為替 単語

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為替(かわせ)とは、以下のものをす。

  1. 内為替 - 内の販売者に対して現金を使わず手形小切手定額小為替銀行振込などで決済すること。
  2. 為替 - 外の販売者に対して自通貨を外通貨に交換してから現金を使わず手形小切手銀行振込などで決済すること。
  3. 為替相場 - 自通貨を外通貨に交換するときの交換率であり、経済学では名目為替レートと呼ばれる。本記事で解説する。

  A  

  B  

本来の為替は現金(紙幣や硬貨など現物の金銭)を伴わない決済の総称である。手形小切手銀行振込などのように現金を渡さない決済はすべて為替と呼ばれるが、そのうち内の販売者に対して行う決済は内為替と呼び、外の販売者に対して行う決済は外為替と呼ぶ。

の販売者に対して決済するときは必ず外為替市場で自通貨と外通貨の交換を行う。このため「為替」というと外為替市場における為替相場、すなわち自通貨と外通貨の交換率(名目為替レート)を意味するようになった。

ニュースで「為替」というと、多くが為替相場(自通貨と外通貨の交換率、名目為替レート)のことを意味する。ゆえに本記事では為替相場について解説する。

概要

為替相場とは自通貨と外通貨の交換率のことである。経済学では名目為替レートという。

人間は「通貨」という概念ができて以降、通貨を受け渡しして価値を交換してきた。しかし、通貨はあくまでそのだけで通じる概念であることが多く、異なる人間に自分の通貨を直接渡しても価値は伝わらないことが多い。そのため、それぞれの国家間で通貨の交換率を設けることになった。

通貨と外通貨の交換率を決定する市場は外為替市場と呼ばれる。また、円を自通貨または外通貨とする為替相場は円相場と呼ばれる。

為替市場のあり方は固定相場制中間的為替相場制変動相場制の3つに大別できる。1973年2月14日以降の日本が採用しているのは変動相場制の中の管理変動相場制である。

1973年2月14日以降の円相場変動相場制なので、上がり幅・下がり幅を利用して金をける資産運用の方法が存在する(本記事の『為替相場を利用した資産運用』の項を参照)。そして「為替市場生き物」「為替市場は眠らない」という言葉があり、その言葉どおり本当に分単位・単位で各通貨の価値が変動し続けるため、わずかな変動幅でもつぎ込んでいる資金によっては大幅なプラスマイナスに直結する。そのため、トレーダーや投資達は常に自分の投資に使っている通貨の相場変動を監視し続けている。

円相場のしくみ

日本における表示は「外国通貨1単位= ○円」

円相場とは、円を自通貨または外通貨とする為替相場のことである。日本円相場なら円が自通貨になり、米国円相場なら円が外通貨になる。

日本円相場を示すときは「外通貨1単位= ○円」と表記される。つまり「1ドル=○円」とか「1ユーロ=○円」とか「1人民元=○円」と表示される。この逆に「1円=外通貨○単位」と表示する例はめったに存在しない。

1ドル120円という表示と1円=0.0083ドルという表示は全く同じ意味だが、日本においては常に前者の表示方法を採用している。

円と米ドルの交換比率が特に注目される

2024年現在において世界中の貿易で使われる基軸通貨世界通貨というと、アメリカ合衆国で発行されるドルである。

そのため円相場において円とドルの交換率を示すものが特に注される。

円高と円安の見分け方

「1ドル100円が1ドル90円になる」という現象と「1ドル100円が1ドル110円になる」という現象があるとする。

「円の数字が増えているから『1ドル100円が1ドル110円になる』の現象の方が円高なんじゃないの?」と思う人はいるだろうが、逆である。

1ドル100円が1ドル90円になり、1ドルを買うのに100円かかっていたのが90円で済むようになり、1円あたりの価値が高くなったのが「円高」である。

逆に1ドル100円が1ドル110円になり、1ドルを買うのに100円で済んでいたのが110円もかかるようになり、1円あたりの価値が安くなったのが「円安」である。

「1ドル = ○円」において

  • ○の数字が減った・・・「1ドルを得るのにたったの○円だけで済むようになった」ので、円の価値が高まり、円高になった
  • ○の数字が増えた・・・「1ドルを得るのに○円も出さねばならなくなった」ので、円の価値が低くなり、円安になった

円高になることの類似表現は、円の上昇、円の高騰、円の増価、円が強くなる、などである。日本固定相場制を採用しつつ円高になるように名目為替レートの固定値を変更したら、円の切り上げという。

円安になることの類似表現は、円の下落、円の低落、円の減価、円が弱くなる、などである。日本固定相場制を採用しつつ円安になるように名目為替レートの固定値を変更したら、円の切り下げという。

円高の経済効果

先週が「1ドル = 100円」で今週が「1ドル = 90円」となる円高の場合

  • から1ドルの値が付いた商品を輸入する人は、先週の費用が100円で今週の費用が90円であり、10円の費用減少となり、得をする
  • へ1ドルの値を付けて商品を輸出する人は、先週の収益が100円で今週の収益が90円であり、10円の収益減少となり、損をする

円高は「1ドル100円が1ドル90円になる」というようなことをいう。

円高で恩恵を受けるのは、日本の輸入企業である。海外から原油・農作物・食料品などを輸入している企業がこれに当たる。海外から外貨で値段を付けられた商品を購入するときに円高・外貨安になると、代金として支払う外貨の価値が下がるので、円に換算した費用が小さくなる。

円高で打撃を受けるのは、日本の輸出企業である。海外自動車を輸出している企業がこれに当たる。海外に向けて外貨で値段を付けて商品を販売しているときに円高・外貨安になると、代金として入手した外貨の価値が下がるので、円に換算した収益が小さくなる。

円高で恩恵を受けるのは、日本から海外旅行して外貨を支払って海外に滞在する人である。円高・外貨安になると、代金として支払う外貨の価値が下がるので、円に換算した費用が小さくなる。日本からの旅行客で成り立っているハワイグアムなどの海外観光名所は、客足が増えて好気になる。

円高で打撃を受けるのは、海外から日本旅行して円を支払って日本に滞在する人である。円高・外貨安になると、代金として支払う円の価値が上がるので、外貨に換算した費用が大きくなる。インバウンド外国人旅行客)で成り立っているような日本観光名所は、客足が減って不気になる。

つまり円高というと次のことを意味する。

  • 1ドル=○円 の○が減る
  • 円が強くなっている、円が上昇している、円が増価している
  • 以前と同じ外貨建て価格で輸入しても少ない額の円を払うだけで済み、輸入系日本企業が費用を減らし、得をする
  • 以前と同じ外貨建て価格で輸出しても少ない額の円しか稼げず、輸出系日本企業が収益を減らし、損をする
  • 以前と同じ外貨建て価格で海外旅行しても少ない額の円を払うだけで済み、日本人旅行客が費用を減らし、得をする
  • 以前と同じ円建て価格で日本旅行しても多い額の外貨を払うことになり、外国人旅行客が費用を増やし、損をする
  • 日本からの旅行客で成り立っている海外観光名所は、客足が増えて好気になる
  • 海外からの旅行客で成り立っている日本観光名所は、客足が減って不気になる

円安の経済効果

先週が「1ドル = 100円」で今週が「1ドル = 110円」となる円安の場合

  • へ1ドルの値を付けて商品を輸出する人は、先週の収益が100円で今週の収益が110円であり、10円の収益増加となり、得をする
  • から1ドルの値が付いた商品を輸入する人は、先週の費用が100円で今週の費用が110円であり、10円の費用増加となり、損をする

円安は「1ドル100円が1ドル110円になる」というようなことをいう。

円安で恩恵を受けるのは、日本の輸出企業である。海外自動車を輸出している企業がこれに当たる。海外に向けて外貨で値段を付けて商品を販売しているときに円安・外貨高になると、代金として入手した外貨の価値が上がるので、円に換算した収益が大きくなる。

円安で打撃を受けるのは、日本の輸入企業である。海外から原油・農作物・食料品などを輸入している企業がこれに当たる。海外から外貨で値段を付けられた商品を購入するときに円安・外貨高になると、代金として支払う外貨の価値が上がるので、円に換算した費用が大きくなる。

円安で恩恵を受けるのは、海外から日本旅行して円を支払って日本に滞在する人である。円安・外貨高になると、代金として支払う円の価値が下がるので、外貨に換算した費用が小さくなる。インバウンド外国人旅行客)で成り立っているような日本観光名所は、客足が増えて好気になる。

円安で打撃を受けるのは、日本から海外旅行して外貨を支払って海外に滞在する人である。円安・外貨高になると、代金として支払う外貨の価値が上がるので、円に換算した費用が大きくなる。日本からの旅行客で成り立っているハワイグアムなどの海外観光名所は、客足が減って不気になる。

つまり円安というと次のことを意味する。

  • 1ドル=○円 の○が増える
  • 円が弱くなっている、円が下落している、円が減価している
  • 以前と同じ外貨建て価格で輸出すると多くの額の円を稼ぐことができ、輸出系日本企業が収益を増やし、得をする
  • 以前と同じ外貨建て価格で輸入すると多くの額の円を払うことになり、輸入系日本企業が費用を増やし、損をする
  • 以前と同じ円建て価格で日本旅行すると少ない額の外貨を払うことになり、外国人旅行客が費用を減らし、得をする
  • 以前と同じ外貨建て価格で海外旅行すると多くの額の円を払うことになり、日本人旅行客が費用を増やし、損をする
  • 海外からの旅行客で成り立っている日本観光名所は、客足が増えて好気になる
  • 日本からの旅行客で成り立っている海外観光名所は、客足が減って不気になる

短期において物価が硬直的なので円相場がそのまま輸出入に影響を与える

ここまで述べたことは、日本の物価と外の物価がほとんど変わらない短期において当てはまるものである。

短期においては価格が硬直的であり、名目為替レート(1ドル=○円というような通貨交換レート)がX倍となったら実質為替レートもX倍となり、輸出や輸入にを与える。

長期においては価格が伸縮的であり、名目為替レート(1ドル○円というような通貨交換レート)がX倍となっても実質為替レートがX倍となるとは限らず、輸出や輸入にを与えるかどうかは不透明である。長期において輸出や輸入の変化を論じたいのなら実質為替レートを調べなければならない。

実際の為替変動

ニュースでよく報じられるとおり、円・ドル相場だけでも外為替は常に変化している。

円相場というものは、1日で1ドル100円が1ドル102円になる程度で、つまり1日で変動幅が2%になる程度で「円急落」と報じられて騒ぎになる。それよりも変動幅が大きいことは非常に少ない。

とはいえ、為替相場が急変して絶壁のようなチャートになった例もある。2015年1月15日スイスフランショックでは、1ユーロ=1.20スイスフランで始まり、一時は1ユーロ=0.86スイスフランにまで急騰して変動幅が28.3に達し、その日の終わりには1ユーロ=1.05スイスフランに落ち着いたもののそれでも変動幅が12.5に達している(記事1exit記事2exit)。

また、円相場は様々な外通貨を扱っている。各通貨に対する円のレートはそれぞれ異なるため、円高ドル安になっても円安ユーロ高になる可性がある。

もしこの先、海外の商品を売買したいのであれば、即飛びつくようなことはせず、「関連リンク」の項にある各相場一覧を見て、買い時や売り時を見計らってみても良いのではないだろうか。

円相場の歴史

戦後日本での為替相場は1949年1971年まで「1ドル = 360円」という状態で固定相場制となっていた。

しかし1973年2月14日より変動相場制に変わり、それ以降はだんだんと円高となり、21世紀以降はおおむね1ドル = 110円あたりが一種の標準となっていた。

2022年2月24日に勃発したウクライナ戦争のあとは円安が進み、1ドル150円あたりが一種の標準となる状況が続いている。

為替相場を利用した資産運用

為替相場は国家間での決済を円滑にするために生まれてきたものであるが、その変動によって発生する差額を利用した資産運用もある。それは外貨預金と外国為替証拠金取引FX)である。

どちらの運用手段にもメリットと同じくらい、あるいはそれ以上のリスクが存在する。

【外貨預金】
円を外通貨に両替して外銀行定期預金口座に預けておくこと。日本より金利の高いを見つけて円をその通貨に両替してその銀行に預けておけば、満期時にそのの金利が適用されるため、外通貨日本円の為替相場が一定なら円を日本銀行定期預金に預けておいた場合よりも資産が大きくなる。キャリートレードの典例である。
ただし、外通貨日本円の為替相場が円高・外通貨安に変動してから引き出せば損しやすく、最悪の場合は元本割れという悲惨なことになる。
円から外通貨に替える時と外通貨から円に替えるときの両方で手数料を取られてしまうので、頻繁に出し入れするのもお金が減る一因となる。
なお、外貨預金は銀行が破綻した時のペイオフ(預金保険)の対外であるため、外銀行が破綻した場合に預けたお金が全く返ってこない。
外国為替証拠金取引FX)】
業者を通して円売り・外通貨買いを行い、ある程度の円安・外通貨高になってから円買い・外通貨売りを行って円建ての収入を得る方法。

日本政府の為替介入

政府が指示をして日銀が実行する

1973年2月14日以降の日本変動相場制のなかの管理変動相場制を採用しており、たまに為替介入することがある。

為替介入は日本政府の一部である財務大臣が示を出し、その示に従って日銀事務を行う。政府体となって為替介入を行っているのであり、日銀が独自に為替介入するわけではない[1]

財務省際局為替市場課と日本銀行金融市場局為替課が緊密に連携して為替介入を行う。

歴史上の多くが円売りドル買い介入だった

歴史的に見て、1973年2月14日以降の日本政府の為替介入は、そのほとんどが円売りドル買いで円安ドル高に導く介入だった[2]

日本政府が円買いドル売りで円高ドル安に導く介入をする例はあまり存在しないので「逆介入」と呼ばれているぐらいである。

円売りドル買いで円安ドル高に導く円売り介入

円売り介入をするにあたっては、まず政府日本円を調達しなければならない。

国庫短期証券(短期の国債)を発行して国債市場に売りさばいて日本円を獲得する。大急ぎであるときは日銀国庫短期証券を直接日本政府から購入して、日本政府日本円を渡している。この行為は中央銀行の国債直接引き受けであるが、財政法第5条の「特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、中央銀行の国債直接引き受けを行ってよい」という規定に基づき、「為替介入は急がねばならない特別の事由である」としつつ容認している。

発行した国庫短期証券は外為替資金特別会計(外為特会 がいためとっかい)に記録される。

日本円は日銀が発行する不換銀行券なので、日銀制限に発行することができる。このため円売り介入の資金は制限である。

日本円を手にした政府は、外為替市場に行って円売りドル買いの為替介入を行う。その結果としてドル政府の預金口座に次々と振り込まれ、政府の外貨準備高がどんどん増えていく。

ドルというのはただの通貨なので基本的に利子が付かない。このためドルを抱えた政府は、米国債を扱う市場に参加して、ドル米国債に交換している。米国債は基本的に利子が付き、自動的に金額が増えてくれるので、日本政府にとって大事な貯金である。

円売りドル買いをすると、市場に出回る日本円の量が増える。そのまま放置すると金融緩和となり、短期金利が下がり、利下げとなる。この金融緩和を放置することを非不胎化介入といい、円売り介入と金融緩和を同時に実行するものである。

円売りドル買いをして、市場に出回る日本円の量を増やしたあと、日銀が手持ちの国債日銀手形を売る売りオペをして日本円を市場から回収することがある。これを不胎化介入といい、為替介入を行うが金融緩和を行わないものである。

円買いドル売りで円高ドル安に導くドル売り介入

ドル売り介入をするにあたっては、まず政府ドルを調達しなければならない。

日本政府が手持ちの米国債を売り、ドルを手に入れる。

日本政府の外貨準備高は合計で1兆ドルえており、世界2位の膨大な量となっている(資料1exit資料2exit)。1980年以降の外貨準備高の増減を見てみると右肩上がりで増えていて(資料exit)、円売り介入ばかり行っていたことがよく分かる。こうした外貨準備高はドルだけでなくすべての外貨の準備高をドルに換算して合計したものであり、外貨準備高のなかのどれだけが米国債なのかは分かっていない。日本政府に質問しても「金融・為替市場に不測のを与えるおそれがあるため表しない」と答えるだけである(資料exit)。とはいえ、大部分が米国債だろうと見られていて、日本政府ドル売り介入する体力は非常に大きいということができる。

ドルを手にした政府は、外為替市場に行って円買いドル売りの為替介入を行う。その結果として日本円が政府預金(政府日銀に開設する口座の預金)に次々と振り込まる。

円買いドル売りをすると、市場に出回る日本円の量が減る。そのまま放置すると金融引き締めとなり、短期金利が上がり、利上げとなる。この金融引き締めを放置することもあるが、日銀国債市場参加者が保有する国債を買い入れるなどの買いオペを行って金融引き締めを行わないこともある。

国際的資本移動の自由化が進んだ体制のなかではあまり効果が無い

先述のように1973年2月14日以降の日本変動相場制のなかの管理変動相場制を採用していて、しばしば為替介入している。

しかし、日本政府の為替介入はあまり効果がい。代表的な例で言うと2003年5月2004年3月の円売りドル買い為替介入である。このときは米国政府の了承を受けて日本政府が単独で為替介入をして、約35兆円という巨額の日本円を売ったが、たいして円安ドル高に誘導できなかった。

この2003年5月2004年3月の円売りドル買い為替介入は、米国ジョンブライアン・テイラー際担当財務次官と日本溝口兵衛財務官が合意してから行われたのでテイラー溝口介入と呼ばれている。また日銀砲という異名で呼ばれた為替介入でもある。

1980年代後半以降の世界際的資本移動の自由化が進んでおり、キャリートレードをするような投機マネーの勢いが凄まじい。

本気で為替準を安定させたいのなら、1945年1971年のブレトンウッズ体制のように際的資本移動を制限する必要がある。あるいは香港シンガポールのように自の金融政策の自性を放棄して基軸通貨発行と金利を連動させて際的資本移動の過剰を抑制する必要がある。詳しくは国際金融のトリレンマの記事を参照のこと。

国際的資本移動の自由化が進んだ体制のなかの為替相場の決まり方

実質利子率が為替相場を決める

際的資本移動の自由化が進んだばかりの体制において、為替相場の決定要因の多くを占めるのは、それぞれの実質利子率である。

政府購入や消費が多くて民貯蓄が少ないクラウディングアウトが起こるので投資が少なくなって実質利子率が上がるのだが、そのために自キャリー先にするキャリートレードが発生しやすくなり、自通貨買い・外通貨売りが発生しやすくなり、自通貨高・外通貨安になりやすくなる。

政府購入や消費が少なくて民貯蓄が多いクラウディングアウトが起こらないので投資が多くなって実質利子率が下がるのだが、そのために自キャリー元にするキャリートレードが発生しやすくなり、自通貨売り・外通貨買いが発生しやすくなり、自通貨安・外通貨高になりやすくなる。

投資の多さと自国通貨の強さはトレードオフの関係にある

政府購入や消費が多くて実質利子率が高いは、投資が少なくなる。しかし、自通貨が強くなる。

政府購入や消費が少なくて実質利子率が低いは、投資が多くなる。しかし、自通貨が弱くなる。

以上のように、投資の多さと自通貨の強さはトレードオフの関係にあり、同時に達成することができない。

実質利子率が高くて自国通貨が強い国の代表例

実質利子率が高くて自通貨が強いの代表例はアメリカ合衆国である。

アメリカ合衆国1980年代ロナルド・レーガン政権の頃から2020年代現在に至るまで「強いドル益にかなう(A strong dollar is in the national interest.)」という考えが根強く、実質利子率の高さと自通貨高を歓迎する勢力が一定の力を持ち続けているである。

実質利子率が低くて自国通貨が弱い国の代表例

実質利子率が低くて自通貨が弱いの代表例は日本である。2022年に勃発したウクライナ戦争以降においてさらにその傾向が強くなった。

日本は「強い円は益にかなう」という考えがなかなか台頭せず、「弱い円は輸出企業かるので益にかなう」という考えが根強く、実質利子率の低さと自通貨安を歓迎する勢力が一定の力を持ち続けているである。

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相場一覧

外国為替

外国為替証拠金取引(FX)

外貨預金

関連項目

脚注

  1. *外為法第7条第3項や日銀法第40条第2項でそうした体制が定められている。
  2. *『最新為替の基本とカラクリがよくわかる本(秀和システム脇田栄一』 107ページ
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