手妻とは、古来より日本に伝わる日本独自の手品・奇術のこと。手妻師とはそれを生業にしている者のこと。
「手妻」という言葉は江戸時代初期に表れたもので、
それ以前、手品にあたるものは、手品、品玉、放下(ほうか)、幻術、外術、奇術、散楽…と、時代により
様々な呼ばれ方をされてきた。「手妻」の語源は「手を稲妻の様に素早く動かすから」。
また、手妻が"手妻"単体として区別されるようになるのも江戸時代になってからで、
それ以前は今でいう大道芸・人形劇などとごっちゃに公演されていた。
ちなみに「和妻」いう名は、明治になり西洋の手品が日本に輸入されたことで、
それまでの日本の手妻と外国の奇術を区別するために前者を和妻、後者を洋妻、と呼び分けたのが始まりである。
また、江戸時代での「手品」と「手妻」といった名の違いは、前者は装置・仕掛けの物、
後者は手先の技でみせる物の事を指していた。
何を以って"手妻"とするかというと、
- 作品小道具の継承
“江戸・明治(あるいはそれ以前)から継承されてきた手妻の作品を継承して演じている事。”- 演技、型の継承
“手妻の演技や型を継承していること。又、誰から習ったかがはっきりしている事。”- 口伝の継承
“表に伝わっていない演技の工夫、口伝を継承している事。”- 元々の型の継承
“たとえ古い型を改良して新しい手妻にして演じても、元に戻ることができる事。
そのために直接の師匠の型だけでなく、先代の型や、その周囲にある同類の芸の型まで知っている事。”- 日本の伝統文化の継承
“着物の着方、身のこなし、言葉使い、口上、舞踊、邦楽など、
直接手妻ではない部分でも、他の日本の伝統芸能、文化の継承がなされている事。”“こうした事がはっきり継承されていて、演じ分けられるのなら、少々形は変わってもそれは手妻である。手妻には何百年にもかけて蓄積された膨大な先人の工夫がある。その工夫を尊重して、生かして行く事こそ手妻師の最大の財産のはずだ。”
という事で、これら全てを兼ね備え、またそれを演じる事が出来れば、それは手妻となる、らしい。
実際、これらをきちんとモノにするには相当な時間と苦難を要す様で、例えば藤山晃太郎はというと、
手妻の修行時代中に三味線や日本舞踊、鼓(つづみ)、太鼓を習い、修行と並行してそれを習得している。
鼓とは肩に載せて手で叩くもの、太鼓とは撥で叩く和太鼓の事。このときの三味線の先生は杵屋裕光、杵家七三。
日本舞踊は所作(身のこなし・演技の動作)等の鍛錬にもなる。
立ち姿や振る舞い・動きがとことん隙無く美しいのはきっとこれのせい。
殊、見立ての歴史は古く、それらは江戸時代の浮世絵にも散見される。やれ~~の山に似てるから○○だ、これはこれこれこういうものに似ているから御目出度い、等。江戸庶民の楽しみの一つに"見立て"があった。当時と同じ手妻を見て、江戸時代の人間が想起した見立てと同じ物を、現代の人間が見い出す事は果たして叶うのだろうか。当時と全く同じ手妻を見て、江戸時代の人間と現代の人間で、同じくらいの楽しみを得る事は出来るのだろうか。
手妻は伝統芸能である。とはいえ江戸時代当時の演目をそのまま繰り返している訳ではない。古典を継承しつつ、今を生きる人間にも新鮮に楽しめるようにと、常に新しいモノを創意工夫していたりする。
例えばニコニコ動画でお馴染みの『金輪舞』。後半、"回ってみた
"そのものにBGM「幽雅に咲かせ、墨染の桜」が加わって画面がとても超盛り上がる手妻。こちらの元となったものは『金輪の曲』という古典的な手妻、口上と共に30cmくらいの金属の輪を操りひとつひとつ見立てを披露するものでした。
この『金輪の曲』から口上を廃し、且つ見立てを生かし、曲を重ねアクロバティックにつややかに、それにシルホイールでぐるぐる回る演技を加えて"金輪舞"。これにシルホイールが無ければ"金輪切"。あの輪っかをさくさく乗りこなすやつがそんなにいるわけがないのでして、そもそもシルホイールの演技自体、回ってみたの中の人が海外で一目惚れして独学で練習したものだったりもして、つまりこの手妻の演目「金輪舞」と「金輪切」を作ったのは、藤山晃太郎、つまり先生オリジナル作品なのでした。
継承したものだけじゃなくて新しい演目も作る。手妻として、上記5項目を踏まえた"手妻師"として。
手品の専門店では、今でもオーソドックスな手妻用の小道具が売られていたりする。しかし、自分で考案した新しい演目を”手妻”として演じたり、旧来の手妻も市販品では収まらない以上、手妻師自ら道具や仕掛を自作したり見合う小道具を探したりする。
簡単な仕掛けなどは自作したものを使用する事もできるが、舞台で使う道具などは職人に依頼し、観賞に耐え得る以上の物を拵える。この場合、まず指物師と云う職人に本体を作成してもらい、その後、蒔絵師や塗師等、装飾専門の職人に外装を仕上げてもらう。
演者のこだわりと美学がモロに出る部分である。
大祝梅セイロ [Ohsyukubai Seiro](youtube)
この"大祝梅セイロ"の後に下記リンク・上記右の"金輪舞"が続く。
金輪舞 [Kanawamai](youtube)
上記右の動画、『藤山晃太郎 金輪舞』の転載元。
慶紙の扱い [Keishi no atsukai](youtube) \ ヒヨコ !/
水芸 [Mizugei](youtube)
実際に観ると滴る水の音まで美しい手妻。
大江戸両国からくり祭 藤山新太郎 江戸手妻 (youtube)
こちら演じ手は藤山新太郎さん。上記右の動画にて演じられている"連理の紙" "水中点灯" "落下の舞" がある。
"金輪舞" "金輪切"の元となる"金輪の曲"もある。比べてみると面白い。
西条美咲 「手妻」にて京人形に (youtube)
2010年の上海万博にて公演された、藤山新太郎さんによる手妻、"蝶のたはむれ"。
蝶のたはむれ[Chou no tawamure] (youtube)
「蝶」の手妻。2010年10月、高円寺にて。
Web Japan > Japan Video Topics (外務省「JAPAN VIDEO TOPICS」ページ)
[Wazuma - Japanese Traditional Magic] という解説ビデオがある。7カ国語。
今こそ知らないと恥!?日本の伝統 手妻部分 (youtube)
2010年5月21日に放送されたテレビ東京の番組たけしのニッポンのミカタの手妻紹介部分。
(手妻のついでにニコニコ動画も紹介されている。)
約20秒の"万倍芸"とか約30秒の"連理落花"、その中で約3秒で巻く"滝"など、
舞台上ではまず無い超高速の演技が見れる。
世田谷Webテレビ(2009年01月22日放送分)(PeeVee.TV)
"慶紙の扱い"と"金輪切"の演目、手妻の解説付き。
上田のプロファイル|2010年11月23日放送 手妻師 藤山新太郎さん (日本テレビ)
稽古風景、藤山新太郎さんによる手妻についての説明、神田明神横『神田の家』での公演の模様など。
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最終更新:2025/04/06(日) 14:00
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