「弥勒」
「弥勒」(篠田節子)は篠田さんのテーマである宗教と人間の関係を追及した物語。ここでは革命軍が運営するキャンプでの日常がドラマチックに描かれる。この国に住む誰もが幸せになれる国を目指して、既成の階級制度を破壊するいくつかの試みがなされるが、果たしてそれは可能か?底辺で搾取されてきた人たちが等しく幸せになれる道はあるのか? さまざまな問題が提起されるが、答えは読む人それぞれにあるということかもしれない。
<ヒマラヤの小国・パスキムは、独自の仏教美術に彩られた美しい王国だ。新聞社社員・永岡英彰は、政変で国交を断絶したパスキムに単身で潜入を試みるが、そこで目にしたものは虐殺された僧侶たちの姿だった。そして永岡も革命軍に捕らわれ、想像を絶する生活が始まった。救いとは何かを問う渾身の超大作。>
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