アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

2024年の総括

(2011年7月ごろ アルツハイマー型認知症の診断から約4年5ヶ月)

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*とんだ年末

今年も残り数日となりました。今回は今年の総括をしてみたいと思います。

しかし、その前にちょっとしたアクシデントがあったのです。

12月26日の夜遅く、私は自宅で高い所の物を取ろうとダイニングテーブルの椅子(木製、合皮張り)の椅子の上に乗ろうとしました。いえ、実際には分厚い靴下を履いた足で、椅子の上に立ち上がりました。その刹那、バランスを崩し分厚い靴下はツルンと合皮の上を滑り、私の身体は宙を飛んで腰からフローリングに落下しました。着地したのはお尻の一番肉のついた部分でしたが、かなりの衝撃と痛みが下半身から背中まで走りました。頭から落ちなくて良かったです。しかし1時間近く倒れたまま痛みで動くこともできませんでした。

「救急車呼ぶか?」

「いや、あまり乗りたくない。」

「そんなことを言ってもこのまま動けないようなら…呼ぶか?」

ダンナと二人で問答を繰り返していましたが、少しずつ動けるようになりました。痛いながらも、物に捉まりながら立って歩けるようになってきたので、救急車は呼びませんでした。

12月28日現在はかろうじて電車と徒歩で実家へ移動出来ましたが、痛みはお尻から背中にかけて残っております。年末は以前処方されて残っていたロキソニンテープを貼りながら様子をみて、痛みが残っているようなら年明けに医者に行こうと思います。

全く以って、とんだ年末です。(°_°)

*2024年のおママ

昨年の初めに特別養護老人ホームに入所したおママは、昨年は徘徊や癇癪を起こすこともあったようですが、今年は声を荒げることもなく常にニコニコしていたようです。職員さんからは「本当に穏やかで優しくて、フキ子さんは可愛らしいです」といわれました。

つまり、それは認知症の症状が昨年より進んで,あまり外界からの刺激を感じなくなっている証拠でもあります。

7月の面会までは一緒にシール貼りの遊びをしましたが、緑内障による視野狭窄は進行中で、おママの視野に指先につけたシールすら入らない時もあり、これもやめました。

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その後,8月からは昔おママが好んだ絵本を持っていくようにしました。文字は読めませんが、おママはページをめくりながら嬉しそうに絵を眺めていました。

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11月の面会の時に「傾眠傾向が強くなった」との事で、食事も自分では食べられなくなってきたという話に私はショックを受けました。

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しかし12月の面会の時は「覚醒している時間が先月よりは増えた」との事で、症状の進行は波があるようです。ただ、食事は途中で食べなくなってしまうので、職員さんに食べさせてもらっているようです。自ら食べなくなったせいか、少し色は細ってきているようです。

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*2024年のジジ

ジジは今年の初めの介護保険更新に伴う認定調査で要介護3になりました。

ジジの主治医は降圧剤を処方してもらっている内科医師だと思います。しかし,その医師には私が何度も「父は家でも歩行器がないと歩けない」と伝えているのですが、内科の持病がないから現実よりかなり軽めの意見書を書く傾向があるのです。ケアマネジャーさんもそれを認識しているので、意見書をどうするかが問題になりました。

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認定調査は丁寧に行われて、ジジは要介護3になりました。

長年足腰は弱っていても頭は確かだったジジですが、96歳というよる年波には勝てず、やはり認知機能も記憶もかなり衰えてきました。おママに面会をしても、帰宅したら会ったのが誰か分からなくなりました。

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ジジは車椅子がないと外出出来ません。だから通院の時は私が車椅子を押して行くのですが、今年の夏は暑くてバテました。訪問診療を頼む話もしたのですが、ジジはこれ以上お金のかかることは避けたいので、現在はまだ実現していません。

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*2024年のチャーコ

私自身の2024年は大過なく過ごせたと思います。

そして、今年ほど絵を描いた年はなかったでしょう

ブログのイラスト(iPadで描くデジタル絵)は枚数こそ減りましたが、じっくり丁寧に取り組むのが楽しくて、自分では描けて良かったと思う絵は多かったです。

その中から何枚か再掲させていただきます。

(↓)実家にもホットクックを購入して、便利に使っています。でも、自分が老境に達した時に、この家電を使えているか想像してしまいました。

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(↓)ようやくルビーレッドレッドのキウイを食べられました。その歓喜の絵です。

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(↓)姉のオネコさんと孫娘の桃ちゃんの楽しげな様子を想像しながら、シオンちゃんの花嫁姿を描いてみました。

 

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(↓)自分の子育て時代を思い出しながら描きました。当たりが出ると嬉しいですね。

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(↓)永遠の憧れです。描いて子供時代の夢が叶う、そんな気がしました。

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(↓)今年もジジと一緒に何度も車椅子で出掛けました。暑い時と寒い時はちょっと辛かったです。

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(↓)娘のアズキと一緒におママに面会できて良かったです。

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私は7年ほど前から仏画の教室に通っています。

今年は3月に東京で,6月には甲府で教室展があり、それぞれに違う作品を出品したので、例年よりアナログでも絵を描く機会が多かったです。

お教室では、大抵は先生の下絵を使わせていただいています。パネルに貼った雲肌麻紙にトレースし、墨で骨描(線画き)してから岩絵具で彩色しています。

しかし、今年は自分で下絵を作成するところから始めて、オリジナルの仏画に取り組めたので、とても勉強になりました。

そしてもう一つ挑戦した事があります。

昨年から仏画に截金(きりがね)を施したいと思い、習い始めました。そのオリジナルの仏画に、彩色を終えた時点で私にできる範囲の技術で金箔を貼ろうと試みました。

まだまだ、未熟な点は多いのですが、まとめてみました。

下絵は、先生から助言を頂きながら、およそ2ヶ月半で形にしました。

それで、実際岩絵具で描くのと截金の作業に3ヶ月。岩絵具は何度か塗り重ねなければなりません。私は毎日作業が出来るわけではないから、ほぼ突貫工事のような形相で取り組んでおりました。

今年の6月の時点で、私に可能だった截金は、小さな「円」「舟形」「菱形・四角」「三角」でしたが、今現在は金箔から細い「線」を切って貼る練習に入りました。

しかし、これが本当に難しくなかなか出来ません。大昔の仏画や仏像に超絶技巧の截金が施されたりしていますが、きっと当時の職人さんだって、長い間修練を積んで出来た技でしょう。現代人で、しかも不器用な私がそうそ出来る技法ではないので、気長に練習して取り組んでいこうと思います。

*本日アップの貼り絵

2011年7月ごろの作品です。おそらく,おママは(↓)こちらと連作で仕上げたのだと思います。

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(↓)小津和紙で購入した友禅紙を上手に使ってますね。(๑˃̵ᴗ˂̵)

www.ozuwashi.net

おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。