哺乳類とは (ホニュウルイとは) [単語記事]

哺乳類とは、生物の分類群の1つである。ほ乳類と書く場合もある。

概要

この記事を見ているあなたが人間、もしくは天才チンパンジーのアイちゃんならあなたも哺乳類である。

分類学上は動物界脊索動物門脊椎動物亜門哺乳綱に所属する生物を指す。

特徴

おっぱいで乳を与えて子供を育てるのが特徴で、これが名前の由来となっている。ほかには毛が生えていたり、横隔膜があることなどが他の分類群にはない特徴である。

Wikipediaさんによれば、体温を一定に保つ恒温性は哺乳類(と鳥類)だけの特徴でも何でもないんだとか。

分類

現生の哺乳類は有胎盤類、有袋類、単孔類の三つに大きく分類される。有胎盤類と有袋類はジュラ紀に分岐した姉妹群だが、単孔類は三畳紀ごろから存在するそれらからかなりかけ離れた位置にある生き物である。

有胎盤類

哺乳綱獣亜綱真獣下綱に分類されるグループ。真獣下綱には他にも有胎盤類に属さないグループがいたが現在ではすべて絶滅している。胎盤で子供を育ててから出産するのが特徴で、脳がよく発達し知能が発達している。

だいたいの哺乳類はここに入る。

大ざっぱに分けるとこれまた北方真獣類、アフリカ獣上目、異節上目の3つに分けられる。

北方真獣類

真主齧類とローラシア獣類という分類をひとまとめにしたもの。

真主齧類

サル目 - そのまんまサルの仲間。ニコ厨を始めとしたヒトはここに入る。
ヒヨケザル目 - 東南アジアにいるムササビみたいな飛膜で空を飛ぶ、サルに似たいきものたち。
ツパイ目 - とても原始的な特徴を残した小さないきものの分類群。見た目はトガリネズミに似ている。
ネズミ目 - げっ歯類とも。そのまんまネズミやリスなどの小さなものから、ビーバーやカピパラのような大きなもの、ヤマアラシみたいに攻撃的なやつらまでいるかなり多様なグループ。ハハッ
ウサギ目 - そのまんまうさぎの仲間。ナキウサギもここ。

ローラシア獣類

ハリネズミ形目 - ハリネズミの仲間。ハリのないやつもいる。
トガリネズミ目 - トガリネズミやモグラの仲間。あとソレノドン。ソレノドンって何？という方はニコニコ動物図鑑を見てみよう。
コウモリ目 - 哺乳類で唯一空を飛ぶ。超音波で反響定位を行うコウモリと、目で見て飛ぶオオコウモリに分けられる。
鯨偶蹄目 - 近年の研究で偶蹄目とクジラ目がくっついて生まれた。詳しくは該当項目参照。肉っていえば大体こいつら。
ネコ目 - 過去には食肉目とか呼ばれてた、ぬこ、わんこ、クマ、アシカなんかの肉食動物のグループ。
ウマ目 - 過去には奇蹄目とか呼ばれてた。馬のほか、サイやバクなんかの仲間。大腸が大きい。絶滅危惧種が多い。
センザンコウ目 - センザンコウと呼ばれる固い鎧を持ったいきもののグループ。アリや白アリが主食。

アフリカ獣上目

その名の通りアフリカに多くが生息するグループ。絶滅危惧種が多い。

アフリカトガリネズミ目 - トガリネズミに似たテンレックや、モグラに似たキンモグラなどがいる。尾が無いのが違い。
ハネジネズミ目 - 南アフリカにいる、長い鼻と飛び跳ねる後ろ足をもったネズミみたいないきものたち。
ツチブタ目 - 現生種はツチブタ1種しか生息していない。歯がない。ブタに少しだけ似てる。
イワダヌキ目 - ハイラックスの仲間。トヨタの車の名前でしかみんな知らないんじゃあるまいか。
ゾウ目 - 現生種はアフリカゾウとマルミミゾウとアジアゾウ。マンモスやナウマンゾウなどもこれ。
ジュゴン目 - マナティーとジュゴンのグループ。人間の手で絶滅させられたステラーカイギュウもここに含まれる。

異節上目

南アメリカで進化したとされる小さなグループ。

被甲目 - アルマジロの仲間。アメリカでは拳銃で撃ち殺そうとして跳ね返ってきた弾で人間が重傷を負ったりするとか。
有毛目 - アリクイとナマケモノのグループ。巨大な爪を持つ。

有袋類

哺乳綱獣亜綱後獣下綱有袋上目に分類されるグループ。後獣下綱には他にも有袋上目に属さないグループがいたが現在ではすべて絶滅している。

子供を未熟な状態で出産し、お腹の袋で育てる。収斂進化の結果有胎盤類に似た生き物が数多くいるので、フクロ＋似た動物の名前、という和名の生き物が多い。有胎盤類との生存競争に敗れ、その多くが絶滅した。現在生息するのはアメリカ大陸とオーストラリア大陸付近だけである。

アメリカ有袋大目

南アメリカ大陸で進化したグループ。かつて南米には多くの有袋類が生息していたが、大陸移動によって北アメリカ大陸と地続きとなったことで北米の有胎盤類が流入し、彼らとの生存競争に敗れて絶滅していった。

オポッサム目 - 有袋類の中で最も大きな勢力を持つオポッサムのグループ。別名袋のネズミフクロネズミ。実際北米からやってきた有胎盤類に袋のネズミにされて滅びた多くの有袋類と違い、彼らだけは逆に北米へ進出する逞しさを見せる。
ケノレステス目 - モグラやネズミに似たいきもの。虫とか食ってる。

オーストラリア有袋大目

オーストラリア大陸で進化したグループ。動物園の人気者たちが多いので、みんな有袋類といえばこっちを連想することが多いだろう。

オーストラリアは南アメリカ大陸から分裂して以降、長く他の大陸と地続きにならなかったため多くの種類が現生している。なお、あまり知られていないがオーストラリア大陸のほかにもパプアニューギニア等にもアカキノボリカンガルーなどが生息している。

ミクロビオテリウム目 - 南米のチリに生息するチエロオポッサムという生き物1種だけのグループ。オーストラリア大陸へ渡った有袋類のグループのうち、南アメリカ大陸に残った種類の唯一の末裔にあたる。
双前歯目 - カンガルーやコアラ、ウォンバットなどのみんなよく知ってる有袋類が属するグループ。ムササビのように飛んでいくフクロモモンガなんて種類もいる。
バンディクート目 - かつてソニーのキラータイトルだった、クラッシュ・バンディクー…の元ネタのバンディクートの仲間。
フクロネコ目 - フクロネコやフクロアリクイ、タスマニアデビルなどの肉食動物たち。絶滅したフクロオオカミもここに入る。
フクロモグラ目 - モグラによく似たフクロモグラの仲間。キンモグラと同じく、収斂進化の好例。

単孔類

哺乳綱原獣亜綱に属するグループのうち、現生種のカモノハシ目のもの。原獣亜綱は原始的な哺乳類のグループで、そのほとんどが絶滅しオーストラリアにいるカモノハシとハリモグラだけが今なお生息している。

名前の由来は総排出孔と呼ばれる穴を一つだけお尻に持っているから。うんちもおしっこもこの穴で済ませる。子供を出産するのではなく総排出孔から卵を産んで温めて育て、孵化させる。乳首が発達する以前の原始的な哺乳類なので、孵化した赤ちゃんは母親の乳腺から染み出してくる母乳を舐めて育つ。

カモノハシのオスは後ろ足に毒爪を持っていて、犬を殺したり人間でも悶絶するほどの毒を持つ。ハリモグラも爪はあるが毒腺が退化している。

系統樹のAA

哺乳類　┬　単孔類　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌　ハリネズミ目
　　　　├　有袋類　┬　アメリカ有袋類　　　　　　　　 ├　トガリネズミ目
　　　　│　　　　　└　オーストラリア有袋類　　　　　 ├　コウモリ目
　　　　└　真獣類　┬　アフリカ獣類　　　　　　　　　 ├　鯨偶蹄目
　　　　　　　　　 ├　異節類　　　　　　　　　　　　 ├　ネコ目（食肉目）
　　　　　　　　　└　北方真獣類　┬　ローラシア獣類 ┼　ウマ目（奇蹄目）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　└　センザンコウ目
　　　　　　　　　　　　　　　　　 └　真主齧類　┬　サル目（霊長目）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　├　ヒヨケザル目
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　├　ツパイ目　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　├　ネズミ目（齧歯目）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└　ウサギ目

哺乳類単語

概要

特徴

分類