
頼朝の長男。母は八重。頼家と実朝の異母兄。泰時の異父兄。
大姫(おおひめ)
演:南沙良(幼少期:難波ありさ落井実結子
頼朝の長女。母は政子。頼家と実朝の同母姉。
本来は活発かつ無邪気で、優しい性格の持ち主。許嫁であった源義高に一目惚れすると良好な関係を築き、彼の助命のために自身の命を投げ出そうとするほど一途に愛する。彼が亡くなってからは傷心のあまり感情を失い、少しずつ笑顔を取り戻した後も心的外傷に悩まされる。その後は、源氏物語の登場人物・(あおい)を名乗り、「元気になるおまじない」と称して虚空蔵菩薩如意宝珠)の真言を唱えるようになるなど、「スピリチュアル女子」的な言動をするようになる[* 71]。また、生を諦め死を意識した発言をする。
三幡(さんまん)
演:東あさ美(幼年期:太田結乃
頼朝の次女。母は政子。頼家の同母妹。実朝の同母姉。乳母夫は中原親能。
源頼家(みなもと の よりいえ)
(万寿 → 源頼家)
演:金子大地(幼少期:丸山蒼來田代瑞希藤原響鳥越壮真
二代鎌倉殿。頼朝の次男(嫡男)。母は政子。時政の孫。幼名は万寿(まんじゅ)。乳母夫は比企能員で、乳母は道。官職は征夷大将軍
聡明で誇り高く、母・政子の負けん気の強い面を受け継く。頼朝の後継者としての気慨を強く持ち、鎌倉殿という立場の重さと日々戦いつつ政務に意欲的に取り組む。自分の力で獲物を仕留めるために何度も狩りに行ったり、幼い頃から蹴鞠の練習を毎日行ったりするなど、根気強い一面もある。
一方で、困った時ほど助けを求められない性分であり、積極性が仇となって空回りすることも多い。また、血気盛んで自尊心が高く、嫉妬深い一面がある。さらに、御家人の妻を奪おうとするなど父・頼朝に似て女性関係にもだらしないため、度々問題行動を起こしては不要な諍いを招く。
泰時とは幼い頃からともに育ち信頼を寄せていたが、同時に劣等感や嫉妬心も抱いており、次第に政の方針をめぐり対立するようになる。御家人たちに対しては、幼い頃より猜疑心の強い父・頼朝の姿を見ていたことから全く信用しておらず、その本音を包み隠さず言い放っては御家人たちと衝突する。また、義時や梶原景時の意見には耳を傾けていたが、彼らが十三人の合議制を発足させたことを機に反発するようになる。一方で、比企一族の娘である側女・せつとは、当初は距離を置き冷淡な態度を取っていていたが、彼女から素直な思いを打ち明けられると思いを改め、せつとともに鎌倉をまとめていこうと決意する。
つつじ
演:北香那
頼家の正妻賀茂重長の娘。母は頼朝の叔父・鎮西八郎為朝の娘。
暗君の妻として謂れなき汚名を着させられ、日蔭者として目立たないように生きている。そのような中で、善哉(公暁)の成長だけを楽しみにしており、頼家の分まで生きてほしいと願う。
せつ
演:山谷花純
頼家の側女(そばめ)。比企能員の娘。母は道。
芯が強く、息子・一幡にも深い愛情を注ぐ。頼家の跡継ぎに関しては、一幡と善哉のどちらがなっても良いと考えており、ただ頼家に振り向いてほしいと願う。
一幡(いちまん)
演:相澤壮太(幼年期:佐野仁音白井悠人
頼家の長男。母はせつ。
無邪気で活発な性格であり、その無垢な心ゆえに暗殺者・善児の心をも動かす。
公暁(こうぎょう)
(善哉 → 公暁)
演:寛一郎(幼少期:米丸玲央中野晃太朗長尾翼高平凛人
頼家の次男。母はつつじ。幼名は善哉(ぜんざい)。乳母夫は三浦義村。
頭が切れ剣の腕も立つが気性が荒い。千日参篭を途中で中断して何度もやり直すなど思慮の浅い面があり、騙されやすい。頼家の子として生まれながら武士の名を持たないことに劣等感を持ち、自身の名を歴史に刻みたいと願う。また、鎌倉殿の座を密かに狙う。
源実朝(みなもと の さねとも)
(千幡 → 源実朝)
演:柿澤勇人(幼少期:吉川魁理土橋蓮水戸部巧芽嶺岸煌桜
三代鎌倉殿。頼朝の三男。母は政子。時政の孫。幼名は千幡(せんまん)。乳母夫は阿野全成で、乳母は実衣。官職は征夷大将軍右近衛権中将権大納言と順調に昇進し続け、ついに正二位右大臣左大将にまで至り、「鎌倉右大臣(かまくらうだいじん)」と称せられる。和田義盛からは「羽林うりん)」と呼ばれる。
軒の雨だれを一晩中眺めているような感性の持ち主で、あまり胸の内を人には話さない内向的な性格。無用な争いを好まず、雅を愛する心は母・政子の気性を受け継いでいる。和歌の才能は父・頼朝譲りで、三善康信や源仲章から手ほどきを受け、藤原定家からの添削も受ける。政子が自身のために書き写した和歌集を発見した際には、本能的に頼朝の詠んだ歌を気に入る。一方で、弓や馬の稽古などは真面目に取り組んでいるものの、少々不得手である。気遣いができ、意志が強く度胸もあることから御家人たちに慕われ、時政から「頼朝を超える鎌倉殿」、和田義盛から「理想の鎌倉殿」と評される。
義盛とは、将軍就任直後に息抜きにと連れていかれた和田の館で鹿汁を囲んで以来、親しく付き合うようになる。その後、たびたび義盛邸を訪れては、政務から離れた和やかな時間を過ごす。泰時に対しては同性愛者としての恋愛感情を持ち、自身の思いを何度も和歌にする。また、泰時と強い信頼関係を築いている平盛綱には嫉妬心を露にする。自身の性的指向については誰にも言えずに苦悩しており、妻・千世とも会話を避ける日々が続いていたが、自身との間に子ができず苦悩する彼女の様子に心を痛め、悩みを告白した後は良好な夫婦関係を築く[* 72]
千世(ちよ)
演:加藤小夏
実朝の正室権大納言坊門信清の娘。後鳥羽上皇の従妹。
高貴な出自の姫君らしく優雅な物腰で、温和かつ気丈な性格の持ち主。当初は実朝と心が通じ合わず寂しさを感じていたが、彼が抱える秘密を明かされると全て受け入れ、良好な夫婦関係を築いて夫を支える。

鎌倉殿の従者・側近・側女

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安達盛長(あだち もりなが)★
演:野添義弘
頼朝の従者。は頼朝の乳母・比企尼の娘[6]。通称は藤九郎(とうくろう)。
心優しく忠義心が強い。また、観察眼に優れ、状況判断力も高い。押しに弱い面がある一方で、ならぬと思ったことには毅然と諫止することもあり、強硬な頼朝の姿勢と坂東武士との間に隙間風が生じてしまうことを常に心配している。職務熱心ではあるが名誉や官位には興味が無く、生涯無位無官で通す。涙もろいため、感激したり悔しさを感じたりした際に度々涙を流す。
源氏の家人として忠節を尽くしており、頼朝が本心を明かせる数少ない人物の1人。常に頼朝と行動を共にし、頼朝が八重や亀に会いに行く際も供をする。義時との関係性は深く、義時が八重にふられ号泣した際には抱きしめて励ます。
安達景盛(あだち かげもり)
(弥九郎 → 安達景盛)
演:新名基浩(少年期:渡部澪音
盛長の嫡男。比企尼の孫。幼名は弥九郎(やくろう)。
恰幅が良い。幼い頃は思慮が浅く悪さをしていたが、成長後は鎌倉殿に臆せず意見する忠臣となる。
ゆう
演:大部恵理子
景盛の妻。
小笠原長経(おがさわら ながつね)
演:西村成忠
頼家の側近。通称は弥太郎(やたろう)。
中野能成(なかの よしなり)
演:歩夢
頼家の側近。通称は五郎(ごろう)。
(かめ)
演:江口のりこ
頼朝の愛妾。安房の漁師の娘[7]
頼朝の寵愛を受けるが出自に劣ることもあり、武家の娘である頼朝の先妻・八重や後妻・政子に対抗心を燃やす。その一方で、頼朝に相応しい女になるため文筆を学ぶなど、努力家な一面も持つ。
よもぎ
演:さとうほなみ
大倉御所に仕える女房
声が大きいことから、実朝の側室候補になる。

源頼朝の兄弟とその関係者

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源範頼(みなもと の のりより)
演:迫田孝也
源義朝の六男。母は遊女。頼朝の異母弟。全成の異母兄。遠江蒲御厨で生まれ育ったため、「蒲冠者(かばのかじゃ)」「蒲殿(かばどの)」と呼ばれる。また、義村からは「くそ真面目の蒲」と呼ばれる。
生真面目で穏やかな性格であり、義経から母の出自を揶揄された際も受け流す。また、人を全く疑わない。野心はなく、頼朝を愚直に補佐する。義経の失態を自分がしたことにするなど、兄弟想いの一面も持つ。城攻めでは兵糧攻めを提案するなど堅実的な戦術で戦に臨み、剣の腕も立つ。兵糧が無くなった際には自ら魚を釣ろうとしたり、頼朝に不満を持つ御家人たちの悩みを聞いたりするなど、身分の上下に関わらず御家人たちに接する。
阿野全成(あの ぜんじょう)
演:新納慎也
源義朝の七男。母は常盤。頼朝と範頼の異母弟。時政の娘婿。千幡(源実朝)の乳母夫。醍醐寺にて修行していたことから「醍醐禅師(だいごぜんじ)」と称する[注釈 24]。剛毅な性格から「悪禅師」と呼ばれたこともある[8]
陰陽の術に長け[* 73]、占い結果を元に助言を与えたり呪詛を行ったりすることで頼朝の政治運営を支えるが、結果は半分しか当たらず妖術も失敗することが多い。兄弟思いで人を恨むことはせず争いも好まないが、占いの結果には忠実に従い結果によっては頼朝に粛清を提案する。押しに弱く、断りきれず厄介事に巻き込まれることもある。北条家との関係は良好で、実衣との夫婦仲も良く、頼朝に愛人がいることも実衣に教える。また、出世欲はないが妻のために危険を犯すこともある。
実衣(みい)[注釈 25]
演:宮澤エマ
全成の妻。北条時政の次女。義時の同母妹。千幡(源実朝)の乳母。
周りに翻弄される家族を興味津々に観察する一方、口が軽く内緒事が苦手で秘密をすぐに話してしまうため、姉弟たちからは重要な話を教えてもらえずに事後報告されることが多い。また、正直者であるがゆえに、場の空気を乱す発言をすることもある。美男子に弱く、騙されやすい。姉・政子に対しては劣等感を抱いている。千幡の乳母となってからは権力欲を露わにし、度々争い事に巻き込まれる。実朝(千幡)には、武士の手本となり、正しい政を行える鎌倉殿になってほしいと考えているため、考え方の異なる政子の介入を嫌い、政や実朝の教育方針で度々衝突する。
頼全(らいぜん)
演:小林櫂人
全成と実衣の長男。
阿野時元(あの ときもと)
演:森優作(少年期:松平将馬[* 75]
全成と実衣の次男。実朝とは乳兄弟。
同じ源氏の一族であり、乳母子として実朝とともに育った身でありながら、鎌倉殿とその側近という扱いの差に不満がある。腹に一物持っているが、それを一切顔には出さない。
阿野全成と実衣の長女
演:永野ほの波[* 76]
義円(ぎえん)
演:成河
源義朝の八男。母は常盤。頼朝と範頼の異母弟。全成の同母弟。幼名は乙若(おとわか)。
文武両道に秀で、弓矢の名手だけでなく孫子の兵法にも通じる。さらに、和歌にも精通している。素直で真っ直ぐな性格であるゆえ、協力を求められれば断れず、他人を疑うことなく嘘も信じてしまう。
源義経(みなもと の よしつね)
演:菅田将暉
源義朝の九男。母は常盤。頼朝と範頼の異母弟。全成と義円の同母弟。通称は九郎(くろう)。静御前や弁慶からは「御曹司(おんぞうし)」と呼ばれている。
源氏としての誇りが強く、頼朝から命じられた馬引きも断るなど、坂東武者と同列に扱われるのを嫌う。また、自身の思い通りにならないとすぐに暴走してしまう。嫉妬心も強く、たとえ兄弟であっても対抗意識を燃やす。さらに、思ったことをそのまま口にしてしまい、軋轢を生むことも多々あるため、度々問題を起こして頼朝や義時を悩ませる。一方で、母性愛に飢えており、義姉・政子に甘える一面もある。さらに、優しさを見せ、慈悲深い行動に出ることもあるため、義時に「羨ましいほどに真っ直ぐすぎた」と評される。一度会った人物の顔は忘れず、数年ぶりに再会した小平太にも覚えていることを示唆する発言をする。
戦の才能は突出しており、誰も考えつかぬ斬新な戦術を繰り出す。しかし、戦に勝つためにはあらゆる手を使うため、時には卑怯な手段も厭わない。梶原景時とは戦術を巡って対立するが、自身のことを一番理解してくれる人物と評価する。時政からは「平家を滅ぼすためだけに生まれてきた」と評される。
(さと)
演:三浦透子
義経の正妻。比企尼の孫娘。比企能員の姪。
誇り高く嫉妬深い。義経に対して強烈な独占欲を持つため静御前に対抗意識を燃やし、手段を選ばず義経を振り向かせようとする。
静御前(しずかごぜん)
演:石橋静河
義経の愛妾。都随一の白拍子。義経からは「(しずか)」と呼ばれている。
気丈で誇り高く、舞については譲れない矜持を持っている。義経に誘われて川釣りに付き合うなど活動的な面も持つ。京言葉を話す。
弁慶(べんけい)
演:佳久創
義経の従者。元は比叡山延暦寺の僧。義経からは「武蔵坊(むさしぼう)」と呼ばれる。
豪快な性格で、義経を敬愛しており常に側に付き従う。主人の命に忠実であり、従者たちのまとめ役を務めるが、気まぐれな義経に振り回されることも多い。
恰幅の良い体付きが故に目立ちやすく、義時からも「貴方がいるから義経の居場所が分かってしまうのだ」と突っ込まれる。
従者
演:福田航也[* 77]藤本康平[* 78]中村匡志[* 79]幕雄仁[* 80]東景一朗[* 81]
義経の従者。

その他の源氏一門とその関係者

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木曽義仲(きそ よしなか)
演:青木崇高
信濃源氏の棟梁。源頼朝らの従兄弟。
気さくかつ無骨で真っ直ぐな人物。自身の信じる正義や誠のもとに行動し、それに反する行動は一切行わない。また、身分の差を気にせず、誰に対しても平等に接する。武勇に優れ、敵の罠を見破るなど知略もあるが、義を重んじるため無意味な戦を嫌い、同じ源氏である頼朝とは戦を避けようとする。田舎侍ゆえ都のしきたりには無知であり、そのことで貴族たちからの信を失う。巴御前には頭が上がらない。
源義高(みなもと の よしたか)
演:市川染五郎
義仲の嫡男。「清水冠者(しみずのかじゃ)」「冠者殿(かじゃどの)」と呼ばれる。
眉目秀麗かつ清廉潔白であり、父・義仲を尊敬している。父親譲りの気さくな人柄から、大姫や政子だけでなく、坂東武者とも打ち解ける。の抜け殻を大量に集める変わった趣味がある。
今井兼平(いまい かねひら)
演:町田悠宇
義仲の家人。巴の兄[* 82]。母は義仲の乳母[* 82]
義仲への忠義心に溢れ、彼が衰亡に向かう中でも最期まで従い続ける。
海野幸氏(うんの ゆきうじ)
演:加部亜門
義高の従者。
主君のためなら自身の命が危険に晒されることも厭わない忠義者。
武田信義(たけだ のぶよし)
演:八嶋智人
甲斐源氏の棟梁。
矜持が高く、強い野心を持つ。そのため、源氏の棟梁を巡って頼朝や義仲への対抗心を顕わにし、頼朝とは互いに牽制し合う。また、狡猾な策謀家で、相手を出し抜くためなら卑怯な手を使うことを厭わず、自ら手を下さずに相手を追い落とそうと謀略を巡らす。
一条忠頼(いちじょう ただより)
演:前原滉
信義の嫡男。
野心が強く、父とともに練り上げた策略を実行する。一方で、短慮な点も見られる。
源行家(みなもと の ゆきいえ)
演:杉本哲太
頼朝の祖父・源為義の十男[9]。頼朝や義仲らの叔父。通称は十郎(じゅうろう)。
矜持が高く、頼朝の家人になることを嫌う。世渡り上手で自身の野望達成のためには嘘をつくことも辞さず、甥である頼朝・義仲・義経らを利用する。しかし、身の危険を感じると味方をすぐに見捨てる。戦の才は無く、味方とした者は争いに必ず敗れるという「死神」のような人物[注釈 26]
源頼政(みなもと の よりまさ)
演:品川徹
摂津源氏の長老。公卿。伊豆の知行国主[* 83]
真っ先に平家打倒に立ち上がる行動力を持つが、感情を全く表に出さず口数も少ないため、頼朝からは人がついてこず挙兵は失敗すると判断される。
源頼茂(みなもと の よりもち)
演:井上ミョンジュ
頼政の孫。
血気盛んかつ野心家で、激昂すると歯止めが効かない。
平賀朝雅(ひらが ともまさ)
演:山中崇
北条時政とりくの娘婿。比企尼の孫。官職は武蔵守
源氏の血筋を引く人物[注釈 27]であり、そのことを誇りに思っている。世渡り上手で処世術に長け、立身出世に意欲を燃やす野心家。しかし、小心な保身家でもあり、その人物の程度を見切った後鳥羽上皇に手駒として利用される。義母・りくには野菊を送るなどして取り入り、気に入られる。
きく
演:八木莉可子
朝雅の妻。北条時政の五女。母はりく。北条政範の同母姉。

坂東武者・御家人とその関係者

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伊豆

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伊東祐親(いとう すけちか)
演:浅野和之
伊豆東海岸の豪族・伊東家の惣領。北条義時の母方の祖父。娘が北条時政・三浦義澄・工藤祐経(のちに土肥遠平[10])に嫁いでおり、娘婿や孫たちからは「爺様(じさま)」と呼ばれている。
一族思いであり、娘の八重を非常に大事に思っている。一方で、敵対すると血を分けた身内でも容赦はしない。平家と敵対するのを何よりも恐れる。
河津祐泰(かわづ すけやす)
演:山口祥行
祐親の長男。八重の長兄。
曽我十郎(そが じゅうろう)
(一万 → 曽我十郎)
演:田邊和也(少年期:大藤瑛史
祐泰の長男。北条時政の家人。幼名は一万(いちまん)。祐成(すけなり)[注釈 28]
剛腕で武勇に秀で、仁田忠常とも互角に渡り合う。また、状況を冷静に判断し、的確に対応する。兄弟仲は良く、常に弟・五郎と共に行動する。
曽我五郎(そが ごろう)
(箱王 → 曽我五郎)
演:田中俊介(少年期:加賀谷光輝
祐泰の次男。時政の家人。幼名は箱王(はこおう)。諱は時致(ときむね)[注釈 28]
血気盛んな直情型で、話すときに唾を飛ばしてしまう性分である。
伊東祐清(いとう すけきよ)
演:竹財輝之助
祐親の次男。八重の次兄。通称は九郎(くろう)。
妹思いで真面目な性格。時に空気を読まず、言わなくても良い発言をする。宗時と仲が良く、敵味方に別れた際には戦いたくないと漏らす。
江間次郎(えま じろう)
演:芹澤興人
祐親の家人。八重の再婚相手。
寡黙かつ物静かであり、主である祐親に従順である。妻となった八重を気遣い、三島明神の祭りに誘うなど、夫として認めてもらおうと奮闘する。しかし、その思いは届かず、別れてもなお頼朝を想う八重の言動にしばしば振り回される。
工藤祐経(くどう すけつね)
演:坪倉由幸
伊豆の豪族。元は伊東家の嫡流
坂東武者には珍しい文化人肌で、歌舞音曲に通じた風流人。のちに、その気質が都育ちの頼朝に気に入られ、寵臣となる。武芸についてはからきしであり、襲撃や粛清に何度も失敗する。また、気が弱く図に乗りやすい。
仁田忠常(にった ただつね)
演:高岸宏行
伊豆の武士。北条家とは所領が近い[11][12]
気が優しく真面目な忠義者であり、穏やかな笑顔を浮かべていることが多い。また、剛腕で武勇に秀でるため、もっぱら最前線での際どい任務を受け持つ。一方で、素直かつ実直な性格故に駆け引きや腹芸は苦手とし、深く思い悩むこともある。北条家とは親しい間柄で非常に信頼されており、伝令や警護など重要な任務を託されることが多い。
工藤茂光(くどう もちみつ)
演:米本学仁
伊豆の武士。
北条家とは所領が近く、義時らと仲が良い[* 84]。非常に恰幅が良く、頼朝から太り過ぎと心配される。
藤内光澄(とうない みつずみ)
演:長尾卓磨
伊豆の武士。
大きな手柄を上げるため、頼朝の命を忠実に実行する。

相模

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三浦義村(みうら よしむら)
演:山本耕史
三浦義澄の嫡男。義時の従弟で盟友。通称は平六(へいろく)。善哉(公暁)の乳母夫。官職は右兵衛尉
沈着冷静かつ頭脳明晰な知恵者だが、正論を皮肉交じりに語ることが多い現実主義者。基本的には情に流されず損得勘定で行動しており、時に冷徹で非情な判断を下すことも厭わない。その一方で女好きで、頼朝の先妻・八重や愛妾・亀、公家の娘である時政の後妻・りく、さらにはりくの暗殺を試みたトウにまで粉をかける。特に頼朝の元交際相手に対しては、彼女らと付き合うことで「頼朝を超える」ことができるという、義時には理解しがたい考えを持っている。義時が後妻としてのえを娶ると、会った瞬間にのえの裏の顔を見抜く。武勇にも優れており、身体能力も高い。肉体を入念に鍛え上げており、筋骨隆々の肉体美をしばしば披露している。嘘をつくときに衿を触る癖がある[13]。父・義澄からは全幅の信頼を寄せられ、相談相手になることも多々ある。頼朝については当初から快く思っておらず、義時には事あるごとに頼朝を裏切るよう助言する。実朝が三代鎌倉殿に就任すると、処世の術を授ける。
義時とは幼い頃からの付き合いであり、良き相談相手となる。しかし、心の内では頭の良さや見栄え、剣の腕前など、子供の頃から全てにおいて義時に勝っていると考えている。そんな義時が執権に就任し、自身は一介の御家人に甘んじているため、義時を越えようと執権の座を狙う。
三浦義澄(みうら よしずみ)★
演:佐藤B作
相模三浦郡の豪族[14]三浦家の惣領・三浦義明の次男[14]。妻(演:中尾文子[* 85])は伊東祐親の娘。通称は次郎(じろう)。和田義盛からは「叔父御」(おじご)と呼ばれている。
陽気で権力欲は持たない。義理堅く、正々堂々と戦うことを心情とし、卑怯な手を嫌う。また、心優しく仲間思いで、敵方となった相手をも心配する。頭を使うことは不得意で、決断を迫られた際には切れ者の嫡男・義村に常に相談する。
義兄弟でもある北条時政とは悪友で気心が知れた仲であり、時政からの頼み事は断れない。また、時政の行いを正すため叱責することもあり、時には殴り合いの喧嘩をすることもある[14]
駒若丸(こまわかまる)
演:込江大牙
義村の息子。のちの三浦光村
三浦胤義(みうら たねよし)
演:岸田タツヤ
義澄の息子。義村の末弟。
義澄譲りの裏表が無いまっすぐな気性の持ち主。現実主義者である兄・義村に対し違和感を持っているが、兄の考えを見抜いており、常に義村の命に従って行動する。
岡崎義実(おかざき よしざね)
演:たかお鷹
義澄の叔父。三浦義明の弟。通称は平四郎(へいしろう)。
高齢ながらも血気盛んで、坂東武者の誇りが高い。忠義心厚く、義朝から受けた恩を長年忘れず、亀谷(かめがやつ)に義朝の菩提を弔う祠を建立し守っている。同じく老将の土肥実平や佐々木秀義、千葉常胤らと馬が合う。「御家人は頼朝の駒ではない」という考えを持ち、度々頼朝に対して謀反を企てる。
和田義盛(わだ よしもり)★
演:横田栄司
相模の豪族。三浦家の庶流・和田家の惣領。三浦義澄の甥。義村の従兄。通称は小太郎(こたろう)。
髭を蓄えた、血気盛んな荒武者。弓の名手である[15]など武芸に秀でるが、戦い方は単純で頭を働かせることが苦手。平家に対して闘志をむき出しにする一方で、源氏や鎌倉幕府の内紛に関わることには難色を示す。御家人たちから慕われ仲間意識が強いため、坂東武者同士の争いへの加担は躊躇する。敵に対しても誠意をもって接しており、姑息な手段を用いることを嫌う。軍陣で小鳥を捕まえ喜んだり、戦功を絵入りで報告するなどお茶目な面も持つ。事あるごとに相撲で勝敗を決めようとし、誠意や覚悟を見せるため眉毛を剃ろうとする。大の風呂嫌い。
巴御前を気に入って側女にするが、喧嘩になると投げ飛ばされるなど、頭が上がらない。普段は義時、三浦義村、畠山重忠と行動を共にすることが多く、義時とは一対一で酒を酌み交わすなど親しく付き合う。重忠に対しては、平家方として敵対したのち頼朝に下ったことを恨んでいたが、のちに盟友となる。実朝とは、屋敷に招いて鹿汁を振る舞ったことで親しい間柄となり、「羽林」という官職であることを知ると親しみを込めて「ウリン」と呼ぶようになる。実朝から信頼され「鎌倉一の忠臣」と評される。
巴御前(ともえごぜん)
演:秋元才加
義盛の側女。元は木曽義仲の愛妾
武勇に優れる女武者。一本眉が特徴だが、義盛のもとで過ごすようになって以降は容姿を整える。義仲とは幼馴染であり、男女の絆を超え、一生を捧げて仕える決意を持つ。義盛の側女となってからは、鹿の顔真似をするなどお茶目な姿も見せるようになる。義盛との関係は良好であるが、喧嘩になると義盛を投げ飛ばすなど、その強さは健在である。
朝比奈義秀(あさひな よしひで)
演:栄信
義盛の三男。通称は三郎(さぶろう)。
父に似て血気盛んな荒武者で、武勇に優れる。鮫の刃を装飾とした首飾りを付けている。
和田義直(わだ よしなお)
演:内藤正記
義盛の四男。通称は四郎(しろう)。
血気盛んで好戦的であるため早とちりをし、大戦のきっかけを作る。
和田義重(わだ よししげ)
演:林雄大
義盛の五男。通称は五郎(ごろう)。
好戦的かつ直情型であるため、大戦のきっかけを作る。
和田胤長(わだ たねなが)
演:細川岳
義盛の甥。通称は平太(へいた)。
血気盛んで思慮が浅いため、騙されやすく口車に乗せられやすい。
胤長の娘
演:吉田舞香
家人
演:鎌倉智士[* 86]志賀野晋平[* 87]
和田家に仕える家人。
梶原景時(かじわら かげとき)★
演:中村獅童
相模鎌倉郡の豪族[16]。通称は平三(へいぞう)。
冷静かつ冷酷で、感情を表に出さない。私情を挟まず、任務を粛々とこなす。武勇と戦術に長けており、戦場では冷静に状況を判断し行動する。一方で、型式の整った戦況報告書を書くことができ、和歌を詠むなどの教養も持ち合わせる。「刀は斬り手によって名刀にも鈍(なまくら)にもなる」として、見込んだ者を主と仰いで付き従う。職務熱心ではあるが名誉や官位には興味が無く、生涯無位無官で通す。神仏を信じており、他人の運命だけでなく、自身の運命を天に占わせる癖がある。頼朝に対しては、出会った当初から天に守られていると感じて崇拝する。義経については、その才能に嫉妬しながらも天に選ばれた者であると認め合っており、その死後も度々回想している。
梶原景季(かじわら かげすえ)
演:柾木玲弥
景時の嫡男。
父のことを気にかけ、任務を補佐しつつ心配する。
大庭景親(おおば かげちか)
演:國村隼
相模の豪族。「相模の奉行」と称する。
忠誠心に厚く、清盛に恩を感じ心服している。武勇に優れるが、若干短絡的な面が見られる。平家の権勢を笠に着ている面はあるものの、堤信遠のように暴慢ではないため坂東武者からは頼りにされ、時に仲裁役を務める。また、死の間際にあっても気高くあり、取り乱すことも無い。のちに時政や義澄からは「悪い奴ではなかった」と評される。
山内首藤経俊(やまのうちすどう つねとし)
演:山口馬木也
相模の豪族。は頼朝の乳母[17]。通称は瀧口三郎
楽観的かつ打算的で口が軽い。自主性がなく長いものに巻かれやすいため、幼い頃にともに過ごした頼朝をも平気で裏切る。また、生に対する執着心が強く往生際が悪い。
土肥実平(どい さねひら)
演:阿南健治
相模土肥郷の豪族[18]。通称は次郎(じろう)。
湯河原の温泉郷に館を構える[18]。「みんな仲良く」が口癖で、仲間思いのため坂東武者同士の争いを嫌い、度々仲裁を行う。また、情に厚く自身を頼る頼朝からの協力要請を断れず、強い忠義心からどんな状況にあっても頼朝に従い続ける。また、正直者ゆえ嘘をつくことができず、押しにも弱い。
佐々木秀義(ささき ひでよし)
演:康すおん[注釈 29]
元は近江の豪族。頼朝の祖父・源為義の娘婿。
歯がほとんど抜け、発言内容は不明瞭である。穏やかに見えるが齢68歳ながら血気盛んで、同じ老将である岡崎義実や土肥実平と馬が合う。
佐々木定綱(ささき さだつな)、佐々木経高(ささき つねたか)、佐々木盛綱(ささき もりつな)、佐々木高綱(ささき たかつな)
演:木全隆浩(定綱)、江澤大樹(経高)、増田和也(盛綱)、見寺剛(高綱)
秀義の息子たち。

武蔵

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比企尼(ひきのあま)
演:草笛光子
武蔵比企郡の代官・比企掃部允の妻[19]。常・里・比奈・安達景盛・平賀朝雅の祖母。長女は安達盛長、次女河越重頼三女は伊東祐清に嫁いでいる[19]。源頼朝の乳母
大らかな性格で、道から小言を意に介さず頼朝を長年支援するなど、慈愛に満ちている。しかし、激昂すると執念深い。頼朝に意見することのできる数少ない人物であり、時に頼朝の頬を叩くこともある。
比企能員(ひき よしかず)★
演:佐藤二朗
武蔵比企郡の豪族[20]。叔母である比企尼の養子。万寿(源頼家)の乳母夫であり、一幡の祖父。通称は藤四郎(とうしろう)。
飄々としているが、目先の損得に流されやすいところがあり、脅しにもすぐに屈する。臆病かつ決断力に欠けるため、思い切りの無さから二の足を踏むことが多く、重要な場面で勝機を逃す。その性格に加えて坂東育ちではないため、実力者ながら他の坂東武者たちからは尊敬されていない。道からは苦言を呈されることもあるが夫婦関係は良く、二人三脚で比企家の立場を押し上げる。武士の頂に立ち京へのぼるという強い権力欲を内に秘め、命の危険を回避し野望を達成するためには嘘や裏切り、殺害、買収、仲間を見捨てるといった卑怯で汚い手を実行することも辞さない。北条を伊豆の小物と考えて対抗意識を燃やすが、義時については「北条の割には出来が良い」と評価する。
道(みち)
演:堀内敬子
能員の妻。万寿(源頼家)の乳母。
世情に敏感で、勢いのあるものに乗りたがる。一方で、厄介事に関わる事を露骨に嫌がる。一族への思いが強く、夫と二人三脚で比企家の立場を押し上げる。また、娘・せつや乳母を務める万寿に対して愛情を持って接し、同じ一族である比奈や里のことも気に掛けている。
比企時員(ひき ときかず)
演:成田瑛基
能員と道の息子。通称は弥四郎(やしろう)。
両親と同じく比企一族の繁栄のために行動し、血気盛んで暴力を用いることも厭わない。頼家に取り入るため、彼の悪政にも意見せず粛々と命を実行する。
比企宗朝(ひき むねとも)
演:Kaito
能員と道の息子。通称は三郎(さぶろう)。
常(つね)
演:渡邉梨香子
比企尼の孫娘。能員の姪。
畠山重忠(はたけやま しげただ)
演:中川大志
武蔵の豪族。名門・秩父平氏の嫡流。時政の娘婿。通称は次郎(じろう)。
武勇と教養に優れ、清廉潔白な人柄から「坂東武士の鑑」と評される。自身の見栄えの良さについては自覚している。基本的には無益な殺生は好まないが、覚悟を決めると苛烈な戦闘をも辞さない剛毅さを持つ。見た目に反して腕力は強く、激怒して打ち付けた床を凹ませるほどの力を持つ。その一方で、銅拍子の腕前も一流であり、三浦義村が音曲を侮る発言をした際には憤りを露わにする。義経を裏切った藤原泰衡が滅びると「神罰」と発言するなど信心深い。頼朝と坂東武者たちとの間を取り持つ義時を、陰に陽に手助けする。義時・義村・和田義盛と行動を共にすることが多く、度々相談を持ち掛けられる。
ちえ
演:福田愛依
重忠の妻。北条時政の三女。義時の異母妹。
重忠の妻であることに誇りを持ち、夫婦関係も良好で、重忠から信頼される。
畠山重保(はたけやま しげやす)
演:杉田雷麟
重忠とちえの息子。時政の外孫。義時の甥。
父に似て清廉潔白。真っ直ぐな性格で信念を貫き、立場が上の者や多勢に無勢であっても立ち向かう。
家人
演:高味翔一郎[* 88][* 89]
畠山家の家人。
足立遠元(あだち とおもと)★
演:大野泰広
武蔵の豪族。
几帳面で文筆の才能に長ける。自分の意見を持たず、他人の言動に流されやすい。自己評価は高いが、周囲からの評価がそれほどでもない事を残念に思っている。当初、政子のもとへ突然現れたため、その場に居合わせた実衣から「一番得体が知れない」と評される。
稲毛重成(いなげ しげなり)
演:村上誠基
武蔵の豪族。秩父平氏の一門で、畠山重忠の従兄弟。時政の娘婿。
北条の婿の中では影が薄いが、あきとの夫婦仲は良好である。気は弱いが、多少の野心を持つ。
あき
演:尾碕真花
重成の妻。北条時政の四女。義時の異母妹。
体が弱く控えめな性格だが、重成との夫婦仲は良い。

上総・下総・安房

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上総広常(かずさ ひろつね)
演:佐藤浩市
上総の豪族。通称は介八郎(すけのはちろう)。「上総介(かずさのすけ)」と呼ばれることが多い。
2万騎と称される大兵力を持つため、自尊心が高い。若い頃は「坂東の暴れ馬」の異名を取るほどの荒くれ者。中年になって行動が慎重になり、千葉常胤から「小さく収まった」と言われるが、時折往年の荒い気性を見せる事がある。その一方で、義時から身柄を預かった亀の色目を苦手とするなど、女性に対しては自律的な面を持つ。若い頃から戦に明け暮れ学が浅いため、上京を見越して書や文字の練習をしている。
頼朝に対しては、他の御家人たちと同じく尊大な態度を取ることがあり、「佐殿」と尊称で呼ぶことを嫌がる。そのため、学がないことを義村に利用され、本来は「佐」の唐名である「武衛」を、唐での「仲間」への呼びかけと入れ知恵されると、誤解したまま頼朝を「ブエイ」と呼び続ける。義時からは度々相談事を持ちかけられ、自身も義時には心を開く。
千葉常胤(ちば つねたね)
演:岡本信人
下総の豪族。上総広常の又従兄弟[21]
坂東の重鎮で[* 90]、岡崎義実と同様に老齢ながら血気盛んな坂東武者。頼朝の父・義朝の郎党であった事を誇りとし、栄えある戦さに出られる事を誉れと考える根っからの戦人。頼朝からは、「父も同然」と称されるなど頼られている。酒を飲むと同じことを繰り返す癖があり、義経が亡くなると「九郎殿は強かった」と何度も発言している。
安西景益(あんざい かげます)
演:猪野学
安房の豪族。頼朝とは幼馴染[* 91]
幼馴染の縁を忘れず、頼朝の危機に手を差し伸べる忠義者。
長狭常伴(ながさ つねとも)
演:黒澤光司
安房の豪族。通称は六郎(ろくろう)。

常陸・下野

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八田知家(はった ともいえ)★
演:市原隼人
常陸の豪族。
常に着物の胸元をはだけさせた格好をしており、鍛え上げた胸筋を覗かせている[* 92]。若々しく精悍な風貌だが三善康信と同世代で、御家人の中でも年長格である[注釈 30]。「俺は俺」という考えから、頼朝や比企能員など自分より高位の人物にも媚びたりせず、あくまでも自分の思いを通す、誇り高き一匹狼的な存在。基本的には寡黙で他人とも不必要な関わりは持たない。しかし、任された仕事に黙々と取り組む職人気質の持ち主であるため、要所要所で重要な役割を担う機会も多い。また、情に厚い面もある。土木作業や大工仕事に長け、政子からも棚の修繕を依頼される。女性を見る目はなく、義時からのえとの婚姻について相談された際には、彼女の裏の顔を全く見抜くことができず、婚姻を後押しする。
佐竹義政(さたけ よしまさ)
演:平田広明
常陸の豪族。
血気盛んで血の気が多く、毒舌。上総広常とは昔から仲が悪く、顔を合わせるとすぐに口論となる。
小山朝政(おやま ともまさ)
演:中村敦
下野の豪族・小山政光の長男。義母は頼朝の乳母[注釈 31]
出自の良さから頼朝に優遇され、上総広常から嫉妬される。
長沼宗政(ながぬま むねまさ)
演:清水伸
小山政光の次男。結城朝光の異母兄。
熱血漢で激高しやすく、しばしば暴言を吐く。また、直情型かつ短慮であるため、騙されやすく利用されやすい。兄貴分の八田知家とともに行動することが多く、知家の引退後は三浦義村と行動を共にする。
結城朝光(ゆうき ともみつ)
演:高橋侃
小山政光の三男。母は寒河尼。頼朝の烏帽子子。通称は七郎(しちろう)。
容姿端麗で、琵琶の名手。謀略を用いる策略家であり、自身の容姿を駆使して実衣を誑かすが、非情にはなりきれない。

鎌倉の文官

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三善康信(みよし やすのぶ[注釈 9])★
演:小林隆
下級公家。太政官書記。母は源頼朝の乳母の妹[22]。法名は善信(ぜんしん)[注釈 32]
心優しく温厚で、仲裁が得意。責任感や正義感が強く、違和感を感じたことに対しては臆せず苦言を呈する。また、後進の育成にも尽力する。長らく京にいた経験から朝廷の内情に詳しく、的確な助言を与える。争い事を嫌い、涙もろく情に厚いため、罪を犯した者を庇ったり減刑を望む発言をすることが度々ある。実務能力が高く忠実に仕事をこなす一方で、慌てもので早とちりや早計な判断をすることがある。さらに押しに弱く、物事を頼まれると断れない。政子の依頼で実朝の歌道の指南役となるが、源仲章からは馬鹿にされている。
大江広元(おおえ ひろもと[注釈 9])★
演:栗原英雄
幕府の政策を担う官僚。元は朝廷に仕える下級公家。官職は安芸(あきのすけ)[注釈 33]
頭脳明晰かつ冷静な性格。観察眼に優れ、坂東武者とは違った立場で動向を観察・分析する。また、感情に流されず、「最も頼りになる者は、最も恐ろしい」という考えのもと、時に顔色一つ変えず非情な決断を下す。意思が強いため、比企氏から接待を受けた際にも酒や食事に一切手を着けず頑なに拒む。その一方で、これまで鎌倉に貢献してきた梶原景時に対する讒言の報告を躊躇するなど、情に厚い一面もある。文官ながら武芸にも秀でる。
頼朝の存命時は、知恵袋として度々助言や進言を行い、頼朝を支える。その頃から義時のことを頼りになる人物と評価しており、義時が執権に就任して以降も幾度となく助言を与える。また、政子には特別な感情を抱いており、政子が迷い悩んだ際にも助言や後押しをする。御家人に対しては、坂東の勇者のおかげで都落ちと嘲笑った公家たちの鼻を明かすことができたと感謝する。
中原親能(なかはら ちかよし[注釈 9])★
演:川島潤哉
頼朝を支える官僚。官職は斎院次官(さいいんのすけ)[注釈 33]
鎌倉の文官として実直に政務をこなし、朝廷と鎌倉の繋ぎ役を務める。しかし、心の内では鎌倉を恐ろしい場所と考えている。乳母夫を務める三幡の死をうけて涙を流すなど、情に厚い面もある。
二階堂行政(にかいどう ゆきまさ)★
(藤原行政 → 二階堂行政)
演:野仲イサオ
頼朝を支える官僚。本姓藤原行政(ふじわら の ゆきまさ)。官職は主計(かずえのじょう)[注釈 33]
口数が少なく、表情一つ変えずに黙々と政務をこなす。秩序や法に厳しく、時に皆を一喝し、厳しい沙汰を進言することも多い。しかし、外孫娘・のえと義時との縁談を進めた頃から、徐々に権勢欲を見せるようになる。

平家

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平家一門

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平清盛(たいら の きよもり)
演:松平健[注釈 34]
平家の棟梁。武士として初めて太政大臣となったことで[23]相国(へいしょうこく)」、出家しているため「清盛入道」と称される。法名は「浄海[注釈 35]
豪胆かつ狡猾で、感情の起伏が激しく執念深い。戦の才だけでなく、政治感覚にも優れる。戦経験が豊富なことから時勢の変化に敏感であり、当初は頼朝の挙兵を気にも留めていなかったが、反乱が大規模になると次々と対応策を打つ。
二位尼(にいのあま)
演:大谷恭子
清盛の妻。宗盛の母。
平宗盛(たいら の むねもり)
演:小泉孝太郎
平清盛の三男[24]で後継者[* 94]。母は二位尼。
父・清盛に比べて線が細く、武将としての剛毅さに欠ける。愚鈍ではないが現状認識が甘く、しばしば後手を踏む。戦の才はあまりなく、定石で戦いに挑む。また、政治的駆け引きは得意ではなく、相手を信じすぎてしまうため敵の罠にはまることもある。一方で、心優しく家族思いである。亡き兄に対しては、敬意を持ちつつも劣等感を感じている。
平清宗(たいら の きよむね)
演:島田裕仁
宗盛の嫡男。
父を慕う一族思いの若武者。
平知盛(たいら の とももり)
演:岩男海史
清盛の四男。宗盛の同母弟。
平維盛(たいら の これもり)
演:濱正悟
清盛の嫡孫[25]。清盛の嫡男・平重盛の嫡男[25]。官職は少将[注釈 36]
容姿端麗で「光源氏の再来」と称される[* 95]。戦には不慣れで、不測の事態への対応が遅い。

伊豆の官僚

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堤信遠(つつみ のぶとお)
演:吉見一豊
伊豆の権守。山木兼隆の後見役
傲慢で態度が大きく、攻撃的で意地が悪い。坂東武者を見下し、平清盛から権守に任命されたことを笠に着て義時たちに様々な嫌がらせを行う。
山木兼隆(やまき かねたか)
演:木原勝利
伊豆の目代。本姓は平兼隆(たいら の かねたか)。
信遠と同様、平家の威光を笠に着て坂東武者を見下し嘲笑う。また、時に軽口を叩く。
中原知親(なかはら ともちか[注釈 9]
演:森本武晴
伊豆の目代。下田を治める。山木兼隆の縁者。
顔が長く[* 96]、義時や宗時から「馬面」と揶揄される。民衆たちからの評判は悪い。

奥州藤原氏

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藤原秀衡(ふじわら の ひでひら)
演:田中泯
三代奥州藤原氏当主。官職は鎮守府将軍[注釈 37]。「奥州の覇者」と称される[26]。源義経からは「御館(みたち)」と呼ばれている。
老獪な策士で、源氏と平家が争うと両者に味方する意思を見せるなど政治的駆け引きに優れる。また、状況判断力にも優れ、自身が不利になる場合は義経への協力も拒むなど冷徹かつ慎重である。さらに、自らの手で鎌倉を攻め落とすという野心を内に秘める。一方で、情が厚い面も持ち合わせており、義経の才を認め実子のように養育する他、平家を滅ぼした義経を日本一の英雄と褒め称える。
とく
演:天野眞由美
秀衡の正妻。のちに国衡の妻。泰衡の母。
藤原国衡(ふじわら の くにひら)
演:平山祐介
秀衡の長男。泰衡の異母兄[* 97]
好戦的な熱血漢。弟・泰衡とは仲が悪く、秀衡の遺言で義理の親子となっても衝突を繰り返している。一方、それ以外の人物には友好的であり、義経の畑仕事を手伝ったり鎌倉からやってきた義時とも言葉を交わす。
藤原泰衡(ふじわら の やすひら)
演:山本浩司
秀衡の次男で後継者[* 98]。母は秀衡の正妻・とく。
臆病で慎重な性格であるため兄・国衡とは仲が悪く、秀衡の遺言によって義理の親子となっても度々衝突する。また、小心者で芯が弱いため脅しに屈しやすい。
藤原頼衡(ふじわら の よりひら)
演:川並淳一
秀衡の六男。泰衡の異母弟。
脅しに屈さぬ強い意志を持ち、兄を守るため命を張る忠臣。
河田次郎(かわだ じろう)
演:小林博
泰衡の家人。
自分本位かつ不義理で、命が危うくなると主君を裏切る。

朝廷

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天皇・皇族

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後白河法皇(ごしらかわほうおう)
演:西田敏行[注釈 38]
治天の君。「日本一の大天狗(ひのもといちのおおてんぐ)」と称される[* 99]
狡猾な策士であり、直轄軍を持たない中で自らの威光を保つため、源氏と平家、頼朝・義仲・義経を様々な手段を用いて操り、戦わせて翻弄する。しかし、自身の立場が危うくなると怯え、責任転嫁する。朝廷の権力を守ることを使命としているが、そんな中でも乱世を楽しむ。信心深く大仏の再建に尽力し、開眼を自らの手で行うなど行動力も持ち合わせる。今様を好み、自身で歌うこともある。また、相手を騙すために医学の知識も身につける。
清盛とは表向きでは良好な関係を演じるが心の内では毛嫌いしており、頼朝の夢枕に度々現れては平家打倒の発破を掛ける。
頼朝については平家討伐の駒として利用するが、権力を増大させると潰そうと企む。また、頼朝の理想とする世については「薄っぺらい」と一蹴する。
坂東武者については見下しており、義仲の田舎者ぶりに呆れ返る。一方で、真っ直ぐな性格により自身の命に忠実に従う義経や、自身に忖度しない時政のことは気に入り、自身の手駒にしようとする。
以仁王(もちひとおう)
演:木村昴
後白河法皇の第三皇子。
血気盛んかつ優れた行動力により、平家打倒に立ち上がる。
安徳天皇(あんとくてんのう)
演:相澤智咲(幼年期:伊藤光之丞
後白河法皇の第七皇子・高倉天皇の第一皇子。母は清盛の娘・建礼門院[* 100]
後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)
(後鳥羽天皇 → 後鳥羽上皇)
演:尾上松也(幼少期:尾上凛菊井りひと
高倉天皇の第四皇子[* 101]。安徳天皇の異母弟。後白河法皇の孫。
祖父・後白河の才能と気性を受け継ぎ、後白河の「守り抜かれよ」という遺言を実行ために朝廷の権力増大に心を燃やすが、そんな中でも乱世を楽しむ。政治感覚に優れ、自身の意向を飲ませるため駆け引きを行う。権謀術数に長け、謀略を一種の遊戯と捉えて遊びを楽しむように様々な策を練り、仲章や朝雅を利用しながら鎌倉に揺さぶりをかける。また、洞察力と情報解析力に優れ、京にいながら鎌倉の状況を手に取るように理解する。多芸多才の趣味人でもあり、刀・弓・蹴鞠・似絵など、常に何らかの趣味を楽しむ。
坂東武者のことは見下しており、特に北条家を毛嫌いする。義時については田舎者でありながら自分の頭越しに行動を起こすことに激怒し、不倶戴天の宿敵と見做す。しかし、慈円からは「思考が義時と似ている」と称される。一方で、蹴鞠という共通の趣味を持ち、その腕前も優れる時房のことは非常に気に入り、頼りとしている。
自身に忠節を尽くす実朝については、北条家に対抗するための駒と考えており、後白河と同様、実朝の夢枕に現れ発破を掛ける。

朝廷の女性

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丹後局(たんごのつぼね)
演:鈴木京香
後白河法皇の寵妃。
政治感覚に優れ、単に寵妃というだけでなく後白河に有益な策を授けるなど策謀を巡らすことで側近的役割を果たし権勢を持つ。上洛した政子たちを「東夷(あずまえびす)」と呼んで牽制するなど、坂東の者たちに朝廷の実力者としての凄みを見せつける。しかし、政子に対しては、大きな力を持つ人物の側に仕えた「似た者同士」と感じており、迷いを持つ政子に助言を与えるなど、厳しさの中にも愛のある発言をする。
藤原兼子(ふじわら の かねこ)
演:シルビア・グラブ
後鳥羽上皇の乳母。通称は卿二位(きょうのにい)。
常に後鳥羽の傍らにあり、側近として院政を支える。相談相手を務め時に献策もする参謀的な存在で、状況判断力に優れ、咄嗟の機転も利く。交渉力に長けており高い政治手腕を持つが、自身に有益な情報を提示されると心を乱す。基本的に後鳥羽に対して忠実であるが、彼の安全と権威を守るためならあえて意向に逆らい、抑えつける事もある。強気で誇り高く、武士を終始見下し敵視している。その一方で、政子のことは会談の折に気に入り、「東大寺の大仏様のよう」と称する。

公家・武士とその一族

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九条兼実(くじょう かねざね)
演:田中直樹
摂関家の実力者。関白
意志が強く、違和感を感じたことに対しては相手が皇族であっても暗に苦言を呈する。作法しきたりに疎い田舎侍を下に見ている。頼朝とは協力関係にあるが、牽制し合う。
慈円(じえん)
演:山寺宏一
兼実の弟。後鳥羽上皇に仕える僧侶。後鳥羽からは「慈円僧正(じえんそうじょう)」と呼ばれる。
学識豊かで弁が立ち、特に談判を得意とする。後鳥羽の顧問として活躍する一方で、鎌倉とも友好関係を保とうとする。人の本質を見抜くことが得意で、義時と対面する以前から後鳥羽と思考が似ていることを見抜く。また、夢のお告げをよく見ては後鳥羽に伝える。親譲りの大きな鼻の持ち主で、後鳥羽から鼻を極端に強調した自筆の似絵を渡された際は憤慨して破り捨てる。兄・兼実との仲は深く、事後を託される。
三寅(みとら)
演:中村龍太郎(幼少期:越田一央織
四代鎌倉殿(摂家将軍)。兼実の曾孫。頼朝の妹の曾孫でもある。のちの藤原頼経
活発な幼子。母親代わりの政子にとても懐いている。
平知康(たいら の ともやす)
演:矢柴俊博
後白河法皇の側近。壱岐守平朝親の子[28]の名手で「鼓判官(つづみのほうがん)」と呼ばれる。
立場を追われても何度となく立ち上がる不屈の精神の持ち主。作法しきたりに疎い田舎侍を毛嫌いし、見下している。一方で、実力や才能がある者に対しては身分関係なく評価し、自分が認めた者には的確な助言を行う。鼓だけでなく蹴鞠にも優れており、頼家や時房に指導する。戦闘能力は低く、戦には弱い。
土御門通親(つちみかど みちちか)
演:関智一
朝廷の実力者。中納言
知謀に長けており、後鳥羽とともに策を用いて鎌倉に揺さぶりをかける。また、情報収集力も高い。梶原景時とは以前から交流を持っている。
一条高能(いちじょう たかよし)
演:木戸邑弥
一条家の嫡男。頼朝の甥。
源仲章(みなもと の なかあきら)
演:生田斗真
後鳥羽上皇の側近。在京の御家人。
容姿端麗かつ学識豊かで風姿に優れる。特に和歌の際に秀で、実朝に藤原定家を紹介する。人の懐に入るのが得意で、特に女性を誑かす。また、弁舌の才を駆使して裏で御家人たちを手玉に取り、意のままに操って鎌倉に揺さぶりをかける。しかし、いざとなれば表立って迅速に対応するなど行動力もある。情報収集力と分析力にも秀で、謀略を巡らすのみならず問題にも素早く対処する。世渡り上手で、京と鎌倉を自由に行き来し後鳥羽の策の実行役として暗躍する一方、実朝の指南役となり信頼を得る。野心家であるため後鳥羽の手先である事には満足しておらず、親王将軍の補佐役として鎌倉の実権を握るという野望達成のため、義時の座を虎視眈々と狙う。
藤原秀康(ふじわら の ひでやす)
演:星智也
後鳥羽上皇の側近。西面武士の指揮官。
顔に向こう傷のある魁偉な風貌をしている。自信家であり、後鳥羽から気に入られる。一方で、策士として事前に綿密な計画を立て根回しを行うなど、慎重な一面もある。武芸に長けており、強弓の使い手。

文化人

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僧侶

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文覚(もんがく)
演:市川猿之助
神護寺僧侶
怪しげで汚らしい見た目の怪人物。灰汁が強く、僧であるにも関わらず強欲。また、強引で押し付けがましい。何度追い返されても諦めない不屈の精神を持ち、死んだ後に怨霊となるほど執念深い。口八丁手八丁の策士でもあり、頭の回転が早く機転も利くため、物事に臨機応変に対応する。虚言癖があり、権力者に誰とも知れぬ髑髏を「源義朝のしゃれこうべ」と吹聴する。平家を毛嫌いし、諸国をめぐりながら平家打倒を説いて回る。
文陽房覚淵(もんようぼう かくえん)
演:諏訪太朗
伊豆山権現社の長。
あまり感情を表に見せないが、政子たちを匿ったり、千鶴丸の死を八重に伝えることを躊躇したりするなど、心優しく慈悲深い。
土佐坊昌俊(とさのぼう しょうしゅん)
演:村上和成
僧兵。元は興福寺の僧侶。
剛腕で武芸に長け、弁慶や義経と互角に渡り合う。強い野心を持ち、報酬のためなら手段を選ばない。
若い僧侶
演:坂東駿[* 102]
伊豆山権現社の僧侶。
住職
演:緒方賢一
願成就院の住職。
僧侶
演:野崎亨類[* 103]
公暁の門弟。

仏師・技師・医師

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運慶(うんけい)
演:相島一之
仏師奈良の仏師・康慶の息子[29]
身分が高いものにも忖度せず、誰に対しても軽口を叩く気さくな性格。身分に関係なく依頼者と製作者の関係以上の深入りをしない。それでいて関わった人物の風貌や人柄を鋭く観察し、その本質を的確に見抜くなど洞察力に長ける。仏師としての腕は一流で、飲酒を好むが仏の前では酒を飲まないという揺るがぬ信念を持つ。義時が執権となった頃には、弟子たちによる工房制作で数多くの依頼をこなす[注釈 39]
粛清を実行する中で徐々に冷酷になっていく義時に興味を示しており、いつか彼のために仏像を造りたいという思いを抱く。
陳和卿(ちん なけい)
演:テイ龍進
の技術者。
強者に迎合し、権力者の懐に入るのが得意。信を得るためなら嘘を付くことも辞さない。宋の高い技術力を持つ一方で、図面の間違いに気づかぬなど抜けている面もある。
医者
演:春海四方
頼朝の典医
医者
演:黒板七郎
京の医者。
医者
演:康すおん[注釈 29]
佐々木秀義の孫[注釈 40]
飄々としているが医者としての腕は確かであり、重病を患った頼家や実朝を回復させる。また、毒に関する知識も身につけている。

市井の人物

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歩き巫女(あるきみこ)
演:大竹しのぶ
鎌倉に住む巫女
気迫ある物腰の怪しげな白髪の老婆。あちこちで天幕を張り、その中で占いやまじないをしながら暮らす。占いの精度は百発百中で、未来を見通し予言する。また、出会った瞬間にその人の本質を見抜き、的確な助言を与える。一方で、肘が顎に付くか尋ねるなどお茶目な一面も持つ。
しかし、後年は認知症の症状が見られ、朝時は「天命に逆らうな」という言葉のみを繰り返すようになったと語っている。
サツキ
演:磯山さやか
伊豆の女性。
若くて可愛く、気立てがよい[注釈 41]。明るくて面倒見が良く、一人で暮らす高齢の時政を世話する。時政との関係は良好で、泰時からは「祖父のことをとても気遣ってくれた」と評される。
権三(ごんぞう)
演:竹内まなぶ
安房の漁師。亀の夫。
血の気が多く、激怒すると暴力行為も辞さない。
野武士
演:慈五郎
弓の腕には相当な自信を持っており、獲物を譲らぬ頑固さを見せる。
藤平太(とうへいた)
演:大津尋葵
相模腰越の村人。
小六(ころく)
演:中村大輝
摂津の狩人。
一の谷周辺の地形に詳しく、義経一行の案内役を務める。
五藤太(ごとうた)
演:藤田健彦
修善寺の農民。トウの父。
幽閉の身である範頼を、妻とともに気に掛ける広い心を持つ。
五藤太の妻
演:山田里奈
修善寺の農民。トウの母。
代官
演:沖田裕樹
伊豆の代官。
百姓
演:田村泰二郎比佐仁
伊豆の百姓。
ウメ
演:石川萌香
鎌倉の百姓。
心優しく、坂東の女性として政子に憧れを抱いている。
百姓
演:細川唯関塚まいこ南一恵西岡野人高橋克明
鎌倉の百姓。
政子のことを慕っており、息子を亡くした政子を励まし気遣うなど心優しい。

特別登場

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侍女
演:長澤まさみ[* 105]
大倉御所に仕える侍女[注釈 42]。第39回放送で登場。
徳川家康(とくがわ いえやす)
演:松本潤 
吾妻鏡」の愛読者。のちの江戸幕府初代征夷大将軍。次作の大河ドラマ『どうする家康』の主人公であり、最終回の冒頭で登場。

スタッフ

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鎌倉殿の13人紀行

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放送

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放送時間

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総合テレビでの放送分はNHKプラスで同時配信され、放送後7日間は見逃し視聴が可能。

放送日程

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  • 初回と最終回は15分拡大。
  • 第18回は本編の放送時間を45分に拡大(「紀行」コーナーを別日時で放送[注釈 44][* 106][* 107]。BS4Kでは放送時間を46分に拡大し、「紀行」コーナーも同時放送[* 108][* 109]。)。
  • 第48回は本編の放送時間を59分に拡大(第18回と同様に「紀行」コーナーを別日時で放送[注釈 45][* 110])。
放送回 放送日 サブタイトル 演出 紀行 地上波視聴率
01回 01月09日 大いなる小競り合い 吉田照幸 鶴岡八幡宮神奈川県鎌倉市
史跡 北条氏邸跡静岡県伊豆の国市
17.3%[* 111]
02回 01月16日 佐殿の腹 音無神社(静岡県伊東市
蛭ヶ島公園(静岡県伊豆の国市)
14.7%[* 111]
03回 01月23日 挙兵は慎重に 末永創 総本山園城寺滋賀県大津市 16.2%[* 111]
04回 01月30日 矢のゆくえ 三嶋大社(静岡県三島市
香山寺(静岡県伊豆の国市)
15.4%[* 111]
05回 02月06日 兄との約束 吉田照幸 石橋山古戦場(神奈川県小田原市
伊豆山神社(静岡県熱海市
13.4%[* 111]
06回 02月13日 悪い知らせ 保坂慶太 しとどの窟(神奈川県湯河原町
源頼朝船出の浜(神奈川県真鶴町
13.7%[* 111]
07回 02月20日 敵か、あるいは 末永創 玉前神社千葉県一宮町
千葉神社(千葉県千葉市
14.4%[* 111]
08回 02月27日 いざ、鎌倉 吉田照幸 寿福寺(神奈川県鎌倉市) 13.7%[* 111]
09回 03月06日 決戦前夜 保坂慶太 横割八幡宮(静岡県富士市
八幡神社(静岡県清水町
14.0%[* 111]
第10回 03月13日 根拠なき自信 安藤大佑 西金砂神社茨城県常陸太田市 13.6%[* 111]
第11回 03月20日 許されざる嘘 吉田照幸 三十三間堂京都府京都市 13.5%[* 111]
第12回 03月27日 亀の前事件 末永創 正法寺埼玉県東松山市
妙本寺(神奈川県鎌倉市)
13.1%[* 111]
第13回 04月03日 幼なじみの絆 吉田照幸 豆塚神社(静岡県伊豆の国市)
最誓寺(静岡県伊東市)
12.9%[* 111]
第14回 04月10日 都の義仲 安藤大佑 俱利伽羅古戦場(富山県小矢部市
俱利伽羅神社石川県津幡町
12.1%[* 111]
第15回 04月17日 足固めの儀式 保坂慶太 十二所果樹園(神奈川県鎌倉市)
上総介塔(神奈川県横浜市
12.9%[* 111]
第16回 04月24日 伝説の幕開け 末永創 義仲寺滋賀県大津市 12.9%[* 111]
第17回 05月01日 助命と宿命 吉田照幸 清水八幡宮(埼玉県狭山市
常楽寺(神奈川県鎌倉市)
12.5%[* 111]
第18回 05月08日 壇ノ浦で舞った男 赤間神宮山口県下関市 12.7%[* 111]
第19回 05月15日 果たせぬ凱旋 安藤大佑 若宮八幡宮(京都府京都市)
吉野山奈良県吉野町
13.2%[* 111]
第20回 05月22日 帰ってきた義経 保坂慶太 高館義経堂岩手県平泉町
接待館遺跡(岩手県奥州市
12.8%[* 111]
第21回 05月29日 仏の眼差し 末永創 願成就院(静岡県伊豆の国市) 13.2%[* 111]
第22回 06月05日 義時の生きる道 中泉慧 東大寺(奈良県奈良市
法住寺(京都府京都市)
12.9%[* 111]
第23回 06月12日 狩りと獲物 吉田照幸 頼朝の井戸の森(静岡県裾野市
曽我の隠れ岩(静岡県富士宮市
13.3%[* 111]
第24回 06月19日 変わらぬ人 安藤大佑 源範頼の墓(静岡県伊豆市 12.0%[* 111]
第25回 06月26日 天が望んだ男 吉田照幸 旧相模川橋脚(神奈川県茅ヶ崎市 12.2%[* 111]
第26回 07月03日 悲しむ前に 保坂慶太 源頼朝の墓(神奈川県鎌倉市) 12.9%[* 111]
第27回 07月17日 鎌倉殿と十三人 末永創 永福寺跡(神奈川県鎌倉市) 11.7%[* 111]
第28回 07月24日 名刀の主 安藤大佑 梶原景時館址(神奈川県寒川町
清見寺(静岡県静岡市
建長寺(神奈川県鎌倉市)
12.9%[* 111]
第29回 07月31日 ままならぬ玉 中泉慧 三浦義澄の墓(神奈川県横須賀市 11.9%[* 111]
第30回 08月07日 全成の確率 吉田照幸 大六天の森栃木県益子町
大泉寺(静岡県沼津市
11.4%[* 111]
第31回 08月14日 諦めの悪い男 保坂慶太 妙本寺(神奈川県鎌倉市) 12.1%[* 111]
第32回 08月21日 災いの種 吉田照幸 極楽寺(神奈川県鎌倉市) 11.8%[* 111]
第33回 08月28日 修善寺 末永創 源頼家の墓(静岡県伊豆市) 10.2%[* 111]
第34回 09月04日 理想の結婚 中泉慧 六角堂(頂法寺)(京都府京都市)
小野城跡(三重県亀山市
11.9%[* 111]
第35回 09月11日 苦い盃 保坂慶太 畠山重忠公史跡公園(埼玉県深谷市
菅谷館跡(埼玉県嵐山町
11.2%[* 111]
第36回 09月18日 武士の鑑 末永創 畠山重忠公碑(神奈川県横浜市) 12.4%[* 111]
第37回 09月25日 オンベレブンビンバ 小林直毅 円覚寺(神奈川県鎌倉市) 12.6%[* 111]
第38回 10月02日 時を継ぐ者 吉田照幸 願成就院(静岡県伊豆の国市) 11.7%[* 111]
第39回 10月16日 穏やかな一日 保坂慶太 十国峠・源実朝の歌碑(静岡県熱海市)
鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)
12.0%[* 111]
第40回 10月23日 罠と罠 中泉慧 光念寺(神奈川県三浦市
正行院(神奈川県横須賀市)
11.3%[* 111]
第41回 10月30日 義盛、お前に罪はない 吉田照幸 和田塚(神奈川県鎌倉市)
善栄寺(神奈川県小田原市)
11.3%[* 111]
第42回 11月06日 夢のゆくえ 末永創 船玉神社(神奈川県藤沢市
実朝歌碑(神奈川県鎌倉市)
11.3%[* 111]
第43回 11月13日 資格と死角 吉田照幸
松本仁志
明王院(神奈川県鎌倉市) 11.5%[* 111]
第44回 11月20日 審判の日 保坂慶太 覚園寺(神奈川県鎌倉市) 11.0%[* 111]
第45回 11月27日 八幡宮の階段 安藤大佑 鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)
源実朝公御首塚(神奈川県秦野市
06.2%[* 111][注釈 46]
第46回 12月04日 将軍になった女 末永創 多摩川浅間神社東京都大田区
雲林寺(神奈川県横浜市)
安養院(神奈川県鎌倉市)
11.3%[* 111]
第47回 12月11日 ある朝敵、ある演説 吉田照幸
谷口尊洋
聖福寺福岡県福岡市
名超寺(滋賀県長浜市
11.9%[* 111]
最終回 12月18日 報いの時 吉田照幸 北条小町邸跡(神奈川県鎌倉市)
北条義時の墓(神奈川県鎌倉市)
14.8%[* 111]
平均視聴率 12.7%(視聴率ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)

放送時間変更・休止

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総合テレビ・再放送枠における放送休止など

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再放送枠以外での再放送

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  • 1月23日(日曜日)の13時05分 - 14時50分に総合テレビで初回と第2回を連続再放送。
  • ミッドナイトチャンネル・深夜のイッキ見!」編成の一環としてのキャッチアップ放送として、2月17日(16日深夜)と18日(17日深夜)に総合テレビで第1回から第6回までを集中再放送。また7月10日分の放送休止に合わせて、7月16日(15日深夜)から18日(17日深夜)に総合テレビで第18回から第25回までを一挙再放送[* 113]。これらの再放送はNHKプラスで同時配信され、放送後7日間は見逃し視聴が可能であった。

ダイジェスト

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1か月分の放送をダイジェストにした「20分でわかる!『鎌倉殿の13人』」を放送。ナレーターは木村昴。放送内容は前後編に分けてNHKの公式YouTubeでも公開。

また、各回のダイジェストの初回放送時はそれまでの放送分も合わせて放送された。これらの放送はNHKプラスで同時配信され、放送後7日間は見逃し視聴が可能であった。

放送回 初回放送日 放送時間 本編回
01月ダイジェスト 02月06日(5日深夜) 01時31分 - 01時51分 01回 - 第04回
02月ダイジェスト 03月05日(4日深夜) 02時45分 - 03時05分 05回 - 第08回
03月ダイジェスト 04月03日(2日深夜) 00時10分 - 00時30分 09回 - 第12回
04月ダイジェスト 05月02日(1日深夜) 02時55分 - 03時16分 第13回 - 第17回

総集編

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2022年12月29日に総合で、12月31日と1月2日にBS4Kで放送(4部構成)。

放送回 放送時間(総合) 放送時間(BS4K) 放送時間(BS4K) 本編回
第一章 13時05分 - 14時15分 23時45分 - 00時55分 08時00分 - 09時10分 01回 - 第13回
第二章 14時15分 - 15時20分 00時55分 - 02時00分 09時10分 - 10時15分 第14回 - 第23回
第三章 15時25分 - 16時31分 02時00分 - 03時06分 10時15分 - 11時21分 第24回 - 第36回
最終章 16時31分 - 17時40分 03時06分 - 04時15分 11時21分 - 12時30分 第37回 - 第48回

関連番組

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  • ラジオ深夜便 〜もっと、鎌倉殿の13人〜(NHKラジオ第1NHK-FM
  • 鎌倉殿サミット2022 〜源頼朝 死をめぐるミステリー 日本史上の大転換点〜(2022年1月2日、NHK BSプレミアムNHK BS4K
  • チコちゃんに叱られる! 新春拡大版スペシャル! 鎌倉殿の13人が見たい!(2022年1月2日、NHK総合) - ゲスト出演は菅田将暉、中川大志、佐藤浩市。
  • 北条ファミリーが語る!『鎌倉殿の13人』放送直前SP(2022年1月3日、NHK総合)
  • 50ボイス「鎌倉殿の13人」(2022年1月3日、NHK総合) - 司会は小池栄子。
  • 英雄たちの選択(NHK BSプレミアム)
    • 北条義時・チーム鎌倉の逆襲(2022年1月5日)
    • 頼朝暗殺未遂!? 曽我兄弟敵討ち事件の深層(2022年6月8日)
    • 鎌倉殿暗殺!源実朝 禁断の政治構想(2022年10月5日)
  • 歴史探偵(NHK総合) - 所長(司会)は佐藤二朗。
    • 「武士の都・鎌倉」(2022年1月12日)
    • 「ヒーロー 源義経」(2022年4月27日) - ゲスト出演は迫田孝也。
    • 「源平合戦 壇の浦の戦い」(2022年5月4日)
    • 「北条政子」(2022年6月15日) - VTR出演は小池栄子。
    • 「鎌倉バトルロイヤル」(2022年7月20日) - ゲスト出演は山本耕史。
    • 「3代将軍 源実朝」(2022年10月12日) - ゲスト出演は柿澤勇人。
    • 「後鳥羽上皇と承久の乱」(2022年11月2日)
  • 土曜スタジオパーク(NHK総合)
    • 「鎌倉殿の13人」特集 - 小栗旬(2022年1月15日)
    • 「鎌倉殿の13人」特集 - 坂東彌十郎(2022年2月26日)
    • 「鎌倉殿の13人」特集 - 佐藤浩市(2022年4月16日)
    • 「鎌倉殿の13人」壇ノ浦直前SP - 菅田将暉(2022年1月15日)
    • 「鎌倉殿の13人」特集 - 小池栄子(2022年8月27日)
    • 「鎌倉殿の13人」特集in京都 - 山本耕史(2022年12月3日)
    • 「グレーテルのかまど」「鎌倉殿の13人」特集 - 瀬戸康史(2022年12月17日)
  • ロコだけが知っている「大河"鎌倉殿の13人"SP!静岡伊豆の国市&東京板橋の魅力」(2022年1月19日、NHK総合)- ゲスト出演は坂東彌十郎と小池栄子。
  • 日本人のおなまえ「山本耕史&中川大志も初耳!『鎌倉殿の13人』SP」(2022年1月27日、NHK総合)[* 115]- ゲスト出演は山本耕史と中川大志。
  • 鎌倉DAYS(2022年1月29日、NHK総合)[* 116]
    • 「鎌倉LOVEの13人」※全4部(① 9:30-10:00、② 10:50-10:55、③ 11:22-11:24、④ 11:49-11:54)- ゲスト出演は坂東彌十郎、宮澤エマ、坪倉由幸。
    • 「走れ!鎌倉」(11:24-11:49)- ゲスト出演は山本耕史。
  • チャリダー★快汗!サイクルクリニック "鎌倉殿の13人"スペシャル(2022年1月29日、NHK BS1[* 117]- ゲスト出演は山本耕史。
  • 体感!「鎌倉殿の13人」の世界~鎌倉・伊豆~(2022年3月3日、NHK BSプレミアム)- ゲスト出演は山本耕史、ナレーションは高岸宏行。
  • 沼にハマってきいてみた「鎌倉幕府沼 大河ドラマとコラボ!」(2022年3月9日、Eテレ)- ゲスト出演は高岸宏行。
  • 決戦!源平の戦い(2022年4月9日、NHK BSプレミアム・NHK BS4K)- ゲスト出演は秋元才加。
  • プロフェッショナル 仕事の流儀「小栗旬スペシャル」(2022年5月3日、NHK総合)
  • 義経のスマホ(2022年5月24日 - 6月3日、NHK総合)
  • 新・にっぽんの芸能(Eテレ)
    • 坂東彌十郎と見る「鎌倉殿」と歌舞伎(2022年5月27日)- ゲスト出演は坂東彌十郎。
    • 鎌倉ゆかりの芸能スペシャル「賤の苧環」IN鶴岡八幡宮(2022年10月28日)- ゲスト出演は坂井孝一。
  • 100カメ「鎌倉殿の13人」(2022年6月14日、NHK総合)[* 118]
  • 美の壺「いざ鎌倉 武士たちの美意識」(2022年7月22日、NHK BSプレミアム・NHK BS4K)
  • 「鎌倉殿の13人」応援感謝!ウラ話トークSP〜そしてクライマックスへ〜(2022年10月9日、NHK総合)
    • ディープバージョン(2022年10月17日、NHK総合) - 60分拡大版。
  • 先人たちの底力 知恵泉(NHK総合)
    • 「イノベーション! 誕生 御成敗式目 北条泰時」(2022年11月22日) - ゲスト出演は坂東彌十郎。
  • ドラマの裏側×SDGs(2022年12月4日、NHK総合)
  • 鎌倉殿の13人 〜オープニング13の秘密〜(2022年12月11日、NHK総合)- 出演はエバン・コール、当番組制作スタッフ。
  • 三谷幸喜の言葉 〜『鎌倉殿の13人』の作り方〜(2022年12月17日、NHK総合)- 出演は三谷幸喜、ナレーションは山寺宏一。
  • グランドフィナーレ〜『鎌倉殿』の最後の一日(2022年12月27日、NHK総合)
  • 小栗旬×松本潤 今だからこそ、大河について話そう(2023年2月12日、NHK総合)

受賞・反響

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受賞

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  • 2022年10月11日、「第七十回菊池寛賞」が発表され、三谷幸喜が受賞した[* 119]
  • 同年11月28日、イー・ガーディアンが主催する「SNS流行語大賞2022」が発表され、テレビ・映画部門での部門賞を『鎌倉殿の13人』が受賞した[* 120]
  • 同年11月30日、「GQ メン・オブ・ザ・イヤー2022」が発表され、メン・オブ・ザ・イヤー・ベスト・アクター賞を大泉洋が(他作品での活動も合わせて)受賞した[* 121]
  • 同年12月5日、「Yahoo!検索大賞2022」が発表され、作品カテゴリー・ドラマ部門で、『鎌倉殿の13人』が1位となった[* 122]
  • 2023年1月20日、「2022年12月度ギャラクシー賞月間賞」が発表され、『鎌倉殿の13人』が受賞した[* 123][注釈 48]
  • 同年2月2日、「2022年エランドール賞」の授賞式が行われ、特別賞を「『鎌倉殿の13人』制作チーム」が、新人賞を中川大志が(他作品での活動も合わせて)受賞した[* 124]
  • 同年2月16日、「第13回ロケーションジャパン大賞」の授賞式が行われ、『鎌倉殿の13人』と静岡県伊豆の国市が準グランプリを受賞した[* 125][注釈 49]
  • 同年2月22日、「第114回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」が発表され、最優秀作品賞を『鎌倉殿の13人』が、脚本賞を三谷幸喜が受賞した[* 126]
  • 同年3月17日、「第74回日本放送協会放送文化賞」が発表され、三谷幸喜が受賞した[* 127]
  • 同年4月1日、「第31回橋田賞」が発表され、橋田賞を小池栄子が受賞した[* 128]
  • 同年4月4日、「第41回向田邦子賞」が発表され、三谷幸喜が受賞した[* 129][注釈 50]。5月23日に行われた贈賞式には、三谷氏を祝福するため、29人のキャスト陣が集結した[* 131][注釈 51]
  • 同年4月28日、「第60回ギャラクシー賞」が発表され、テレビ部門の個人賞を長澤まさみが(他作品での活動も合わせて)受賞した[* 132]
  • 同年7月13日、「第15回伊丹十三賞」が発表され、三谷幸喜が受賞した[* 133]
  • 同年10月14日、「第50回伊藤熹朔賞」の受賞式が行われ、ドラマ部門の協会賞を『鎌倉殿の13人』「第18回 壇ノ浦で舞った男」が受賞した[* 134]
  • 同年10月24日、「東京ドラマアフォード2023」が発表され、作品賞・連続ドラマ部門の優秀賞を『鎌倉殿の13人』が、個人賞の主演男優賞を小栗旬が受賞した[* 135]

反響

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  • 2022年1月9日の初回放送当日に行われたトーク&パブリックビューイングイベント「グランド・プレミアin伊豆の国」の観覧には1万2000通を超える応募があり、倍率は約40倍となった[* 136]
  • 第1回のBSプレミアムの放送をうけ、Twitterでは「#鎌倉殿の13人」のタグを使用したツイートがTwitterトレンド世界1位となり[* 137]、その後も36話まで21話連続でトレンド世界1位となった[* 138]。最終的に、48回中42回で世界トレンド1位を獲得した[* 60]。また、12月29日に放送された総集編でも、「#鎌倉殿の13人総集編」がトレンド1位となった[* 139]
  • 今作では、出演者がドラマについて語るトークショーが各地で積極的に開かれ、最終的には全国19の都道府県、51会場でトークショーが行われた[* 140]
  • 主演を務める小栗は、当時流行中であった新型コロナウイルスの感染を予防するため撮影時に着用していたマスクに様々なメッセージを書いており、その内容が話題となった[* 141]。中でも、ドラマの展開を踏まえた「全部大泉のせい」はSNS上でも話題となり、イー・ガーディアンが主催する「SNS流行語大賞2022」にノミネートされた[* 142]
  • 2022年10月9日に放送された今作の特別番組「『鎌倉殿の13人』応援感謝!ウラ話トークSP~そしてクライマックスへ~」では、放送終了後にSNS上で「ノーカット版を放送して欲しい」という声が多数あがったため、同月17日に60分版の「ウラ話トークSPディープバージョン」がNHK総合で放送された[* 143]
  • 同年12月7日にNHKホールで行われたファンミーティングの観覧には4万通を超える応募があり、倍率は31倍となった[* 144]。そのため、オンラインでの観覧が再度募集され、イベント当日は2万5000人がオンライン配信で参加した[* 140]。オンライン配信では一時繋がりにくい状態となり、NHKが視聴者に謝罪した[* 145]
  • 2022年12月18日の最終回当日に行われたトーク&パブリックビューイングイベント「グランドフィナーレ」の観覧には約7万通の応募があり、134倍の倍率を突破した1030人が参加した[* 146]
  • 2023年1月10日、鶴岡八幡宮境内に開設された「大河ドラマ館」の来場者が、31万5011人にのぼったと発表された[* 147]。また、同年1月15日、韮山時代劇場に開設された「大河ドラマ館」の来場者が、目標の10万人を大幅に上回る19万5838人だったことが発表された[* 148]。同年2月22日には伊豆の国市が、大河ドラマ館の設置による市内への経済波及効果が16億1千万円だったとの試算を発表した[* 149]
  • 同時配信が開始されたKKTVと中華電信MODで大きな人気を獲得し、KKTVが毎年発表する「Kドラマ大賞」の視聴者投票で2位を獲得した。また、日本ドラマファンのコミュニティーで影響力がある12人のKOL(Key Opinion Leader / インフルエンサー)が選ぶ2022年最優秀作品に選出され、小栗旬が主演男優賞を、三谷幸喜が最優秀脚本賞を受賞。監督も最優秀監督賞の2位に輝いた[* 45]

ドラマ舞台地の誘致運動・反応

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  • 2022年1月9日の初回放送当日は、18時から19時のBSプレミアムBS4Kでの先行放送に併せて、ドラマの中心となる北条一族始まりの地・伊豆の国市の長岡総合会館(アクシスかつらぎ)にて、主要出演者6人(小栗、大泉、小池、片岡、坂東、宮澤)をゲストに、第1回を見ながらトークを繰り広げるパブリックビューイングイベント「グランド・プレミアin伊豆の国」が開催された[* 150]。この模様は沼津三島伊豆函南の4市町にもオンラインで同時生中継され、沼津には新納、三島には野添、伊豆には米本、函南には高岸が現地ゲストとして出席した[* 151]。5カ所でのパブリックビューイングは、過去の大河ドラマで最大規模であった[* 152]
  • 本作の放映に合わせ、北条家ゆかりの地に大河ドラマ館が開設された。
    • 北条家の拠点であった伊豆の国市韮山に「鎌倉殿の13人 伊豆の国 大河ドラマ館」が、韮山文化センター韮山時代劇場を改修して2022年1月15日から2023年1月15日まで開設された[* 154]
    • 鎌倉市鶴岡八幡宮鎌倉文華館鶴岡ミュージアム内に「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」が併設され、2022年3月1日から2023年1月9日まで開設された[* 155]
  • 2022年8月16日、静岡県三島市の「三嶋大祭り」で行われた「頼朝公旗挙げ行列」に、大泉、野添、迫田、高岸の4人が今作と同じ衣装・甲冑姿で参加した[* 160]
  • 同年10月23日、長野県上田市で行われた「木曽義仲挙兵武者行列」に、青木、木村、町田が今作と同じ衣装・甲冑姿で参加した[* 161]
  • 同年12月18日の最終回当日は、18時から19時のBSプレミアム・BS4Kでの先行放送に併せて、鎌倉市の鎌倉女子大学岩瀬キャンパス松本講堂で、主要出演者6人(小栗、小池、坂口、宮澤エマ、宮沢りえ、山本)をゲストに、最終回を見ながらトークを繰り広げるパブリックビューイングイベント「グランドフィナーレ」が開催された[* 162]。この模様はNHK札幌名古屋京都大分の全国4放送局のスタジオにもオンラインで同時生中継され、うち札幌には金子と山本、京都には栗原が現地ゲストとしてそれぞれパブリックビューイング前のイベントに出席した[* 163]。これらの様子は編集された上で、12月27日午後10時55分より放送された。

関連商品

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サウンドトラック

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  • 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 オリジナル・サウンドトラックVol.1(2022年2月9日発売、SMJ、EAN:4547366540970)
  • 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 オリジナル・サウンドトラックVol.2(2022年7月6日発売、SMJ、EAN:4547366562835)
  • 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 オリジナル・サウンドトラックVol.3(2022年11月9日発売、SMJ、EAN:4547366581911)
  • 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 オリジナル・サウンドトラックThe Best(2022年12月21日発売、SMJ、EAN:4547366587166)
  • 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 オリジナル・サウンドトラック完全盤(2022年12月21日発売、SMJ、EAN:4547366587173)

書籍

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公式ガイドブック
  • NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人(NHK出版
    • 前編(2021年12月25日発売、ISBN 978-4-14-923389-5
    • 後編(2022年5月27日発売、ISBN 978-4-14-923390-1
    • 完結編(2022年10月7日発売、ISBN 978-4-14-923391-8
  • NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 鎌倉殿の13人 北条義時とその時代(NHK出版、2021年11月30日発売、ISBN 978-4-14-911053-0
ガイドブック

楽譜

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  • 『大河ドラマ「鎌倉殿の13人」メインテーマ ピアノ・ソロ譜』NHK出版オリジナル楽譜シリーズ(2022年1月28日発売、ISBN 978-4-14-055414-2

DVD/BD

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  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第壱集 BOX(第1回 - 第11回、2022年7月22日発売)
  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第弐集 BOX(第12回 - 第22回、2022年11月25日発売)
  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第参集 BOX(第23回 - 第33回、2023年1月27日発売)
  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第四集 BOX(第34回 - 第48回、2023年3月24日発売)
  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」総集編 (第一章 - 第四章、2023年5月26日発売)

脚注

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注釈

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  1. ^ 小栗がこれまで出演した大河ドラマは、徳川宗翰を演じた『八代将軍吉宗』(1995年)、石田佐吉を演じた『秀吉』(1996年)、細川忠利を演じた『葵 徳川三代』(2000年)、梶原景季を演じた『義経』(2005年)、石田三成を演じた『天地人』(2010年)、吉田松陰を演じた『八重の桜』(2013年)、坂本龍馬を演じた『西郷どん』(2018年)の計7作品。
  2. ^ 『いだてん〜東京オリムピック噺〜』では黒坂辛作を演じていたピエール瀧麻薬取締法違反の容疑で逮捕され第10回をもって降板したため、再編集や撮り直しが行われた。また、『麒麟がくる』でも帰蝶役にキャスティングされていた沢尻エリカが麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたため、配役の変更措置がとられた。
  3. ^ 最終回では、頼朝死後の政変とその余波で落命した13人の政治家(梶原景時、阿野全成、比企能員、仁田忠常、源頼家、畠山重忠、稲毛重成、平賀朝雅、和田義盛、源仲章、源実朝、公暁、阿野時元)という意味も含まれていたことが明かされた。
  4. ^ 三谷は「これ(『吾妻鏡』)が原作のつもりで書いている」とコメントしている[* 13]
  5. ^ 辻は2021年8月18日に死去した[* 38]。辻が演じた映像の一部は、2022年10月9日放送の特番「『鎌倉殿の13人』応援感謝!ウラ話トークSP〜そしてクライマックスへ〜」内で公開された[* 39]
  6. ^ 前作『青天を衝け』のタイトルバックの尺は2分50秒、前々作『麒麟がくる』は2分42秒。
  7. ^ 『西郷どん』(2018年)は全47話、『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019年)は全47話、『麒麟がくる』(2020年)は全44話、『青天を衝け』(2021年)は全41話。
  8. ^ 2020年の『麒麟がくる』(風間俊介)、2021年の『青天を衝け』(北大路欣也)、2022年の『鎌倉殿の13人』(松本潤)、2023年の『どうする家康』(松本潤)。
  9. ^ a b c d e 苗字ではなくの場合、藤原と同じく氏と名前の間に「」を入れて読む(例:三善康信〈みよし やすのぶ〉)。劇中では「の」を入れているが、公式サイトやガイドブック等では入れない形となっている。
  10. ^ クレジット上は一貫して「北条義時」。
  11. ^ 最終回(第48回)より。自身を暗殺しようとした三浦義村への尋問の際、ついでとして「あれは嘘だ」と打ち明けられている。
  12. ^ 史実では泰時生母は「阿波局」という御所の女房とされており、生没年や出自などの詳細は不詳。本作では歴史考証担当の坂井孝一による「阿波局と八重は同一人物」という仮説を採用している[3]
  13. ^ 第18回放送より。
  14. ^ 第23回放送より。
  15. ^ 三谷幸喜の言葉 〜『鎌倉殿の13人』の作り方〜(2022年12月17日、NHK総合)より。
  16. ^ 史実には残っていない「のえ」の名は、伊賀の方の「伊賀」から連想した伊賀越えの「ごえ」の部分から三谷がとったという[注釈 15]
  17. ^ 初のモデルとなった泰時の正室・矢部禅尼は、史実では建暦2年(1212年)以前に泰時と離別したと考えられているが、本作中では承久3年(1221年)に起こった承久の乱の後も離別していない。このような史実の変更のついて制作統括の清水拓哉は、「例年の大河より登場人物を減らしていて、分かりやすく仕上げた。(中略)役割を誰かにまとめたりして整理した。」と述べている[* 62]
  18. ^ 第1回放送。3人目の妻を迎える北条時政の報告に対し、北条義時が「鶴義母上(つる ははうえ)が亡くなられてまだ間もない…」と返している。
  19. ^ オリジナルキャラクターである「善児」の名は、梶原善がキャスティングされるようにと願いを込めて三谷が名付けたという[* 68]
  20. ^ 三谷幸喜の言葉 〜『鎌倉殿の13人』の作り方〜(2022年12月17日、NHK総合)より。
  21. ^ オリジナルキャラクターである「トウ」の名は、山本千尋からイメージした豆板醤の「とう」から付けられたという[注釈 20]
  22. ^ 山本千尋によると、三谷幸喜からは当初「(トウは)死にます」と伝えられていたが、中盤でこのような結末に変更された[5]
  23. ^ 第23話の一部のシーンでのみ、体調不良で撮影を欠席した大泉に代わって義時役の小栗旬が代役を務めている[* 69]
  24. ^ 第7回放送。初登場時の紹介より。
  25. ^ 史実には残っていない「実衣」の名は、斜に構える皮肉屋なキャラクターから「ムーミン」シリーズに登場するミイの名から三谷がとったという[* 74]
  26. ^ 第19回放送。ナレーションより。
  27. ^ 平賀氏は甲斐源氏武田氏と同じ源義光を祖にもつ一族で、朝雅は義光の曾孫にあたる。
  28. ^ a b 第22回放送。曽我十郎・五郎の台詞より。
  29. ^ a b 二役。
  30. ^ 第42話「夢のゆくえ」にて、三善康信から「まだお若いではないか」と言われたのち、「若く見えるが…、実は、あなた(三善康信)とそう変わらない」と返答している。
  31. ^ 第12回放送。初登場時の紹介より。
  32. ^ 第35回放送。三善康信の台詞より。
  33. ^ a b c 第12回放送。初登場時の紹介より。
  34. ^ 松平は1979年放送の大河ドラマ『草燃える』において、本作の主人公である北条義時役を演じた[23]。また、1992年放送のTBS大型時代劇スペシャル平清盛』(TBS)では本作と同役で主演を務めている[23][* 93]
  35. ^ 第10回放送。平清盛から藤原秀衡宛の手紙より。
  36. ^ 第10回放送。劇中の台詞より。
  37. ^ 第10回放送。平清盛から藤原秀衡宛の手紙の宛名より。
  38. ^ 西田は1972年放送の大河ドラマ『新・平家物語』において、本作の主人公である北条義時役を演じている[27]
  39. ^ 第44回放送。運慶の台詞より。
  40. ^ 秀義の孫には佐々木善住という医師がいたとされるが[* 104][30]、『日本医譜』では佐々木善住は秀義11世孫の室町時代の人物とされており、配役上は明言されていない。
  41. ^ 第48回放送。泰時の台詞より。
  42. ^ 第39回放送。クレジットは「語り」のままである。
  43. ^ 第39回放送の冒頭、大倉御所にて義時とすれ違う侍女として登場し、視聴者に語り掛ける演出となった。
  44. ^ 第18回の紀行は、「いよいよ壇ノ浦へ!『鎌倉殿の13人』紀行(18)」として放送された。
  45. ^ 最終回の紀行は、「『鎌倉殿の13人』紀行 最終回特別編」として放送された。
  46. ^ 裏番組の2022 FIFAワールドカップ日本対コスタリカ戦テレビ朝日)が世帯視聴率42.9%をマークした[* 111]
  47. ^ 前日安倍晋三銃撃事件に伴う特設ニュースに伴う休止。
  48. ^ 大河ドラマのギャラクシー賞月間賞は「いだてん~東京オリムピック噺~」以来3年ぶり
  49. ^ グランプリは映画「とんび」と岡山県
  50. ^ 大河ドラマで同賞の受賞は初[* 130]
  51. ^ 出席したのは、小栗、相島、浅野、新垣、生田、大泉、柿澤、梶原、菊地、きづき、草笛、栗原、小池、坂口、佐藤浩市、佐藤B作、菅田、瀬戸、中川、新納、西本、野添、福地、堀田、堀内、南、宮澤エマ、山本耕史、山本千尋の29名と作曲家のエバン・コール。また、西田からはメッセージが寄せられた。

出典

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書籍

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ウェブサイト

[編集]
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  157. ^ センバツ「鎌倉殿の13人」メインテーマ 甲子園初演奏!地元・静岡の日大三島ブラバン - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年1月15日閲覧。
  158. ^ 【甲子園】大阪桐蔭吹奏楽部の“神応援”が攻撃後押し 「鎌倉殿」楽曲披露→海老根優大が同点弾 - 高校野球夏の甲子園 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年1月15日閲覧。
  159. ^ NHK横浜 [@nhk_yokohama] (2022年4月6日). "連続テレビ小説 #ちむどんどん 放送開始". X(旧Twitter)より2023年1月16日閲覧
  160. ^ 大泉洋 頼朝行列の沿道熱狂に感無量「小栗旬に見せてあげたいなあと」 三嶋大祭りで頼朝役再び - スポニチ Sponichi Annex 芸能”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年3月20日閲覧。
  161. ^ 「鎌倉殿」義仲役・青木崇高さん、「地元」上田に登場…木村昴さんらと武者行列に参加”. 読売新聞オンライン (2022年10月26日). 2023年3月20日閲覧。
  162. ^ 神奈川県. “大河ドラマ「鎌倉殿の13人」グランドフィナーレを開催します!”. 神奈川県. 2023年1月11日閲覧。
  163. ^ 『鎌倉殿の13人』グランドフィナーレ [サテライト会場観覧募集のお知らせ - NHK]”. NHKドラマ. 2023年1月11日閲覧。

参考文献

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  • 『鎌倉殿の13人 前編』NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉、2021年12月25日。ISBN 978-4-14-923389-5 
  • 『鎌倉殿の13人 後編』NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉、2022年5月27日。ISBN 978-4-14-923390-1 
  • 『鎌倉殿の13人 完結編』NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉、2022年10月7日。ISBN 978-4-14-923391-8 
  • 『NHK2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」THE BOOK』94号、東京ニュース通信社、2021年12月25日。ISBN 978-4-86701-350-2 

外部リンク

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NHK総合 大河ドラマ
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鎌倉殿の13人