偏読老人の読書ノート

すぐ忘れるので、忘れても良いようにメモ代わりのブログです。

「震える牛」


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 「震える牛」(相場英雄)は警察小説だが経済小説だとも言える。「震える牛」(BSE)を題材に大手SCの出店による地方商店街の疲弊を並行して描きながら、二年前に発生した居酒屋強盗事件の謎を腕利き刑事が解明してゆく。ただ、犯人がひ弱に見えてとても殺人など冒せないようにしか見えないのが残念。

 <警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている「中野駅前居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。当時の捜査本部は、殺害された二人に面識がなかったことから、犯人を金目当ての不良外国人に絞り込んでいた。しかしメモ魔の異名を持つ田川は関係者の証言を再度積み重ねることで、新たな容疑者をあぶりだす。事件には、大手SCの地方進出に伴う地元商店街の苦境、加工食品の安全が大きく関連していた>

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