エルフ耳

エルフの特徴である長く尖った耳。

「エルフのような」という意味で、長い耳や尖った耳全般がこう形容される事もある。

そもそも、エルフの耳は昔から長かったわけではない。

初期は耳の先が尖っている程度であり、昔風に言えば「悪魔耳」（グループSNEに言わせると「バルカン人の耳」）と変わらなかった（映画版『指輪物語』のレゴラスが分かりやすい。ちなみに『指輪～』では、作者が「エルフ語の葉lasseと耳hlasにlasがあるのはエルフの耳がそういう形だからかも」と言ってるメモはあるが具体的な形状は不明）。

エルフ像が日本へ輸入されたころ（あしべゆうほが1981年『クリスタル☆ドラゴン』で出すなど。なおその前に山岸凉子先生も出してるし前後して妖精も行けるその筋の大御所も書いてるが総じて耳は普通なので無視する）は、「そこそこの長耳で尖る」のが散見される。

マイナーなものの、山本貴嗣『エルフ・17』（1985年パイロット版のが1984年）での「光翔族（にエルフのルビ）」の耳は尖る上若干長い。なお山本はいわゆるエルフ耳が巷間に出る直前、「滋養と強壮に良いエルフ」が活躍する『剣の国のアーニス』を描いているが、こちらのヒロインアーニス･イスカリスもすでに「横へ延びて先が尖った」耳をしている。

その後グループSNEが（TRPGをメジャーにするため）発表した『ロードス島戦記』のヒロイン・ディードリットがTRPGを知らない絵師の勘違いで長い耳（ロバ耳）にデザインされ、これが大ヒットした事で世界的にイメージが定着したのである。なおその絵師の絵に「D&Dへ寄せてる感じ(なので先っぽが上へ伸びる)」を指摘するダテナオトによれば、日本エルフ耳の基本は、「横へ伸びる」のが特徴で、これは「アニメ『ロードス島戦記』の結城信輝デザイン」の方がモデルになっているという。

ディード２by甲斐千鶴＠お仕事募集ー

その後『ダンジョンズ&ドラゴンズ』等の『ロードス島戦記』より古い作品にも「長い耳のエルフ」の設定が逆輸入され、今やエルフは長く尖った耳を持つのが当たり前になった。ただ、向こうのエルフ耳は大体概ね「上」へ伸びている。

山本貴嗣や、ロードス島のエルフを書いたひとは、モデルに『ダーククリスタル』のキーラ（ゲルフリン族という一族の娘）をあげるが、2019年に配信されたダーククリスタルの続編『エイジオヴレジスタンス』でのゲルフリン族の耳は、上でなくて横に伸びている。

作品によっては「エルフ以外の血が混ざっている（ハーフエルフ）と通常より短くなる」といった設定が加わる事もある。

うさぎで言う「ロップイヤー」のように、純血でも下向きに垂れたようになっている事もある。

またエルフに限らず人間とは違う種族を示す記号として、こういった耳が採用されることは多い。『ロードス島』以前の作品(1948年刊)である手塚治虫『魔法屋敷』では、ファンタジーの世界の住人である悪魔大王が尖っただけの耳、その妹で月の住人とされるヒドラは、長いだけの耳を持つのみであった。後に出る『戦え!!イクサー1』の人や『星界シリーズ』のラフィールなどアーヴ、『ゼルダの伝説』のゼルダ姫の皆さん、『NG騎士ラムネ&40』　の聖なる三姉妹はエルフではないが先の尖った長い耳を持つ。

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