アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

月末企画❗️今月のイチ押しリターンズ❗️(2018年12月版)燃ゆる赤

(2018年12月5日アルツハイマー型認知症の診断から約11年10ヶ月)

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*ついに大晦日

今年も今日でおしまいです。

どうぞ皆様、良いお年をお迎えくださいませ。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(๑˃̵ᴗ˂̵)/

私の腰痛の件で、暖かいお言葉を下さりありがとうございます。

少しずつ回復しているようです。

まだ痛みますが軽くなってきました。m(_ _)m

 

*「今月のイチ押し❗️リターンズ❗️」とは

昨年の1月におママが特別養護老人ホームに入所したので、もう、新しい貼り絵作品は出来ません。(面会時にシール遊びはしますが…)

一昨年まで、「月末企画❗️今月のイチ押し❗️」は当ブログの月末恒例行事でした。

オネコと私は「イチ押しミーティング」をして、特に印象に残る作品を選んできました。

それはすぐに意見が一致することもありましたが、紛糾する(大袈裟です)こともしばしば…。

しかし、それも出来なくなりました。寂しいものです。

「今月のイチ押し」は今見ても素敵な作品が多いです。当時を思い出して、今、感じることもあります。

そこで考えたのが「リターンズ❗️」。

6年間72枚の中から、私が特に好きな作品を再びご紹介する企画です。

(↓)先月の「イチ押しリターンズ❗️」

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*燃ゆる赤

2018年12月5日の作品です。

私が実家にいない時におママは一人で取り組みました。そのため、途中作業写真などは一切なく、ちょっと残念でした。

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この斬新で赤が美しい作品を初めて見た時、私は絶句しました。

赤以外の小さなピースが良い仕事をしていると思います。

それは緊張感とリズム。

今見返しても、おママさん、私は脱帽です。
当時のブログでその衝撃を私はこのように表現していました。

私は一瞬、言葉を失ったのです。

 (この赤はなに?)

輝くような鮮やかな赤。太陽が燃えているのか…⁉️

おママの作業机の周辺を見たら、すぐに材料が判明しました。

トマトの赤だったのです。

(↓)裏面です。

今年の年末年始も私は実家へ泊まりがけがあります。

腰も痛いけど、この赤い色を見ていたら、元気が湧きそうです。

無性にトマトジュースが飲みたい。トマトが食べたい❗️

インフルエンザも流行っております。

年末年始はお忙しいでしょう。

どうぞ、皆様、この燃えるような赤から、

少しでも元気をチャージして頂けたら嬉しいです。

ではでは❗️(๑˃̵ᴗ˂̵)v

 

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

 

2024年の総括

(2011年7月ごろ アルツハイマー型認知症の診断から約4年5ヶ月)

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*とんだ年末

今年も残り数日となりました。今回は今年の総括をしてみたいと思います。

しかし、その前にちょっとしたアクシデントがあったのです。

12月26日の夜遅く、私は自宅で高い所の物を取ろうとダイニングテーブルの椅子(木製、合皮張り)の椅子の上に乗ろうとしました。いえ、実際には分厚い靴下を履いた足で、椅子の上に立ち上がりました。その刹那、バランスを崩し分厚い靴下はツルンと合皮の上を滑り、私の身体は宙を飛んで腰からフローリングに落下しました。着地したのはお尻の一番肉のついた部分でしたが、かなりの衝撃と痛みが下半身から背中まで走りました。頭から落ちなくて良かったです。しかし1時間近く倒れたまま痛みで動くこともできませんでした。

「救急車呼ぶか?」

「いや、あまり乗りたくない。」

「そんなことを言ってもこのまま動けないようなら…呼ぶか?」

ダンナと二人で問答を繰り返していましたが、少しずつ動けるようになりました。痛いながらも、物に捉まりながら立って歩けるようになってきたので、救急車は呼びませんでした。

12月28日現在はかろうじて電車と徒歩で実家へ移動出来ましたが、痛みはお尻から背中にかけて残っております。年末は以前処方されて残っていたロキソニンテープを貼りながら様子をみて、痛みが残っているようなら年明けに医者に行こうと思います。

全く以って、とんだ年末です。(°_°)

*2024年のおママ

昨年の初めに特別養護老人ホームに入所したおママは、昨年は徘徊や癇癪を起こすこともあったようですが、今年は声を荒げることもなく常にニコニコしていたようです。職員さんからは「本当に穏やかで優しくて、フキ子さんは可愛らしいです」といわれました。

つまり、それは認知症の症状が昨年より進んで,あまり外界からの刺激を感じなくなっている証拠でもあります。

7月の面会までは一緒にシール貼りの遊びをしましたが、緑内障による視野狭窄は進行中で、おママの視野に指先につけたシールすら入らない時もあり、これもやめました。

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その後,8月からは昔おママが好んだ絵本を持っていくようにしました。文字は読めませんが、おママはページをめくりながら嬉しそうに絵を眺めていました。

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11月の面会の時に「傾眠傾向が強くなった」との事で、食事も自分では食べられなくなってきたという話に私はショックを受けました。

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しかし12月の面会の時は「覚醒している時間が先月よりは増えた」との事で、症状の進行は波があるようです。ただ、食事は途中で食べなくなってしまうので、職員さんに食べさせてもらっているようです。自ら食べなくなったせいか、少し色は細ってきているようです。

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*2024年のジジ

ジジは今年の初めの介護保険更新に伴う認定調査で要介護3になりました。

ジジの主治医は降圧剤を処方してもらっている内科医師だと思います。しかし,その医師には私が何度も「父は家でも歩行器がないと歩けない」と伝えているのですが、内科の持病がないから現実よりかなり軽めの意見書を書く傾向があるのです。ケアマネジャーさんもそれを認識しているので、意見書をどうするかが問題になりました。

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認定調査は丁寧に行われて、ジジは要介護3になりました。

長年足腰は弱っていても頭は確かだったジジですが、96歳というよる年波には勝てず、やはり認知機能も記憶もかなり衰えてきました。おママに面会をしても、帰宅したら会ったのが誰か分からなくなりました。

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ジジは車椅子がないと外出出来ません。だから通院の時は私が車椅子を押して行くのですが、今年の夏は暑くてバテました。訪問診療を頼む話もしたのですが、ジジはこれ以上お金のかかることは避けたいので、現在はまだ実現していません。

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*2024年のチャーコ

私自身の2024年は大過なく過ごせたと思います。

そして、今年ほど絵を描いた年はなかったでしょう

ブログのイラスト(iPadで描くデジタル絵)は枚数こそ減りましたが、じっくり丁寧に取り組むのが楽しくて、自分では描けて良かったと思う絵は多かったです。

その中から何枚か再掲させていただきます。

(↓)実家にもホットクックを購入して、便利に使っています。でも、自分が老境に達した時に、この家電を使えているか想像してしまいました。

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(↓)ようやくルビーレッドレッドのキウイを食べられました。その歓喜の絵です。

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(↓)姉のオネコさんと孫娘の桃ちゃんの楽しげな様子を想像しながら、シオンちゃんの花嫁姿を描いてみました。

 

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(↓)自分の子育て時代を思い出しながら描きました。当たりが出ると嬉しいですね。

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(↓)永遠の憧れです。描いて子供時代の夢が叶う、そんな気がしました。

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(↓)今年もジジと一緒に何度も車椅子で出掛けました。暑い時と寒い時はちょっと辛かったです。

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(↓)娘のアズキと一緒におママに面会できて良かったです。

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私は7年ほど前から仏画の教室に通っています。

今年は3月に東京で,6月には甲府で教室展があり、それぞれに違う作品を出品したので、例年よりアナログでも絵を描く機会が多かったです。

お教室では、大抵は先生の下絵を使わせていただいています。パネルに貼った雲肌麻紙にトレースし、墨で骨描(線画き)してから岩絵具で彩色しています。

しかし、今年は自分で下絵を作成するところから始めて、オリジナルの仏画に取り組めたので、とても勉強になりました。

そしてもう一つ挑戦した事があります。

昨年から仏画に截金(きりがね)を施したいと思い、習い始めました。そのオリジナルの仏画に、彩色を終えた時点で私にできる範囲の技術で金箔を貼ろうと試みました。

まだまだ、未熟な点は多いのですが、まとめてみました。

下絵は、先生から助言を頂きながら、およそ2ヶ月半で形にしました。

それで、実際岩絵具で描くのと截金の作業に3ヶ月。岩絵具は何度か塗り重ねなければなりません。私は毎日作業が出来るわけではないから、ほぼ突貫工事のような形相で取り組んでおりました。

今年の6月の時点で、私に可能だった截金は、小さな「円」「舟形」「菱形・四角」「三角」でしたが、今現在は金箔から細い「線」を切って貼る練習に入りました。

しかし、これが本当に難しくなかなか出来ません。大昔の仏画や仏像に超絶技巧の截金が施されたりしていますが、きっと当時の職人さんだって、長い間修練を積んで出来た技でしょう。現代人で、しかも不器用な私がそうそ出来る技法ではないので、気長に練習して取り組んでいこうと思います。

*本日アップの貼り絵

2011年7月ごろの作品です。おそらく,おママは(↓)こちらと連作で仕上げたのだと思います。

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(↓)小津和紙で購入した友禅紙を上手に使ってますね。(๑˃̵ᴗ˂̵)

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おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。

「おママの貼り絵」最晩期(6)やり慣れた作業

(2022年12月19日アルツハイマー型認知症の診断から約15年10ヶ月)

*2年前

おママが特別養護老人ホームに入所したのは2023年正月明けです。

貼り絵制作はその直前の2022年12月19日まで続けていました。

しかし、この年の11月から12月、認知症の症状が進んだおママは、ハサミを持つのも糊をつける事も、直ぐに判らなくなっていました。

そのため作業中、一回一回、私はハサミの持ち方使い方をおママに教えていましたが、思うようにできないとおママ自身ハサミを持とうとしない日もありました。

(あんなにハサミで紙を切るのが好きで、上手だったのにね。)

そう思うと、私は悲しくて仕方がありませんでした。

私がもう少し粘れれば、もう数日可能だったかも知れません。

でもこれが限界だったと、今でも思っています。そんな「おママの貼り絵」の最晩期で、まだブログに掲載していなかった貼り絵が6枚あります。私としては印象深い作品でした。

それらをこの11月と12月でご紹介しきましたが、今回が6枚目。その最終回となります。

*かつてのおママからの宿題2

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2022年12月19日、(↑)前回の記事でご紹介した貼り絵を完成させてから、おママはすぐに2作目に着手しました。

今回も、何年も前におママが自分で貼り絵に使おうとセットしていた紙片を使ってもらおうと思いました。

(↑)この写真の向かって右側の袋です。

中は思いの外たくさんの紙片が詰まっていました。(↓)

赤いセイロンティーの袋が多いようです。右側に束ねられている細長い紙片が使いやすく配色も良さそうですね。(๑˃̵ᴗ˂̵)

*並べるだけでも結構楽しい

台紙に使っているハガキの上に斜めに配置していました。

グリーンの細長い紙片に、クリスマスツリーのような白いシルエットが7つ見えますが、これはクラフトパンチで切り抜いた跡です。(↓黄色い矢印参照)

切り抜いたツリー型は、きっと何年も前に貼り絵に使われたのでしょう。(๑˃̵ᴗ˂̵)v

(↓)糊付けは上手に出来ています。

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<おママの貼り絵制作動画①>糊付け編

2022年12月19日10:46〜(2分42秒)

はみ出した部分を裏へ折り返して処理しています。おママはこれまでも画面からはみ出した紙片の端をハサミで切り落とすよりは裏へ折り返すことが多かったように思います。

認知症の症状が進んでも、長年続けた作業をおそらく本能的に身体で記憶していたのでしょう。丁寧に行なっていたのが印象的でした。

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<おママの貼り絵制作動画②>糊付け編

2022年12月19日10:58〜(1分56秒)

小さな三角形の赤いピースを貼りましたが、おママは位置がズレたと感じたのでしょう。貼ったものを慎重に剥がして貼り直しますが、結果としてはあまり差はなかったかな?

これまでも、手先は器用なおママはよく貼ったピースを剥がして貼り直す作業はお得意でした。

 

この作品が、おママが実家で制作した最後の作品となりました。

その最後まで、「はみ出した端っこを裏に折り返す」「貼っては剥がし」の馴染みの作業を行なっていたのが印象的でした。(^。^)

「おママの貼り絵」は2016年以前の作品はたくさんありますので、今後もブログで紹介していきたいと思います。実際には探せば2017年から2022年までの未掲載作品も少しは残っていそうです。

今後ともブログは続けていきたいです。

(↓)小津和紙で購入した友禅紙です。

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おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。

「おママの貼り絵」最晩期(5)ルリユールの名残

(2022年12月19日アルツハイマー型認知症の診断から約15年10ヶ月)

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*2年前

おママが特別養護老人ホームに入所したのは2023年正月明けです。

貼り絵制作はその直前の2022年12月19日まで続けていました。

しかし、この年の11月から12月、認知症の症状が進んだおママは、ハサミを持つのも糊をつける事も、直ぐに判らなくなっていました。

そのため作業中、一回一回、私はハサミの持ち方使い方をおママに教えていましたが、思うようにできないとおママ自身ハサミを持とうとしない日もありました。

(あんなにハサミで紙を切るのが好きで、上手だったのにね。)

そう思うと、私は悲しくて仕方がありませんでした。

私がもう少し粘れれば、もう数日可能だったかも知れません。

でもこれが限界だったと、今でも思っています。そんな「おママの貼り絵」の最晩期で、まだブログに掲載していなかった貼り絵が6枚あります。私としては印象深い作品でした。

それらをこの11月と12月でご紹介していこうと思います。

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*かつてのおママからの宿題

2022年12月19日はおママが自宅で貼り絵をした最後の日でした。

この2日前におママはハサミを持つのを嫌がり、ほぼ小さな紙片を画面に並べるだけになっていました。糊付けは私がうまく誘導すれば可能でしたが、それでも私は自分がおママに無理やり貼り絵をさせているような気がして、かなり落ち込んでいました。

ちょうど特別養護老人ホームへの入所時期が確定した頃です。おママが自宅で過ごせる日数も残り少なくなった時に、

(無理に貼り絵に取り組ませるより、のんびり過ごしてもらった方が良いのかも)

と、私は思うようになりました。

あくまで私がですが、悔いが残らないようにしたい。おママに使って欲しかった材料が有ったのではないか。

思いついたのは(↓)これでした。

認知症になってからもずっと貼り絵を続けてきたおママは、2019年ごろまで自分で使いたいと思う紙片を組み合わせて透明な袋にセットすることがありました。

「いつか使うかも❗️」(๑˃̵ᴗ˂̵)

おママ自身が自分のために配色や形を考えて組み合わせた「お題パック」です。その多くがおママ自身に忘れられてしまったのですが、(↑)これは私が見つけて確保していたセットです。

「せっかくおママが自分で使おうと組み合わせていたのなら、それを使って欲しい。」

以前のおママからの宿題をやってもらいましょう。

その左側の袋の中身は(↓)こちらです。

更に小さな透明の袋には、小さな色革が入っていました。

ルリユール(ヨーロッパの伝統的な製本技術)を習っている時に、おママは本の表紙にした革の表面に薄く削いだ色革を象嵌する技法に取り組んでいました。

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その名残ですね。薄い色革の小さな欠片が幾つも出てきました。桃色系の菱形を中心に同系色で組み合わせたこのセット。

明らかにおママはこれを貼り絵に使うつもりだったのでしょう。

(↓)袋から出してみると、菱形や半円など結構バリエーションがありました。

(↓)すぐにハガキの上で構成を考えていました。

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<おママの貼り絵制作動画①>

2022年12月16日 10:17〜(2分14秒)

「もう一個あるよ」

私はそう言いながらおママに薄紫の半円形を渡そうとするのですが、おママの意識に留まりません。おママの狭い視野の中にに入らないのか,認知症の症状が進んで周囲の状況を認識し辛くなってきたのか.きっと両方ですね。それでもおママはおママなりに工夫を試みています。

(↓)糊付け中。

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<おママの貼り絵制作動画②>

2022年12月16日 10:36〜(1分08秒)

糊付けは比較的順調でした。以前のように丁寧に貼っていました。

(↓)そして出来上がりました。

おママが熱心に取り組んだルリユールの名残と

そしておママ自身が組み合わせた「お題パック」が

1枚のハガキの上に結実して、おママも私も笑顔でした。

 

おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。

「おママの貼り絵」最晩期(4)取り止めのないお喋りをしながら

(2022年12月16日アルツハイマー型認知症の診断から約年10ヶ月)

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*2年前

おママが特別養護老人ホームに入所したのは2023年正月明けです。

貼り絵制作はその直前の2022年12月19日まで続けていました。

しかし、この年の11月から12月、認知症の症状が進んだおママは、ハサミを持つのも糊をつける事も、直ぐに判らなくなっていました。

そのため作業中、一回一回、私はハサミの持ち方使い方をおママに教えていましたが、思うようにできないとおママ自身ハサミを持とうとしない日もありました。

(あんなにハサミで紙を切るのが好きで、上手だったのにね。)

そう思うと、私は悲しくて仕方がありませんでした。

私がもう少し粘れれば、もう数日可能だったかも知れません。

でもこれが限界だったと、今でも思っています。そんな「おママの貼り絵」の最晩期で、まだブログに掲載していなかった貼り絵が5枚ほどあります。私としては印象深い作品でした。

それらをこの11月と12月でご紹介していこうと思います。

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*2022年12月16日

この日のおママはとても元気で、(↓)前々回の記事でご紹介した作品を完成させた直後から、この貼り絵に取り組みました。

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とは言え、小さな紙片を集めた箱からおママが幾つか選び出していたので、

「もしかして、2枚目もやっちゃう?」

と、欲を出した私が台紙に使っているハガキをおママに差し出しました。

すると、自然におママはその上に選んだ紙片を載せて構成を考え始めました。

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<おママの貼り絵制作動画>

2022年12月16日11:57〜(2分49秒)

おママは細長いメインピースを配置しました。そしてチャーコに勧められて糊付けを開始します。糊を手に持って直ぐに貼り始められたので,この日のおママは調子が良かったようです。作業しながら取り止めもなく楽しげにお喋りしているのも、ご機嫌の為せる技でしょう。

「でもね…だから、あたし、ここであれするのよ。」

「ウチのおとーちゃんが(誰のことを具体的に指しているのかは不明、ジジではなさそうです)じーっとね……なんだか,はず、なんじょ…『なんかずーっと,あれしたんだけど、おこらまかったよ』って。そのとき,あたしだってさ、『なにいってんのよ』…いったらさ、やってるから、まぁ、いいでしょ、ちょんちょんちょーん🎵」

動画を見直して、そのおママのお喋りが懐かしく感じました。現在、特別養護老人ホームに面会に行っても、もうおママはここまでお喋りはしません。当時でさえ、語彙が乏しくなっていましたが、この日のおママは話そうという意欲は旺盛でした。

今聞いても意味不明ですが、楽しそうだから「まぁ、いいでしょう。」

(๑˃̵ᴗ˂̵)v

(↓)更に小箱から小さな紙片を選んでピースを増やしています。

(↓)この時期としては珍しく、おママは自発的にハサミを手に取りました。そして、紙片の大きさを調整しています。

そして出来上がりました。

おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。

*使用した紙など

(↓)ルピシア「おたより」2022年11月号より

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(↓)おママがが認知症になる前に購入した洋紙

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(↓)小津和紙で購入した友禅紙2枚

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おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。



2024年12月の面会 アズキと『ふうせんのおしらせ』

(2011年7月ごろ アルツハイマー型認知症の診断から約4年5ヶ月)

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*アズキに声をかけてみた

先月の面会の時、スタッフさんか「傾眠傾向が強まった」と言われました。

なにせ、おママは認知症と診断されて17年以上経ってます。末期も末期,最末期だと思います。食事も自分で食べるよりスタッフさんに食べさせてもらう事が増えたそうです。緑内障でほぼ中央部分のみしか視野がない状況ですし、目を開けていない時間が増えてもなんら不思議ではありません。

それで、私はふと思ったのです。

(もし、孫達がおママに会いたいと思うなら、おママの目が開いているうちの方が良いのではないか。)

それで、娘のアズキにLINEで事情を説明して意思確認をしてみました。

「もうすぐおママは特養に入所して2年です。もしアズキがおママに会いたいなと思ったら、おママが目を開けているうちの方が良いと思うのです。直ぐにおママがどうなるということはないけど、早めに、年内に一緒に面会に行きますか?」

おママは誰が面会に行っても、それが誰だかなんて全くわからないのです。あくまで、おママのためではなく、アズキ本人がおママに会いたいかどうかで決めて欲しい。

そうしたら、直ぐに返事が来ました。

「会いたいです。予約とってください。」

アズキは結婚後も仕事はしているけど、まだ子供がいるわけではないから、フットワークが軽いですね。それで、12月10日に一緒におママに会いに行きました。

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*先月よりは覚醒している

ちょうど面会に行った時、おママは急激に大量のお通じをした後で、一時的に意識消失して、ベッドで眠っていました。それでもスタッフさんが揺り起こしたらご機嫌で目覚めてニコニコしていました。

スタッフさんの話では、先月後半よりは覚醒している時間が長いようです。食事は最初は自分で食べるけど、疲れて直ぐに食べなくなるらしい。スタッフさんが続きを食べさせてあげると、完食することもあるそうです。

良かった❗️v(^o^)v

おママはアズキが誰だか分からないのですが、お客さんは嬉しかったようです。終始笑顔なので、アズキもホッとしていました。

*ふうせんのおしらせ

これまで面会時に持参した懐かしい思い出の絵本は『ぐりとぐら』と『ぐるんぱのようちえん』。おママも私たち姉妹も大好きで、しかも超ロングセラーでメジャーな作品でした。

今回はちょっとマイナーな絵本です。

でも、私が子供の頃、この絵本を見る度におママは言っていました。

「この絵本が好きよ。この絵がとても好き。」

幼い私は何度も読み聞かせてもらい、自分でもよくページを開いていました。

内容は「はるこ」という湖から、春を知らせる風船が「はるですよ、はるですよ」と各地に飛んでいくお話です。ただそれだけなのです。

少し昔っぽい絵かもしれませんが、色彩が美しく抒情詩風で素敵です。今見ても一周回って新鮮かも。

『ふうせんのおしらせ』与田準一 作 竹山博 絵 福音館書店 1959年4月(1967年2刷)

子供の頃の私は毎回(↓)のページを見ると多幸感に包まれて歓声を上げていました。

きれいでしょう❗️(๑˃̵ᴗ˂̵)

1989年に復刻版が出版されました。その時の表題は『こどものとも』で小さく『ふうせんのおしらせ』と記載されているようです。残念ながら現在は在庫切れで、入手困難だそうです。古書店にあるかもしれませんね。

www.fukuinkan.co.jp

さすがに昔好きだったものは、今でも好ましいようです。おママは嬉しそうにページをめくっていました。

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<おママは『ふうせんのおしらせ』を見る>

2024年12月10日14:04〜(51秒)

どのページもきれいで素敵❗️

最後におママは小さい声で言っています。

「いいね、これ。」

 

(↓)おママはアズキと一緒に何度も見返していました。

 

おママは表紙を見ながら、表題を一文字づつ指さしていました。

「ふ、う、せ、ん、の、お、し、ら…、」

と、それに合わせてアズキが読むと、最後におママが「よ」と言いました。

平仮名の「せ」ですよ、おママさん。

でも平仮名の「せ」の元は漢字の「世」のくずし字です。

「うんうん、おばあちゃん、『よ』にも見えるよね。」

アズキも納得でした。(๑˃̵ᴗ˂̵)

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<おママ,じゃんけんに勝つ>

2024年12月10日14:15〜(9秒)

ジャンケンといっても、おママがグーしか出さないので、アズキがチョキを出したのです。勝ったのだけど,おママはイマイチ理解できていません。それより,テーブルの上の絵本に気が向いていました。(๑˃̵ᴗ˂̵)

おママが元気そうです,本当によかったです。

*本日アップの貼り絵

2009年7月ごろの作品です。

当ブログを長く見てくださっている方には見覚えのある紙だなと思われるでしょう。

おママが認知症になる前に小津和紙で大判で購入した友禅紙です。

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おママの貼り絵を見てくださり,有難う御座います。

「おママの貼り絵」最晩期(3)やはり好きなものは好き

(2022年12月16日アルツハイマー型認知症の診断から約15年10ヶ月)

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*2年前

おママが特別養護老人ホームに入所したのは2023年正月明けです。

貼り絵制作はその直前の2022年12月19日まで続けていました。

しかし、この年の11月から12月、認知症の症状が進んだおママは、ハサミを持つのも糊をつける事も、直ぐに判らなくなっていました。

そのため作業中、一回一回、私はハサミの持ち方使い方をおママに教えていましたが、思うようにできないとおママ自身ハサミを持とうとしない日もありました。

(あんなにハサミで紙を切るのが好きで、上手だったのにね。)

そう思うと、私は悲しくて仕方がありませんでした。

私がもう少し粘れれば、もう数日可能だったかも知れません。

でもこれが限界だったと、今でも思っています。そんな「おママの貼り絵」の最晩期で、まだブログに掲載していなかった貼り絵が5枚ほどあります。私としては印象深い作品でした。

それらをこの11月と12月でご紹介していこうと思います。

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*やはりハワイの包装紙

2022年12月16日の作品です。

この日はおママにファイルから好きな紙を選んでもらいました。この頃はあまりハサミや糊も使えない事が多くなっていたので、おママの気分が高揚するような紙を自分で選んでもらう事が多くなりました。

そうなると,やはりおママの大好きが優先されます。

なんといっても、ハワイの包装紙ですね。(↓)見つけたら直ぐに切る気満々。

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<おママの貼り絵制作動画①>

2022年12月16日 11:45〜(1分6秒)

ハワイの包装紙から円形を切り抜いたおママ。形を整えるのに余念がありません。不思議と円形に小さなオマケが付いていますね。

 

さぁ、その先はどうしましょうか?

以前マーブルペーパーを切った残りを画面に配置しています。

全体を見るとかなり個性的なのですが、切り抜いたピースを見ると案外合わせやすくて重宝しました。

 

でも,おママ,大きすぎるよ。(^◇^;)

(↓)おママはこれを斜めに配置。はみ出した部分は迷わず切りました。

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<おママの貼り絵制作動画②>

2022年12月16日 11:48〜(1分35秒)

おママは頑張って糊付けをしています。指にもしっかり付けてますね。(๑˃̵ᴗ˂̵)

*好きな手鞠

(↓)余白を埋めようと考えたおママは箱から手鞠のピースを取り出しました。

これもおママが好んでよく使った和紙です。

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<おママの貼り絵制作動画③>

2022年12月16日 11:54〜(48秒)

先ほど切断したマーブルペーパーの切れ端も使います。(๑˃̵ᴗ˂̵)

 

そして出来上がり❗️

 

(↓)小津和紙で購入した友禅紙です。2017年5月におママとオネコと私の3人で行った時に、おママが自分で選んで購入しました。

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他にも色や印象の異なる手鞠模様の友禅紙はあったのですが、おママが好んだのはやはりこれでした。

繰り返し使って、一度は無くなったのですが、2022年にもう一度小津和紙のお店で見つけて再度購入しました。

おママのイマジネーションを掻き立ててくれた紙の一つです。

私はハワイの包装紙など、おママが好んだ紙には「おママの貼り絵」を支えてくれました。とても感謝しています。

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おママの貼り絵を見てくださり,有難う御座います。