出場して分かった英語ピッチで「勝つ」方法

8/30 seedstars, 9/17 startup sauna, 10/5 SF Japan Nightと3つの英語ピッチバトルに立て続けに参加した。

3つ目のSF Japan Nightでは書類選考を通った15チームの中で2位に入ることができた。これまで個人で参加したハッカソンなどでは賞をもらうことはあっても会社のビジネスとして賞をもらったことは

この3連戦を振り返っていきたい。

英語ピッチ3連戦

seedstars

http://www.seedstarsworld.com/portfolio/tokyo/

初の英語ピッチということもあり、事前に発表イメージが固まっていなかった。他の参加者を見るとほとんどがネイティブ。客観的に見て、英語の下手さは1,2を争うレベルだった。
なので、なんとなく場の雰囲気を確かめたあとは他のチームの発表は聞かずに自分の発表イメージを固めていった。真っ白になった場合のためにカンペも用意した。

この時の発表は6分で質疑応答も6分。

事前に発表資料に以下を含むようにと指定があった。
1. Title, 2. Problem, 3. Solution, 4. Business model, 5. Underlying magic, 6. Marketing & sales, 7. Competition, 8. Management team, 9. Financials & key metrics, 10. Current status, Accomplishments, Roadmap


資料を全くこの通りにはしなかったが、発表時間がそこそこながいので、全ての項目には触れ、FourBeatのコンセプトや強みなどひと通りの説明は出来たと思う。

終了後にジャッジと会話した印象だと、ハードウェアの販売でスケール出来るかわからないというところが課題、という評価のようだった。


参加13チーム
locarise, eigooo, infogra.me, ShareWis, ampLynx, goopa, schooldio, gamba, my star japan, pigmal, origami, brand pit, merrybiz

startup sauna

http://tokyo.startupsauna.com/
フィンランドのインキュベータStartup Saunaが東京予選を開催、優勝チームのBrand Pitはヘルシンキ本選へ - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

実はこれは開催の1週間前になって存在を知った。急な日程だったけれどseedstarsでちょうど資料も作ったし、Japan Nightも決まってたのでちょうど良かったな、と思って申し込みをした。

発表は3分。これはかなり前回を端折った内容になった。

質疑応答の際にオーディエンスから「これはゲームコントローラですか?」という質問が出たので「ゲームコントローラとしても使えるし、他の使い方も出来ます」というふうに答えたのだが、よく理解出来なかったようだ。

FourBeatのようなプラットフォーム製品は短いプレゼンだとそこが伝わらない。

勝利チーム発表の際の総評においては、参加チームの評価については特に触れていなかったので実際にどういう評価だったのかわわからない。発表したスタートアップは31チームから選考されたらしいのだが、「ここスタートアップ?」というような企業が含まれていたりと、ちょっと意図のわからない大会であった。

今回も英語力に関しては下から1,2を争うレベルだったw

参加10チーム
Terra Moters, Locarise, Brand pit, Suvaco, Netled, pigmal, Mystar Japan, Conyac, Lang8, Capy

SF Japan Night

http://blog.btrax.com/jp/2013/08/07/6th_japan_night/
「SF Japan Night」決勝進出6社が決定--ハードウェアスタートアップも世界に - CNET Japan

事前からここはそこそこの自身があった。まず英語ピッチ中2週での3回めだったので発表に慣れてきていたといことと、もう一つ、発表の制限がFourBeat向きだったからだ。

事前に案内のあった発表の制限とは、プレゼン資料は表紙を入れて3枚限定でデモを中心にというものだ。前2回のようなピッチ大会の場合、まだアイディア段階で実装ができていないものでも、実装できているものでも同じような基準で評価されてしまうが、デモとなれば動くものがなければ見せようがない。

書画カメラも用意されていたので、実物を使ったデモを見せてどういうものか理解させ、その後に実際に楽しんでいる人の動画を見せることで、だいぶ説得力も出ただろう。

結果は2位。

参加15チーム
Brand Pit, SCOPPY, Locarise, Maka Make, moff, FourBeat, CREATIVE SURVEY, Fukushima Whell, Quchy, UP-Health, 「ぼく、スマホ」, CODEPREP, Learn Japanese Online, RING, Origoh

ふりかえり

今回の3連戦を終え、英語ピッチ大会に出る上で心がけておくべき点がわかったので以下にあげておく。

英語コンプレックスを乗り越える

なにはともあれ。

今回の3連戦のうち、UP-Health (My Star Japan)、Brand Pit、Locarise、ウチと4チームが毎回一緒で、また会いましたねー、という感じだった。それだけ業界が狭い。国内のスタートアップは今はそこそこ増えてきてはいるのだが、英語フィルターをかけるとガクッと減る。その分選考の競争率は低い。

アメリカ人は英語がうまい。そしてプレゼンもうまい。いや、実際何人なのかは知らないのだけれど、本当に発表の上手い人というのは確かにいる。発表の上手さは大きな評価要素だけれど、英語がダメなら資料をわかりやすくするとかプロダクトをじっくり見せるとか、別のところを強化すればいい。発表の評価は英語の上手さではなく伝わったか伝わらないかで決まる。

また、発表の上手さと内容の良さは必ずしも一致しない。流暢に発表をしていても、実際にはビジネスモデルが描けてなかったり、プロダクトがなくて実現の信憑性もなかったり。英語の発表がどんなに上手でも、中身の無いサービスでは勝てない。

逆に言えば、良いサービスがあれば英語がダメでも勝負出来るということだ。

プレゼンは練習で乗りきれる

実際に英語で発表するのってどうなのかというと、まず、発表に関しては英語力がさほどなくても練習さえすれば問題はない。練習は、当たり前だけど声に出して発表時間を測って練習する。辞書使って単語を調べてもいいけどそれをしっかり発音できるか確認すること。難しい発音の言葉は使わずに別の簡単な言葉で置き換える。

万が一に備えてカンペも用意しておこう。困ったときに開いて読めるように、紙に印刷しておく。こういう準備が心の余裕を生む。

一方Q&Aはそう簡単ではない。だいたいの場合はジャッジも英語レベルを察してわかりやすい質問をしてくれるものだが、それを聞き取った上で答えなければいけない。今回の3連戦は日本でやっているためか、全体的に質問が少なかったけれど、サンフランシスコで見たピッチではもっと速いテンポで質問が出ていた。

通常の会話が出来ないようなレベルであれば諦めて通訳を入れたほうがいいかもしれない。

ルールが違うということを知る

3連戦で一緒だった前述の4チームのうち、seedstarsではTop 3が発表されLocariseが優勝、startup sauna ではBrand Pitが優勝、Japan NightではTop 6のうちウチが2位という結果だった。ところが、Locariseが優勝したSeedstarsではウチもBrand PitもTop3に入っていなかったし、ウチが2位になったJapan NightにおいてはLocariseもBrand Pitも6位にすら入っていない。

評価がバラバラなのだ。

これがルールの決まったスポーツならば、同じルールで同じメンバーが戦えば結果はだいたい予想がつくのだが、スタートアップバトルの場合は数人のジャッジが判断することが多いので、評価の基準はバラバラ。今日はサッカー、明日は野球、というぐらいにルールが違う。

事前情報でスポンサーやジャッジを見ればある程度はわかるのだが、最初はやはり場数を踏むということのほうが優先だろう。ジャッジ一人の判断で結果が全く変わってくるので良くても悪くても、「あー、ああいう系のジャッジはそういう評価をするのか」くらいに思っておくのがいいだろう。


最後にJapan Nightでの私の発表動画リンクを張っておく(6分過ぎくらいから)。けっして完璧な英語ではないのがわかるだろう。

http://www.youtube.com/watch?v=NqCD0Ep9ET8

これくらいなら自分も、と思ったらぜひ挑戦してみよう!