選手を口撃するのが多い人でしたね。
讀賣が優勝逃すと、「補強するしかねえだろ。ろくな外国人もいねえでよ。」と吐き捨てていたこともありましたね。
ただ基本的に間違ったことはそんなね、言ってもなくて。マーク・クルーンがいた時、
「3点差を1点差にしてこんなポーズ(クルーンがセーブ成功した時の決めポーズ)やって。あんなの抑えじゃないよ」
とも言ってましたが、そりゃそう言いたくもなるわな、と思います。
評判の悪い「たかが選手が」も、王貞治氏は、口の悪さはともかく言ってることは間違いではない、と同意してましたしね。
清原和博が怪我をした時「清原が離脱か。優勝の要因が増えたな」と言ったこともあり、清原本人は激怒したんですが、清原のお母さんは「打てへんあんたが悪いんやろ」と息子を一喝したそうです。
「ナベツネさん、本心ではあんたのこと好きやと思うよ。でも個人の感情と大組織のリーダーとしての発言は別物よ。」と。
このお母さんの言葉がなんか納得いくというか。
一番印象に残ってるのが、ドラフトについて語ったことです。
正確な文言は失念しましたが
「ドラフトは法律違反だからやめろってずっと言ってんだ。誰も相手にしてくんねぇけど。」
大凡このような旨でした。
あの人は讀賣巨人軍の大ボス然と振る舞って、メディアも悪党としてちょっとした軽口でも悪役レスラーばりに悪く悪く書き立てられていましたが、そういう扱いにもあえて甘んじていたふしがあります。
けれども実際はあの人の権力ではどうにもならないことって沢山あるわけですよ。
それこそあんなに外国人FA獲得ってうるさく言う人がDHに反対なわけないし、CSだって第一回で讀賣が中日に負けてるんだからやめさせたかったはずなんです。
そういうの今に至るまで変わってないわけだから。
せいぜいが讀賣の監督人事コーチ人事程度でしょう。
上っ面では放言放題であるものの、新聞記者上がりのインテリらしく、物事を動かす時には周到な下調べがあったと聞きます。ホリエモンはライブドアが参入できなかったのはナベツネに挨拶行かなかったから、って言ってましたが、実際はその数年のちに粉飾決済起こすような会社だったから審査に落ちただけの話で、挨拶に行こうが行くまいが楽天には負けていたでしょうし。
そういうナベツネ翁の立場を示す「誰も相手にしてくれない」という言葉がね、なんか妙に残っていますね。