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中和点がずれる理由がいまいち納得いきません。 加水分解するからだとよく言われますが、それでも納得できません。 たとえば酢酸に水酸化ナトリウムを滴下する場合を考えたのですが、中和点以前より酢酸ナトリウムが生じ続けますね?そして、それが電離し、加水分解して、また水酸化物イオンと酢酸が生まれます。そして、その酢酸と水酸化ナトリウムが反応し……とまるでいたちごっこのようになって混乱してしまいました。 そもそも中和点付近で滴定曲線が垂直になる理由もわかりません。

補足

中和滴定って、未知の水溶液の濃度を知りたいから行われるのですよな?そして、中和とは酸と加えた塩基が過不足なく反応することですよね? これによって中和点を知ることで濃度がわかるわけですが、前述したような状態だと水酸化物イオンがつねに居続ける状態になりませんか?それじゃうまくたしかめられない気がします。 なのに、実際は中和点がずれるだけでしっかり滴定できてますよね?それは中和点付近で曲線が垂直になるからです。なぜなんでしょうか。

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回答(2件)

濃度 Caの酢酸溶液を、水酸化ナトリウムで滴定する場合を考えます。説明を簡単にするために、滴定時の体積変化はないことにします。 最初に、水溶液中の酢酸の電離平衡を考えれば、 Ca = [CH3COOH] + [CH3COO-] となります。ご存じかもですが、Caを分析濃度、[CH3COOH]や[CH3COO-]を平衡濃度と言います。滴定で求めるのは平衡濃度[CH3COOH]ではなくて、分析濃度Caです。もう一つ、お書きになった通り加水分解しますから、pHが高くなっても(中和点後も) [CH3COOH]は0にはなりません。ただし、小さいので無視できるようにはなりますので、高pHでは Ca ≒ [CH3COO-] と近似できます。逆に低pHならば Ca ≒ [CH3COOH] の近似が可能です。結局、滴定の間は [CH3COOH]と[CH3COO-] の割合が変化しているということになります。 滴定途中、液中成分の組成が決まれば、ただ一つの平衡状態に達します。また、滴定時に平衡状態に達するのは一瞬と考えてもらってよいです(実際の滴定では混合等に時間がかかったりしますが変化している間は平衡状態ではありません)。一旦平衡に達したら、次の滴下をするまではその状態は(温度が変わらない限り)変化しません。つまり、いたちごっこしなくてよいわけです。 もう一つ、平衡状態は経路に依存しません。これが重要です。例えば、濃度 2Caの酢酸溶液に同濃度の水酸化ナトリウム溶液を等体積混合した溶液と、濃度 Caの酢酸ナトリウム溶液は、どちらも同じ平衡状態に達します。混合の順番を変えても一緒です。なので、この場合の中和点を知るには濃度 Caの酢酸ナトリウム溶液の平衡を考えればよい、つまり加水分解するので中和点のpHは7より高くなるということになります。 pHジャンプの理由は、中和点前は酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液、中和点では酢酸ナトリウム溶液、中和点後は酢酸ナトリウム溶液にさらに水酸化ナトリウムを加えた溶液で、その変化がちょっとの水酸化ナトリウム添加で起こると考えてもらえばよいかなと思います。

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酢酸とNaOHの場合の例なら、酢酸が残っていれば酢酸の効果が、酢酸がなくなった瞬間にNaOHの効果が勝る、というだけのことだ>pHジャンプ なので酢酸の消滅をもって中和とする、ということになにもおかしなことなどない。