望遠鏡 単語

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望遠鏡とは、遠方の物体を観測するための装置である。

概要

国立天文台野辺山観測所45m望遠鏡
国立天文台野辺山観測所の45m電波望遠鏡exit_nicovideo

身近な望遠鏡と言えば、覗くことで対を拡大して見ることができる器械だ。

視力を明瞭に補佐し、遠くの風景や事を事細かに観察したり、異常障害物・敵といった危険・脅威に対する情報収集を行えるなど汎用性が高く、アウトドア旅行に持っていくと重宝する。

しかし、広い意味では人間の眼では見えない電磁波など(例として赤外線、X線、電波、さらには電磁波ではない重力波も)を捉える装置も望遠鏡と呼ばれる。またそうした装置は必ずしも「拡大すること」に眼を置いているとは限らない。強いて言えば「人間の眼ではとらえられない微弱な信号を増幅して検出するための装置」と言ったところか。

かと言ってテレビアンテナは「望遠鏡」と呼ばれないので、そこは観測する対にもよるだろう。広い意味での望遠鏡と言ったら大抵は天文学で使われるものをす。

 また、双眼鏡事実上望遠鏡を2つ組み合わせた装置なので広い意味での「望遠鏡」なのだが、単眼のものだけを望遠鏡(単眼)として双眼鏡と区別することも多い。

やたらに高倍率だけをアピールしている双眼鏡があるが、「倍率が高い=高性・高品質ではない」ので要注意。(小口径のレンズでは、一定以上の倍率は間でも像が暗くなり、手振れまで倍増し実用に適さなくなる) → 双眼鏡 の項目参照。

望遠鏡の種類(目的別)

目的を見失った使い方
軍事用

天体観測(可視
望遠鏡と言えば大抵はこれ。眼で直接覗くこともあれば、カメラを取り付けて撮することもある。一般には「遠くの体を拡大すること」が的のようにとらえられることが多いが、それよりも大事なのは口径が大きくてより多くのを集められることだ。さもなくばいくら拡大率を上げても像が暗すぎたり解像度が低すぎたりして意味がない。
天体観測(可視以外)
この場合は信号を集める装置に専用のカメラや検出器を取り付けて撮する事になる。近赤外線なら可視望遠鏡とほぼ同じ構造だが、それ以外の電磁波重力波だと独自の工夫が必要になる。詳しくは Wikipedia など他のサイトで調べられたし。
地上での観察
動物など、間に屋外で使うことを想定した望遠鏡はフィールドスコープとも呼ばれる。間に屋内へ望遠鏡を向けるのは犯罪以外の何者でもないのでやめとけ。
測量
よく端などで一人の作業員が棒のような物を持ち別の作業員が何かの装置でそれを覗いている光景を見かけるが、この装置も広い意味では望遠鏡だ。正式には測量器だとかトランシットなどと呼ばれる。
軍事
偵察による捜索で遠くの敵や施設の存在・行動・状態を把握する、砲兵狙撃の着弾観測のために望遠鏡は欠かせない。
というか、望遠鏡が発明されたときにっ先に想定されたのは天体観測ではなく軍事的である。ついでに言えばスコープ[1]だって立な望遠鏡だ。

望遠鏡の種類(構造)

ここでは一般的な天体観測に使われる望遠鏡の種類について解説しよう。

屈折式望遠鏡の例

屈折式望遠鏡
細長い筒の両端にレンズをはめたもの。多くの人が望遠鏡と聞いて思い浮かべるのはこちらだろう。観測したい方向に向ける側のレンズ(対物レンズ)で屈折させることで集める。集めたを接眼レンズによって像を結ばせて観察するようになっている。小の物は較的安価メンテナンスもしやすいが、対物レンズを大きくすると途端にコストが上がって筒も長くなるのが難点。

 

反射式望遠鏡の例exit_nicovideo

反射式望遠鏡
を巨大なで反射させて集めるタイプの望遠鏡。集めたは小さなで垂直に反射させ、筒の横から覗く方式(ニュートン式)のものが多い。屈折式にべて筒が短くて済み、またレンズよりもの方が大化が容易なことから、研究で使われるような大望遠鏡はほぼ全てが反射式望遠鏡となっている。

 

屈折反射式望遠鏡の例

屈折反射式望遠鏡(カタディオトリック
反射式望遠鏡のようにを使いつつ、さらに補正(対物レンズの一種)を備えたタイプ。補正によって筒をさらに短くしたり、像の歪みを抑えたりすることができる。いくつかの形式があるが、シュミット・カセグレン式が特に有名。

望遠鏡の歴史

レンズや反射に関する研究古代中世から存在し、レンズを応用した眼鏡を作る職人中世ヨーロッパに多数いた。彼らの間で、16世紀末から17世紀初頭にかけて、複数のレンズを組み合わせるという発想が生まれたらしい。従って(屈折式)望遠鏡の発明者を特定するのは難しいのだが、1608年に特許を出願した(内の一人)オランダ眼鏡職人リッペルスハイの名前が挙げられることが多い。

発明された望遠鏡はっ先に軍事用のものとして注を集めた。しかし、中にはこれを天体観測に使うことを思い付いた者もいた。その最初の一人がイギリストーマスハリオットで、1609年7月を観察してスケッチを残している。イタリアガリレオ・ガリレイ自作の望遠鏡をに向けるのは、それに少し遅れて1609年11月のことだった。

それなのにガリレオが最初に望遠鏡で天体観測を行った人物、さらには望遠鏡の発明者だと誤解されてしまうのは、彼のがデカかったからということに尽きるハリオットは生前論文や本を出版さえしなかったのに対し、ガリレオは最初の観測から半年もしないうちに自分のスケッチなどを載せた『星界の報告』を出版しているのだ。天体観測で得た知見を元に地動説を唱え、他の学者や果てには時のローマ教皇にさえ喧嘩を売っていく炎上上等のスタイルだったため、望遠鏡はガリレオの名と共に学者たちの間に広まった。

軍需もあって望遠鏡はく間に世界中に広がり、1613年には駿静岡)でイギリスからの使者が大御所徳川家康などとともに「千里」を献上したという記録が残っている。

以上は屈折式望遠鏡の話だが、レンズ代わりに使おうという発想は屈折式望遠鏡の登場からすぐに生まれたらしく、17世紀前半には試作品を作ったという記録が色々残っているのだが、最初に実用的な物を作ったのは万有引力法則で有名なイギリスアイザック・ニュートンだったと言われる。反射式望遠鏡のタイプに「ニュートン式」という名前がついているのはそのためだ。

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天体望遠鏡

手軽に体験するなら組み立て式望遠鏡+カメラ三脚がオススメ。予算5千円。さらにステップアップするなら、ホームセンターなどで売っているような中途半端なものは避けて専門店でアドバイスを聞きながら購入した方がよい。○○倍に拡大できると謳っているのは大抵地雷だ。望遠鏡の性はまず口径を見よう。入門者向け望遠鏡の鉄板とされるのは大体2万円前後の屈折式である。

フィールドスコープ

こちらは体望遠鏡と違って倍率で選ぶことが多い。高級品には手ぶれ防止装置も付いている。
双眼鏡較すると本体やレンズ径が大きく高倍率なため、小の三脚等と併用して運用される。
(逆に双眼鏡より手軽さは劣る)スポッティングスコープとも。映や戦でスナイパの相方(観測手)がよく持ってるやつ。

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関連項目

脚注

  1. *厳密には構え方や引き金の引き方もあるため、スコープを乗せただけでスナイパーになれる訳ではない。(→射撃
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