ラクダとは、ウシ目ラクダ科ラクダ属の哺乳類を総称した名称である。
砂漠などの乾燥地帯での生活に適応した動物・家畜。砂漠に住む動物といったらコイツら。古くから人間の活動と密接に関わりながら分布を拡大させており、乾燥地帯での人間の歴史においてはラクダの活躍抜きには語れないだろう。特にシルクロードやサハラ砂漠などの砂漠地帯での交易ルート開発と発展に活躍した。増やすのこそ難しいものの、寿命が長く乾燥に非常に強く頑強なため長期間に渡って活躍出来、現地では長期資産として扱われ、どれだけ多く所持するかが一種のステータスとして見られている。
元々ラクダの祖先は北アメリカ大陸に生息していたようで、そのうち当時陸続きだったベーリング海付近(ベーリング陸橋)を越えてユーラシア大陸に進出・進化したのが今のラクダである。また、北アメリカに留まったうち南アメリカ大陸に渡ったグループからアルパカ・リャマ・ビクーニャ・グアナコといった動物が誕生した。やがて気候の変化などによって北アメリカからラクダの先祖は絶滅し、別大陸に進出した子孫は生き残り生息域を拡大させていった。
最大の特徴は背中に山のように盛り上がっているコブであろう。よく「背中のコブには水分が蓄えられている」と言われているが、ソレは迷信。コブには脂肪がたっぷり詰まっており、その脂肪の塊が断熱材として働き、生息地での厳しい太陽光から熱を遮断する。その脂肪は当然エネルギー貯蔵庫としての役割も備え、長期間の絶食にも耐えられる。ラクダは体中の脂肪が背中に集中したような体構造をしており、背中以外から熱を逃がして体温を下げる。コブは平均で35㎏ほどだが、大きい時は100㎏にもなる。
産まれたばかりのラクダの背中にはコブが無く弛んだ皮膚のみがあり、生活するうちに脂肪が蓄えられていく。
長い首と四肢を持つ。この体型は熱された地面からなるべく離れるためだと考えられている。足の指は中指と薬指が残った2本。足の裏は蹠球(しょきゅう)という蹄と脂肪で出来た物質を備えており、固い地面だけでなく砂に足を取られる事無く移動可能。その代わりに熱帯地方の泥地などでは機動力は大幅に落ちてしまう。
脚の膝部分に硬結(こうけつ)というたこのような部分があり、地面に座る際はこの部分を地面と接地し体は着けないように座る。
ラクダは背中のコブではなく血液の中に水分を蓄える事が可能。通常動物は許容量以上の水分を取ると血液中の赤血球が膨張・破裂して命の危機に至るが、ラクダの場合は赤血球が2倍以上に膨張しても破壊されない。そのため、ラクダは飲める時に飲め理論で、一度に80リットル・最大200リットルもの水分を一気に摂取出来る。
腎臓の機能が特殊なため、たとえ高い塩分を含んでいる水であろうと摂取し高濃度の尿と一緒に塩分も排出され水分だけ吸収される(尿の量も最小限)。
また、ラクダは体重の4割の水分が失われても生命活動を維持出来る。徹底した水分を大切にする構造は発汗機能にも及び、なるべく汗をかかないようになっている。ラクダは外気温に自身の体温を可能な限り合わせる構造になっている。そのため、ラクダの体温は他の哺乳類よりも高い。
独特な愛嬌のある顔の持ち主。鼻孔を完全に塞いでも呼吸が出来るという、他には見られないラクダだけの離れ業を持つ。これで砂塵が鼻に入ることを防ぐ。まつ毛は長く砂埃が目に入らないようにしている。
食性は草食。エサを噛む際は下あごを左右に揺らすようにしてエサを摺り下ろす。ラクダの胃は四室に分かれていて反芻を行う動物の一種。
身の危険を感じると、非常に悪臭を放つツバを吐いてくる。不用意に人間が顔を近づけると思いっきり吐き捨てられるので注意すべし。
他の偶蹄目同様、側対歩という歩き・走り方で移動する。走るスピードは時速約40㎞から60㎞ほど。
高いスタミナを誇り驚異的な踏破力を誇る。移動距離は100㎏の荷物を背負っていても1日で30㎞を移動し、荷物無しなら1日80㎞も移動可能。
ラクダは乾燥地帯での移動手段として古くから使用されてきた。砂漠が多い西アジア・北アフリカでは特に重宝されており、現在においても重要な移動手段として利用されている。乾燥地帯では馬以上に力を発揮する動物であったため軍事利用の歴史も長く、現代でも騎乗例やラクダ騎兵を正規軍に加えている国が存在している。
また、エジプトなど砂漠付近に観光名所が存在している場所では観光用としてラクダに観光客を乗せて移動させるビジネスが広く知られている。ただし、ラクダは側対歩で歩行する関係上よく揺れるため馴れてないと酔い易いので、乗る際は注意。
また、ラクダレースというラクダに騎手が騎乗して速さを競うラクダ版競馬なるモノも存在しており、アラビア半島においてとくに盛んに開催されている。かつては子どもが騎手として使われていたが人道上の理由により現在は行われていない。近年ではロボットを騎手代わりにしているレースも開催されている。
乗用の他、食材としてもラクダは有能である。ラクダが出すミルクは量が多く長期間採取出来るため、ラクダを使役している地域では重要な飲み物であった。ラクダの肉は脂が少なく比較的ヘルシーである。この辺りは荒野などを生息地とする鳥類であるダチョウに似ている。肉になる個体は大体が老い衰えて労働などが出来なくなった個体である。ラクダの血は手っ取り早いエネルギー摂取可能な飲み物になる。
皮や毛は服の素材などに使われる。ラクダのももひきとは関係は無い(色が似ているから付いた)。糞は貴重な燃料源として木・草が少ない乾燥地帯では重宝される。
日本では動物園で飼育されている個体がいる以外に、鳥取砂丘において観光用に飼育されている個体がいるのが有名である。鳥取砂丘にお越しの際はご利用してはいかがだろうか?
掲示板
5 ななしのよっしん
2023/02/10(金) 19:32:57 ID: BJkss2UM45
ラクダが人間を噛み殺す映像を観てブルっちまった
ラクダ強えええ
6 ななしのよっしん
2023/02/18(土) 11:33:29 ID: Pf1gQV2ZCC
「砂漠では脂肪つけないと野垂れ氏ぬ……
でもデブったら暑くて氏ぬお……
あと直射日光で背中がめっちゃ熱い……」
「せや、脂肪全部背中に付けたろ」
合理性の権化かよ
7 ななしのよっしん
2024/12/20(金) 04:55:32 ID: 971l3zx4Sy
ウィキペディアでも読んでて驚いたけど北米原産でベーリング海わたってアフリカまで進出したんだよね
環境変動もあるだろうけど滅茶苦茶活動範囲が広い
アステカのラクダ騎兵がスペイン兵蹴散らすとか想像すると面白い
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/05(日) 21:00
最終更新:2025/01/05(日) 20:00
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