子どもだけでなくビジネスパーソンも夢中にさせた電車運転シミュレーションゲーム「電車でGO!」が十数年ぶりに復活する。
タイトーは2016年8月8日、アミューズメント施設向けのアーケードゲームの新製品「電車でGO!!」を発表した。正面に3つの大型ディスプレイを設けて実写さながらのリアルなグラフィックスが表示できるようにし、本格感を高めた。稼働開始は、電車でGO!シリーズが20周年を迎える2017年春の予定。
旧作が登場した当時と比べてゲーム機の処理性能やグラフィックス性能が飛躍的に向上したことを受け、本物の運転席に座っているような臨場感で楽しめるようにした。グラフィックスは、数多くのゲームでグラフィックスを手がけるスクウェア・エニックスの専門部署が監修する。運転台に搭載するマスコン(=マスター・コントローラー、出力・速度を遠隔制御するスイッチ装置)や警笛ペダルは、実際の鉄道車両で使われているものと形状や操作性を近づけ、操作の面でもリアル感を追求した。当初は、東京の山手線が運転できるが、アップデートで路線や鉄道車両を増やしていく予定。
新しい取り組みとして注目できるのが、プレー料金に柔軟性を持たせることだ。開発責任者を務めるタイトーの川島健太郎氏は「一律に1プレー100円や200円といった料金体系ではなく、定期券のように一定期間はコインなしでプレーできる、といった柔軟な料金体系も検討している」と述べた。携帯キャリア決済での支払いが可能になれば、プレーヤーの裾野が広がりそうだ。
同名のスマホ用ゲームアプリも用意する。ゲーム内容はパズルで電車運転とはまったく関係ないが、スマホとアーケードゲームの連携機能を持たせるという。連携の内容は未定とのことだが、アプリで好成績を残すと1ゲーム無料などの特典が用意され、アミューズメント施設への誘導を図る可能性もある。
「復活してほしいアーケードゲーム」のアンケートで常に1位を獲得してきたという名作「電車でGO!」。知名度の高いビッグタイトルが満を持して復活し、料金面でもプレーしやすくなる工夫が盛り込まれるとみられ、低迷に苦しむアミューズメント施設の復活を狙う。
(文/磯 修=日経トレンディネット)
登録会員記事(月150本程度)が閲覧できるほか、会員限定の機能・サービスを利用できます。
※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。