杏子とも表記する。人名にも用いられる。
【分類】バラ目バラ科サクラ属
【学名】 Prunus armeniaca (学名の由来)Prunus→スモモのラテン語古名/armeniaca→アルメニアの
ウメやスモモとは非常に近縁で、容易に雑種をつくる。美しいので観賞の対象になる淡紅色の花は3-4月に咲き、ウメにもサクラにも似ているが、旬はウメより遅くサクラより早い。また、葉や幹はウメに似ているが、幹には桜肌の特徴が見られサクラにも似ている。要するにウメとサクラを混ぜた感じだということである。
ウメに似るが、より大きい橙黄色の果実が食用になる。英名のアプリコット(Apricot)やプラム(Plum)で呼ばれることも多いが、プラムが指す範囲は広いのでアンズを指さない場合も多い。旬は6-7月で、他の果物より時季が早い。果肉には甘みがあるが酸味も強いため、生食されるよりは、洋菓子・ジャム・缶詰・ドライフルーツ・果実酒などに加工されることが多い。β-カロテンを大量に含むことが知られている。
種子の液質の中身を杏仁といい、甘みのある甜杏仁と苦味のある苦杏仁に分けられる。前者を杏仁豆腐の材料にするが、日本では実際に杏仁が使われていることは少なく、あの独特の香りはアーモンドエッセンスによるものである。後者は咳止めの漢方薬として用いられるが、青酸配糖体のアミグダリンを含むため素人が安易に食べるべきではない。
耐寒性があり冷涼な地域に生育する。日本では青森県(特に南部町が有名)と長野県(特に善光寺平南部地域が有名)の2県で国産のほぼ全てを生産している。世界的にはアメリカ合衆国のカリフォルニア州が一大産地である。
長野県千曲市には日本一の「あんずの里」があり、観光名所になっている。熊本県山鹿市には「あんずの丘」という体験型施設があり、過去にはDA PUMPのライブも行われた。
※音読みで「アン」、「キョウ」とも読むので、区別しやすいように読み仮名を添えておいた。
※苗字または名前の一部のみに杏の字が入るものは含まれていない。
「杏子(あんず・きょうこ)」については別記事があるのでそちらを参照。
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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