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トヨタ、自動運転を見すえたバッテリEV「イーパレット」発売 価格は2900万円で、ステアバイワイヤの異形ステアリング採用
2025年9月15日 18:57
イーパレットが発売、価格は2900万円
トヨタ自動車は9月15日、トヨタアリーナ東京の開業式典と同日にモビリティサービス向けバッテリEV「e-Palette(イーパレット)」を発売した。価格は2900万円。環境省による「商用車等の電動化促進事業」の対象となるため、補助金額1583万5000円。トヨタが直接注文を受け付け、受注生産となる。
イーパレットの原型は、2018年に米国カリフォルニア州ラスベガスで開催されたCES2018において発表。当時は、自動運転をベースとしたモビリティサービスEVとして企画された。その後、開発が進む中で人による運転の部分が実装され、今回発売されるイーパレットではコクピットや中央運転席を装備、ステアリングはレクサス RZ用に開発が進むステアバイワイヤの異形ステアリングを備え、レベル2自動運転(人間が責任を持つ形での自動運転。現在普及しているADASと同じレベル)となっている。
将来的には、レベル4自動運転を見込み、トヨタの車両制御インターフェース(VCI:Vehicle Control Interface)に対応した自動運転システム(ADK:Automated Driving Kit)の実装を可能にしている。言わばVCIがプラットフォーム、ADKがデバイスドライバを含むソフトウェアとハードウェアという位置づけになる。各アプリケーションメーカーは、VCIと接続できるようにソフトウェアを書いていけばよいことになる。
トヨタはこのような構造により自動運転システムと車両制御システムの接続を標準化。システムの堅牢性や信頼性を高めるための冗長システムも搭載していくほか、運行管理システムの接続も可能だという。
基本的なクルマの諸元としては、ボディサイズが4950×2080×2650mm(全長×全幅×全高)、室内サイズが2865×1780×2135mm(室内長×室内幅×室内高)と、5mを切る全長に収めた。定員は17人(4+12+1[座席+立席+運転手])で、収納タイプのいすや車いすで乗り降りが容易なようにスロープも備える。
最高速度は80km/hで航続距離は約250km。バッテリ容量は72.82kWhで、最高出力150kW/最大トルク266N・mの出力を発生する。急速充電、普通充電に対応し、急速充電はDC90kW/200Aで40分程度(満充電量の約80%充電)、普通充電はAC6kW/30Aで12時間程度。電池はリチウムイオン電池になる。
このイーパレットだが、10月3日にトヨタアリーナ東京で開催されるアルバルク東京の公式戦から地域の輸送サービスに投入され、ウーブンシティでの活用も目指すとしている。一部地域では販売店や自治体、自動運転パートナーとも連携した自動運転実証などを進め、2027年度にはレベル4に準拠した自動運転システム搭載車の市場導入を目指していく。
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トヨタ自動車株式会社 エアロ・モビリティ事業部 e-Palette担当窓口
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