破竹の勢いで成長を遂げてきた中国経済が曲がり角を迎えつつある。不動産市場の低迷に加えて、雇用の悪化、外資の流出など、経済面での課題が山積。米中対立にも収束の気配が見えない。世界2位の経済大国はどこに向かうのか。上海支局長が現地の最新動向をお伝えする。(写真:PIXTA)
シリーズ
佐伯真也が見る中国経済の今

107回

トランプ関税104%も「断固として対抗措置」 中国、強硬姿勢の勝算
中国が「トランプ関税」に徹底抗戦の構えを見せている。米国が中国に合計100%超の追加関税を打ち出すも、中国は対抗措置を示唆する。国内経済のテコ入れと米国依存からの脱却を加速することで、影響を最小限に食い止める考えと見られる。米国は中国からの迂回輸出が指摘されている東南アジアにも相…

アップルCEOも熱視線 DeepSeekなど新興AI企業に沸く中国杭州
米アップルのティム・クックCEOが3月下旬に中国を訪問。中国政府に加えて訪れたのが杭州市だった。同市はDeepSeekなど新興テック企業が勃興し、6社は「杭州六小竜」と呼ばれ注目を集める。中国経済が低迷する中、再成長のけん引役になる可能性を秘める。

ファーウェイが支援 中国「謎の半導体装置メーカー」の衝撃
中国で開催された世界最大級の半導体展示会で、中国新興製造装置メーカーが注目を集めた。設立わずか4年で多種多様な装置を披露、ファーウェイが積極的に支援する、米中対立が深まる中、中国半導体の台風の目になる可能性を秘める。

米中の関税合戦が泥沼化 中国の経済成長率「5%前後」に暗雲
中国政府は3月10日、米国産農作物などに最大15%の追加関税を発動した。中国による米国への報復関税は2度目。米国がさらに関税を引き上げる可能性もあり、中国も対抗措置を示唆する。だが、過度な報復関税は中国国内の景気低迷につながる可能性があり、2025年の経済成長率目標である「5%前…

BYD、165万円EVに自動運転機能 乱立中国勢の淘汰加速へ
中国自動車大手のBYDが追加費用なしで先進運転支援システムを搭載していく方針を打ち出した。自動運転技術の価格破壊でシェアのさらなる拡大を狙う。中国の新興電気自動車(EV)メーカーが値下げを余儀なくされかねない。足元では中国新興EVメーカーの事業撤退が相次ぐ中、今回の価格破壊で淘汰…

春節商戦の中国で「ロシア商品ブーム」 実は中国・ベトナム産も
春節(旧正月)を目前に控えた中国で「ロシア特産品」を取り扱う店舗が急増している。ウクライナ紛争を機にした、ロシア商品の輸入拡大が背景にありそうだ。一方で産地偽装の指摘もあり、中国当局が取り締まる動きも出ている。

海外展開でBYDに遅れ 中国EV「Zeekr」が吉利グループ再編で100万台へ
躍進を遂げた新興EVブランド「Zeekr」だが、2025年も勢いが続くかは未知数だ。中国で価格競争が激化する中、吉利グループの再編で若者向けブランド「Lynk&Co」を傘下に置く一手を打ち出した。日本を含む国外展開も加速する。2026年に販売台数100万台を目指す。

テスラ・BYD追撃 世界EVトップ10入り、中国新興EV「Zeekr」の3つの強さ
中国市場で躍進の新興電気自動車(EV)ブランド「Zeekr」を支える強みは大きく3つある。「ギガキャスト」など最先端技術をどん欲に導入し、吉利グループが持つ資産をフル活用する。外部からの人材招へいも積極的だ。

ギガキャストで先行、中国新興EV「Zeekr」の最新工場に潜入
Zeekr(ジーカー)は中国吉利グループの高級EVブランドとして2021年に誕生した。わずか4年足らずでEVの世界トップ10入りを果たした。25年には日本へ進出する。主力工場では、アルミ鋳造で一体成型する「ギガキャスト」が導入されていた。

ファーウェイ、新型スマホの半導体は7ナノ止まり 米規制の打撃じわり
中国の華為技術(ファーウェイ)が発売した旗艦スマホは、OS(基本ソフト)が刷新された一方で、搭載する半導体の微細加工技術は従来通りで進歩が見られない。中国政府は米規制に対して対抗策を打ち出すが、その効果は限定的になりそうだ。半導体技術開発を巡る中国側の焦りが透けて見える。

バンダイナムコ、景気悪化でも中国に照準 「ガンダム」など日本アニメ空前のブームに
バンダイナムコが上海で日本アニメの体験イベントを開催した。景気が低迷する中国だがアニメなど日本のIP(知的財産)は大人気で、「空前のブーム」に。今後も右肩上がりの成長が期待される中、中国地場のIPも台頭しており、競争は過熱しそうだ。

中国、日本人の短期ビザ免除を再開 経済低迷とトランプで方針転換
中国政府は日本人が訪中する際の短期滞在ビザの免除措置を再開すると発表した。これまで「相互主義」を主張し議論は平行線をたどっていたが、経済低迷と米トランプ政権発足で中国が方針転換したもようだ。

アウディ、中国で新ブランド投入 EV市場で日欧勢巻き返しへ
中国3大モーターショーの1つである「広州モーターショー」が開幕した。アウディが中国で新ブランド「AUDI」を立ち上げる一方で、日本勢も中国企業との提携を加速するなどEVでの巻き返しへ動く。中国小米(シャオミ)などは地図不要の自動運転技術を発表してさらなる一手を打ち出した。日欧企業…

景気回復なき中国を憂う 柯隆氏「凄惨な事件は今後も起きる」
国内外で問題が山積する中国。米中対立が深刻化する中、中国国内では不動産不況に終わりは見えず、景気低迷が長引いている。今後、中国の政治・経済はどうなるのか。東京財団政策研究所の柯隆・主席研究員に聞いた。

中国SDV研究者「日本の自動車メーカーは箱・自社技術ありきになりがち」
中国で次世代車SDV(ソフトウエア定義者)の開発が進んでいる。新興EVメーカーらの特徴や強みについて、現地事情に詳しい識者2人に聞いた。

スタバ半額、地元企業は1杯130円 中国コーヒーの勝者なき戦い
スターバックス中国法人が値引きキャンペーンを加速している。景気低迷と中国企業の台頭で競争が激化。値下げを余儀なくされており、ブランド力低下の懸念もある。足元では地場企業が130円のカフェオレを投入しており、勝者不在になる可能性もある。

「自動運転は米中で劇的進化、日本単独は難しい」伊藤忠総研・深尾氏
世界でSDV(ソフトウエア定義者)を巡る開発競争が激化している。自動運転技術を磨く米中の実力や、そのなかで日本の自動車産業が進むべき道とは。伊藤忠総研の深尾三四郎エグゼクティブ・フェローに聞いた。

BYD・ファーウェイが大型提携 日本勢はSDV開発に踏み込み不足
中国では自動運転の競争激化で、ライバル2社が提携に踏み切った。トヨタ自動車やホンダなどSDVで出遅れた日本勢も巨額投資で巻き返しを急ぐ。ソフトで稼ぐ発想への転換には、痛みを伴う覚悟が必要だ。

中国Zeekr幹部「EV開発者の7割がソフト人材」 2025年日本進出
激しい価格競争を繰り広げられる中国の電気自動車(EV)市場。その中で存在感を高めているのが、浙江吉利控股集団の傘下ブランド「Zeekr(ジーカー)」だ。2024年1~9月の販売台数は14万台を超え前年同期比で8割増えた。SDV時代におけるソフトウエアの重要性や日本進出に向けた取り…

残業月100時間も 中国新興EV、日米欧突き放す「モーレツ」社員たち
中国新興勢の開発力を支えるのは、エンジニアが猛烈に働く企業文化だ。大量のソフト人材を雇い、ソフトウエア定義車(SDV)開発に注力する。その成果として、知財分析からは自動運転や通信技術で追い上げる中国勢の強みが浮かび上がった。
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