Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

辞めた会社の社長から復帰を打診されているのだが、その言葉が刺さりすぎてヤバい。

昨年末めでたく怨恨退職した会社のボスが僕を呼び戻したいと言っているのを人づてに聞いた。ボスとは色々あったけれども実にありがたいことだ。昨今、北朝鮮ミサイル発射、佐々木希さんご結婚等々、世知辛い出来事ばかりで、世の中にはこのような暖かみのある出来事が不足しているのではないか。だからこそこのたびボスからいただいた、心に刺さる言葉の数々を皆さんとシェアしたいと思う。なお、当方絶賛失業中につき、新聞に掲載されているサラリーマン川柳を読むくらいしかやることがない都合上、ところどころフリースタイルで吟じてしまっているがスルーしていただけたら甚だ幸いである。


・「本当は 他の人間 戻したい かなわないから いたしかたなく」→(解説)「第一候補は他にいるけどとりあえず人がいないから奴で仕方ないだろう」などとボスは謙虚なことを仰っているらしい。一般的な人間が外れドラフト一位と言われて喜んで戻ると思っているのだろうか。遠慮なくドラフト一位を指名していただけたらと願うばかりだ。


・「宣伝を 見直してくれ 言われても 無理ゲーすぎる 鍵あるかぎり」→(解説)元同僚から「社長が《広報担当として僕を呼び戻して、公式ホームページやなぜかフォロワーの増えない会社公式ツイッターのテコ入れをさせたい》と口にしているぞー」と聞いて当該公式ツイッターアカウントを確認しにいって、鍵がかかっていたときの絶望を、わたし、絶対忘れない。


・「あいた穴 小さいけれど 歪すぎ」→(解説)「奴が抜けた穴は小さい。極めて小さい。小さすぎる。ザコすぎる。だがそのザコい穴が歪すぎて誰にも埋められないから仕方ないから戻したい。小さい穴を埋めるだけなので待遇もそれなりに小さいが」とボスは仰っておられるらしいが、そんな口説き文句が響く相手がこの宇宙にいると思っているのだろうか。正気か。

 

・「海の家 切り盛りできる あいつなら 頭を下げる 価値はないけど」→(解説)「あいつなら海の家を切り盛りして行き詰まった状況を打破してくれるだろう。頭を下げるつもりはないけど受け入れてもいい」かつて。運営していた海の家の失敗を僕一人に押し付けておいて傲慢なお言葉。呼び戻す側の言葉とは思えない。まったく刺さらない。


・「戻っても 新人たちと 同じ場所 辞めた人間 見せしめのため」 →(解説)ボス曰く「あいつには戻ってきてもらいたいが役職や待遇は低いところからやり直しになる。仕方ないよね。人を憎んで罪を憎まず」。いつでも戻って来られるようにドアをあけてあると豪語するボスの心の広さと器の小ささの対比をあらわした悲しい歌でございます。呼び戻す気あるのか。痴呆か?


・「あいつなら バイトのシフト 埋められる 決まらなければ 苔のむすまで」 →(解説)人不足の飲食業界。依然としてアルバイトも埋まらないような状況で「奴を呼び戻して嫌がらせで埋めさせよう。バイトが決まらないようなら(苔がびっしりと生えるくらい)長い期間穴埋めしてもらおう。それで潰れても、一度辞めた人間だから別にいいだろう」と漏らしているらしいボス。戻す気ないだろ。


・「あやまちを 正せるならば 命がけ 辞めた人間 再教育」→(解説)「私の教育が間違っていた。捲土重来の機会があったら今度は命をかけて辞めていった人間を再教育しアイアイサーしかいえない戦士に洗脳したい」と仰っているらしいが、「むしろ貴兄が精子から教育をやり直したほうがよろしいのでは…」以外に返す言葉が思い当たらない。

 

・「今こそは 部下の失敗 受け入れる 我が失策で 散るぞ悲しき」 →(解説)部下の失敗を受け入れなかった己の未熟さを悔いる歌に見えてしまうのは僕の技量不足。申し訳ない。ボスは「部下の失敗を受け入れておけば会社が潰れるとき自分だけの責任にならなくていいよね」などと都合のよろしいことを相変わらず仰っているらしいです。死ね。


・「壊れない こき使っても 壊れない 無事これ名馬 闇駆け抜ける」→(解説)ボスは「あれだけこき使っても壊れない人間はいない」と僕を評価してくれているらしいけれども、闇のブラック企業ぶりに蹂躙された僕が数年前に身心を壊して休職したことはお忘れなご様子。ずいぶんと都合のいい記憶力でございますね。脳が死んでいるのだろうか。


以上である。もしあなたたちがかつて所属した組織の長たる人物からこのような打診を受けたら警戒してもらいたい。血のかよった人間が発したとは到底思えない酷い言葉ばかりだが、僕の心に刺さったのも事実である。「こんなバカな冷血漢に仕えていたのか…」という取り返しのつかない悔恨がぐさりと心臓に突き刺さったのだ。ちなみにこれらの言葉は元同僚たちから聞いたものである。僕の退職後、会社は相当に厳しい様子で、元同僚たちからも復帰&助力を申し入れられている。「お願いします元部長」「元部長もう一度やりましょう」…そんな言葉に一ミリほど心動いて酒を交わした席で「貴様だけ逃げるなんて許せない」「ズルい」「死なばもろとも」という彼らの薄汚い本音を知ってしまい、一ミリでも心が動いてしまった己を恥じているところでございます。とはいえ、かつて共に戦った仲間たちに「死ね」とまでは言えない。彼らには苔のむすまで死なない程度に苦しんでいただきたい。(所要時間25分)