自分の親父の古いアルバムを見ていたら、一枚の吊り橋の写真が貼ってあった。その写真の脇には
「登戸ノ吊橋」と書かれてあった。このアルバムの後ろには昭和16年の記録と書かれていたので、この吊橋も昭和16年に撮影されたのだろう。ただ、写真に違和感があった。イメージしている登戸の情景と、この写真は違うんじゃなかろうか?と。とにかく確認する為、登戸橋を撮影しに行って見た。
地吹雪の中、登戸橋に来て見ると、やはり対岸の風景が違う。ただ、昔と現在の橋の位置が違うのかと思ったが、どうも背景の山に見覚えがある。確か、矢崎がこういう情景だった筈だ。それでは次に、矢崎方面へ行って見る事にした。
現在の上松崎橋から景色を見ると、ほぼ写真の通りだが、少し位置が違うようだ。
もう少し北寄りに移動してみると、若干の角度は違うものの、恐らく写真の吊り橋は、この辺りにかかっていた吊り橋であったのだろう。「登戸ノ吊橋」と書かれていたのは、単なる勘違いであったのだろう。ただ、現在はここにかかっている橋を「上松崎橋」と呼ばれているが、昭和16年当時も上松崎橋と呼んでいたのかは不明である。