コンテンツにスキップ

田久保英夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
田久保 英夫
(たくぼ ひでお)
誕生 本名も同じ
1928年1月25日
日本の旗 日本東京府東京市浅草区浅草田中町
(現・東京都台東区日本堤
死没 (2001-04-14) 2001年4月14日(73歳没)
日本の旗 日本・東京都渋谷区代々木八幡
職業 著作家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 慶應義塾大学文学部
活動期間 1951年 - 2001年
ジャンル 小説
主題 心理小説
文学活動 三田文学同人メンバー
代表作 『深い河』(1969年)
『髪の環』(1976年)
『触媒』(1978年)
『海図』(1985年)
『木霊集』(1997年)
主な受賞歴 第46回芥川龍之介賞(1969年)
毎日出版文化賞(1976年)
芸術選奨文部大臣賞(1979年)
川端康成文学賞(1985年)
読売文学賞(1986年)
野間文芸賞(1997年)
デビュー作 『緑の年』(1959年)
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

田久保 英夫(たくぼ ひでお、1928年1月25日 - 2001年4月14日)は、東京府東京市浅草区(現在の東京都台東区)出身の小説家慶應義塾大学仏文科卒。精緻な文体で男女間の心理の陰翳を描き、短篇の名手として知られた。

来歴・人物

[編集]
田久保とともに『三田文学』を刊行した山川方夫

東京府東京市浅草区浅草田中町(現在の東京都台東区日本堤)生れ。父は小峰秀次郎、母は田久保ハル。下町の料亭で育つ。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。山川方夫らと第三次『三田文学』を刊行した。1954年、戯曲「金婚式」を同誌に発表。以後「三田文学」編集及び執筆に携わる。1959年、『緑の年』を『新潮』に発表し文壇デビューするが、幼少時の体験を描いた『解禁』(1961年)で第46回芥川賞候補となり、注目される。その後、第47回(『睡蓮』にて)、第48回(『奢りの春』にて)と候補になるが、『深い河』で芥川賞を受賞したのは1969年(第61回)、41歳の時だった。

1985年から2000年まで、芥川賞選考委員。短編の名手と言われた。

2001年4月14日、食道癌による動脈破裂のため、東京都渋谷区代々木八幡の病院で死去。戒名は華文院釈世英で、遺骨は東京都立八柱霊園に埋葬された[1]

受賞歴

[編集]

著書

[編集]

長編

[編集]

短編集・作品選集

[編集]
  • 『解禁』新潮社 1963
    • 収録作品:解禁 / 埠頭 / 緑の年
  • 『遠く熱い時間』文藝春秋 1969 「奢りの春」集英社文庫 
    • 収録作品:遠く熱い時間 / 睡蓮 / 奢りの春
  • 『深い河』新潮社 1969
    • 収録作品:深い河 / 遠い夏から / 水いらず / 樹蔭
  • 『水中花』新潮社 1970 のち集英社文庫 
    • 収録作品:水中花 / 犬の関係 / 冬の陰画 / 蝕の光景
  • 『虹時計』講談社 1972
    • 収録作品:虹時計 / 静かな樹木 / 樹下再訪
  • 『薔薇の眠り』中央公論社 1972 のち文庫 
    • 収録作品:薔薇の眠り / 光る朝 / 悪い掌 / 不在の時 / 指の世界
  • 『新鋭作家叢書 田久保英夫集』河出書房新社 1972
    • 収録作品:解禁 / 奢りの春 / 深い河 / 遠い夏から / 茜の空 / 不可視なるものへの試み
  • 『髪の環』講談社、1976 のち文庫 
    • 収録作品:髪の環 / 月かげ / 蜜の味 / 夢の谷 / 河明り / 朝の通り / 夏野 / 羽搏き / 雫
  • 『女人祭』講談社 1979 - 連作短編集
    • 収録作品:果実 / 星屑 / 海馬 / 猫目 / 幻燈 / 剥製 / 櫻雨 / 風琴
  • 『蕾をめぐる七つの短篇』講談社 1983
    • 収録作品:蕾 / 分身たち / 衣裳 / 春昼 / 木婚式 / 絃楽 / 百日紅
  • 『海図』講談社 1985 のち文芸文庫 - 連作短編集
    • 収録作品:海図 / 風の木 / 野生 / 凪 / 夕の諧調 / 草の路 / 水宴
  • 『辻火』講談社 1986 のち文芸文庫 
    • 収録作品:辻火 / 菖蒲 / 桧垣 / 浮標
  • 『青を風に晒して』新潮社 1987
    • 収録作品:青い朝 / 黒い春 / 紅の砂 / 緑の雫
  • 『氷夢』講談社 1989 - 連作短編集
    • 収録作品:氷夢 / 双鏡 / 風祭 / 海溟 / 沃野 / 茜草 / 濤声
  • 『夢ごころ 現代能楽抄』新潮社 1991
    • 収録作品:高砂 / 斑女 / 紅葉狩 / 石橋 / 井筒 / 求塚 / 二人静 / 綾鼓 / 野宮
  • 『木霊集』新潮社 1997
    • 収録作品:レイシーの実 / 胡桃割り / 白光の森 / 静か石 / 天の帆船 / 草上宴 / 木霊
  • 『生魄』文藝春秋 2001
    • 収録作品:菌糸 / 瑞月 / 行方 / 白蝋 / 生魄
  • 『深い河・辻火』講談社文芸文庫 2014
    • 収録作品:深い河 / 髪の環 / 蕾 / 氷夢 / 辻火 / レイシーの実 / 生魄

随筆

[編集]

共著

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 大塚英良『文学者掃苔録図書館』(原書房、2015年)133頁

参考

[編集]


関連項目

[編集]