リバーサルオーケストラを愉しく視聴している。
先日、よんばばさんもこのドラマのお話をされていたけれど、私も大好きなドラマだ。
音楽も楽しめるし、キャラクターの描かれ方も深くて、一粒で二度美味しい作品。
主人公の谷岡初音 ( 門脇 麦 ) は、元天才ヴァイカリニスト。
幼いころより数々のコンクリートを総なめ、名門オーケストラとの共演を果たすなで輝かしい活動をしてきたが、10年前、とある理由から、表舞台を去ってしまう。
その後は市役所勤めをしながら、ヴァイオリンは趣味で子供に教えるくらいのひっそりした生活を送っている。そんな初音が、地元・児玉交響楽団のコンサートマスターにスカウトされて・・・!?
児玉交響楽団というのが、これまたポンコツ楽団
観客動員も薄く、楽団員もヌルーーっと気が引き締まらない活動をしている。
そんな児玉交響楽団 ( 玉響 ) の立て直しを命じられたのが市長の息子・常葉朝陽 ( 田中圭 ) だ。
朝陽は、ドイツを中心に活躍している新進気鋭のマエストロ。
父に騙され帰国し玉響の指揮者になった彼が、コンサートマスターとして選んだのが初音だった。
朝陽と初音は、ポンコツオーケストラを一流オケに大改造できるのか。
一発逆転の音楽エンターテイメントドラマ
音楽担当は「のだめカンタービレ」「龍馬伝」等を担い、音楽ドラマになくてはならない清塚信也さん。
清塚さんが参加するとなれば「音楽あるある」のエピソードも散りばめられているだろうと期待した通り、見所満載に仕上がっている。
音楽家たちの気持がうかがえるドラマ
ドラマに登場する音楽家たちは、それぞれの葛藤やプライドを抱えている。
10年前、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏する本番の舞台から逃げ出してしまったという、主人公の初音の挫折や苦悩は最たるものだが、楽団員ひとりひとり様々な事情を抱えて生きている。
そういった音楽家たちの秘めたる苦しみや渇望、プライドなどが一話一話紐解かれていくのが見逃せない。
例えば。
ヴァイオリニスト・三島 彰一郎 ( 永山絢斗 ) の場合
彰一郎は初音の幼馴染。父は世界的な指揮者、母は有名なヴァイオリニストという音楽会の超エリートで、幼い頃から注目の的だったが、父から振り向いてもらえずにいる。
自分はストイックなまでの努力家、天才肌の初音に対してコンプレックスがある。
父が自分に目をくれず、初音を注目するのに妬みも生じる。
チェロ主席・佐々木怜緒 ( 滝内 公美 ) の場合
音楽好きの両親に育てられた恋多き情熱家。
悩みなどないような怜緒にも初音に対するコンプレックスはある。幼い時は将来有望なチェロ奏者として音楽記者の取材も受けていた彼女は、その記者が初音の取材に来た時に自分のことをすっかり忘れていたことにガッカリする。
記者のひとことが胸につきささる。
「初音さんでしょう?覚えてますよ。僕は才能のある人のことは何年たっても忘れません」
自分の才能の限界を突き付けられている怜緒。
今まで恋愛至上主義を装って、音楽に本気で向き合っていないフリをしていた怜緒だが、合コンと偽ってチェロの練習は続けていたのだった。
ティンパニ・藤谷耀司 ( 渋川清彦 ) の場合
もとは一流オケに所属していた実力派だが、クラシックをやめバンドでドラムを叩いていたところを、初音から熱いスカウトを受け玉響に加入した。
一流オケを辞めた理由を《人間関係に疲れた》と言っていた彼も、怜緒と同様の悩みを抱えていた。
「自分は凡人だから普段からストイックに練習するしかない」と思っているのだ。
打楽器奏者である彼は、後輩が入団してくるたび《お払い箱になる》恐怖を抱えていたらしい。
その恐怖がたまらずクラシック界から飛び出したというのが本当のところらしい。
怜緒と藤谷のシーンが素晴らしかった第六話⤵
第二話では、ヴィオラ・桃井みどり ( 濱田マリ ) の葛藤がつまびらかになったし、
やがて、オーボエ主席・穂刈 良明 ( 平田 満 ) の事情も明らかになってくると思われる。
こういった音楽家たちのエピソードを知る度に、日本における芸術家の地位の低さや生き辛さに驚いてしまう。
ドイツの音楽家事情
以前、ドイツの芸術家の老後を取り上げた番組を観たことがある。
ドイツでは、バレエや音楽家、俳優など専用の高齢者ホームがあり、国の援助も厚いそうだ。
その番組で観たシーンに、こんなのがあった。
年老いた元バレエダンサーが杖をついてレストランに行く。
彼女が食べ終わって席を立つと、周りのお客さんたちが一斉に椅子から立って彼女を見送った。
人に感動を与える職業や芸術家に対する尊敬の念をこういう形で現わすドイツ人に感動してしまった。
これも一例⤵
斉魚 姐さんのお話
友人の
10年以上前にオーストリアに渡り、四重奏の奏者として生計を立てている。
斉魚姐さんの活躍の場はコンサートホールではない。
四重奏をやりたい貴族やお金持ちの要請で、その方のお宅やサロンに行き、演奏のお相手をするらしい。
ウィーンでは、そういった需要がかなりあり、それで生計がたつという。
一般の、趣味で音楽をしている人たちが、プロの演奏家を雇ってジョイントをするなんて、日本では到底考えられない商売である。
そんな音楽が日常と密接に結びついている欧米の人たちが、もしこのドラマを見せたら、さぞや驚かれるんじゃなかろうかと思ってしまった。
本日の昼ごはん
オムライス
上は卵二つのとろとろ系、下は卵一つのさっぱり系
本日の夜ごはん
昼のオムライスをまた作り過ぎてしまったことが写真からもバレるな。
「大家族で育ったから作る量が多いのは《三つ子の魂百まで》なのかもね」と私が言ったら、
「違うね。《ばかはしぬまでなおらない》だよ」と返された。
グーの根も出ない。
ごま油を数滴加えた湯で、湯通しした春菊に、
揚げ玉を加えてポン酢を振ったら美味しかった。
野菜室のレタスとマシュルームとトマトをかき集めて辺さんサラダ
ブロック肉を買ってきて、好きな厚さにカットして冷凍しておいた豚肉を使う。
最近スーパーでは薄切りスライスのバラ肉ばかりなのだもの、こういう厚さは自分で切らないと出来ません。