偏読老人の読書ノート

すぐ忘れるので、忘れても良いようにメモ代わりのブログです。

「狸穴あいあい坂」シリーズを読んで

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「狸穴あいあい坂」(諸田玲子)は、かつて火盗改与力として腕をふるっていた祖父をもつ孫娘のまわりで起きる事件と恋の8つの連作短編集。「お鳥見女房」シリーズは家族愛が中心だが、こちらは孫娘の恋が中心でその分だけスリリングな展開で読ませる。シリーズ化されているようで、次作が楽しみ。

<結寿は、十七の娘盛り。元火盗改の祖父と麻布狸穴で暮らしている。新春、ムジナを探す八丁堀同心・妻木と出会う。精悍だがどこか飄然とした佇まいに、ほのかな恋心を抱く結寿。だが、火盗改方と同心は、手柄を競い合う仇敵関係だ。その頃、夜道で金品を奪う“ムジナ”が出没し…。二人は、祖父に内緒で、狸穴界隈で起こる不思議な事件の謎を解いていく。恋と捕り物の行方を温かな人情のなかに描く連作時代小説。>

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「狸穴あいあい坂 恋かたみ」はシリーズ二作目。火盗改方与力の娘結寿と町方隠密同心との恋はあっけなく終わり、結寿は同じ火盗改方与力の妻になる。このまま幾多の難関を越え恋が成就すると思って読んでいたのでちょっと肩透かし。ま、この時代、武家の娘に自由な恋愛などなかったのだろうから、これはこれで良いのだろうが、シリーズ物としてはどうなのだろう。

変わらぬ宿命、駆け落ち覚悟か!?火盗改方与力の娘・結寿と町方同心・妻木道三郎。ままならぬ想いを秘め、麻布狸穴界隈に起きる武家の、町家の、幸不幸を浮き彫りにした事件に立ち向かう。恋と事件の連作時代小説。>

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