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樊阿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

樊 阿(はん あ、拼音: Fán Ā、生没年未詳)は、中国後漢末期から三国時代にかけての医師。字は未詳。徐州彭城国の人。

略歴

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華佗の弟子の1人。鍼術に長けていた。当時の医師は皆、背中や胸腔に鍼をむやみに刺してはいけないとしていたが、樊阿が背中と巨闕(みぞおちの部分)に鍼を刺すと病が癒えた。また、体に良い効果を持つ食物について尋ねられた華佗は、樊阿に漆葉青黏散という薬を授けた。漆葉の粉末1升に、青黏[注釈 1]の粉末14両の割合で調合し、長期間服用すると、三蟲(様々な寄生虫)を駆除でき、五臓によく、体は身軽になり、白髪にもならないという。樊阿は言われたとおり服用し、100歳過ぎまで長生きした[4]

青黏は本来、ある者が山に迷い込んだ際に仙人が服用するのを見て、華佗に伝えたのがはじまりだったという。樊阿は華佗から青黏についてよく話を聞いていたが、周囲にはそのことを秘密にしていた。しかし、樊阿が極めて健康なのを怪しんだ近くの人に詰問された時、泥酔していたためうっかり口を滑らせてしまった。そして他の人間も服用したところ、皆に効果があった[5]

脚注

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注釈

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  1. ^ 代の陳藏器中国語版『本草拾遺』は、萎蕤(いずい)の別名とする[1]蘇頌『本草図経』は、黄精(ナルコユリの根)のことではないかと記しつつも、逸話の信憑性そのものを疑っている[2]李時珍本草綱目』は、真偽には触れず、同じものを指すのではないかとする[3]

出典

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  1. ^ ウィキソース出典  (中国語) 『本草綱目』巻12上, ウィキソースより閲覧, "《陳藏器本草》言青粘是葳蕤,見葳蕤發明下。又黃精、鉤吻之說,陶弘景、雷 、韓保升皆言二物相似。蘇恭、陳藏器皆言不相似。蘇頌復設兩可之辭。" 
  2. ^ ウィキソース出典  (中国語) 『本草図経』巻4, ウィキソースより閲覧, "又云葳蕤一名地節,極似偏精,疑即青粘。華佗所服漆葉青粘散是此也。然世無復能辨者,非敢以為信然耳。" 
  3. ^ ウィキソース出典  (中国語) 『本草綱目』巻12上, ウィキソースより閲覧, "今考黃精、葳蕤性味功用大抵相近,而葳蕤之功更勝。故青粘,一名黃芝,與黃精同名;一名地節,與葳蕤同名,則二物雖通用亦可。" 
  4. ^ 『三国志』巻29華佗伝
  5. ^ 『三国志』巻29華佗伝注引『華佗別伝』

参考文献

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