帝国劇場の『レ・ミゼラブル』、全部はずれた!
日比谷の帝国劇場は来年一時休館を予定していて、『レミゼ』はこれが現・帝国劇場での最終公演になるから難しいだろうとは思っていたものの、見事に外した。わかっていたとは言いながらも悔しい。もう帝劇でのレミゼは見られないのか。
しかしキャスト発表の折にはX(Twitter)のトレンドに入っていたのを見かけたが、いつの間にそんな人気になっていたんだろう。ミュージカル、なんとなく日陰というかマイナーな娯楽という印象があり、過去に何度か帝劇のレミを見たときは特に難なくチケットが取れていたのだが。それとも今まで運が良すぎたのか?? 最近は2.5次元という形でミュージカルの裾野も広がっているけれど、その影響もあるんだろうか。今回のレミゼでも現に、三浦宏規、伊礼彼方、山田健登といった、2.5次元……というかテニミュを通った方々が何人も出演していたりする。テニミュ、実際に観劇したことはないが、もう20年以上も「シーズン」を変えながら公演を続けているわけで、そりゃあミュージカル界全体への影響ももう相当なものだろうと思う。このまま数十年と続いていけば伝統芸能のようになっていきそうだ。
自分の日記を紐解くと、レ・ミゼラブルを帝劇で初めて見たのは2007年らしい。高校で合唱部にいたので、そのOBOG何人かで見に行った。20周年記念の特別キャストということで、ジャベール役を鹿賀丈史が務めていたのを覚えている。これが自分にとって初めてのレミだっただけではなく、初めての本格的なミュージカル鑑賞で、まあ圧倒された。大がかりな舞台の仕掛け、オーケストラ、シナリオ、そして当然ながら歌。レミゼに関しては、第1部クライマックスの『One Day More!』の大合唱が好きだ。王政打倒へ決起する者、それを憂う者、停めようとする者、どうすればいいかわからず悩む者、複数展開していた話が折り重なっていき、誰もが翌日起きる六月暴動の決起に対する思いをそれぞれに歌い上げつつ最後はユニゾンになっていくのが切なくも迫力があって、毎度引き込まれてしまう。当時はお金もない大学生で、日比谷界隈で行かれる店も少なく、観劇後は地下のマクドナルドで興奮して話し込んでいた。
その後も何度か見に行っていたし、ミュージカル自体にハマって他にもいろいろと見たが、やはりレミゼが一番好きだった。それだけに最後にもう一度レミゼが見たい……!と思っていたが叶わなかった。まあ、場所を変えればもちろん見られるのだが。
……などと思っていたら、 映画版が来月下旬からデジタルリマスターで再上映されるらしい 。この映画版もまた、ミュージカルの演出に忠実に作られていて本当によかった。なにより、ヒュー・ジャックマンがこんなに歌が上手いなんて!と驚いたものだった。これは見る。見るぞ。年末はレミゼだ。
そういえばミュージカルの映画化と言えば、『ウィキッド』も楽しみにしている。これもまた第1部クライマックスの引きが好きなミュージカルだし、チケットが全然取れなかったミュージカルでもある。これも10年以上前になるが、東京初演は見たのだ。海外で評判が高いミュージカルだったので上陸を楽しみにしていたし、本当に素晴らしかった。去年、東京で10年ぶりに公演があるとのことで楽しみにしていたのだけれど、一般抽選が始まったと思いきや、「四季の会」先行予約だけで全部売り切れましたと出て「そういうのもあるのか」と愕然とした記憶がある。なんか思い出してまた悔しくなってきた。
ミュージカル、どうも最近はチケット取れないままに遠ざかってしまっている。レミゼは大阪公演とかもチャレンジしてみようか。