冷やし中華とは、茹でた中華麺を水や氷で冷やして具材を上にのせた麺料理の一つである。
冷やし中華は夏によく食べられる料理で、ラーメン屋に店先に「冷やし中華始めました」の字が躍り始めると、夏の訪れを感じさせる。
茹でた中華麺を水や氷で冷やしお好みでトッピングする。そこにタレをかけて食べる。市販品も多く出ており、家庭で手軽に作れるのも魅力。タレだけで売っている場合もある。
トッピングはキュウリ、錦糸卵(半熟ゆで卵の場合も)、ハムが定番だが、メンマ、カニカマ、ツナ缶、もやし、焼豚、蒸鶏、蒸した海老やほぐし鮭、椎茸なども美味しい。お好みにマヨネーズを入れるのも良い。また、栄養バランスのためトマトを入れる場合もあるが、これは賛否分かれている(勝手に入れるんじゃねえ)。
タレは醤油に酢を合わせた「しょうゆだれ」と、芝麻醤をベースにした「ごまだれ」の二大勢力に分かれており、市販品も、ほぼこのいずれかであったが、近年は「塩だれ」や担々麺をベースにした「辛味噌だれ」、ざるそば風のめんつゆで食す「和風だれ」も出てきているなど、味も多様化しつつある。
発祥は色々あるが、戦前には既に雑誌のレシピとして冷やし中華らしき料理が記載されていたという。しかしながらそれは現在でいえば冷やした麺類にサラダが乗ったようなものであった。現在のスタイルが確立したのは仙台市の「龍亭」であり、仙台七夕の観光客に振る舞うよう、具材を短冊に見立てたものであり、これが今日の冷やし中華のスタンダードとして全国に広まった。今日でも、仙台市の名物料理の一つとなっており、年中提供されているのも特徴。また、ごまだれは京都にある中華料理の名店、「中華のサカイ」が発祥という説もある(市販のごまだれより酸味は強め)。いずれにしても中国発祥の料理では無く、日本で独自に発展した和製中華である(中国にもジャージャー麺など汁なしの麺料理はあるが、熱々で食べるのが基本)。
即席麺市場はインスタントが多くを占め、チルド麺はシェアを大きく減らしたが、逆に冷やし中華は即席麺の塩辛さがネックとなるため、未だチルド麺が根強い人気を誇っており、冬場の鍋焼きとともに業界の屋台骨となっている。
ちなみに、関西では冷やし中華を冷麺と呼ぶことが多い。そのため、他地方の人と話が噛み合わなくなることがあるので注意(関東以北で冷麺と言った場合は盛岡冷麺などの韓国風料理を指す)。
また、「冷やしラーメン」という料理も存在する。冷やし中華を冷やしラーメンと呼ぶ地域(北海道)や、冷やし中華を冷やしラーメンして販売する企業(愛知県の寿がきや食品)もあるが、主に山形県で食べられている冷やしラーメンは、冷やし中華のようにタレを上にかけるのではなく、通常のラーメンと同様にスープに浸かっている。詳細は冷やしラーメンの記事を参照。
また、冷やし中華と言えば「冷やし中華始めました」という定句が有名である。
名古屋などの中京圏では冷やし中華にはマヨネーズが添えられていることが多い。一説によると同地域を中心に展開する有名なラーメンチェーン「スガキヤ」で冷やし中華にマヨネーズを乗せて供していた時期があり、それが定着するきっかけとなったとも言われる。
しかしこの「冷やし中華にマヨネーズ」は全国的な支持を受けているとは言いがたく、「気持ち悪い」「ありえない」という反応をする人もいるという。
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最終更新:2024/12/23(月) 15:00
最終更新:2024/12/23(月) 14:00
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