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学校の授業で先生が頻繁に「公式を正しく理解する、定理を正しく理解する、必要なことは全部教科書に載っている、これが分かっていないと結局初見の問題を解けるようにはならない」とよく言うのですが、 これはどういう理屈なんですか? なぜ閃き力・数学力が付くのかが抽象的でいまいち分かりません。

高校数学 | 数学454閲覧

回答(3件)

正しく理解していないときに犯しがちなミスといえば、次のようなものがあります。これを繰り返しているようでは、数学ができるようにはなりません。 -3²=9 √9=±3 2x+3<9 =2x<9-3 =2x<6 =x<3 (2a+3b)/12 =(a+3b)/6 =(a+b)/2 sinA=30° sin(√3/2) A={1, 2, 3, 6}, B={1, 2, 3, 4, 6, 12} のとき 1⊂A, A∈B 2⁰=0 2C0=0 (a²+b²)(x²+y²)=(ax+by)²+(ay-bx)² が成り立つことの証明 証明 (a²+b²)(x²+y²)=(ax+by)²+(ay-bx)² a²x²+a²y²+b²x²+b²y²=a²x²+2abxy+b²y²+a²y²-2abxy+b²x² a²x²+a²y²+b²x²+b²y²=a²x²+b²y²+a²y²+b²x² 0=0 証明終わり (a²+b²)(x²+y²)≧(ax+by)² が成り立つことの証明 証明 (a²+b²)(x²+y²)≧(ax+by)² a²x²+a²y²+b²x²+b²≧a²x²+2abxy+b²y² a²y²+b²x²≧2abxy a²y²-2abxy+b²x²≧0 (ay-bx)²≧0 証明終わり y=x²-4のグラフとx軸、2直線x=-1, x=1 とで囲まれた部分の面積は ∫[-1, 1](x²-4)dx=-22/3。 よって求める面積は、22/3。

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六年一貫校講師兼医学部医学科専門予備校講師(数学)です。 一番数学ができる生徒の層は、「教科書に出てくる公式や定理をすべて証明できる生徒」です。「公式の証明が理解できる」だけでは不十分です。全て自力で証明できる力は、大学に上がっても役に立ちます。 私が30年以上教鞭をとった中で、結果的に、教科書のすべての証明ができた生徒は数名ですが、みんな偏差値80を軽く超えています。 実は、東大生でも、意外と証明できないのです。 1999年に三角関数の加法定理の証明が出題されましたが、出来は散々だったと東大の教授から伺っています。そのくらい、教科書の理解が甘い、ということは数学科の教員側から見ると、そうです。教科書に書いてある以上、教科書レベルなのですが、東大生でもそこまで行ってない、というのが現状なのです。 すべて証明する能力は物理でも必要です。 初見の問題を解く能力は、出題者(=数学者)が何を求めている問題なのか、その問題の本質を見抜く能力です。それは実は、定理の証明を初出でもできる能力と本質的には同じなのです。例えば、三平方の定理の証明は現在までに298通り知られていますが、教科書には出ていても数通りです。 余弦定理が三平方の定理の一般化であることに気づいていますか? 余弦定理と正弦定理が数学的に同値であることは理解できていますか? もちろん、入試問題はパターン化されて整理され、網羅系参考書には出ていますが、定理の理解の仕方が教員からすると甘いので、どんなときにどんな公式や定理が使えそうか、という解き方のアイデアが、ちょっと応用問題になると解けなくなります。 これは、数学の研究をすると分かることですが、「未解決問題を解く」ということは、誰も解けていない、誰も解き方を知らない問題を、なんとかアイデアを出して解くということになります。ただ、入試問題と大きく違うのは、まず答えが存在するかどうかすら分からない、ということ。そして、時間が無制限であるということ、です。ただひたすら考えて、アイデアを出し、うまくいくまで攻め続ける粘り強さも必要になります。 そういった経験を持っている教員から見れば、公式や定理の理解が甘いと見えるのは当然です。その定理を発見した数学者がどうやって証明をみつけたか、そこまで考えられるなら最高ですが、あいにく高校生には時間がありません。それで、青チャートなり、フォーカスゴールドなりに過去に解き方を見つけた中でベスト(に近いものも含まれる)な解き方が書いてあり、実質的に、その解法を覚えることが数学の勉強みたいになっています。 入試に受かるだけであれば、手っ取り早いとはいえますが、理解が浅くなるのは必然です。合格すればよい、という考えならば、まずパターン化された解き方を覚え、アウトプットの仕方を学び、その後に、初見の入試問題をどう攻めるか、そういったアイデアを出す、あるいは出題者の心理を読むことが求められます。 高校は3年間しかないのでやむをえない部分はありますが、「数学の問題が解ける」=「数学ができる」ではないことは頭に入れておいた方がよいと思います。

教科書の公式や定理を正しく理解することは、初見の問題を解けるようになるための必要条件だという意味です。 ただし、十分条件ではないので、教科書をきちんと理解してもそれだけで初見の問題が解けるようになるわけではありません。 ① 必要な公式や定理は全部教科書に載っているというのは真。 ② 教科書に載っている情報をすべて正しく理解したら初見の問題が必ず解けるかと言えばそれは偽。 教科書に欠けているのは、問題をどうやって解くかです。 たとえば初見の問題を見て、これはベクトルの内積を使って解くといいとか、見分け方があまり出ていません。 そのため教科書の理解に加えて、問題を解く練習をしたり、解法を覚える必要があります。