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年末はWindowsでゲーム三昧 ~最近の機能強化で上質なゲームプレイを体験可能に

自動 HDR、DirectStorage…… 人気のNintendo Switch風ゲーミングデバイスにも対応

ゲームライティングなど、最近Windowsで実施されたゲーム関連の機能強化

 ホリデーシーズンでゲームを楽しむ人も多いかと思われるが、そこで注目してほしいのが、最近Windowsで実施されたゲーム関連の機能強化だ。米Microsoftが12月18日(現地時間)、公式ブログ「Windows Experience Blog」でその一部を紹介している。

自動 HDR(Auto HDR)

 「自動 HDR」(Auto HDR)は、HDR(ハイダイナミックレンジ)非対応の古いゲームを自動でHDRへアップグレードし、ゲームのプレイ体験を改善する機能。SDR(スタンダードダイナミックレンジ)よりも表現可能な色の範囲と明るさが増し、より美しく、より没入感のあるゲーム表現が可能となる。

HDR非対応の古いゲームを自動でHDRへアップグレードし、ゲームのプレイ体験を改善

 ただし、「Windows 11 バージョン 24H2」では互換性問題も引き起こしている。OSのアップグレードを考えている場合は注意したい。

DirectStorage

 シーンの切り替えで長いロード画面が表示されるゲームほど、興ざめなものはないだろう。しかし、近年の3Dゲームは小さなデータを大量に読み込む必要があり、しかもそれらはファイルサイズを減らすために圧縮されている。そのため、読み込みの際は大量のデータを解凍(展開)する処理にCPUリソースが奪われ、高速なNVMe SSDを待たせてしまう。

 そこで同社が開発したのが、「DirectStorage」だ。一部の対応タイトルに限られるが、劇的なロード時間の削減が期待できる。複雑なディテールを持つ広大な世界も、ほぼ瞬時にレンダリングできるだろう。また、CPUのオーバーヘッドが削減されるため、他のタスクにリソースを割くことができ、よりスムーズなゲーム体験が保証される。

「DirectStorage」でゲームのロード時間を短縮

ハンドヘルド向けの改善

 Windows 11のゲーム支援機能「Game Bar」はもともと大画面デスクトップにフォーカスしていたが、近年は「Nintendo Switch」スタイルのハンドヘルドWindowsデバイスにも勢いがある。このようなデバイスでは小さな画面に最適化したUI、十字キーやボタンで操作できるUIが必要だ。

 そこで「Game Bar」にコンパクトモードが追加された。これは「Game Bar」の設定画面で有効化できる。キーボードやマウスよりもゲームパッドを好むユーザーにも役立つかもしれない。

「Game Bar」にコンパクトモード

ゲームライティング

 ゲーミングPCといえば、さまざまな色で光るキーボードやマウス、マザーボード、クーラーといったライティングデバイスを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。

 登場当初は各メーカーのユーティリティアプリを利用してそれらをコントロールする必要があったが、最近のWindows 11ならば「設定」アプリでのコントロールが可能。異なるデバイス間でRGBライティングを統一することもできる。

ウィンドウ表示ゲーム向けの最適化機能

 ゲームがデスクトップ画面を占有しないウィンドウ表示、またはボーダーレスウィンドウ表示のゲームでは、他のアプリと並行して動作するが故に、動作遅延をはじめとするパフォーマンス問題を抱えるものもあった。

 近年のWindowsではそれも大きく改善されており、最近増えたVRR(可変レートリフレッシュ)をサポートするゲームで、ディスプレイのリフレッシュレートとゲームのフレームレートを同期させ、画面のブレや遅延を軽減している。わざわざ設定変更の必要がなく、ゲームを起動するだけでその恩恵を受けられるのもうれしいところだ。

そのほかのボーナス機能

 そのほかにも、Windows 11では以下の機能が提供される。

  • HDRキャリブレーションツール:HDRディスプレイの出力が正しく行われるように調整(Windows 11専用)
  • Cross Adapter Scan-Out(CASO):内蔵GPU(iGPU)と外付けGPU(dGPU)を備えたデバイスで、より高いパフォーマンスが必要なゲームをiGPUを経由させず、dGPUのパワーをフル活用する。NVIDIAの「Advanced Optimus」やAMDの「Smart Access Graphics」に相当する機能をラップトップに実装したもので、専用のハードウェアは不要
  • Wi-Fi 6EおよびWi-Fi 7のサポート:より高速で低遅延なオンラインゲームとストリーミングを実現。干渉や混雑も軽減される(参考記事
  • 色弱者用カラーフィルター:色覚異常のプレーヤーがコンテンツの色を識別しやすくするためにフィルターを適用。GPUにも適用されるようになり、フィルターの強度とカラーブーストもコントロールできる
  • 自動スーパー解像度(Auto SR):機械学習(ML)と「Copilot+ PC」のAI処理プロセッサー「NPU」で低解像度のコンテンツをリアルタイムでアップスケール。Arm搭載「Copilot+ PC」向け
  • Windows用「Xbox」アプリ:さまざまな改善により使いやすく

 なお、これらの機能の一部は最新のWindows 11、最新のドライバー、ハードウェアが必要になることがあるので注意したい。