鈴木了二
筑摩書房、2001年、293ページ
ISBN=9784480860620
[論考]
私の指の上には彼の指がのっていた。 私の手はざらざらとした紙の上を動き回った。 それは生まれてこのかた味わったことのない気持ちだった。 ──R・カーヴァー「大聖堂(カテドラル)」(村上春樹訳) 斜めに回転した直交座標の原点の近傍に、絡まるように大小四つの円が見える[図1]。われわれがこれまで得たうちでかなり典型的な、...
『10+1』 No.01 (ノン・カテゴリーシティ──都市的なるもの、あるいはペリフェリーの変容) | pp.18-31
[鼎談]
...うな枠組みはないんじゃないか。今度出した『建築零年』でもちょっと書いたけれど、建築は出来事で... ...にもない。そんな居心地の悪さでしょうね。『建築零年』の冒頭の部分を書いたのは二〇〇一年の五月...
『10+1』 No.27 (建築的/アート的) | pp.54-72
[批評]
...像そのものが〈建築〉ではないか」★二〇。 〈建築零年〉では〈建築〉と〈映画〉が出会うのかもしれ... ...崎、前掲書、三〇五頁。 ★一九──鈴木了二「建築零年」、『建築文化』第五九五号(彰国社、一九九...
『10+1』 No.07 (アーバン・スタディーズ──都市論の臨界点) | pp.46-60
[現代住宅研究 13-1]
俗に言う裏原宿あたりでは、既存の貸しビルや戸建ての住宅を改造した、ショップやカフェが人気である。店の多くは、表参道に立ち並ぶいわゆるツルピカのファッションビルと...面図 断面図 縮尺1/400註 ★一──鈴木了二『建築零年』(筑摩書房、二〇〇一)。*この原稿は加筆...
『10+1』 No.30 (都市プロジェクト・スタディ) | pp.13-18
[素材─構造]
「素材」と「物質」はよく似ているし、普段はあまり区別されずに使用されているが、実はその根本で微妙に違うように思う。その違いはマターとサブスタンスとマテリアルの違...──鈴木了二「『物質』から遠く離れて」(『建築零年』、筑摩書房、、二〇〇一、一九〇頁)。 ★二...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.96-99
[対談]
マラパルテ邸 あるいはスタジオ・マラパルテの謀略? 小林── 今日のテーマは「海洋性」ということですが、この企画全体が建築と映画との接点を見出すという主旨になっていますので、映画と建築とのあいだに海をおいて、そこでいったいどんな接線が結ばれるのか、ということを二人で話してみたいと思っています。われわれはあらかじめ打ち合...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.211-219
[建築家的読書術]
建築のために読書しているということは特にない。だいたい目的をもって読書することが性に合わない。読書は読書、面白そうだと思ったところに手を出してきた。建築に関しても体系的に読んできたとは言い難く、むしろ建築とは直接関係のない書物のなかに建築の問題を見出し、あるいは反対に、建築に関する書物のなかに建築以外の問題を見出す、と...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.92-95