未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

研究者の卵としての2018年ふりかえり

2018年は還暦の年だ。 9月に満60歳になり定年退職をした。(9月末で60歳定年退職しました - 未来のいつか/hyoshiokの日記) 人生の節目である。そして、それを機に9月末より東京大学大学院情報理工学研究科博士課程に入学し現役の大学生である。 仕事はすっ…

まとめ、濫読日記風 2018、その63

2018年も濫読した。年初には50冊くらい紹介できればいいかなと思っていたのだが、10月末の段階で濫読日記風はその15までしか行ってなかった。(ゲーデル、エッシャー、バッハを除けば60冊紹介したことになる。)濫読そのものは続いていたので、はてな日記に…

マイクロソフト 再始動する最強企業、上阪徹著、読了、濫読日記風 2018、その62

マイクロソフト 再始動する最強企業を読んだ。GAFA(Google/Amazon/Facebook/Apple)という言葉がある。初の1兆ドル企業となるのはどの会社か。この四騎士に続く企業は何か?中国系企業か?それとも新興のネット企業か?マイクロソフトはその候補の一つである…

蘭学事始 (岩波文庫)、杉田玄白著、読了、濫読日記風 2018、その61

蘭学事始 (岩波文庫 青 20-1)を読んだ。なんで「蘭学事始」を読もうと思ったのだろうか。*1玄白がこの回想録を書いたのは、83歳のときだそうだ。(4ページ)「蘭学事始」が野上豊一郎の校注で岩波文庫に加えられたのは昭和5年(1930年)7月で、その後緒方富…

不安な個人、立ちすくむ国家、経産省若手プロジェクト著、読了、濫読日記風 2018、その60

FEDという主に経済書・ビジネス書を中心に取り上げている読書会の課題図書なっていたので不安な個人、立ちすくむ国家を読んだ。読書会にも参加した。本書の元になっているものは経済産業省の若手官僚がまとめたレポートで2017年に発表されるやネットでは話題…

遅刻してくれて、ありがとう(上、下) 常識が通じない時代の生き方、トーマス・フリードマン著、伏見威蕃訳、読了、濫読日記風 2018、その59

遅刻してくれて、ありがとう(上) 常識が通じない時代の生き方、遅刻してくれて、ありがとう(下) 常識が通じない時代の生き方を読んだ。タイトルがいい。「遅刻してくれてありがとう」著者はフラット化する世界 [増補改訂版] (上)、フラット化する世界 [増補…

RISC-V原典 オープンアーキテクチャのススメ、デイビッド・パターソン&アンドリュー・ウォーターマン著、成田光彰訳、読了、濫読日記風 2018、その58

RISC-V原典 オープンアーキテクチャのススメを読んだ。RISC-Vは全くもって門外漢なのだが、本書はとても読みやすかった。久しぶりに未知のアーキテクチャーの参考書を読んだ。著者らによるRISC-Vの入門書は以下になる。「Computer Organization and Design R…

オン・ザ・ロード (河出文庫)、ジャック・ケルアック著、青山南訳、読了、濫読日記風 2018、その57

オン・ザ・ロード (河出文庫)を読んだ。アメリカのロードムービーだ。主人公は、酒を飲んで、セックスをして、旅をする。時代は第二次世界大戦後。本書を読んで米国を車で横断したいと思った。東海岸から西海岸まで行って、またぐるっと東海岸に戻ってくる。…

天才 (幻冬舎文庫)、石原慎太郎著、読了、濫読日記風 2018、その56

天才 (幻冬舎文庫)を読んだ。若い人は田中角栄も政治家としての石原慎太郎も知らないことだろう。田中角栄の金権政治を真正面から批判したのが石原慎太郎だと言ってもピンとこないに違いない。ましてや芥川賞作家だ。その石原慎太郎が宿敵田中角栄を一人称で…

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)、平田オリザ著、読了、濫読日記風 2018、その55

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)を読んだ。実は随分前に平田オリザさんの講演を聞く機会があって、その時に本書を読んでいた。*1本書は「コミュニケーション能力とは何か」とサブタイトルにあるように、コミュニケ…

歴史の進歩とはなにか (岩波新書 青版 800)、市井三郎著、読了、濫読日記風 2018、その54

歴史の進歩とはなにか (岩波新書 青版 800)を読んだ。歴史とは何か (岩波新書)、E.H.カー著、清水幾太郎訳、読了、濫読日記風 2018、その52 - 未来のいつか/hyoshiokの日記で「歴史とは何か (岩波新書)」を読んだのだけど、歴史観の名著の一つが本書だ。「歴…

情報の文明学 (中公文庫)、梅棹忠夫著、読了、濫読日記風 2018、その53

知的生産の技術 (岩波新書)を読んだところ、知人に「情報の文明学 (中公文庫)」をお勧めされて読んだ。*1一つの本を読むと、そこから本の輪が広がる。いい感じだ。「情報の文明学」は梅棹の論文・エッセイ集になっている。その中の一つ1963年頃に書かれた「…

歴史とは何か (岩波新書)、E.H.カー著、清水幾太郎訳、読了、濫読日記風 2018、その52

歴史とは何か (岩波新書)を読んだ。岩波書店の「図書」の臨時増刊で「はじめての新書」という岩波新書創刊80年記念号の中に本書を見つけた。多くの人が推薦している。この「はじめての新書」は積読製造器だ。というか岩波新書は読みたい本の宝庫だ。なんでこ…

ソロー『森の生活』を漫画で読む、ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(原作)、ジョン・ポーセリノ(編・絵)、金原瑞人訳、読了、濫読日記風 2018、その51

ソロー『森の生活』を漫画で読むを読んだ。ソローの「森の生活」が長いこと積読になっていて、本屋で本書を見つけて即購入。漫画で読む系の本は小難しい古典をお気楽に読むというコンセプトで受けている。ソローの作品は上下二巻なのでそこそこ分量がある。…

大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)、レイモンド・チャンドラー、村上春樹訳、読了、濫読日記風 2018、その50

読書会の課題図書として大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)を読んだ。レイモンド・チャンドラーの作品も村上春樹訳というのも初めてだった。やれやれ。読書会で他の人の感想をきくのは自分の小説の読み方というのを再確認するのに役立つ。小説は楽しみの…

たそがれ清兵衛 (新潮文庫)、藤沢周平著、読了、濫読日記風 2018、その49

読書会の課題図書として「たそがれ清兵衛 (新潮文庫)」を読んだ。宮沢りえ主演で映画化もされているがそちらは未見である。藤沢周平の歴史小説は初めて読んだ。本書は下級武士の生活を軸に描く短編集である。うらぶれた暮らしをするが実は剣の達人という設定…

複業の教科書、西村創一朗著、読了、濫読日記風 2018、その48

複業の教科書を読んだ。会社員として一つの組織に属し働くということは、フリーランスとして自分で商売をしたり農業・漁業を営むのと違う。昨今の働き方改革とか人生100年時代という文脈で語られることの多くは会社員としての働き方をどう変えるかということ…

古都 (新潮文庫)、川端康成著、読了、濫読日記風 2018、その47

古都 (新潮文庫)を読んだ。「もみじの古木の幹に、すみれの花がひらいたのを、千重子は見つけた」千重子は捨子であったが京の商家の一人娘として美しく成長した。自分に瓜二つの村娘と出会うことによって物語は動き始める。古都の面影、季節を淡々と織り込む…

コンヴィヴィアリティのための道具 (ちくま学芸文庫)、イヴァン・イリイチ著、Ivan Illich(原著)、渡辺京二&渡辺梨佐訳、読了、濫読日記風 2018、その46

コンヴィヴィアリティのための道具 (ちくま学芸文庫)を読んだ。知人から読書会のお誘いを受けて読み始めたのだが、非常に面白かった。イリイチ(1926 - 2002)はウィーン生まれの思想家、学校・病院制度に代表される産業社会への批判で知られる。教育、医療…

離脱・発言・忠誠―企業・組織・国家における衰退への反応、アルバート・O・ハーシュマン著、読了、濫読日記風 2018、その45

離脱・発言・忠誠―企業・組織・国家における衰退への反応 (MINERVA人文・社会科学叢書)を読んだ。創造的論文の書き方、伊丹敬之著、読了、濫読日記風 2018、その44 - 未来のいつか/hyoshiokの日記 で読んだ「創造的論文の書き方」でハーシュマンを紹介してい…

創造的論文の書き方、伊丹敬之著、読了、濫読日記風 2018、その44

創造的論文の書き方を読んだこの日記で何度も触れているように論文の書き方については「理科系の作文技術 (中公新書 (624))」がバイブルだと思っている。細かいテクニックについては類書を参照するとしても基本は「理科系の作文技術」だ。*1 *2知人のタイム…

マタギ(ヤマケイ文庫)、矢口高雄著、読了、濫読日記風 2018、その43

マタギ 矢口高雄 (ヤマケイ文庫)を読んだ。東北の行き当たりばったりの旅に持っていった。マタギ(狩人)の仕事を紹介している。分厚いがマンガなので読みやすい。 濫読日記風 2018 誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)、…

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)、スティーヴン・ウィット著、関美和訳、読了、濫読日記風 2018、その42

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)を読んだ。これはすごい本だ。mp3を開発した男(国際標準化で大手企業と渡り合った)、田舎の工場で発売前のCDを盗んでいた労働者、業界を牛耳る大手レコード会社のCEOなどが登場する。…

社会的共通資本 (岩波新書)、宇沢弘文著、読了、濫読日記風 2018、その41

社会的共通資本 (岩波新書)を読んだ。社会的共通資本とは何かについて門外漢にもわかりやすく説明している。自分は社会的共通資本というものをよく理解していなかったので本書によって学んだ。 社会的共通資本は、一つの国ないし特定の地域に住むすべての人…

のうだま1 やる気の秘密 (幻冬舎文庫)、上大岡トメ&池谷裕二著、読了、濫読日記風 2018、その40

のうだま1 やる気の秘密 (幻冬舎文庫)を読んだ。図書館本。脳の仕組みからやる気について分析している。脳は飽きっぽいらしい。三日坊主はしょうがない。やる気が出たからこぶしを上げるのではなく、こぶしをあげたからなんだかやる気が出る(34ページ)。…

まんがでわかる 理科系の作文技術 (単行本)、久間月慧太郎(イラスト)、木下是雄(原作)、読了、濫読日記風 2018、その39

まんがでわかる 理科系の作文技術 (単行本)を読んだ。「理科系の作文技術 (中公新書 (624))」は自分にとって人生を変えた一冊だ。まあ、そのエッセンスをまんがという形式で薄めた本だとタカをくくって読んだが、意外(ごめんなさい)にも大変面白かった。ち…

琥珀の夢 小説 鳥井信治郎、伊集院静著、読了、濫読日記風 2018、その38

琥珀の夢 小説 鳥井信治郎 上下巻を読んだ。鳥井信治郎(寿屋洋酒店、後のサントリー)創業者の伝記。上巻は、丁稚奉公から豪華客船で神戸から小樽に行って戻ってくるところまで。序章で、丁稚時代の松下幸之助が鳥井信治郎に出会うエピソードがある。明治に…

幽霊たち(新潮文庫)、ポール・オースター著、柴田元幸訳、読了、濫読日記風 2018、その37

幽霊たち (新潮文庫)を読んだ。ポール・オースター、柴田元幸訳。ブルーはホワイトから、ブラックという名の男の見張りを必要がなくなるまでつづけてくれという依頼を受ける。週に一回の報告書をホワイトに提出すると、小切手が送られてくる。ホワイトはブル…

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)、マーク・トウェイン著、柴田元幸訳、読了、濫読日記風 2018、その36

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)を読んだ。ハックルベリー・フィンの冒けん、マーク・トウェイン著、柴田元幸訳、読了、濫読日記風 2018、その11 - 未来のいつか/hyoshiokの日記で書いた通り、先に柴田訳の「ハックルベリー・フィンの冒けん」を読んでいた…

物語論 (講談社現代新書)、木村俊介著、読了、濫読日記風 2018、その35

物語論 (講談社現代新書)を読んだ。自分の中で「積読製造器」というジャンルの本がある。書評系の書籍などはまさにそれだ。紹介されている本が読みたくなってどんどん積読が増えていく。恐ろしいジャンルの本である。本書は作家が自身の作品の創作について語…