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ダンジョン飯

だんじょんめし

漫画誌ハルタ(KADOKAWA)に連載していた冒険グルメ漫画。
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ダンジョン飯

それは食うか食われるか

そこには上も下もなく

ただひたすらに食は生の特権であった

ダンジョン飯 ああダンジョン飯


※第一話より抜粋


概要編集

ハルタKADOKAWA2014年2月号–2023年9月号連載。全14巻。

短編で活躍してきた作者・九井諒子にとって初の長期連載。


古典的なRPG風の世界を舞台に、「モンスターを料理して味わいながらダンジョンを攻略する」という異色のアドベンチャーグルメ漫画


2022年9月には、カードゲーム『モンスターイーター ~ダンジョン飯 ボードゲーム~』が発売されている。


2022年には、2019年にアニメCMの制作を行ったTRIGGERによるテレビアニメ化が決定した。また2024年6月13日には第2期の制作が発表された。後述。


2024年には第55回『星雲賞』のコミック部門にノミネートされた。ほかのノミネート作品には『ハイパーインフレーション』や『マンダロリアン』(STARWARSのスピンオフ)などが並ぶ中どのような反応となるかが注目されていたが、6月5日に受賞することとなった。


作風編集

スライムバジリスク食人植物動く鎧などといった、RPG世代が古くから馴染んできた定番モンスターを、今一度理論的に考察した解釈を加え(スライムは胃液で体表を覆っている、動く鎧は鎧の形をした貝の様な生物である…など)、その上でやたら説得力のある調理法を用いて美味しい食事へと変えていくという、変わった切り口でファンタジー世界を覗き見るスタイルである。


見るからに美味しくなさそうなモンスターを料理していく努力と工夫の賜物が魅力の一つ。出来上がる料理も、食材が異常な点を除けば現実に存在するものばかりである。定番の設定に考察を加える作風は、冒険者の財政事情などといった部分にも及んでいる。


上記だけ見れば出オチのギャグマンガのような印象を受けるが、ダンジョンを初めとした世界観などの設定は十二分に作りこまれており、構造はガチの正統派ファンタジーとなっている。

序盤は料理含めてギャグ要素も多かったが、中盤以降は様々な勢力が物語に関わりながら、迷宮の根幹の謎や登場人物の過去を掘り下げていく内容となっており、ハードな展開や描写も多くなっていった。


あらすじ編集

ある日、かつて滅びたはずの黄金の国の王と名乗る男が現れた。彼は現在城を支配する“狂乱の魔術師”を倒した者に国の全てを与えると告げ、塵となり消えていった。その言葉を信じた冒険者たちは、地下に広がる巨大なダンジョンに挑むようになった。


冒険者ライオスが率いるパーティはダンジョンに仕掛けられたと書き間違えられた地図のせいで食事も出来ないまま下層でレッドドラゴンと遭遇。疲労空腹から実力を発揮出来ず、全滅の危機に陥る。

すんでのところでライオスの妹・ファリンの魔法により一行は脱出に成功するが、ファリン自身はドラゴンの餌食となってしまった。さらには諸々の事情で一部メンバーが離脱。ファリンの蘇生を確実にするためには資金調達・物資補給の時間も惜しく、ライオスは即時の再突入を決断する。失った物資を代替する窮余の一策こそ「ダンジョン内での食料調達」であった。


最初は魔物の調理に手間取る一行だったが、そこへ魔物食を研究するドワーフ・センシが加入。パーティに心強いシェフを仲間に迎え、レッドドラゴンを食べるために…もとい、ファリン救出のために、一行はダンジョン飯を食べながら下層を目指す。


登場人物編集

ライオス・トーデンマルシル・ドナトー
CV:熊谷健太郎CV:千本木彩花
斯くも美味しきこの世界~2024ver~マルシル
種族:トールマン/26歳種族:ハーフエルフ
所属:ライオスパーティ(リーダー)所属:ライオスパーティ
パーティリーダーを務める青年。長剣で身を固めた剣士。根っからの魔物マニアで、好奇心から度々暴走して仲間を呆れさせている。ローブアンブロシア)を装備した魔法使い。ファリンの親友でライオスとも付き合いは長い。魔物食を誰よりも嫌がるが、誰よりも美味しそうに食べる。
チルチャック・ティムズファリン・トーデン
CV:泊明日菜 CV:早見沙織
D飯まとめ
ファリン
種族:ハーフフット種族:トールマン
所属:ライオスパーティ所属:ライオスパーティ
ハーフフットの特徴から他種族には子供と誤認されることもあるが、実年齢は29歳で種族的には中年程度に相当する。捻くれもので毒舌が目立つが、その分精神的には成熟しておりパーティに対する責任感は強い。ライオスの実妹。回復魔法の他、死人祓いや補助魔法を得意とする神官(プリースト)型の術士。トールマンとしてはかなり魔術に対する適性が高い。物語冒頭でパーティを救うために脱出魔法を使用したが、自身はレッドドラゴンの餌食となり、ダンジョンに取り残されてしまった。
イズガンダのセンシイヅツミ
CV:中博史CV:神戸光歩
コインを見つめるセンシ再来一碗!
種族:ドワーフ種族:トールマン(獣人)
所属:ライオスパーティ所属:シュローパーティ →ライオスパーティ
10年もの間魔物食を研究していたという変わり者のドワーフ。料理の名人。妹を救うためレッドドラゴンを探すという目的を聞き、調理への意欲からパーティに加わる。当初は半本家が従えている女忍者「アセビ」としてマイヅルの指揮下に置かれていたが、自身に掛けられた獣人化の呪いを解かせるために黒魔術(正確には古代魔術)使いのマルシルを追って出奔した。ねこです。
カーカブルードのナマリタンス夫妻
CV:三木晶CV:井上和彦(タンス)&所河ひとみ(ヤーン)
センシティブな作品作品募集中
種族:ドワーフ種族:ノーム
所属:ライオスパーティ →タンス夫妻パーティ所属:タンス夫妻パーティ(リーダー)
ドワーフの女戦士。何度もドラゴンを撃破した実力者。戦斧を担ぎ前衛を務めていたが、レッドドラゴンに敗北した直後にパーティを脱退。その後城の魔方陣の調査を行うタンス夫妻の護衛として「高い金」で雇われている。夫は齢210歳の魔術師(ソーサラー)。補助魔法の達人で、蘇生術も得意。迷宮に掛かった不死の術を解明するため、迷宮内の魔法陣を調査している。妻は204歳。大人しく夫に連れ添っているが、さりげなくごっつい棍棒を持っている。
カカ・フロッカキキ・フロッカシュロー
CV:高橋良輔(カカ)&長谷川育美(キキ)CV:川田紳司
作品募集中逆鱗
種族:トールマン/20歳種族:トールマンの東方人種
所属:タンス夫妻パーティ所属:ライオスパーティ →シュローパーティ(リーダー)
褐色の肌をした男女の双子で、男の方がカカ、女の方がキキ。養父母であるタンス夫妻をじーちゃん・ばーちゃんと慕っている。日本刀と和式の具足を装備した剣士。ライオスをして「この島の大概の戦士より強い」と言わしめる実力者。一刻も早くファリンを救い出し、蘇生するべくライオスのパーティーから離脱。家中の精鋭5名を呼び寄せダンジョンに戻ってきた。本名は半本俊朗
マイヅルイヌタデ
CV:日笠陽子CV:古谷佳乃
まいまいタデちゃん
種族:トールマンの東方人種種族:オーガ
所属:シュローパーティ所属:シュローパーティ
鶴のような装束を着た、黒髪の女性巫術士(ドルイド)。シュローが幼い頃から彼の世話係を務めており、現在もシュローのパーティにおける実質的なリーダー格として行動している。お札や切り紙、掛け軸など「紙」を用いた術の使い手。武者鎧を着た大柄な体躯の女性。額に角が生えており、前歯が一本欠けている。通称「タデ」。長大な金砕棒を武器とする見た目通りの力持ちで、ドワーフであるセンシを一方的に押さえつけられる程。頭の回転はやや悪い。
ヒエンベニチドリ
CV:志田有彩CV:鬼頭明里
センシティブな作品ダンジョン飯 ベニチドリ
種族:トールマンの東方人種種族:トールマンの東方人種
所属:シュローパーティ所属:シュローパーティ
半本家が従えている女忍者の1人。シュローとは幼馴染でゆくゆくは自分と結婚するんだろうなと思っていたがそんなことはなかった。戦闘では火薬を用いる。半本家が従えている女忍者の1人。醜形恐怖症気味で化粧を欠かせないらしい。これを応用した変装を得意とするが劇中で活用する場面はない。自分と正反対の性格をしたヒエンを嫌っていたが、今では親友。
カブルーリンシャ・ファナ(リン)
CV:加藤渉CV:高橋李依
カブルー一味リンシャ
種族:トールマン種族:トールマンの東方人種
所属:カブルーパーティ(リーダー)所属:カブルーパーティ
パーティリーダーを務める褐色の肌の青年。笑顔の下に冷徹な判断力を持っており、メンバーからの信頼は篤い。自分が王に成ることで島の平和を取り戻すという理想を抱いている。黒髪の女魔術師(ソーサレス)。血筋こそ東方人だが北方産まれの北方育ち。癖なのか表情は険しく誤解を受けがち。カブルーといいとこまで行かない。エルフへのトラウマから苦手意識が強い。
サデナのダイアモンド(ダイア)ホルム・クラノム
CV:河村螢CV:広瀬裕也
サデナのダイアモンド
여전히 재밌게 보고 있는 만화
種族:ドワーフ種族:ノーム
所属:カブルーパーティ所属:カブルーパーティ
前髪で目元の隠れた女戦士。片刃の戦斧を使う。眠たげな目をした術師。魔術も行使するが、本領は精霊使い(シャーマン)であり、ウンディーネの「マリリエ」と土精の「エシエ」を操る。
ミックベル・トマズ(ミック)クロ
CV:富田美憂CV:奈良徹
ミックベル!クロ
種族:ハーフフット種族:コボルト
所属:カブルーパーティ所属:カブルーパーティ
クロの雇い主。何かにつけ口うるさいチルチャックを毛嫌いしている。微妙に性別が分かりにくいが男性である。種族特性として、ハーフハットを上回る程に五感が鋭く、ライオス達のパーティ構成を匂いで突き止めるほど鼻が利く。にも強く、トールマンなら即死する程の毒を受けても顔が腫れあがるだけで済んでいる。ただし、鍵士のような複雑な作業・技能は行使出来ず、(全種族)共通言語もカタコト程度しか通じない。
ミスルンパッタドル
CV:内山昂輝CV:伊瀬茉莉也
真っ黒おめめって良いスよね
パッタドル pattadol
種族:エルフ種族:エルフ
所属:カナリア隊(隊長)所属:カナリア隊
西方エルフの迷宮調査部隊である「カナリア隊」の隊長。転送術を攻撃に応用した高い戦闘力を持つが極度の方向音痴。ミスルンの補佐を勤めるエルフの看守。新人でありながら張り切っているものの空回ることもしばしば。とてもまじめ。
ヤアド・メリニデルガル・メリニ
CV:村瀬歩CV:志村知幸
第2シーズン可愛すぎる作品募集中
種族:トールマン種族:トールマン
所属:黄金郷所属:黄金郷
メリニ王国王族の末裔。祖父デルガルが地上へ向かい消滅した後は、彼が黄金郷を統治している。1千年前に滅びたとされながら地下で存命していた黄金の国の王。「狂乱の魔術師を倒した者には国のすべてを与える」と言い残し、その体は塵となった。
狂乱の魔術師シスル翼獅子
CV:小林ゆうCV:未登場
狂乱酱
翼狮
種族:エルフ種族:???
所属:黄金郷所属:黄金郷
ライオス達が探検する迷宮の主。極めて強力な黒魔術を使い、モンスターを介して迷宮を監視、管理している。エルフ族特有の端麗な外見から性別は分かりにくいが男性迷宮の主の願いをかなえる存在。姿こそは黄金郷の守護神と同一であるようだが…。狂乱の魔術師ことシスルによって封印されていた。
フリナグ・メリニ島主
CV:大塚芳忠CV:飛田展男
作品募集中作品募集中
デルガルの先代のメリニ王国の国王であり、デルガルの父親。デルガルの結婚式の日に毒殺される。カーカブルードの現在の領主。手腕はお世辞にも良いとは言えず、カブルーたちからも散々に馬鹿にされている。

用語・世界観編集

迷宮(ダンジョン編集

古代人が遺した先史文明の遺構。異次元から悪魔を召喚するために造られた「門」であり、同時に悪魔を地下に封じ込める「牢獄」でもある。世界各地に点在しており、内部に遺された財宝や古代魔法を求めて数多の冒険者が攻略に挑んでいる。

「人工迷宮」「自然迷宮」の2種類があり、人工迷宮は「迷宮の主」が設計管理している。

迷宮の主は悪魔を力の源泉とし、その力で迷宮を作っている。目的は外敵の排除などが多いが主によって様々。迷宮の様式によって「ドワーフ式」「ノーム式」などに分類される。

悪魔は迷宮主や宝目当ての冒険者の欲望を煽り糧にしており、それによって得た力を蓄えて外に出るという目的がある。十分に力を蓄えた悪魔がいる迷宮は危険であるため、そうなる前にエルフの部隊によって迷宮は閉鎖される。

自然迷宮は洞窟などに魔力が満ちた人工迷宮に似た自然環境のことであり、魔物は住めども悪魔は潜んでいない。

物語の舞台となっている島の迷宮は、数ある迷宮の中でも特に大規模で、世界各地の冒険者たちが訪れているホットスポットである。


  • 迷宮の主

迷宮に潜む悪魔によって管理者権限を与えられた者を指す名称。種族に関係なく、秘めたる欲望を悪魔に見込まれた者が選ばれる。迷宮の主となった者は、悪魔由来の絶大な魔力と迷宮を意のままに操る超常能力を手にすることから、迷宮の中においてはほぼ万能の存在である。

しかし、振るえる力が強過ぎること、己の欲望に縛られて柔軟な思考が出来なくなってしまうことから、迷宮の主となった者は遅かれ早かれ皆狂気に陥ってしまう。

ミスルンのように主となりながらも迷宮が破壊され、悪魔から開放されることで主の座から生還する者も少数ながらいる。


  • 不老不死の呪縛

ダンジョンに入る人型の生物にのみ自動的に付与され、出ると解呪される呪術。魂が死体に固定されやすいため、傷を癒やせば死者を生き返らせることが出来る。蘇生の成功確率は「死体がどれだけ原形を保っているか」「死亡してからどれだけ時間が経ったか」によって決まる。

冒険者たちは便利なシステムとして何気なく利用しているが、実のところ魂の固定術については未だに謎が多く、その核心部を解明すれば黄金をも凌ぐ宝になるとして魔術師達に目を付けられている。

舞台となっている島の迷宮だけでなく、冒険者の多いダンジョンにはこの術がかかっていることが多い。

この術の領域内では「死」が気絶程度のことでしかなくなるため、冒険者達の生死に対する倫理観や緊張感を次第に欠如させるという悪影響を及ぼしている。


  • 死体回収屋

迷宮内部で死亡した冒険者を蘇生させ代金を得ることを仕事にしている業者。彼等も一応は冒険者である。

冒険者達にとっては正に生命線だが、死んでいる間に金品を盗む人間もいるため、あまり信頼はされない。バレなきゃオッケーの精神のもと脈々と営業を続けている。死体があればあるほど儲かるため、間接的に冒険者を殺害して金をせしめる悪質な輩も蔓延っている。また、迷宮に潜る以上は探索するための力量が必要とされるため、手に余る危険な階層には救助に行けないという難点もある。


  • 黄金の国

物語の舞台となる「島」の迷宮の主「狂乱の魔術師」によって1000年前に迷宮内部に封じられた国。黄金郷とも呼ばれる。正式な名前は「メリニ」といい、小さな島国ではなく大陸の一部に広大な国土を持つ大国であった。


人種編集

それぞれが固有の文化や言語を所持しているが、異種族同士のコミュニケーションの為に「共通語」と呼ばれる言語が用いられている。

それぞれの種族ごとに身体的特徴やそれに基づいた得意分野が異なり、例えばライオスのパーティはほとんど全員種族がバラバラで、長所を活かして互いの欠点を補い合う好例である。

しかし、社会全体で見たときの種族間の関係は良好とは言えず、種族間の対立に端を発する戦争や、拭いがたい差別感情などが歴然と存在しており、作品世界に暗い影を落としている。

基本的には一緒くたに「人間」と呼び扱うが「尻尾の有る」「指が多い」など骨格に関する差異がある種族は亜人として扱われる傾向にある。これは本編外で言及されたカブルーの個人見解であり、その認識は個人や地域により大きく隔たりがある。

寿命の長さにより「長命種」「短命種」というくくりがあり、長命種にとっては子供と言える年齢で死亡する短命種は文化的にも未熟という認識であるなど、人種間での価値観の違いにも現れている。


現実世界で言うところの人間トーデン兄妹、シュローなどが該当する。

名前の通り他種族より相対的に見て長身。膂力と魔力いずれにおいても一定以上の水準にあるが、“基本的には”各分野のスペシャリストには及ばない器用貧乏とも言い換えられる種族である。また、「音楽が得意なものが多い」という認識も持たれている。

しかしながら個体ごとの能力や才能の振れ幅が大きく、限られた分野のみに着目するならば、他の特化種族さえも圧倒的に凌駕する者も稀に生まれる。

トールマンの中にも幾つか人種の違いがあるようで、トーデン兄妹は「北方人」、シュロー一行は「東方人」と呼ばれている場面がある。平均寿命は60年程。


長い耳を持つ容姿端麗な種族。狂乱の魔術師やカナリア隊の面々などが該当する。

優れた魔力を持つが体つきは華奢で、力仕事は基本的に苦手だが、鍛錬によって敏捷な軽い身のこなしを身に着けた者もいる。特徴的な耳から「耳長」という俗称(蔑称?)で呼ばれることもある。

その強大な社会的影響力と魔術への知見ゆえに、世界秩序へ積極的に干渉し管理者のような立場を取っている。


他のどの種族よりも長い寿命を持ち、平均寿命は300年ほどだが、500歳まで生きた者もいるという。その長命ゆえか時間感覚は他種族よりも大雑把でまた今度といいながら数年後ということもある。なまじ長命であるが故に、他の種族、特にトールマンやハーフフットのような短命種に対しては、良きにしろ悪しきにしろ上位者然と振る舞う者も多い。こういった性質から、他種族からは"人間"とは違う存在と見做されることもある。


トールマンのように住む地方によっての北方人や東方人という区別があるのかは不明。

尚本作では他作品の様なダークエルフは種族的な分類として存在しておらず、黒い肌や褐色肌のエルフも一律にエルフとされる。一応「ダークエルフ」という名称自体は作中にも存在しているが、これは短命種に害をなすエルフに対する短命種側からの呼び名となっており、エルフ側からは概念自体が認知されていない。


今では「短命種という呼び方は差別ではないか」という認識が広まりつつあり、一応意識改革の動きは見られる。なお、昔は短命種のことを「劣等種」と呼んでいたらしく、ミスルンからその話を聞いたカナリア隊の面々はドン引きしていた。


エルフと短命種の混血。純粋なエルフと比較すると耳の先端がやや丸みを帯びるという見た目上の違いがある。フィオニルなどが該当する。

純粋種よりも長寿で1000年程も生きる者もいる。また、生まれながらにして優れた才覚を備える者が多い反面、交雑種の生物的宿命として子孫を残せない、すなわち生殖能力を持たないことや、成長速度が不安定というデメリットを抱える。

純粋なエルフ達からは馬鹿にされたり差別されることもしばしば。


頑丈で力強い肉体を持つ種族。センシ、ナマリなどが該当する。

トールマン、エルフよりも背は低いが、体格は非常に良く優れた筋力を持つ。

手先も器用で道具の加工や冶金術などを得意とする。また、腕力こそあれど疲れやすく直ぐ空腹に陥るなど、筋肉量故の燃費難を窺わせる部分もある。

成人男性のドワーフは大変立派な髭を蓄えているのが普通。女性でも髭が濃くなる。ただ、女性で髭を蓄えているのは田舎の老人くらいしかいないようで、ナマリやダイアは髭を剃っている。

平均寿命は200年程で、エルフと同じく「長命種」と呼ばれる場面がある。鉱脈を求めてあちこちを掘り進むことから、オークのような亜人種からは「地底人」とも呼ばれている。


小さい体躯と鋭敏な感覚を持つ種族。他作品で言うところのハーフリングホビットに近い。チルチャックなどが該当する。

大人でもトールマンの半分ほどの背丈しかなく、顔つきも幼いので子供と勘違いされがち。聴覚や視覚と言った感覚器官が非常に鋭敏で、罠や仕掛けが満載のダンジョン攻略には欠かせない技能要員である。

しかし、その特徴から盗賊などを営む者も多く、子供のような容姿も含め他種族からは偏見や差別を受けることも多々あるという。平均寿命はトールマンよりも短く、50年程しかない。


大きな手を持つ種族。タンス夫妻などが該当する。

エルフ同様魔法の扱いに優れる。中でも、精霊のような霊的存在と対話するタイプの魔術の扱いに長けるという。

背は低めで丸っこい鼻を持ち、外見はドワーフによく似ている。ノームは手が大きいことと耳が若干上の方についていること、目がたれ目気味な点が異なる。

寿命は240歳ほど。土の精霊としてのノームとは別。ややこしいことにどちらもこの世界に存在しており、種族としてのノームが精霊としてのノームを使役することすらある。

外見や平均寿命が近く、魔法を一歩引いた姿勢で扱う精神性から、ドワーフと友好的な関係を築いている。


見上げるような巨体と怪力を持つ種族。ヒエンら東方人には「オニ()」と呼ばれている。劇中ではイヌタデが該当。

額に角が生えており、牙も鋭い。幼い者や華奢な女性は人間と大差無い顔つきだが、年を経るにつれ眉骨や鼻根がライオンのように隆起する。

膂力に優れることから他人種と敵対もすれど一目置かれることもある。

平均寿命は58歳ほどで短命種に分類される。その巨体を維持するために大量の食事を必要とすることもあって環境変化に弱く、種族としては衰退傾向にある。個体数も特段に少なく、現在は東方群島の一部と西方大陸の北端に僅かに分布するのみとなっている。


亜人編集

上記の種族以外の人型生物の総称。「ヒト」との区別は骨の数等でなされるという見解もあるが厳密なところは不明。

かつての古代人が戦争用に生み出した魔獣と人間の合成生物の末裔とも伝えられているが、真偽は確かめるすべもない。


迷宮に住まう亜人種。劇中ではゾン、リドなどが該当。

猪の魔物と融合した人間の子孫と言われており、足の指が偶蹄目のヒヅメのようになっている。

元は地上で暮らしていたが他種族から追われ地下に集落を作っている。知能は低くはなく独自の文化を持つが、他種族から収奪を行う文化様式から地上の種族には敵対的である。迷宮の意向で生み出された存在ではなく、勝手に住み着いているだけの外来種であるが、冒険者達を撃退してくれるので迷宮の主からは黙認されている。


現在は住処をレッドドラゴンに追われ、普段より浅い階層に居を移している。と同時に、レッドドラゴン打倒を目指すライオス達とは利害の一致から一時休戦のような状態にある。

彼らの作る料理は辛みの強い味付けが特徴のようである。

男女の別があり、一夫多妻制が存在する模様。基本的に色んな意味で野性味溢れるゴツい容貌の個体が多いが、意外にも小さな子供はうり坊のようで可愛らしい。また、エルフ「野蛮な顔」と称するなど美醜の感覚が他の種族とは異なるとされているが、実際には要素だけを挙げれば判断基準は大して変わらない模様。男性は頭部の角(自前ではなく狩った魔物の牙や骨を皮下に埋め込んだインプラントのようなもの)と口からはみ出る長い犬歯、女性は男性よりもやや鼻が大きいという特徴がある。


犬が人型になったような外見の亜人。劇中ではカブルーの仲間のクロが該当。

犬同様に優れた嗅覚と聴覚を持つ。また、毒に対しても強い耐性を持つ。

口の構造から登場人物が会話に用いる「共通語」を上手く発音できず片言でしか喋れない。無論、コボルト独自の言語は存在する。

劇中の舞台となる「島」以外に生息地域があり、コボルトだけで構成された国家もあるが、その周辺では魔物と変わらず危険視されている。

なまじ見た目が可愛らしいことから、奴隷商人に捕らわれ愛玩奴隷として売り飛ばされるという悲惨な目に遭うコボルトも多々いる。


魔術編集

魔力を使って力を行使する術。大きく「エルフ体系」「ノーム体系」に分かれている。エルフ体系は精霊を直接動かすため思い通りの結果が得られるが、大きな結果を出そうとすると魔力の消耗も大きく術者の負担が強い。ノーム体系は精霊にお願いすることで魔術を発動するため少ない魔力で強力な力を行使できるが、結果にブレが出るという特徴がある。

その他東方の「呪術」という魔術もある。


古代魔術編集

滅びた古代人が使用していた魔術。黒魔術とも。エルフにより禁忌とされ、使用はおろか研究することさえ禁止されている。

禁忌を犯すとエルフの国に連れて行かれ尋問されるが、エルフの時間間隔の長さ故に数十年拘束されるため、短命種の場合多くは捕まると牢で生涯を終えるか老齢になって開放されることになる。


料理編集

本作の重要な構成要素。

劇中ではセンシを始めとした登場人物によって多様な料理が作られる。

西洋風であったりおにぎり味噌汁のような和風の食事、果ては家系ラーメンのような現代日本人にも馴染み深いものまで、様々な料理が登場。

大抵の場合は迷宮に住むモンスターを食材とするが、地上産の食材や変則的な手段で調達した食材が使われることも。

なお、魔物を食べる行為は極一部の地域を除き一般的とは言えない。魔物は魔力をエネルギー源にしているので食中毒の危険があること、人を食べているかもしれないという忌避感、単純に何か嫌だから、といった理由で劇中の人間は魔物を食べようとは考えないのである。


ダンジョン飯の登場モンスター一覧編集

登場するモンスター(個別記事)

多くは名前を聞いたことのあるRPGでお馴染みのモンスターが多い。


アニメ編集

2024年1月から同年6月にかけて、TOKYOMXテレ玉千葉テレビtvkとちぎテレビ群馬テレビKBS京都サンテレビびわ湖放送奈良テレビAT-XのほかBS11、さらには日本テレビ系列局・フジテレビ系列局各約1局ずつ、TBS系列局・テレビ朝日系列局各約5局ずつ、テレビ東京系列局約4局にて、半年間・連続2クールの放送スタイルで放送された。

放送日は木曜日に集中(TOKYOMXのニチアサ枠再放送などの特例を除く)しており、ハッシュタグにも『#木曜夜はダンジョン飯』(キャンペーン用タグも兼ねる)と言うタグが公式で存在している。

また、公式サイトでは「全国28局(ネット)」と謳っている。これに対し「TBS系列局(の数)かよ」とのたまう人もいるようだが、先述の通りTBS系列局でも約5局放送を請け負っている。


それまでオリジナル作品メディアミックスを手がけてきたTRIGGERにとっては初めての漫画原作作品である。


監督を務める宮島善博は九井諒子作品の大ファンであり、並々ならぬ熱意で臨んでいる。宮島氏は監督初挑戦ではあるが、元々画を描く側ではなく制作側の人間だったこともあり、ダンジョン飯を愛するアニメーター達に存分に仕事をして貰うというスタンスである。そのため、担当するアニメーターによって画風ががらっと変わっており、各話事に個性的な演出が成されているのも特徴である。


料理デザインは「飯テロイラストレーター」の異名を持つもみじ真魚が担当しているのだが、「普段描いているフードイラストは茶色が多くなりがちなので、普段食品を描く上では使わないような青色などが使えて楽しかった」とのことである。


上述のニチアサ枠での放送を見据えてか、登場するモンスターのぬりえが存在する。それだけでなく、木曜夜のポストとニチアサ放送時のポストでは表記などが異なる。具体的には、ひらがな表記と「テレビを見る時は~」の記述。


ナレーションは三上哲が担当。


第一期終了後には、第二期の制作が発表された


スタッフ編集

監督宮島善博
副監督佐竹秀幸
シリーズ構成うえのきみこ
キャラクターデザイン竹田直樹
モンスターデザイン金子雄人
コンセプトアート嶋田清香
料理デザインもみじ真魚
音楽光田康典
音響監督吉田光平
音楽プロデューサー水島智栄子
音楽制作KADOKAWA
アニメーションプロデューサー志太駿介
アニメーション制作TRIGGER

主題歌編集


Webラジオ編集

  • 『ダンジョン飯 迷宮探索ラジオ』(2024年1月31日~ ※月1回サイクル)
    • 音泉で配信後KADOKAWAanime YouTubeチャンネルでも配信。MCは熊谷健太郎と千本木彩花。

回数ゲスト名(役名)料理(再現話数)YouTubeリンク
第1回泊明日菜(チルチャック役)エビとキノコの水炊き(1話)
第2回中博史(センシ役)鰻の蒲焼&白焼き(7話)
第3回早見沙織(ファリン・人魚役)ローストビーフとテールシチューとピザパン(12話)

余談編集

英題編集

本作の題名を英訳すれば『Meal at Dungeon』とでもなるかと思われるが、公式には『Delicious in Dungeon』の題で展開している。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を意識して寄せたものだろうか。


書籍情報編集

  • ダンジョン飯 1巻–14巻(HARTA COMIX)
  • ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル 完全版(ハルタコミックス)コミック:2024年2月15日
  • ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル(HARTA COMIX):2021年12月13日
  • 九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー(ハルタコミックス)コミック:2024年1月15日
  • ダンジョン飯Walker TVアニメガイドブック(ウォーカームック)ムック:2024年1月29日

関連イラスト編集

ダンジョン飯

ダンジョン飯アニメダンジョン飯


関連動画編集

ニコニコ版はこちらから


第2シーズン予告映像


メイキングドキュメンタリー「OP制作」


関連タグ編集

KADOKAWA ハルタ(漫画誌) グルメ漫画

マンガ飯:「作品内に登場した料理」や「そういった料理を実際に作ってみる」といったカテゴリーなのだが、如何せんこの作品に於いては「食材調達が無理」なので「それらしい材料で、見た目を近づけて作ってみた」例がある。


ダンジョン飯100users入りダンジョン飯500users入りダンジョン飯1000users入りダンジョン飯5000users入りダンジョン飯10000users入り


他作品との二次創作タグ編集

元作品の五十音順に配列。

※新規に確認できたものは適宜追加をお願いします。

脚注

  1. 主人公が一風変わった「食」への執着を示す点が共通する。
  2. マルシルに似たキャラクターが登場する。

外部リンク編集

関連記事

親記事

九井諒子 くいりょうこ

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