子どもだけでなくビジネスパーソンも夢中にさせた電車運転シミュレーションゲーム「電車でGO!」が十数年ぶりに復活する。

 タイトーは2016年8月8日、アミューズメント施設向けのアーケードゲームの新製品「電車でGO!!」を発表した。正面に3つの大型ディスプレイを設けて実写さながらのリアルなグラフィックスが表示できるようにし、本格感を高めた。稼働開始は、電車でGO!シリーズが20周年を迎える2017年春の予定。

アーケードゲームの新製品「電車でGO!!」は、3枚の大型ディスプレイに表示される精細なグラフィックスと本物を模した運転台により、リアルさを徹底的に追求した
アーケードゲームの新製品「電車でGO!!」は、3枚の大型ディスプレイに表示される精細なグラフィックスと本物を模した運転台により、リアルさを徹底的に追求した
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電車でGO!!のきょう体は、電車の運転台を切り取ったようなデザインを採用する。本体の幅は260cmもあり、300cmほどある実際の車両に迫るサイズだ
電車でGO!!のきょう体は、電車の運転台を切り取ったようなデザインを採用する。本体の幅は260cmもあり、300cmほどある実際の車両に迫るサイズだ
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運転席には座席は1つしかないが、左右のスペースは空いており、子どもや友だちと一緒に楽しめるよう工夫した
運転席には座席は1つしかないが、左右のスペースは空いており、子どもや友だちと一緒に楽しめるよう工夫した
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運転台は仕上げを実物に近づけているだけでなく、マスコンは形状や操作感も実物に近づけたという
運転台は仕上げを実物に近づけているだけでなく、マスコンは形状や操作感も実物に近づけたという
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運転席の正面には20型のタッチパネル式ディスプレイを搭載し、さまざまな情報を表示する
運転席の正面には20型のタッチパネル式ディスプレイを搭載し、さまざまな情報を表示する
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 旧作が登場した当時と比べてゲーム機の処理性能やグラフィックス性能が飛躍的に向上したことを受け、本物の運転席に座っているような臨場感で楽しめるようにした。グラフィックスは、数多くのゲームでグラフィックスを手がけるスクウェア・エニックスの専門部署が監修する。運転台に搭載するマスコン(=マスター・コントローラー、出力・速度を遠隔制御するスイッチ装置)や警笛ペダルは、実際の鉄道車両で使われているものと形状や操作性を近づけ、操作の面でもリアル感を追求した。当初は、東京の山手線が運転できるが、アップデートで路線や鉄道車両を増やしていく予定。

グラフィックスは、家庭用ゲーム機やパソコン用ゲームで実績のあるスクウェア・エニックスの専門部署が監修した
グラフィックスは、家庭用ゲーム機やパソコン用ゲームで実績のあるスクウェア・エニックスの専門部署が監修した
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ゲーム画面の一例。実写のキャプチャーかと思うリアルさだが、すべてCGで作られている
ゲーム画面の一例。実写のキャプチャーかと思うリアルさだが、すべてCGで作られている
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 新しい取り組みとして注目できるのが、プレー料金に柔軟性を持たせることだ。開発責任者を務めるタイトーの川島健太郎氏は「一律に1プレー100円や200円といった料金体系ではなく、定期券のように一定期間はコインなしでプレーできる、といった柔軟な料金体系も検討している」と述べた。携帯キャリア決済での支払いが可能になれば、プレーヤーの裾野が広がりそうだ。

 同名のスマホ用ゲームアプリも用意する。ゲーム内容はパズルで電車運転とはまったく関係ないが、スマホとアーケードゲームの連携機能を持たせるという。連携の内容は未定とのことだが、アプリで好成績を残すと1ゲーム無料などの特典が用意され、アミューズメント施設への誘導を図る可能性もある。

当初は山手線のみが遊べるが、アップデートにより路線や車両が追加される予定だ
当初は山手線のみが遊べるが、アップデートにより路線や車両が追加される予定だ
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スマホ用アプリも用意する。ゲーム内容は本編とまったく関係がないが、アーケード版との連動機能を用意するという
スマホ用アプリも用意する。ゲーム内容は本編とまったく関係がないが、アーケード版との連動機能を用意するという
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 「復活してほしいアーケードゲーム」のアンケートで常に1位を獲得してきたという名作「電車でGO!」。知名度の高いビッグタイトルが満を持して復活し、料金面でもプレーしやすくなる工夫が盛り込まれるとみられ、低迷に苦しむアミューズメント施設の復活を狙う。

(文/磯 修=日経トレンディネット

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